今日の朝鮮・韓国ニュース(2021年2月21日分)

◆韓流ブーム色々

不時着から悪霊まで…第4次韓流ブーム率いる「スタジオドラゴン」はなぜ強い? | 毎日新聞
 第4次韓流ブームの勢いは2021年も止まりそうにない。昨年大ヒットしたドラマ「愛の不時着」を機に、韓国ドラマを見始めたという人が大勢いた。実は記者もその一人だ。話題になった他の作品を見ていくと、その多くがソウル市に拠点を置く2016年設立の制作会社「スタジオドラゴン」が手がけたものであることに気づく。
 (ボーガス注:「愛の不時着」を)制作したスタジオドラゴンは、映画「パラサイト 半地下の家族」に出資したサムスン財閥系総合エンターテインメント企業CJENMの子会社だ。
 その創作面で注目すべき点は、同社と専属契約を結ぶクリエーターの面々である。同社は約230人もの人材を抱え、そこには韓国を代表するエース級の脚本家たちがずらりと名を連ねているのだ。
 例えば「愛の不時着」を書いたパク・ジウン氏は、宇宙人と女優の恋愛を描いたドラマ「星から来たあなた」を手がけた。「トッケビ」を書いたキム・ウンスク氏はスタントウーマンと財閥の御曹司の魂が入れ替わるラブコメ「シークレット・ガーデン」といったヒット作を世に送り出してきた。日本でも親しまれた時代劇「宮廷女官チャングムの誓い」で知られるキム・ヨンヒョン氏も所属している。日本に例えるなら、(ボーガス注:人気脚本家)三谷幸喜*1中園ミホ*2古沢良太*3を一つの制作会社が擁するようなものだろう。
(この記事は有料記事です。)

BTS、愛の不時着…韓流の力に驚く専門家 中に危うさ:朝日新聞デジタル
 昨今の日韓関係は「徴用工」や「慰安婦」問題をめぐり最悪ですが、一方で韓国の大衆文化には強い関心が寄せられています。昨年はドラマ「愛の不時着」が大ヒット、BTSをはじめとするKポップや化粧品、食文化の人気も衰えを知りません。このアンバランス、どう考えたらいいの?。社会学者で日韓の若者文化に詳しい常葉(とこは)大学の福島みのり准教授に聞きました。
◆福島
 日本の大学で韓国語を学ぶ学生が増えています。中高生のときからユーチューブでアイドルたちを見ていて、入学前にハングルの読み書きができる学生はたくさんいます。1990年代に私が大学生だったころは、同学年80人のうち韓国語を学んだのは3人だけ。知り合いから、「なぜ?」と不思議がられました。私自身も、「言葉をマスターして日韓の友好に尽くさなければ」と、いつの間にか使命感を持つようになっていました。
 今の若者たちにとって、ハングルはかわいくておしゃれな存在。「好きなアイドルがたまたま韓国人だった。だから言葉も知りたい」と何の気負いもありません。
 私はこうした流れを肯定的に見ているものの、手放しでは喜べません。よく言われることですが、日本の高校までの教育では、近現代史がおろそかにされ、新入生は日本が朝鮮半島を植民地支配した歴史についての知識がほとんどありません。だから、あこがれの芸能人が少しでも日本に批判的な発言をすると、「反日だ」となって、いっぺんに冷めてしまう危うさもあります。
 そこからもう一歩、進んで、自由な立場で考える力をつけてほしい。そんなことを考えながら若者たちと向き合っています。
《取材記者のひとこと》
 米国が嫌いでも、ハリウッド映画が好きな人は珍しくありません。コンテンツが人をひきつけるのです。韓国文化にも、同じことが言えるようになってきました。ネットで見たいものが見られる時代。「韓国人は○○だ」という決めつけは、次第に成り立たなくなるのではないでしょうか。(桜井泉)

