「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年3/12分:荒木和博の巻)

令和3年3月12日金曜日のトークライブです。色々なご意見が出て参考になりました。ご参加いただいた皆さんありがとうございました。: 荒木和博BLOG
 1時間程度の動画です。以下、適当にコメントしていきます。
 荒木が日朝平壌宣言に悪口するのは予想の範囲内です。それにしても「日朝平壌宣言などもはや無効」「いっそ日本側から正式に破棄すべきだ」というのだから気が狂っています。もちろんあの安倍ですらそんなことは言いませんでしたが。
 また、有田芳生*1 (立民党参院議員、作家)が「特定失踪者(国内で40人も発見されたことは荒木も渋々だが認めてる)について否定的なこと」について「北朝鮮を利するのか!」と悪口雑言することも予想の範囲内です。基本的には有田氏に限らず「救う会に批判的な人間」は全て「北朝鮮シンパ扱い」するのが荒木ら救う会であり、それに同調するのが家族会ですから本当にやりきれません。
 また、二階氏についての

拉致問題解決へ訪朝も? 二階幹事長「行動を起こして」|TBS NEWS
 北朝鮮による拉致問題の解決に向け、自民党の二階幹事長は北朝鮮への訪問など行動を起こす必要があると訴えました。
「ここらで行動を起こしていかなきゃいけない。訪朝を考えてみると」(自民党 二階俊博幹事長)
 国会では10日午後、日朝国交正常化推進議員連盟の役員会が開かれ、自民党の二階幹事長は北朝鮮による拉致問題をめぐり、「結果的に何も効果、実績が上がっていない」と指摘し、北朝鮮への訪問など行動を起こす必要があるとの認識を示しました。
 菅総理は、去年の所信表明演説で「全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、全力を尽くす」と述べていて、議連は10日、“総理の決意を全面的に支援する。拉致問題の解決こそ日朝国交正常化の先駆けである”などとする決議を採択しています。

拉致問題、二階氏「なんら実績ない」 政府の対応を批判:朝日新聞デジタル
 超党派の「日朝国交正常化推進議員連盟」(会長=自民党衛藤征士郎・元衆院副議長)が10日、国会内で役員会を開き、拉致被害者の即時帰国を求める決議を採択した。拉致問題の解決が見通せていない状況に、自民党二階俊博幹事長が「なんら実績があがっていない」と政府の対応を批判する場面もあった。
 会合は3年ぶりに開かれ、公明や立憲、国民民主、維新、共産など与野党の代表者らが出席した。
 二階氏は「何もしないで無為に時間をこうして過ごしておったら無意味。結果的にはなんら効果、実績があがっていない」と政府を批判。「やっぱりここらで行動を起こしていかなきゃいけない」とも述べ、議員団で訪朝を検討する必要性を出席者に呼びかけた。
 外務省が最近の北朝鮮情勢を説明すると、二階氏は再び発言を求め、「この間何をやったか、ここで報告すべきほどのことはないだろう」と指摘。さらに、菅義偉首相が金正恩(キムジョンウン)総書記との会談について「条件をつけずに会う用意がある」と表明していることに、二階氏は「条件をつけずに向き合うって、それでどうするんだ。こんなことでは国民は納得していない」とも語った。(野平悠一)

と言った報道(訪朝論)について、二階氏に悪口するのも予想の範囲内です。
 そもそも荒木ら「救う会右翼」はこの議連自体を敵視していますし、二階氏については「大物観光族議員の二階氏は親中国派(中国人観光客を重視)」と言う意味でも敵視していますが。ただし荒木は「なんら実績があがっていない」「条件をつけずに向き合うって、それでどうするんだ。こんなことでは国民は納得していない」という二階発言についてだけは「全く同感だ」として安倍や菅に悪口しますが。
 それにしても荒木が堂々と「拉致被害者の全員帰国なんて無理だと思います。1970年代に拉致された人間が(医療環境や食料環境の良くない北朝鮮で)40年後の今も存命という保証はどこにもない。病死した可能性は充分ある」と堂々と言うのには「はあ?」ですね。
 正直、俺も「拉致被害者が死亡した可能性は充分ある」「即時一括全員帰国なんて非現実的」に同感ですが、それは明らかに救う会、家族会の「即時一括全員帰国」と矛盾する。荒木の脳みそはおよそ理解できません。
 荒木曰く「拉致被害者や特定失踪者の中に被差別部落の方は居るのかという質問があった」。
 意味不明ですね。そんなことが拉致の解決と何の関係があるのか。質問者(やはりウヨ?)は被差別部落に対して変な差別意識でもあるのか。荒木もさすがに「そんなことは関係者に問いただせるような話ではないし分かりません」と回答です。
 荒木曰く「成人男性、女性ならともかく何で女子中学生の横田めぐみさんなんか拉致するのか分からないという質問があった。拉致して何かメリットがあったのか。むしろ日本国民の反感を買っただけでは無いか」
 まあ、俺も正直「そう思います」。実際、朝鮮総連なども「成人男性、女性ならともかく女子中学生なんか拉致するわけがない」と言っていたわけですが、「何故拉致したのか」本当のところは、実行犯にしか正直分からないし、そんなことを議論しても拉致被害者帰国に何一つ関係ない。
 荒木曰く

