「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年9/20日:荒木和博の巻)

北朝鮮でクーデターは起きるのか 金正恩は引きずり下ろされるのか(R3.9.21): 荒木和博BLOG

 令和3年9月21日火曜日のショートメッセージ(Vol.535)。朴正天について昨日お話したところ西村幸祐さん*1から「クーデターが終わったという事になりませんか?」というご質問*2がありました。結論から言うとクーデターの可能性は今後も含めて低いと思います。それを考える材料として1956年8月の「8月宗派事件*3」をからめてお話ししました。

 5分16秒の動画です。荒木批判するために「くだらねえなあ」と思いながら一応視聴しました。
 今回の動画は

【動画】
北朝鮮ミサイル列車と朴正天の「指導」(R9.9.20): 荒木和博BLOG(9.20日付)7分8秒
【文章】
朴正天が「指導」?【調査会NEWS3505】(R3.9.19): 荒木和博BLOG(9.19日付)

の続編ですね。
 上記文章において、

朴正天が「指導」?【調査会NEWS3505】(R3.9.19): 荒木和博BLOG
・私が見落としている可能性もありますが、北朝鮮では一般的に「指導」は最高指導者*4だけがするもので、他の幹部の視察は「現地了解」と言われます。その意味で朴正天が「指導」したということ自体、金正恩の権威に挑戦していると言えるかも知れません。
・いずれにしても平壌中枢での権力闘争がどこに行くのか、注目です。

などと荒木が書いたことについて西村から

 荒木さんは『金正恩の権威に挑戦していると言えるかも知れません』『平壌中枢での権力闘争がどこに行くのか、注目です』というが、既に朴正天によるクーデターが完了し、金正恩が実権を奪われたのではないか

というコメントがあったのこと。
 それに対し、荒木は

 1956年8月の「8月宗派事件」は結局、失敗し、金日成打倒を画策した連中
【延安派】
・徐輝(朝鮮職業総同盟委員長)、尹公欽(商業相)
 中国に亡命(徐輝 - Wikipedia尹公欽 - Wikipedia参照)
・崔昌益(副首相兼財務相
 1960年頃に獄死したとみられる(崔昌益 - Wikipedia参照)。
ソ連派】
・朴昌玉(副首相)
 1958年に死刑となったとみられる(朴昌玉 - Wikipedia参照)
・金承化(建設相)
 ソ連に亡命(金承化 - Wikipedia参照)
などは粛清(死刑や投獄など)されたり、中国やソ連に亡命したりした。そのときのトラウマがあるから、クーデターなんか起きないだろう。そもそも、そんなクーデターを中露が認めるとも思えない。中露が認めないであろう行為をやるとは思えない。

て、まあ、確かにそうでしょうが、ならば

金正恩の権威に挑戦していると言えるかも知れません。
・いずれにしても平壌中枢での権力闘争がどこに行くのか、注目です。

という「荒木の文章」は何の意味なのか?、という話です。
 そもそも『金正恩の権威に挑戦』などという主張自体に何の根拠もないですが。
 荒木もいつもながら意味不明な男です。つうか、そもそも「北朝鮮内部の権力闘争」なんてことは何一つ拉致の解決に関係ないですが。荒木ら救う会の目的が「拉致解決」ではなくそれを口実にした「北朝鮮打倒論」であることが改めてよくわかります。


◆動画とほとんど同じ事を文章で掲載する荒木
【動画】
1)北朝鮮のミサイル列車 何か違和感が…(R3.9.19): 荒木和博BLOG(9.19日付)7分55秒
2)北朝鮮ミサイル列車と朴正天の「指導」(R9.9.20): 荒木和博BLOG(9.20日付)7分8秒
【文章】
1)あの「列車ミサイル」は本物なのか?【調査会NEWS3504】(R3.9.19): 荒木和博BLOG(9.19日付)
2)朴正天が「指導」?【調査会NEWS3505】(R3.9.19): 荒木和博BLOG(9.19日付)

