今日の中国ニュース(2021年2月2日分)

日本の新作アニメ中国14年ぶり放送へ コロナ啓発作品 対策の一環か|【西日本新聞ニュース】坂本信博
 「へえ?」ですね。
 明らかに「ドラえもん」「名探偵コナン」など「新作アニメ映画の公開」はされてるのにねえ。記事の指摘が事実なら意外です。

 日本の新作アニメのテレビ放送が2007年から途絶えている中国で、2月中旬から日本の人気アニメ「はたらく細胞」の放送が決定し、中国のアニメファンの間で話題になっている。擬人化した細胞の視点から身体の仕組みを伝える作品で、新型コロナウイルスへの意識啓発の狙いがあるとみられる。14年ぶりの新作解禁の背景には、対日関係の改善を進める中国政府の姿勢もうかがえる。
 「はたらく細胞*1」は清水茜さんの漫画が原作。酸素を全身に運ぶ赤血球、細菌やウイルスと闘う白血球などの細胞をキャラクターに見立て、「命を守る闘い」を描く。中国国営中央テレビによると、日本で2018年に放送された第1シリーズを2月13日から、同局の映画チャンネルで放送するという。日本では現在、RKB毎日放送などで第2シリーズが放送中だ。
 中国のテレビ業界に詳しい関係者によると、(ボーガス注:日本の)日本アニメのテレビ放送は2007年の「名探偵コナン」が最後。2012年の沖縄県尖閣諸島の国有化を巡って日中関係が悪化したこともあり、当局が新たなコンテンツの認可を下ろさず、2007年以前の作品が再放送される状態が続いていた。
 今回は春節旧正月)の大型連休中の放送開始で、関係者は「新型コロナ対策の一環で、体や免疫への理解を市民に促す狙いもあるのではないか」と話す。
 中国の会員制交流サイト(SNS)では、14年ぶりの新作解禁を歓迎する投稿が相次ぎ「『鬼滅の刃』も放送して」と、日本アニメの全面解禁に期待する声が上がっている。

日本では現在、RKB毎日放送などで第2シリーズが放送中だ。

として「RKB毎日(福岡に本社がある)」の名前を出す点が西日本新聞(福岡に本社がある)らしいですが、埼玉在住の小生にとってはむしろ「東京MX」「BS11*2(日本BS放送ビックカメラが大株主)」「アニメシアターX(アニメ専門のCS放送テレビ東京が大株主)」「群馬テレビ」「とちぎテレビ」ですね(はたらく細胞 - Wikipedia参照)。残念ながらテレビ埼玉では放送されてないようです。 
 はたらく細胞 - Wikipediaを見れば分かりますが放送局は「北海道放送」「東京MX」「群馬テレビ」「とちぎテレビ」「テレビ愛知」「毎日放送(大阪)」「RKB毎日放送(福岡県)」とローカル局ばかりで、全国で視聴可能な「アベマTV、ニコニコ動画などのネット配信」「BS11」「アニメシアターX(アニメ専門のCS放送)」は別ですが全国の地上波テレビ局で放送されてるわけでもありません。BS、CS放送やネット配信を見られない環境の方は「はたらく細胞」を見られない地域(例えば東北地方や中国地方がそうか?)があります。
 さて

関係者は「新型コロナ対策の一環で、体や免疫への理解を市民に促す狙いもあるのではないか」と話す。

ということで「(対日関係改善の意思が)うかがえる」「(新型コロナウイルスへの意識啓発の狙いがあると)みられる」について「正体不明」の「中国のテレビ業界に詳しい関係者」の「個人的感想」以外に何の具体的根拠も提出されない辺り「西日本新聞よ、お前の勝手な思い込みと違うんかい?」ですね。
1)そもそも「はたらく細胞」が放送されてる日本において、あの漫画は別に「新型コロナウイルスへの意識啓発の狙いがある」わけじゃないですしねえ。
2)そもそも対日関係改善の意思なら「李克強首相北海道訪問(2018年5月)」などで既に示されてると思いますが。また、「はたらく細胞」て日本において「ドラえもんテレビ朝日で放送中、劇場版アニメも人気)」「名探偵コナン日本テレビで放送中、劇場版アニメも人気)」「鬼滅の刃(劇場版アニメが大ヒット)」「ジブリアニメ」ほどの「アニメファンではない大人も知ってる有名作品」でもありませんしねえ(そう言う意味で中国の地上波で放送したところで、対日関係改善の意思表明としての意味なんかどれほどあるのか?)。
3)かつ「地上波テレビでの新作日本アニメ放映」は14年ぶりだとしても「地上派テレビでの旧作日本アニメ放映」「新作日本アニメ映画(ドラえもん名探偵コナンなど)の上映」「ビリビリ動画での新作日本アニメ配信([B! 中国] 日本の新作アニメ中国14年ぶり放送へ コロナ啓発作品 対策の一環か|【西日本新聞ニュース】で指摘がありますがビリビリでは既に『はたらく細胞』配信がされており、ビリビリでの人気で地上波放送になったのでは無いかとのこと)」ならあるわけですしねえ。


【産経抄】2月2日 - 産経ニュース

 軍政時代のミャンマーと蜜月関係にあった中国が今回のクーデターに関与しているのか不明である。

 吹き出しました。関与してると疑う根拠もないのによくもこんなことが書けたもんです。まあ、現時点では中国はミャンマー軍批判を避けてるようですが。

 米国とオーストラリアは、いち早くスー・チー氏らの解放を求める声明を出した。親日国として知られるミャンマーに日本は巨額の援助を行ってきた。民主主義の深刻な危機に、日本が強いメッセージを発するのは当然である。

 吹き出しました。「軍政時代においても巨額の援助を行ってきた」日本に「ミャンマー軍批判を期待する」とは何の冗談でしょうか?。これが「過去のミャンマー軍政への巨額援助の過ちを日本政府は二度と犯すな*3」ならまだわかりますが。


【主張】ミャンマー情勢 軍はただちに兵舎へ帰れ - 産経ニュース

 中国はこれを機にミャンマーへ接近しかねない。中国にとりミャンマーはインド洋の出入り口となる。日本が重視する「自由で開かれたインド太平洋」にとって、ミャンマーが中国の影響下に入ることは望ましくない。

 反中国の産経らしいですが「ミャンマー民主化ってそう言う話じゃねえだろ」ですね。

 日本の東南アジア外交は、人権問題などで欧米諸国ほど厳格な姿勢をとってこなかった。
 問題のある国*4を突き放して中国に取り込まれてはいけないとの思惑があった。

 いやいやそんな思惑では無く「単に金儲け」なんですが。何せ1970~1980年代には「アパルトヘイト南ア」とすらレアアースなどを目当てに付き合い続け、あげく「名誉白人」称号をもらい、1988年の国連総会では日本非難決議が可決された国ですので。

 政府は外相談話で求めたスー・チー氏らの解放と民主的な体制の早期回復の実現に向け、全力を尽くすべきである。

 北朝鮮相手とは違いここで「ミャンマー経済制裁を!」などと言わない点が実に産経らしい。

*1:月刊少年シリウス』(講談社)2015年3月号から2021年3月号まで連載された。(はたらく細胞 - Wikipedia参照)

*2:日本BS放送 - Wikipediaで知りましたが「理論社灰谷健次郎兎の眼』のヒットで知られる)」と「国土社」が経営破綻し、現在は日本BS放送の子会社とのこと。

*3:産経は中国関係では「天安門事件にもかかわらず巨額援助をしたのは間違いだった」と良く言うのに、中国とミャンマーの扱いの違いには吹き出します。

*4:タイやカンボジアなどのことか?