今日の産経ニュース(2021年3月20日分)

【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら】自らの首絞める昨今の言葉狩り - 産経ニュース
 「ガースーです」への批判を「言葉狩り」というのだから全くふざけています。「ガースー」などとおちゃらける菅が馬鹿なだけなのに。
 そしてその一方で「従軍慰安婦と言う言葉を歴史教科書に書くな」など産経に都合の悪い言葉は「言葉狩りして恥じない」のだから心底呆れます。モンテーニュもこんな駄記事に名前を使われたくは無いでしょう。
 さて他の部分にも突っ込んでおきましょう。

(1)メルケル(独首相)140 (2)小池百合子東京都知事)54 (3)サッチャー(元英首相)29 (4)アーダンニュージーランド首相)24 (5)蔡英文台湾総統)18 (6)野田聖子自民党幹事長代行)15 (7)蓮舫立憲民主党代表代行)14 (8)アウン・サン・スー・チーミャンマー)13 (9)橋本聖子東京五輪パラリンピック組織委員会会長)10 (10)土井たか子(元衆院議長)8、田中真紀子(元外相)8、クリントン(元米国務長官)8
 毎日新聞と社会調査研究センターが13日に携帯電話を使って実施した全国世論調査(回答者731人)の、ある項目の結果だ。名前の下の数字は挙げた回答者の人数である。
 さて、その質問とは「最も評価している女性の政治家は」。
 このリストの中で歴史に名を残すのはサッチャーだけだ。あとその可能性を秘めているのは中国共産党に毅然と対峙する蔡英文ぐらい。

 俺的には「小池百合子」など何ら評価に値しませんがそれはさておき。
 「サッチャーしか評価しない」つう産経には「唖然」ですね。少なくとも「2000年から今に至るまで長期政権のメルケル」「ノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチー」「日本初の主要政党(当時の最大野党・日本社会党)の女性党首(党首時代はいわゆるおたかさんブーム、マドンナブーム)にして、日本初の女性衆院議長の土井たか子」は充分「歴史に名を残してる」でしょう。しかし「左派の土井」を極右・産経が評価しないのは「予想の範囲内」ですが、「保守政治家」のメルケルを評価しない理由はどの当たりにあるのか。社民党との大連立だからか。トランプに批判的だったからか。
 むしろ蔡英文なんか将来的には「中国相手に計算なしで、挑発をして経済に悪影響を与えた三流政治家」扱いじゃ無いか。ちなみに蔡が「同性婚を合法化したこと」を完全にネグる辺りが産経らしい。たぶん産経が蔡を手放しで称えない理由はそれでしょう。

 日本に不法入国し身柄拘束された北朝鮮金正男キム・ジョンナム)をすぐに送還してしまった

 田中真紀子小泉内閣外相)をそうした理由で悪口する産経ですが、あれは「小泉内閣としての決定」であって真紀子の独断ではあり得ないので、馬鹿げた話です。そして、おそらく「産経大好き・安倍政権」だって同じ立場なら「同じ決断」をしたでしょう。そもそも金正男送還当時の官房副長官が安倍ですし。

 このリストを見た政治学者の岩田温さんはユーチューブの番組で、「(ボーガス注:土井さんがランクインしてるのに土井さんが、社民党政治家として重用した)辻元清美さん*1福島瑞穂さん*2が気の毒だ」とジョークを飛ばしていた。

 岩田なんぞ政治学者の名に値しないプロ右翼活動家でしか有りません。それはともかく、産経にとっては「小池都知事」は保守政治家とは言え、一時は「前原*3や細野*4」と組んで希望の党騒動を仕掛けた「安倍政権の敵」。野田(第四次安倍内閣総務相)も「自民党の有力政治家」とはいえ、夫婦別姓に好意的。
 「稲田朋美(第三次安倍内閣防衛相)」「中山恭子福田内閣拉致担当相)」など産経好みの女性政治家(要するに自民党系の極右*5ですが)が、10位以内に一人も居ない辺り産経的には「がっかり」だったでしょう。
 むしろ産経や岩田は「野田なんかが入っていて、何で稲田が入ってないのか」とでも言いたいところじゃないか。

 毎日新聞の意図は定かでないが、この調査結果からうかがえるのは、日本国民はそもそも老若男女を問わず日本の女性政治家に本気で期待などしていないのではないか、ということだ。

