「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年7/30日:島田洋一の巻)

島田洋一
 毎日新聞は、「ドイツでは、ある日気付いたらワイマール憲法ナチス憲法に変わっていた。誰も気付かないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」という麻生太郎*1の「失言問題」を蒸し返したいようだが、無理だろう。
 これは国基研討論会での発言*2で、私もその場にいた司会の櫻井よしこ*3が何らクレームを付けなかったのは、(私もそうだが)麻生氏が何を言いたいのかよく分からなかったからだ。麻生氏自身も分かっていなかったと思う。史実にも合わず、問題にしようがないというのが正直なところだ。
麻生氏、小林賢太郎氏のホロコースト問題「詳しく知らない」 | 毎日新聞

 「はあ?」ですね。「(ボーガス注:ナチス国会議事堂放火事件長いナイフの夜事件など反対派を公然と弾圧していたので、あるいはいわゆる全権委任法でワイマール憲法が事実上停止されたが、改憲はされなかったので)事実に合致せず、意味不明」ならその場で問いただすべきでしょうよ。実際には「桜井、島田ら自民党万歳ウヨは、麻生ら自民党幹部には、へいこらするしか能がない」ので、批判的なことが何も言えなかっただけでしょうにねえ。しかし「事実に合致せず、意味不明」てのは全然擁護になってないですよね(苦笑)。言ってることは「麻生がバカで意味不明すぎるので突っ込む気にならなかった」つう話ですから。麻生も「そんな変な擁護(?)をするのなら黙ってろ」でしょう。
 実際、赤旗

主張/麻生副総理の発言/国際社会に通用しない暴言だ2017.9.1
・戦前のナチスの独裁は、「誰も気が付かないうちに」ワイマール憲法ナチス憲法に変わったものではありません。ヒトラーナチスを動員し、ワイマール憲法のもとで当時の大統領や議会に圧力をかけ、「緊急事態令」や「全権委任法」などを乱発して、暴力的に憲法を停止させたのが実態です。「ナチス憲法」などというものは存在しません。
・麻生氏は当時のナチスが選挙結果だけでは議席が足りず、国会から共産党議員などを締め出すために、国会議事堂放火事件をでっち上げたことにさえ目をつむるのか。

として麻生に「事実に反する」と突っ込んでるわけです。

島田洋一
 些末な問題を訴訟化し、重要な仕事ができる政治家を追いかけ回すべきではない。戦うなら、堂々と政策論争の次元でやるべきだ。
安倍前首相「不起訴不当」検察審査会 「桜を見る会」懇親会で | 桜を見る会 | NHKニュース
 「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会をめぐり、安倍*4前総理大臣側が費用の一部を負担したのは有権者への違法な寄付で公職選挙法に違反する疑いがあるなどとして、安倍氏が告発され不起訴になったことについて、東京の検察審査会は、十分な捜査が尽くされていないなどとして「不起訴は不当だ」と議決し、30日公表しました。
 これを受けて東京地検特捜部は再捜査を行い、改めて、起訴するかどうか判断することになります。
 立憲民主党の安住*5国会対策委員長は記者団に対し「もう1回捜査をやり直せということで、これまで野党が主張してきたことが立証された形だ。安倍氏はこの事件をめぐり国会で118回もうその答弁をしたことも国民は忘れていないし、事件をこのまま闇に葬り去るわけにはいかず、証人喚問にふさわしい事態になった。速やかに臨時国会を開いてほしい」と述べました。
 共産党の田村*6政策委員長は、記者会見で「有権者に買収が行われたのではないかという疑惑であり、改めて捜査が行われるのは当然のことだ。安倍前総理大臣を国会に呼び、偽証が許されない証人喚問の場で究明を行う必要がある。また、当時、官房長官として、この疑惑にふたをし続けてきた菅*7総理大臣にも重い責任がある」と述べました。

 安倍信者の島田らしいですが「不起訴不当議決は間違ってる。安倍氏は潔白だ」ならまだしも「政策論争ガー」て(呆)。
 まあ、島田がこんなことを言うのは「安倍のような島田が支持するウヨ政治家」のときだけ。
 「細川*8首相の佐川ヤミ献金疑惑」「小沢*9民主党幹事長の西松疑惑」など「島田が嫌いな政治家の疑惑」では大騒ぎですから全くでたらめです。
 例えば安倍なんぞに比べたら「ニクソンショックニクソン訪中)のニクソン*10」「日中国交正常化田中角栄*11」は「偉大な政治家」でしょうが、だからといってそんなことで「ウォーターゲート」「ロッキード疑惑」といった疑惑はうやむやにはなりません。

*1:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、外相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)、首相、第二~四次安倍内閣副総理・財務相を経て菅内閣副総理・財務相

*2:国基研のような極右団体の集会に出席して恥じないのだから麻生も呆れたバカです。

*3:国基研理事長

*4:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相

*5:野田内閣財務相民進党国対委員長岡田代表時代)、代表代行(蓮舫代表時代)等を経て立憲民主党国対委員長

*6:日本共産党政策委員長(副委員長兼務)

*7:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官などを経て首相

*8:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*9:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、自由党党首、民主党幹事長(鳩山代表時代)など歴任

*10:アイゼンハワー政権副大統領などを経て大統領

*11:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相