今日の中国ニュース(2021年6月24日分)(副題:楊海英の馬鹿さに心底呆れる)

「中国の民族弾圧、日本無関係でない」 神戸「正論」懇話会で楊海英氏 - 産経ニュース
 もちろん「日本人が被害を受けるかどうか」と言う意味では「日本は無関係」です。これは何も「中国の民族問題」に限らない。
 「英国(北アイルランドなど)」「スペイン(カタルーニャなど)」「トルコ(クルド)」「ミャンマーロヒンギャ)」など全て日本は関係ない。しかし、日本にもアイヌ問題があるのに産経らウヨもよくも恥知らずに自分を棚上げして中国非難できるもんです(呆)。


「月給9万円」低賃金放置 アニメ産業、中国に人材流出: 日本経済新聞

 こぎれいなフロア内で数人の日本人アニメーターがタブレット画面に向かって、中国向けのアニメやゲーム動画を描いていた。東京都町田市のオフィスビルの5階。ネット大手、テンセント傘下の閲文集団(チャイナ・リテラチャー)が出資するアニメスタジオ「彩色鉛筆動漫(カラーペンシル・アニメーション)」(中国・重慶)の日本拠点だ。
 アニメーターが中国の企業に流出している。
「2年以上の3Dアニメ制作経験者、月給2万~4万元(約34万~68万円)」。
 中国の求人サイトでは都市部でこんな募集が目立つ。「優秀な人材は年収1千万円超」とアニメ関係者は言う。
 「風の谷のナウシカ」「鬼滅の刃」。
 日本アニメへの世界の高い評価とは裏腹にアニメーターの待遇は劣悪だ。日本アニメーター・演出協会(東京・千代田)の調査では年収が400万円以下との回答が54.7%にのぼる。日本の民間企業の平均(436万円、国税庁調べ)を下回る。
 協会に非加盟の中小・零細の制作会社のアニメーターはもっと悲惨だ。「若手は月給9万円、生活できず入社3年以内に9割が離職する」とNPO法人、アニメーター支援機構の菅原潤代表理事は指摘する。
 低賃金構造を放置してきたアニメ産業は氷山の一角だ。

 以前もこうした「没落する日本アニメ、勃興する中国アニメ」という記事はネット掲載されていますが、改めて紹介しておきます。


革命を題材にしたドラマ「覚醒年代」と「叛逆者」に若者たちが夢中なるワケは?--人民網日本語版--人民日報
 今年で「中国共産党創立100年」ということでこうしたドラマが作られるわけです。
 「覚醒年代」ですが『覚醒年代』その1 - 博客 金烏工房『覚醒年代』その2 - 博客 金烏工房『覚醒年代』その3 - 博客 金烏工房『覚醒年代』その4(完) - 博客 金烏工房によれば

李大釗 - Wikipedia
 1888~1927年。中国共産党中央委員。1927年に張作霖によって絞首刑に処された。1983年に李大釗烈士陵園が設置された。
陳独秀 - Wikipedia
 1879~1942年。中国共産党初代総書記。後に党を離れトロツキー派になったことで長く忘れ去られた存在だったが、近年再評価が進んでいる。
毛沢東
 1893~1976年。中国共産党主席
周恩来
 1898~1976年。中国首相
魯迅
 1881~1936年。作家。著書『阿Q正伝狂人日記 他十二篇』(岩波文庫) 、『阿Q正伝・藤野先生』(講談社文芸文庫)、『故郷/阿Q正伝』、『酒楼にて/非攻』(以上、光文社古典新訳文庫)、『中国小説史略』(ちくま学芸文庫)

等が出てくるそうです。興味深いのは上記ブログ記事を信じれば『新文化運動、54運動から話が始まり、中国共産党結党で話が終わる』、つまり『トロツキストとしての陳独秀』が描かれてないとは言え、陳独秀について「否定的でない」ということですね(というか、陳独秀が主役らしい)。以前は「ほとんど忘れ去られた存在だった陳独秀(例えるなら、『日本共産党における徳田球一』『安倍自民における自民党リベラル(石橋湛山*1宇都宮徳馬、藤山愛一郎*2松村謙三*3、水田三喜男*4など)』的存在か?)が再評価」ということで、「過大評価は禁物とは言え」、中国も「それなりに良い方向に変化してる」のであって、「リンゴ日報ガー」など「否定面」オンリーで話をするのはやはり、まずすぎでしょう。
 上記ブログ記事も『中国共産党のルーツの一つとは言え、共産主義運動ではない新文化運動や54運動』『毛沢東が実権を握る前の共産党』が描かれてるため「それほど政治色は強くなく、それなりに面白く勉強になる」という趣旨のことを書いています。
 このように『覚醒年代』が実在の人物が出てきて、比較的史実に忠実なNHK大河ドラマ』路線なのに対し、『叛逆者』は