 産経の「日本の女性政治家に本気で期待などしていないのではないか」の意味が分かりませんが、俺も「本気で期待してるのか」感はありますね。何せ10位以内にランクインした12人(10位が3人居るため)の内、3人(サッチャー、土井、田中真紀子)は既に故人(サッチャー、土井)or政治家引退(田中)で今後「政治家としての活動が期待できない」。存命とはいえ5人(メルケルアーダン蔡英文アウンサンスーチークリントン)は外国の政治家で「日本政治に関係ない」。元五輪担当相にして参院議員とは言え、「五輪組織委員会会長」になった橋本聖子には当面「政治家としての活動」は期待できないでしょう。
 つまり「それなりの政治活動が期待できそうな日本の女性現役政治家」は12人中「3人しか居ない」。しかも3人の内、小池は都知事であり、再び、小池が国政進出でも画策しない限り、その政治権限は東京都限定です(もちろん首都である東京の政治的影響力は大きいですが)。
 つまり「それなりの政治活動が期待できそうな日本の女性現役国会議員」はこの調査では「12人中2人(野田聖子*6蓮舫*7)しか居ない」わけです。「ちょっとなあ(唖然)」感は否定できません。
 まあ、これが「最も評価している女性の政治家」ではなく「最も評価している日本の現役女性政治家」「最も評価している日本の現役女性国会議員」として「日本の現役」に限定(故人や政治家引退、外国人を除外)すれば、話も別かもしれませんが、そうなると、もしかして「福島瑞穂氏」などが上位にランクインする反面、「いない」「わからない」「無回答」がやたら増えるのかなあ、という絶望感もあります。

 名誉男性のような女性政治家はいらない。

 吹き出しました。

・「夫婦別姓反対」を主張する自民党のウヨ女性政治家(例:菅内閣五輪担当相(男女共同参画担当相兼務)の丸川珠代)の多くは、本心でそう言ってるというより、『大臣になりたい』など、出世のために、安倍前首相など、党内のウヨ男性政治家に媚びてるだけじゃ無いのか?。まるでレアアース目当てにアパルトヘイト南アと付き合い続けて『名誉白人』と呼ばれた昔の日本のようだ。名誉白人をもじれば『名誉男性』だ。そんな女性政治家はいらない。夫婦別姓に賛成する男性政治家(例:立民の枝野代表、共産の志位委員長)の方がましだ。

という意味合いでリベラル保守や左派によって使われてきた言葉が「名誉男性」です。
 しかしそうした「左派やリベラル保守名誉男性として批判してきた女性政治家たち」をずっと持ち上げてきた産経にとっての「名誉男性」て一体何なのか?。
 まあ、たぶん「菅、野田内閣行政刷新担当相、民主党代表代行(岡田代表時代)を歴任した蓮舫氏」「岡田民進党代表によって政調会長になった山尾氏」「志位委員長によって共産党政策委員長になった田村氏」「小泉首相によって外相になった田中真紀子氏」だの「野党系の女性政治家」や「自民系でも産経が嫌ってる政治家(もしかして野田聖子もそうなのか?)」を持ち出すんでしょうが

◆安倍前首相によって第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相に登用された稲田朋美の方がよほど「名誉男性」と違うの?

などと反論されるとは思わない「らしい」辺りが産経らしいアホさです。

 ここからは余談である。「最も評価している女性の政治家は」という質問に私は妙に引っかかっている。「評価している」という上から目線の言葉が気持ち悪いのだ。私ならこの質問には答えない。「最も頼りになる」とか「瞠目(どうもく)に値する」ならば喜んで答えるだろう。

 「はあ?」ですね。「評価する」と「最も頼りになる」「瞠目(どうもく)に値する」にそんな意味不明な区別をするのは産経ぐらいでしょう。


南部仏印進駐を「侵攻」 山梨の公立高入試 “出典”は中学歴史教科書 - 産経ニュース
 有料記事なので途中までしか読めませんが、「戦前日本の侵略」をできる限り矮小化したいらしい産経らしい「駄記事」です。


【産経抄】3月20日 - 産経ニュース

▼昨年の緊急事態宣言中、賭けマージャンをしていた東京高検の黒川弘務元検事長が賭博罪で略式起訴された。
 小紙も記者倫理を踏まえ反省し、改めておわびしたい。ただ、東京地検はいったんは不起訴処分としており、今回の略式起訴は厳しい世論への迎合のにおいがする。
▼テンピン(千点100円)のレートでの家マージャンが起訴に値するのであれば、抄子も含め過去に思い当たるが「運よく」責めを免れている人は、日本中にあふれるのではないか。公営ギャンブルや中毒性の高いパチンコに高額を投じることは黙認されていることとも、整合性は取れない。

 黒川の件で「産経の記者も共犯」で以前わびも入れたのに、そして社説では【主張】黒川氏を略式起訴 信頼回復へ何をすべきか - 産経ニュースなのに何でしょうか、今日の産経抄は(呆)。

小紙も記者倫理を踏まえ反省し、改めておわびしたい。

というわびがまるきりわびになっていません。

*1:社民党政策審議会長、国対委員長鳩山内閣国交副大臣民主党政調副会長、民進党幹事長代行、立憲民主党政調会長国対委員長などを経て立憲民主党副代表

*2:社民党幹事長、副党首、鳩山内閣少子化問題等担当相などを経て党首

*3:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、民進党代表などを経て、国民民主党代表代行

*4:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)など歴任

*5:小池は極右ですが、自民とは距離を置いていますので

*6:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣総務相などを経て自民党幹事長代行

*7:菅、野田内閣行政刷新担当相、民主党代表代行(岡田代表時代)、民進党代表、立憲民主党副代表などを経て立憲民主党代表代行