拉致問題は、なぜ進まないのか | 特集記事 | NHK政治マガジン
 複数の政府関係者は、北朝鮮から調査結果の内容が非公式に伝えられていたが、日本政府が到底受け入れられるものではなかったという情報があると説明した。
 政府関係者によると、北朝鮮が、生存している拉致被害者として、水面下で日本側に示したのは2人。
 いずれも神戸市出身で、1978年から行方不明となっている田中実さんと、1979年から行方不明となっている金田龍光さんだ。
 2人には北朝鮮国内に家族がいて、帰国の意思がないことも伝えられ、そうした非公式の調査結果は、安倍総理大臣と菅官房長官にも報告されたという。
 ある政府関係者は当時の状況をこう振り返る。
「仮に2人が日本に来ると言っても、帰国の意思がなければ、2週間だけ親善訪問のような形になってしまう。ほかの拉致被害者の家族からは、『自分たちの家族はどうなっているんだ』と言われ、『これでもう手じまいです』となったら、世論の激しい批判が予想された。だから、『これはダメだな』と」
 結局、安倍総理大臣らは、横田めぐみさんなどすべての拉致被害者の即時帰国に全力を尽くすという政府の立場では、2人だけの情報では不十分で、国民も納得しないとして調査報告書は受け取れないと判断したとみられる。

について「金田さん、田中さんの件を政府が握りつぶして事実上、隠蔽したというのが事実ならとんでもない話だ、何故もっと金田さんや田中さんの件が騒がれないのか、こんなことで拉致が解決するのかと言う質問があった」
 まあ、俺も同感ですね。荒木も自民党批判したくないのか、奥歯に物が挟まった物言いですが「事実なら問題だと思います」。
 荒木曰く「有本恵子さんなど、よど号グループに甘言でだまされた人間については『だまされた人間も悪い』『国交のない国にのこのこ行くなんて甘すぎる』、『暴力的に連行された蓮池夫妻、地村夫妻、横田めぐみさんなどとは違う』という意見もありますがどう思いますか?、という意見があった。」
 いや、荒木が「だまされた方が悪いというのは許される主張ではない」と言うのはその通りですが、この男が一方では「従軍慰安婦」については「(だましによる)広義の連行」の違法性、不当性を否定するのだから呆れます。
 荒木曰く「朝鮮総連を交渉のパイプに使えないのかという質問があった」
 動画視聴者は「皆、荒木の同類ウヨ」かと思っていたので「意外な質問」ですね。
 まあ、俺だって思いつくことですが、荒木は「朝鮮総連北朝鮮の関係は上下関係だから、目下の総連が、目上の北朝鮮政府何か言っても意味が無い」と全否定です。まあ荒木の場合、救う会ウヨとして日朝交渉を否定したいだけですが。
 荒木曰く「映画『めぐみへの誓い』をフジテレビ(地上波やBS、CS)で放送してもらえないのでしょうか?、と言う質問があった」
 無理でしょうねえ。いくら産経グループとは言え、フジテレビもそこまで荒木にお付き合いする気は無いでしょう。荒木も「そうしたことは今後の課題」と完全に逃げ腰です。
 荒木曰く「ご家族が失踪された方からの特定失踪者問題調査会への調査依頼は最近もあるのですか?、と言う質問があった」
 荒木に寄れば「(拉致の風化で)最近はほとんど無い」そうです。大変いいことです。「拉致被害者のでっち上げ」という特定失踪者問題調査会の運動もついに「限界に来た」わけです。もはや「特定失踪者のでっち上げ」は今後は無理であり、一方「今まででっち上げた特定失踪者」はほとんど誰も注目していない。
 荒木曰く「我修院達也(旧名:若人あきら)さんの失踪(1991年)は北朝鮮拉致未遂なのですか、と言う質問があった」
 荒木の回答は「その可能性は否定できないと思います」。
 さすがに「拉致未遂だと思う」とはいわないものの「その可能性は否定できないと思います」。予想の範囲内ですがマジで呆れます。「何らかの理由での自発的失踪」だが「それについて我修院(若人)が語りたくないだけ」と考えるのがまともな人間でしょう。大体、何のために北朝鮮が彼を拉致しようとするのか、何故彼は「(北朝鮮工作員かどうかはともかく)拉致実行犯について口をつぐむのか」と言う話です。
 我修院達也 - Wikipediaにも書いてありますが