国営テレビが新作ドラマの「期待度」ユーザー投票、チュー・イーロン主演「叛逆者」が第1位
 第二次大戦下の上海を舞台に、汪兆銘政権を支えるスパイ活動を行う特務が、国民党内での混乱などが原因で少しずつ共産党へ傾倒し、新中国成立の柱となっていく姿を描く

ということでよりフィクション性、娯楽性が強いようです。


◆楊のツイート

楊海英*5
 一つの新聞社を潰してしまう!これは、日本や世界では考えられない事だが、中国は普通にしてきた。日本の新聞社も決して安泰ではない

 吹き出しました。「政府が新聞を潰さないにせよ圧力をかける」なんてことは過去にも「米国のペンタゴンペーパーズ事件」、「日本の白虹事件(戦前)、西山事件(戦後)」など日本でも世界でもいろいろあるのにこの馬鹿は何をほざいてるのか。

楊海英
 香港が大陸中国を変える。民主化させる。これは、香港が中国に返還された後の香港人と日本人の見方だった。

 いや、そんな見方は誰もしてなかったでしょう。せいぜい「そうなればいいな」「そうなるように(香港人に)頑張ってほしい」程度の話でしかない。
 問題は「中国の領土をいつまでも英国が植民地支配して良いのか」と言う話です。
 「米国から日本への小笠原や沖縄の返還」などと意味は変わらない。

楊海英
 蒋介石夫妻はパンダを米国に贈って、抗日への世論好転と支持獲得した。日本は当時「媚態」と表現。今、日本の方が習近平に媚態で、米国は武漢肺炎*6追究。世の移り変わりも面白い。

 当たり前ですが「蒋介石と米国」においても「国交正常化以降の日中」においても「パンダ」は「友好ムード作り」に使われたとはいえパンダ「だけ」で「友好関係になった」わけではない。楊の馬鹿さにはいつもながら呆れます。

*1:自民党石橋派ボス。吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相などを経て首相

*2:自民党藤山派ボス。岸内閣外相、池田、佐藤内閣経済企画庁長官、自民党総務会長(池田総裁時代)など歴任

*3:自民党松村派ボス。東久邇宮内閣厚生相、幣原内閣農林相、鳩山内閣文相など歴任。

*4:自民党水田派ボス。自民党政調会長(鳩山、佐藤、田中総裁時代)、石橋、岸内閣通産相、池田、佐藤内閣蔵相など歴任。城西大学創立者

*5:静岡大学教授。著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『ユーラシア草原からのメッセージ:遊牧研究の最前線』(共著、2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)、『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋→後に『モンゴル騎兵の現代史:チベットに舞う日本刀』と改題した上で、2020年、中公文庫)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『フロンティアと国際社会の中国文化大革命: いまなお中国と世界を呪縛する50年前の歴史』(共著、2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)、『中国人の少数民族根絶計画』(2019年、産経NF文庫)、『モンゴル最後の王女:文化大革命を生き抜いたチンギス・ハーンの末裔』(共著、2019年、草思社文庫)、『独裁の中国現代史:毛沢東から習近平まで』(2019年、文春新書)、『逆転の大中国史』(2019年、文春文庫) 、『中国が世界を動かした「1968」』(共著、2019年、藤原書店)、『世界を不幸にする植民地主義国家・中国』(2020年、徳間書店)、『モンゴルの親族組織と政治祭祀』(2020年、風響社)、『内モンゴル紛争:危機の民族地政学』(2021年、ちくま新書)、『紅衛兵とモンゴル人大虐殺:草原の文化大革命』(2021年、筑摩選書)など

*6:いい加減「新型コロナ」と呼んだらどうなのか。