韓流ドラマであこがれの味「韓国風フライドチキン」って? 本場チェーン「ネネチキン」で食べてみた|まいどなニュース
 大阪・道頓堀に韓国風フライドチキン店「NENE CHICKEN(ネネチキン)道頓堀店」が、2021年2月5日にオープンした。
 ネネチキンは韓国では約1200もの店舗数を誇る業界ナンバーワンチェーン。大阪では鶴橋についで2店舗目の出店となる。
 このところ日本は第4次韓流ブームと呼ばれる韓流ブームの真っただ中。若者たちが夢を追ってチキン店を開店する「最高のチキン~夢を叶える恋の味~」(BS‐TBS)なんてドラマもあったが、韓流ドラマに頻繁に登場する韓国風フライドチキンに対する関心の高まりが出店の決め手になったようだ。

顔が映える?1か月待ち「血色マスク」とは(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース
 ブームの兆しをみせているのが、くちばしのように口元に空間ができる不織布マスク
 街の人は。
 「やっぱり息のしやすさ」「ここ(口元)が結構浮いているからお化粧はつきづらいです」
 東京・新大久保のお店では、次々とお客さんが購入しています。
 韓流ショップモイザ・小林由季さん「韓国で人気が出て。日本だとなかなか手に入らないので」
 実はこれ、韓国でブームを巻き起こしているという、コリア・フィルターマスク、略して“KFマスク”です。この会社では15日、およそ2万個を韓国から輸入。息がしやすくリップもつきにくいと、既に異例の売れ行きになっているといいます。

フジテレビ女性の悩みに応える“韓流マスク” メイク崩れ防止と小顔効果で大人気(「イット!」2月19日放送分より)
 東京・新大久保で多く見かける、立体的な形が特徴のKF(コリアフィルター)マスク。
 韓国の国内規格を満たした、政府推奨不織布マスクだ。
K-POPファン歴10年の40代女性:
 『インスタとかでK-POPの人たちが使っていた。』
 女性から支持されるポイントが「口紅がつきにくい」ことと「小顔効果」。
 立体的な形でマスク内に空間ができ、マスクと口元が直接触れないことや、あごのラインにマチがあることで小顔効果も期待できるようだ。
石本沙織キャスター:
『実際に使ってみると口の周りにすごく空洞があって喋りやすく、息がしやすいですね。あごのラインもフィットしているので安心感もあるし、接地面積が少ないのでメイク崩れがしにくい。今後まだ付き合っていかなきゃいけないので、快適なマスクが増えるといいと思います。』
加藤綾子キャスター:
『息を吸うとマスクがペコペコしちゃう時あるじゃないですか。それが気になってたんですけどこれはなさそう。本当にマスクはいろいろ進化してますよね。』

 コメントなしで紹介しておきます。


「日帝、韓国併合8年前の1902年に『歴史侵略』完了」-Chosun online 朝鮮日報

 日帝が1902年、歴史教科書の体制を「日本史」「東洋史」「西洋史」の3史分科とした際、韓国の歴史を東洋史ではなく日本史に編入していたことが判明した。1910年の韓日強制併合(庚戌〈こうじゅつ〉国恥)が行われる8年前、既に日帝の「歴史侵略」は完了していたのだ。
 李泰鎮*4イ・テジンソウル大学名誉教授(元国史編さん委員長)は最近、天理大学が発行した第70回朝鮮学会の論文集に載った講演録「明治日本政府の歴史教育政策と朝鮮史」において、このような事実を明らかにした。
 李名誉教授は、第2次日韓協約(乙巳勒約〈いっしろくやく〉)の違法性を明らかにする資料を探している過程で、「一体日本人はなぜこんなことをやったのか」という疑問を持ったという。「韓日併合の当時、日本メディアは不都合そうな気配もなく『当然やるべきこと』という論調だった。何かおかしいので、東京の国会図書館へ行ってその直前の歴史教科書を調べ始めた」
 その結果、那珂通世(1851-1908)という人物に注目するようになった。国学者にして植民史観の元祖的な学者に挙げられる那珂は、1894年の日清戦争勃発直前、高等師範学校の教員職にあったとき、歴史教育において外国史を「東洋史」と「西洋史」に分かつことを提案した。
 那珂の提案は、後に日本の歴史科目が自国史たる日本史および東洋史西洋史の「3史」に改編される契機となり、その後、京都帝国大学(1906)と東京帝国大学(1910)に東洋史学科が誕生した。日本の中学校の教科書は、これよりも早く東洋史西洋史に分けられた。文部省の歴史教科書執筆指針に基づく「3史」教科書は、那珂の提案からわずか8年後の1902年にその枠組みを備えたのだ。
 そうした中、李教授が当時の日本の教科書42種類を分析した結果、当然「東洋史」に含められるべき韓国史が、とんでもないことに「日本史」に属しているという事実を知った。『本邦史綱』(1900)、『日本歴史教科書』(1902)、『統合歴史教科書』(1907)などはいずれも、西暦3世紀に神功皇后韓半島を「征伐」したという『日本書紀』の記録を目次に収録し、以後の韓半島の歴史は「韓土の変遷」「韓土の反乱」「百済・高(句)麗の滅亡」「渤海の入貢」などとして、全て日本史の中で日本に服属した国の歴史のように記述した。
 神功皇后の「征伐」の物語は、古代日本が韓半島を支配したという、いわゆる「任那日本府説」の母体となったが、今では日本の学界でも伝説あるいは捏造とみている。しかし当時の日本は、これを「定説」と受け止め、「日本史」に収録していたのだ。
 「その結果、『韓半島の歴史は既に古代において日本に服属した歴史であって、中途離脱を正さねばならない日本史の一部』になった」と李教授は語った。こうした歴史記述の中では、豊臣秀吉の「朝鮮征伐」(文禄・慶長の役)もまた「正すための試み」となる。
「1912年に出た教科書では、韓国侵略の大詰めに当たる1910年の韓日併合について『その間の誤った韓日関係が元に戻った』と説明しました。歴史学という学問が侵略の当為性を裏付けてやったのです」