 事件から12年後の2003年になって、北朝鮮による拉致の可能性を『週刊新潮』が警察庁警備局の関係者の話として伝聞調で伝えて改めて事件がクローズアップされた。これらの北朝鮮拉致説について、我修院(若人)の反応は、『週刊新潮』の取材申し込みに返答はなく、『サンケイスポーツ』紙が匿名の関係者からの伝聞の形で「そんなこと、あるわけないじゃないですか」と一笑に付していたことを伝えている。

というのが我修院(若人)の対応です。
 荒木曰く「吉川友梨さんの失踪(2003年)は北朝鮮拉致なのですか、と言う質問があった」
 荒木の回答は「その可能性は否定できないと思います」。
 さすがに「拉致だと思う」とはいわないものの「その可能性は否定できないと思います」。予想の範囲内ですがマジで呆れます。そもそも吉川さんのご家族が荒木に調査依頼したわけでもないのにこの男はどれほどキチガイなのか。こうした発言がご家族を憤激させるであろうことも理解できないのか。大体どこの世界に「小学4年生を拉致する工作員がいるのか」。しかも彼女の失踪は2003年で「2001年の小泉訪朝」以降の話です。「その可能性は否定できない」なんて馬鹿な話はない。
 吉川さんについては

吉川友梨さん不明事件 捜査尽力の元捜査員、事件発生丸16年の日に亡くなる(1/2ページ) - 産経ニュース2019.10.8
 大阪府熊取町で平成15年、小学4年だった吉川友梨さん(25)が行方不明になった事件で、解決に心血を注いだ大阪府警の元捜査員が事件発生から丸16年となった今年5月20日、亡くなった。府警捜査1課に長年所属した加津一真(かつ・かずま)さん、享年69。退職後も足しげく現場に通っていたといい、妻の恵子さん(66)は「心の底から事件解決を願っていた夫の無念や熱意を感じた。命日が事件発生日と重なるなんて」と振り返った。(小松大騎)
 加津さんは島根県出身で、昭和51年に府警に採用された。捜査1課には通算で10年間所属し、事件発生直後の平成15年5月から友梨さんの事件を担当。退職するまでの7年間、捜査を指揮してきた。
 ただ、捜査は難航。現場では不審な白い車が目撃されており、友梨さんは何者かに車で連れ去られたとみられるが、悲鳴や物音を聞いた人はおらず身代金の要求もなかった。手がかりは少なく、時間だけが過ぎていった。
 事件発生から約7年が経過した22年春に退職。親族には「友梨ちゃんの事件を解決できなかったことが一番の心残り」と漏らした。退職後も友梨さんの顔写真や地図などが入った愛用の手帳を持って事件現場に足を運んだ。自宅のカレンダーには友梨さんの誕生日に印を付けていた。
 友梨さんの事件について「必ず助け出す。ご両親のもとに返したい」と常々口にしていた加津さん。捜査班の班長だった加津さんの下で働いた現府警捜査1課調査官の井上光浩警視は「その遺志は捜査員に受け継がれている」と話し、こう誓う。「友梨さんの帰りを待ち続けているご両親のために、一日も早く事件を解決し、加津さんにも良い報告をしたい」

吉川友梨さん不明事件から16年半 父親らがビラ配り - 産経ニュース2019.11.20
 大阪府熊取町で平成15年5月、当時小学4年生だった吉川友梨さん(25)が下校中に行方不明となった事件で、発生から16年半となった20日、大阪市中央区南海難波駅前で、友梨さんの父親や捜査員ら約20人が情報提供を呼びかけるビラやティッシュを配布した。
 この日、父親の永明さん(59)や大阪府警捜査1課の捜査員らが「ご協力お願いします」と友梨さんの顔写真が入ったビラ約4600枚やティッシュ約2000個を駅利用者らに手渡し、事件解決へ協力を求めた。

