今日の中国ニュース(2021年4月7日分)

中国が攻めアメリカが守る?「台湾危機」を鵜呑みにする危うさ | 河東哲夫 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
 そもそも「中国の軍事侵攻」と言う意味では「台湾危機」という事態は起こりえません。
 中国は「台湾が独立宣言すれば軍事侵攻も辞さない」としていますがそれは裏返せば「独立宣言しない限り軍事侵攻しない」と言う話です。さすがに台湾も「軍事侵攻できるものならやってみろ」と独立宣言するような無茶はしないでしょう(そもそもそのような独立宣言の動きは米国が猛反対するでしょう)。そしてその状況で軍事侵攻するほど中国も無茶ではないでしょう。


ウイグル人権問題、中国に牛耳られる国連 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 民主を叫ぶ若者の声を銃口で封殺した天安門事件(1989年6月4日)に対するG7の厳しい対中経済制裁を、ひとり日本だけが緩和*1させ、遂には1992年に天皇訪中まで実現させて、壊滅寸前にあった中国共産党による一党支配体制維持に日本は絶大な貢献をした。

 この種の反中国ウヨの「明らかなデマ」には心底呆れますね。「日本の対中国外交の是非」はともかく、日本以外の欧米諸国も中国には経済進出していますし、そもそも「欧米や日本の制裁で崩壊寸前」なんて事実はどこにもありません。


「日本人なら中国人の3分の1で使える」 クールジャパンどころではないアニメ業界、中国が才能ある人材爆買い | カルチャー | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
 「中国の待遇が素晴らしい」というよりは「日本の待遇が酷すぎる」と言う話のようで心底げんなりします。


ユニクロ、新疆産綿の有無答えず 柳井正・ファストリ社長:東京新聞 TOKYO Web
 これだけでは
1)新疆に工場がある(しかしそれを認めることで非難されたくない)
2)工場はないが、「ない」と回答したことで、これが前例になって今後、色々な政治、社会問題で突っ込まれるのを避けたい
のどちらかは不明です。まあ、1)と疑われても仕方が無いでしょうし、2)だとしても褒められた態度ではないですが。


【正論】専制国家中国が抱く「夢」の正体 東京大学名誉教授・平川祐弘 - 産経ニュース

・米中が、米国アラスカの外交トップ会談で激突した。ブリンケン*2国務長官が香港の民主派弾圧、台湾に対する軍事的威嚇(いかく)、ウイグル族弾圧に懸念を表明した。すると楊潔チ*3中国代表が猛反発
・昭和の日本は国際連盟を脱退し、世界を敵にまわした。愚の極みだが、脱退演説をぶった松岡洋右全権は国内で英雄視された。楊代表も中国でヒーローだ。かつてわが軍部*4が「満蒙は日本の生命線」と大東亜*5建設の勝手な夢を主張し、軍を大陸へ進めたことが思い出される。

 意味不明な文章です。
 まず第一に中国批判をするのに「松岡洋右批判」をする意味が分からない。
 「香港問題など米国と対立する中国は松岡のように愚か」と言いたいようですが、ここで松岡を持ち出さないといけない理由はどこにもない。
 第二に「東京裁判中に病死した松岡(第二次近衛内閣で外相)」はいわゆる「昭和殉難者」の一人として靖国に合祀され、一方、「富田メモ」において、昭和天皇は「参拝しない理由」の一つに松岡の靖国合祀を挙げました(松岡以外にも白鳥敏夫(元イタリア大使、終身刑で服役中に病死)の合祀も問題にされていますが)。
 この文において松岡に悪口する平川や産経は「富田メモでの昭和天皇発言」同様に松岡の合祀を問題だと思うのか?。
 松岡が合祀される限り靖国参拝は不適切だと思うのか?
 といえばおそらくそうではないのでしょうが、であるならば松岡に悪口する意味が分かりません。

 台湾有事の際、尖閣のみならず薩南の島々に人民解放軍が「平和進駐」するだろう。

 吹き出しました。
 「薩南の島々」つまり「薩南諸島 - Wikipedia種子島屋久島、奄美大島加計呂麻島、徳之島、沖永良部島)」に中国が侵攻すると本気で思ってるのなら正気の沙汰ではありません。

*1:そもそもこの記載が嘘ですね。一番最初に緩和したのは日本でしょうが、EU諸国もそれに続いて緩和してますので。

*2:オバマ政権国家安全保障担当副大統領補佐官、国家安全保障担当大統領副補佐官、国務副長官などを経て、現在、国務長官

*3:駐米大使、外相、国務委員(外交担当)などを経て党中央外事活動委員会弁公室主任(党中央政治局委員兼務)

*4:軍のそうした対応を事情は何でアレ「昭和天皇や首相」が容認した以上、「軍が悪い」で済む話ではない。

*5:満州国建設時点では「大東亜」ではないですね。大東亜云々と言えるのは「東南アジア侵略を画策しだした仏印進駐以降のこと」でしょう。