 動画1,2と文章1,2はほとんど同じ内容であり、「片方だけ見れば」、もう一つを見る必要は全くありません。
 動画を見るより文章を読む方が時間がかからないので大抵の人間は文章を読むでしょうし、荒木としても「動画掲載より文章掲載の方が楽」でしょう。
 それでも荒木が「動画掲載」という「二度手間」をするのは「荒木なりの面子」なのでしょう。
 当初の荒木は原則として「動画と文章は別にしていた」。動画で流すことは文章化しないし、文章化したものは動画にはしない。
 しかし次第に「それが面倒になってきた」のでしょう。しかし「動画掲載を辞めること」は「動画掲載を新しく始めました」と自画自賛した「荒木の面子」からできない。
 そこで「文章を動画で読み上げる」という手抜きが始まったのでしょう。今後もこうした手抜きが横行するのではないか。
 また今回「日曜なのに」鉄道趣味話でないのも興味深いですね。 
 荒木は

「鉄道からのミサイル」なので「鉄道話」と考えて下さい

と言い訳していますが、実際は「軽い気持ちで始めた鉄道趣味話」が皮肉にも「実は荒木は浅いマニアで、ろくに鉄道知識がないこと」で次第に「苦痛、負担になってきた(結局、鉄道趣味話は今後しなくなる)」のではないか。


朴正天が「指導」?【調査会NEWS3505】(R3.9.19): 荒木和博BLOG
 朴正天とは朴正天 - Wikipediaによれば「朝鮮人民軍総参謀長」「朝鮮労働党中央軍事委員会委員」「朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員」などの要職を歴任し、今回のミサイル発射にも関わったとされる重要人物です。
 しかし、「朴正天やミサイル発射実験をどう評価するか」などということは荒木ら救う会関係者の「建前上の目的」である拉致被害者帰国に全く関係ないと言う意味で全く馬鹿げた記事です。

*1:著書『「反日」の構造:中国、韓国、北朝鮮を煽っているのは誰か』、『「反日」の正体:中国、韓国、北朝鮮とどう対峙するか』(以上、2012年、文芸社文庫)、『マスコミ堕落論反日マスコミが常識知らずで図々しく、愚行を繰り返すのはなぜか』(2014年、青林堂)、『NHK亡国論』(2014年、ベストセラーズ)、『21世紀の「脱亜論」:中国・韓国との訣別』(2015年、祥伝社新書)、『日本人に「憲法」は要らない』(2016年、ベスト新書)、『報道しない自由:なぜ、メディアは平気で嘘をつくのか』(2017年、イーストプレス)、『教科書は「天皇」と「自衛隊」をどう教えているか』(2017年、総和社)、『韓国のトリセツ:やたら面倒な隣人と上手に別れる方法』(2019年、ワニブックスPLUS新書)、『朝日新聞への論理的弔辞』(2020年、ワニプラス)など

*2:西村なんぞという極右と交遊があることを公然と認めてるのだから呆れます。勿論、荒木も極右ではありますが。

*3:「宗派」というと日本語では「真言宗高野派(高野山金剛峯寺が総本山)、真言宗御室派仁和寺が総本山)など(空海)」「真宗大谷派(いわゆる東本願寺)、浄土真宗本願寺派(いわゆる西本願寺)など(親鸞)」「日蓮宗日蓮正宗(今は破門されたが、創価学会のルーツ)、日蓮宗不受不施派など(日蓮)」などといった「宗教の派閥、分派」という「宗教的イメージ」がありますが、朝鮮語の「宗派」とは必ずしも宗教的な意味はなく「派閥」「分派」と言う意味だそうです。

*4:北朝鮮国務委員長(政府トップ)、朝鮮労働党総書記(党トップ)、朝鮮労働党中央軍事委員会委員長、朝鮮人民軍最高司令官(軍トップ)の金正恩のこと(金正恩 - Wikipedia参照)。