「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年6/15分:荒木和博の巻)

大森勝久氏の新しい論文です: 荒木和博BLOG
立憲主義(政府と国民との統治契約・信託)・憲法の支配(法の支配)が無い日本の政治 | 新・大森勝久評論集

 国民も憲法に違反する行動(反日反米行動など)をしてはならないのである。

 吹き出しました。憲法のどこに「反米行為をしてはいけない」なんて書いてあるのか。まあ、そもそも「反米行為て何?」ですが。
 どうも

 日本国憲法の「前文」を掲げる。私は強く支持している。

というこの大森論文の文脈に寄れば

◆平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
◆われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
 「平和を愛する諸国民」=「国際社会」=米国を盟主とするG7諸国やNATO諸国(国連加盟国ではない点に注意)

らしいですが、相当に特異な解釈でしょう。いや仮にそういう解釈をしたからと言って「米国言いなりに九条改憲しよう」「日米安保に反対するのは違憲だ」とかそんな米国万歳話にはなりませんが。

 日本共産党立憲民主党などの反日反米左翼

 吹き出しました。立民党代表「枝野」の「鳩山内閣行政刷新担当相」「菅内閣官房長官」「野田内閣経産相」としての実績のどこが「反米」なのか。
 むしろ「沖縄に普天間移設を飲ませようとしていた公約違反の裏切り者の一人」が枝野でしょうに。


◆荒木のツイート

https://twitter.com/ARAKI_Kazuhiro/status/1404461141347037185
 令和3年6月15日火曜日のショートメッセージ(Vol.438)。敗戦後日本は米国のやり方が教科書であり、米国が保護者と思い続けてきたのではないかというお話しです。

 6分30秒程度の動画です。動画説明文だけで見る気が失せます。実際見る価値はありません。
 まず第一に「日米安保廃止」を訴える日本共産党がわかりやすい例ですが、日本人皆が米国を「保護者」「教科書」扱いしてきたという事実はそもそもないでしょう(そもそも米国と言っても1)「米国政府」と「マルコムXの様な政府批判派」、2)米国外交と米国文化(ハリウッド映画、ジャズなど)とでは大きく性格も違いますが)。そして自民党政権、支持者、あるいは霞が関官僚ですら、そこまで米国相手にナイーブではないでしょう。
 第二にそんなことが「荒木ら巣くう会の建前上の目的」である拉致被害者の帰国と何の関係があるのか。

◆米国は日本の拉致問題へのホニャララという取り組み(あるいはホニャララという日本の対北朝鮮外交全般)について不満があるようだが、それでもこれこれこういう理由で、ホニャララすることで拉致被害者帰国が期待できる。だから、アメリカの反対を押し切ってでもホニャララすべきだ(例えばホニャララの例としては『日朝国交正常化を取引材料にした拉致問題でのバーター取引』)。
◆きちんと説明すればホニャララすることについて米国も最後は納得してくれるのではないか
◆いや納得してくれなくてもホニャララすべきだ。米国もホニャララに反対でもまさか「対日経済制裁」「駐日大使召還」「日米安保廃棄」などはしないだろう
◆いや米国がそういう無茶苦茶を言い出してもホニャララすべきだ。ホニャララすることで日本の国益に資するのだから
◆米国に何でもかんでもへいこらではいけない

とか「拉致被害者帰国に繋がる話」をいうならともかく、荒木はそういうまともな話をするわけではない。
 大体そんなこと言うなら、何で荒木ら巣くう会は家族会と一緒に「米国大統領(ブッシュ子、トランプ、オバマ、バイデン)との面会」を続けてきたのか。荒木はもしかしたら「巣くう会や家族会の米国大統領詣で」に批判的なのかもしれませんが、「はっきりそう巣くう会や家族会を批判しているわけでもない」。
 何が言いたいのか今ひとつよく分かりませんがたぶん

自衛隊拉致被害者が救出できないのは憲法九条のせい。憲法九条を日本に押しつけたのはGHQ(米国)
憲法九条のせいで、北朝鮮だけで無く韓国、ロシアも領土問題で日本を舐めてる(いっそ武力で取り戻すべきだ)
(以上、安倍の『戦後レジームの脱却』云々的な話)
麻生内閣時にブッシュ子政権が日本の反対を無視して北朝鮮テロ支援国家指定から解除しても、麻生内閣がろくに抗議しなかったのが悔しい。日本は米国に舐められてるし、日本政府もそれを受け入れている。
◆トランプが日本の意向をろくに聞かずに金正恩と首脳会談を行ったのが悔しい

などの話なのでしょう(なお、実際には中東での日米共同軍事作戦などを考えて、今の米国は九条改憲を日本側に要求しているので「改憲問題」で米国を「荒木のような改憲右派」が敵視するのはおかしな話です)。
 ちなみに「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年5/22分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログで小生が紹介したレブラ君とあやしい仲間たち(木本あきら・予備役ブルーリボンの会副代表): 荒木和博BLOGでの

東京大空襲、広島、長崎原爆で被害を受けたのに何で日本は米軍基地を国内に置いているんだ?。米国は東京大空襲や原爆投下について一度でも公式に謝罪したのか?(してないだろ?)』

カダフィが言ったという「カダフィ云々」の話を、またこの動画でしています。
 そんなカダフィ話も拉致被害者帰国と関係ない。
 またこんなことを言う荒木が

◆沖縄基地県外移設、日米地位協定の改定など基地問題での現状改善、あるいは「駐留なき安保」や「安保条約の廃棄」を主張
東京大空襲、原爆投下についての米国の公式謝罪を要求

したりするのかといったらしないのだから訳が分かりません。