吉川友梨さん不明事件17年、府警が情報求めて動画作成:朝日新聞デジタル2020年5月20日
 大阪府南部の熊取町で2003年5月、小学4年生だった吉川友梨さん(26)が下校途中に行方不明になった事件は、未解決のまま20日で発生から17年が経った。大阪府警は捜査状況をまとめた動画を作り、この日、ユーチューブなどで公開。情報を幅広く求めるため、SNSも使って動画を広げる試みを始める。
 友梨さんは当時9歳。熊取町立北小学校(同町希望が丘4丁目)に通っていた。事件当日は社会見学の遠足があり、学校で解散。午後2時40分ごろ、同級生3人と下校し、途中の七山交差点で3人とわかれた後、1人になった。
 最後の目撃は午後3時ごろ。自宅から約400メートルの路上(同町七山)で、別の同級生とすれ違った際、言葉を交わした。その後、何者かが友梨さんを連れ去ったとみられる。府警は泉佐野署に捜査本部を置き、これまでに延べ約9万4千人の捜査員を投入したが、今も有力な手がかりをつかめていない。
 「この女の子を知っていますか?」。
 約8分間の動画は、笑顔の友梨さんの写真で始まる。当日の足取りをたどり、学校の制服だった白色ブラウスと紺色スカートに、黄色のリュックといった当時の服装や所持品を映し出す。
 現場近くでは不審な白い乗用車について複数の目撃情報が寄せられた。1987~91年に販売されたトヨタクラウンとみられ、画像とともに説明。「あれ?と思ったことはありませんか」と問いかける。
 府警は毎年5月20日、情報提供を求め、街頭でのチラシ配りなどの活動を続けてきたが、今年は新型コロナウイルスの影響で断念せざるを得なかった。だが、捜査1課管理官の京楽健大(たけひろ)警視によると、現在も専従の捜査員らがクラウンの所有者の割り出しなど、地道な捜査を続けている。
 「SNSの発信力、拡散力に期待している。地域や世代を問わず一人でも多くの人に見ていただきたい。みなさまからの情報の一つひとつが捜査を日々前進させる」と京楽管理官。
情報提供は捜査本部(072・464・1234)へ。

友梨さん情報求め呼び掛け 大阪・熊取、支援団体員: 日本経済新聞2020年11月20日
 大阪府熊取町で、2003年5月、当時小学4年だった吉川友梨さん(26)が行方不明になってから20日で17年半を迎えた。支援団体のメンバーや府警の捜査員らがJR熊取駅など3つの駅で顔写真入りのチラシやティッシュなどを配布した。
 JR熊取駅では同日昼ごろ、約10人が立ち、情報提供を呼び掛ける音声をテープで流した。チラシを受け取った大阪府泉佐野市の女性(82)は「孫が友梨ちゃんと同じ小学校に通っていたので、いつも気になっている。早く見つかってほしい」と話した。
 大阪府警は5月、市民向けに情報提供を呼びかける動画をホームページなどで公開した。
 友梨さんは03年5月20日午後3時ごろ、下校中に行方不明になった。情報提供は泉佐野署捜査本部(電話072・464・1234)

を紹介しておきます。なお、ご両親には同情しますがもはやこの事件はどうにもならないでしょう。

捜査班の班長だった加津さんの下で働いた現府警捜査1課調査官の井上光浩警視は「その遺志は捜査員に受け継がれている」と話し、こう誓う。「友梨さんの帰りを待ち続けているご両親のために、一日も早く事件を解決し、加津さんにも良い報告をしたい」

捜査1課管理官の京楽健大(たけひろ)警視によると、現在も専従の捜査員らがクラウンの所有者の割り出しなど、地道な捜査を続けている。
 「SNSの発信力、拡散力に期待している。地域や世代を問わず一人でも多くの人に見ていただきたい。みなさまからの情報の一つひとつが捜査を日々前進させる」と京楽管理官。

という大阪府警捜査一課の井上調査官、京楽管理官(いずれも警視)も未だに捜査を希望するご両親に配慮して「立場上」、捜査を続けるとは言っても「申し訳ないが諦めて欲しい、もはや打つ手がない」が本音でしょう。正直、友梨さんが存命なのかどうかも残念ながら怪しい話です。
 さて荒木が「金正恩の精神的虐待で金日成がいじめ殺された」かのように放言するのには呆れますね。もちろん「金日成金正日親子」は「金日成の死亡当時」そのような不仲だったという根拠はどこにもありません。
 荒木曰く「金正恩の母親が横田めぐみさんだから帰国させないのだ、と言う説(飯山一郎横田めぐみさんと金正恩』(2012年、三五館)など)をどう思いますか?、と言う質問があった」
 さすがの荒木も「そんなことはないと思います」。
 で、終わりです。

*1:著書『歌屋 都はるみ』(1997年、文春文庫)、『テレサ・テン十年目の真実:私の家は山の向こう』(2007年、文春文庫)、『ヘイトスピーチとたたかう!:日本版排外主義批判』(2013年、岩波書店)、『50分でわかる!立憲民主:まっとうな政治』(2019年、弓立社新書)など