今日の中国ニュース(2021年11月7日分)

なぜ科学の重鎮たちは中国を目指すのか「頭脳流出」だけでは語れない実態(TBS系(JNN)) - Yahoo!ニュース
 勿論

◆日本の文部科学省直轄の研究機関のまとめによると、中国の研究開発費は2000年からの20年間で約13倍に拡大、主要国の中で最も伸びている。2019年は日本円で約53兆円
◆これに対し日本の研究開発費はほぼ横ばいで、2019年は約19兆円と中国の3分の1程度にとどまった。

ということで「研究予算をきちんとつける」など待遇が良いからです。後は「日本に近い隣国で、移籍の精神的ハードル(遠くの国へ行くつう印象が薄い)が低い」と言った要素も若干はあるか?
 実に単純な話です。「研究環境が整っていても中国は一党独裁だから移籍しない」なんて人間ばかりでは当然無い。
 なお、「例えば真鍋淑郎氏(今年のノーベル物理学賞受賞者)も米国の大学で研究していること」で解るようにこれは中国に限った話でもない。別に「中国に移籍しなくても」今のままなら別の国に移籍するだけでしょう。


台湾緊張、日本の備え急務 グレーゾーン、邦人退避計画、敵基地攻撃能力も課題 - 産経ニュース
 何度も書いていますが「独立宣言やそれに準じる行為(国連への加盟申請)」等をしない限り、つまり「現状維持にとどまる限り」侵攻などしないと中国が公約している以上「侵攻の可能性はほとんどない」。
 中国の軍事演習も、是非はともかく「独立宣言やそれに準じる行為(国連への加盟申請)をしたらただじゃ置かない」つう「台湾への政治的牽制」でしかありません。


【影戦】世界で増える中国人社会 専門家「党の戦略的意向潜む」 - 産経ニュース
 産経らしい「反中国」のアホ記事で、デマ記事と言ってもいいんじゃないか。
 もちろん「世界で活躍する中国人」の中には「中国政府(中国共産党)とつながりがあり、中国の政府や党のためにロビー活動している人間」もいるでしょう。
 ただし、そんなことは「中国に限った話」ではない。日本や欧米だって政府の依頼で海外でロビーしている人間はいくらでもいるでしょう。
 かつロビーは「違法、不当な活動」でない限り、何ら問題ない。
 また、当然ながら「そのようなロビー活動には従事してない中国人」だっているわけです。

 大阪の有名観光地「新世界」に近い飛田(とびた)本通商店街(大阪市西成区)。周辺には中国人経営のカラオケ居酒屋が数十店舗並び、事実上の「チャイナタウン」を形成している。
 商店街に中華門を4つ建て、料理店や劇場が120店舗出店する。
 この「中華街構想」が突然、商店街に降ってわいたのは平成31年2月。名誉顧問には駐大阪中国総領事を迎えるという内容だった。
 戦前から続く、この地域に張り巡らす商店街を作り替えるという唐突な提案。同商店街振興組合理事長の村井康夫(70)は「飛田の名で続いてきた歴史ある街。丸ごと中華街に変えるのはそぐわない」と反対する。
 一方、構想をぶち上げた在日中国人団体「大阪華商会」(同区)の林伝竜(リンデンリュウ)(57)は、日雇い労働者や風俗店が多いという、一面もあるこの街を変えたいと訴える。

 是非はともかく少なくともこの構想自体は「違法、不当」と言う話ではない。
 「中国人観光客の誘致を狙って、チャイナタウンを形成する」というのは十分合理的な考えです。
 しかも飛田と言えば「今は違うのかもしれません*1」が歴史的には「吉原や歌舞伎町」のような売春街です。
 「この構想を利用して、売春街という飛田のマイナスイメージをなくしたい」と考える人間がいても不思議ではないでしょう。
 勿論、この構想を進めるにおいて「政官界への賄賂」「違法な地上げ」などの問題行為があれば話は別ですが、産経の場合、そうした「問題点」を指摘するのではなく「中国の脅威ガー」だから話になりません。「飛田に中華街を作ったら何が問題なんだ?。」としかいいようがない。

 大阪・西成の中華街構想は新華僑が中心だ。今は民間の経済活動の一環に過ぎないが、将来的に中国人が街の多数派*2となる事態になれば、「中国の常識」がまかり通り、地元の世論形成にまで影響を及ぼすとの懸念はぬぐえない。

 言ってる意味がさっぱりわからないですね。「地元の世論形成にまで影響を及ぼす」てそんなことは何も「中国人に限った話」ではなく、「外国人一般」がそうでしょう。中国人だけ問題視する方がおかしい。かつ「正当な要望」であればむしろ「地元の世論形成」に影響を及ぼして何ら問題ないし、不当な要望なら反対すればいいだけの話です。そもそも現時点において「不当な要望」など存在しないようなので言いがかりにも程がありますが。

 学習院女子大教授の石澤靖治*3(国際コミュニケーション)によると、中国は留学生や華僑を駆使して世論を操作し、好意的勢力で固めて自国批判を封じる「シャープパワー」を拡大している。

 そんな「シャープパワー」が本当にあるのか眉唾ですが、まず第一に、『マスコミを買収して、公平な報道を偽装した上での中国礼賛の宣伝行為を仕掛ける』『マスコミに対して違法、不当な恫喝を加えて批判報道を辞めさせる』などの違法、不当な行為で無い限り、そうした宣伝活動は何ら問題ない。
 第二に違法、不当な問題行為が仮にあるのなら「証拠付きで批判報道する」なり「犯罪や民事賠償責任が生じる場合は刑事告発や民事提訴する」なりすればいいだけの話です。

 豪州では語学留学生の一時滞在ビザを優遇したことを機に、中国人社会の勢力が一気に拡大。石澤は「一度許せば人や物が次々と入りこむ。個人に感情移入しても、裏に戦略的意向が隠れている」と訴える。

 「石沢は何が言いたいんだ?」ですね。「中国人限定」であれ、「外国人一般」であれ、外国人を「外国政府の工作員」扱いして、「差別的扱いをしろ」とでもいうのか。不当な偏見にもほどがあるでしょう。

 日本でも埼玉・川口や東京・池袋に中国人社会がある。だが、輪番制の自治会役員を拒んだり、ゴミ出しルールを守らないなど、地元とトラブルになるケースもある。

 おいおいですね。そんな「文化対立(?)」は中国人限定ではないし、そうしたトラブルについても「解決の方向にある」のではないか。いずれにしてもそうした話は「中国の脅威ガー」と言う話とは違う。

 米国のある中華街には中国情報部門のスパイ拠点があり、華僑の監視を行っていたとの情報もある。

 おいおいですね。まず第一に「情報もある」程度の怪しい話を記事にするなと言う話です。
 第二に「百歩譲って米国の中華街が本当にそうだった」としましょう。しかし、米国だってさすがに「スパイ拠点の摘発」はあり得ても、「中華街の撲滅」は考えてないでしょう。かつそんな話は「横浜中華街」など日本の中華街に直結する話でもない。

*1:小生も飛田に行ったことがないのでよく知りません。

*2:少なくとも「町の多数派(過半数以上)」にはならないでしょう。「2割や3割」などその意向を無視できない%となることはあるとしても。

*3:著書『大蔵省改革』(1997年、岩波ブックレット)、『大統領とメディア』(2001年、文春新書)、『総理大臣とメディア』(2002年、文春新書)、『アメリカ大統領の嘘』(2004年、講談社現代新書)、『日本はどう報じられているか』(2004年、新潮新書)、『アメリカ情報・文化支配の終焉』(2019年、PHP新書)など