「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2024年5/1日分:荒木和博の巻)

拉致解決は圧力で 調査会の荒木和博氏「日本の最大の人道支援は金正恩体制を変えること」 - 産経ニュース

「交渉では絶対に解決しない。北朝鮮が屈服する以外問題が進展する方法はない。日本がものすごい圧力をかけ、耐えかねた北朝鮮が『もう分かりました。返します』以外にない」と語った。

 おいおいですね。「交渉以外では絶対に解決しない」でしょうに何を言ってるのか。
 そして「中露(習近平プーチン)が北朝鮮を経済支援してる(だからこそ日本の制裁が効かなかった)」以上、そんな屈服はあり得ません。1)中露を懐柔して経済支援を辞めさせるか、2)中露も北朝鮮と共に打倒対象にするかどっちかでないと「北朝鮮の屈服」などありえない。そして1)も2)も現実的に無理でしょう。

金正恩朝鮮労働党総書記と仲良くする必要はない。金正恩体制自体を無くすことが日本としての最大の人道援助だ」と述べ

 「仲良くなる必要は無い」にしても「バーター取引(制裁解除を条件に拉致被害者帰国)」は必要でしょう。勿論「金正恩体制自体を無くすことは最大の人道援助」なんて公言したら交渉が成り立たないし、それでは拉致は解決しない。勿論中露の支援がある以上「金正日体制の崩壊」など非現実的です。

 荒木氏は「北朝鮮東海岸海上自衛隊イージス艦など持っていき、派手に訓練してもいい。いつでも爆弾を落としに行きそうだと見せかけ、北朝鮮から文句を言われたら『憲法の制約があってそんなことはできない。名前も自衛隊と書いてある』と言う。それで爆撃する訓練をすれば向こうも恐怖感を持つだろう」と語った。

 憲法の制約云々は「護憲派へのあてつけ」のつもりでしょうがどこまで低劣なのか。そもそも、そんなことをやったら北朝鮮だけでなく、中韓からの批判も必至でしょう。まあ極右の荒木は中韓に批判されても構わないと思ってるのでしょうが。

 講演を主催した一般社団法人「アジア自由民主連帯協議会」(ペマ・ギャルポ会長)事務局長で評論家の三浦小太郎氏は「拉致の国民集会に防衛相や自衛隊幹部が制服姿で壇上に上がり『拉致は国家の主権問題だ』と一言述べるだけでも雰囲気は変わる」と強調した。

 外交問題なんだから防衛省自衛隊は全く関係ない。自衛隊での救出など非現実的ですし。
 それにしても、ペマもこんな極右連中と交遊して恥ずかしくないんでしょうか?。どう見てもチベットのためになってない。


【報告・動画あり】荒木和博講師「全ての拉致被害者の即時帰国か、全ての北朝鮮拉致問題の一括解決か」 | 一般社団法人 アジア自由民主連帯協議会(文責・三浦小太郎)

 北朝鮮国内で、今、金与正が時々登場しているが、金正恩にはほかにも後継者となる可能性のある息子が数人いると思われる。この後継者争いは、ある意味、負けたものが粛清の対象になるほど厳しいもので、それは金正男の最期を見ればわかるはずだ、だからこそ、ここにも情報を入れ、北内部にかく乱を起こすことは不可能ではない。金正恩はどう見ても健康状態がいいはずはなく、周囲もいつどうなるかわからないと思っているはずで、北朝鮮の体制は決して堅固ではない。情報戦と同時に、様々な軍事演習などで北朝鮮に脅威を感じさせれば、事態は動くかもしれないと荒木氏は述べました。

 文脈から見てこの「事態は動く」はどう見ても拉致解決ではなく「クーデターあるいは大混乱」でしょう。
 第一に「そんなことは拉致解決に逆行する」と言う意味で、第二に「そんな事態には恐らくならない(金正恩政権は安定している)」と言う意味で全く馬鹿馬鹿しい。

 仮に北朝鮮クーデターあるいは大混乱などが起きたら、その時は自衛隊以外に救出に行ける組織はない。その意味も込めて、今度、6月22日に、予備役ブルーリボンの会で拓殖大学でシンポジウムを予定しており、そこでのテーマは、かつてイランのアメリカ大使館が学生によって占拠され、大使館員が人質になったとき、アメリカが救出作戦を行ったことがあった。その作戦自体は失敗だったが、この事件からも学ぶことは大きい*1と、荒木氏は現代史からもまだまだ学ぶべきことがあることを示唆しました。

 馬鹿馬鹿しくて話にならないですね。
 第一に拉致被害者の居場所が分からないのにどう救出するのか。居場所が分かってたイラン大使館人質事件ですら軍事作戦は失敗し交渉で救出でした。クーデターなどが起こったら救出なんかできません。事実上見捨てるしかない。
 第二に北朝鮮の何処にそうしたクーデターなどの兆候があるのか。どう見ても金正恩政権は安定してるでしょう。
 というか繰り返しますが「自衛隊で救出など無理、外交交渉しか現実的解決策はない」のだから、救出のためには安定してもらわないと困ります。
 「救出できなくていい。拉致被害者が全員死んでも北朝鮮政権に崩壊して欲しい(多分、荒木の本心はこれ)」と言うなら話は別ですが。

 1999年の能登半島沖不審船事件の際、北朝鮮工作船を逃がすために空軍まで出てきていた。もしもそれに自衛隊が反撃したら、おそらく戦争になった可能性もある。

 北朝鮮もそこまで無謀ではないでしょう。まあ荒木は「戦争になって欲しかった」のでしょうが正気ではない。

*1:勿論学ぶことは「居場所が分かっても失敗するのだから居場所が分からない日本人拉致被害者自衛隊での救出など無理」でしょうが、荒木らウヨはそういう常識的結論にはなりません。