 個人的に興味深い記事だと思うので紹介しておきます。

*1:大学在学中の1983年、劇団「東京サンシャインボーイズ」(現在は休業中)を結成。劇団と並行して放送作家としても活動し、この頃、テレビアニメ『サザエさん』の脚本を4本(「ワカメの大変身」(1985年4月7日放送)、「波平つり指南」(同年8月4日放送)、「妹思い、兄思い」(同年8月11日放送、「タラちゃん成長期」(同年8月18日放送))手がけた。1989年から、フジテレビのコメディドラマ『やっぱり猫が好き』の脚本を多くの回で担当。1993年にはフジテレビ『振り返れば奴がいる』で連続ドラマの脚本を初めて担当。同ドラマの成功により、その後もフジテレビ『古畑任三郎』(1994年)、『王様のレストラン』(1995年)、NHK大河ドラマ新選組!』(2004年)、『真田丸』(2016年)、『鎌倉殿の13人』(2022年予定)などの脚本を担当。受賞歴として、1991年に毎日映画コンクール脚本賞(映画『12人の優しい日本人』)、1997年にキネマ旬報脚本賞日本アカデミー賞最優秀脚本賞毎日映画コンクール脚本賞(映画『ラヂオの時間』)など(三谷幸喜 - Wikipedia参照)。

*2:2007年、日本テレビハケンの品格』で放送文化基金賞を、2013年、NHK『はつ恋』、テレビ朝日『Doctor-X 外科医・大門未知子』で向田邦子賞を、2015年、NHK朝の連続テレビ小説花子とアン』で東京ドラマアウォード2015脚本賞を受賞。著書『恋愛大好きですが、何か?』(2007年、光文社)、『売れる小説の書き方。』(2009年、ぴあ)、『ぐーたら女の成功術』(2016年、文藝春秋)(中園ミホ - Wikipedia参照)

*3:代表作として映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(2007年)、『ALWAYS 三丁目の夕日'64』(2012年)、『コンフィデンスマンJP・ロマンス編』(2019年)、『コンフィデンスマンJP・プリンセス編』(2020年)、ドラマ『リーガル・ハイ』(フジ、2012年)、『コンフィデンスマンJP』(フジ、2018年)、大河ドラマ『どうする家康』(NHK、2023年予定)など(古沢良太 - Wikipedia参照)

*4:著書『朝鮮王朝社会と儒教』(2000年、法政大学出版局)、『東大生に語った韓国史』(2006年、明石書店)、『国際協同研究「韓国併合と現代」』(編著、2008年、明石書店)、『安重根と東洋平和論』(編著、2016年、日本評論社)、『国際共同研究「三・一独立万歳運動と植民地支配体制」』(編著、2021年、明石書店