金井重さんを偲んで - 高世仁の「諸悪莫作」日記
ググったところ金井さんには『年金風来坊シゲさんの地球ほいほい見聞録』(2000年、中公文庫)という著書があるので紹介しておきます(なぜかこの高世記事では『シゲさんの地球ほいほい見聞録』(1991年、山と渓谷社)は紹介されても文庫版は紹介されていませんが)。
飯塚繁雄さんの逝去によせて2 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
この記事タイトルで
最近の国際ニュースでは中国の動きばかりが気になる。
と中国のこと(主として香港問題)を延々書き出すのだから呆れます。
高世はなぜか「一日一記事」という変な縛りがあるようですが、そんな縛りはなくして「中国記事は1記事」「拉致記事は1記事」でこの記事は「2つの記事」にしたらどうなのか。高世が何で飯塚繁雄さんの逝去によせて2 - 高世仁の「諸悪莫作」日記に「中国批判」を延々書くのか意味が分かりません(分量的には中国批判部分と拉致関係部分はほぼ同じ分量)。
しかも「わざわざ一緒にすると言うことは拉致関係記事だけでは分量が少ないと言うことか。今回で拉致は終わりか」と思いきや「つづく」。「はあ?」ですね。
まあ、拉致関係部分も「金賢姫のいわゆる李恩恵証言」で「李恩恵と見られる田口八重子さん(飯塚繁雄の妹)に注目が集まった」つうだけの「それ、拉致について一定の知識がある人間なら、もうみんな知ってるから」つう中身の乏しい内容です。
それにしても「李恩恵証言」と言えば
1988年3月26日/参議院予算委員会での橋本敦議員の質問(抜粋)から一部引用
◆橋本敦君
(ボーガス注:金賢姫証言によれば日本人拉致被害者と思われる)恩恵を含めて徹底的に調べて、捜査、調査を遂げなきゃならぬという責任があるんだというように私は思うんですね。そういう点について、捜査を預かっていらっしゃる国家公安委員長として、こういう(ボーガス注:拉致の疑いがある失踪したアベックの)家族の今の苦しみや思いをお聞きになりながらどんなふうにお考えでしょうか。
◆国務大臣(梶山静六君*1)
昭和五十三年以来の一連のアベック行方不明事犯、恐らくは北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚でございます。解明が大変困難ではございますけれども、事態の重大性にかんがみ、今後とも真相究明のために全力を尽くしていかなければならないと考えております
◆橋本敦君
外務大臣、いかがでしょうか。
◆国務大臣(宇野宗佑君*2)
ただいま国家公安委員長が申されたような気持ち、全く同じでございます。もし、この近代国家、我々の主権が侵されておったという問題は先ほど申し上げましたけれども、このような今平和な世界において全くもって許しがたい人道上の問題がかりそめにも行われておるということに対しましては、むしろ強い憤りを覚えております。
ということで橋本敦氏の功績が大きいわけですが、果たして今回の記事で高世はそれに触れるのかどうか?(『救う会、家族会の幇間、太鼓持ち』の高世では触れなくても不思議ではありませんが)
そもそも高世の立場では国会で、早い時点で北朝鮮拉致の可能性を指摘し政府側の答弁を引き出した橋本敦氏の死に際して、その件が必ずしも報道されていないことが拉致風化を物語る - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)のような『橋本敦氏の逝去に寄せて』という文章を書いてもおかしくないところ「書かない」のだから「おいおい」ですが。
さすがに高世も
横田滋さんの逝去によせて7-国会で初の「拉致」答弁 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
1988年3月26日の参院予算委員会で、橋本敦議員が質問に立った。
この質疑は、「李恩恵」にはじまってレバノン女性拉致事件までを網羅しており、政府から画期的な次の答弁を引き出している。
◆梶山静六国家公安委員長
「昭和53年以来の一連のアベック行方不明事犯、恐らくは北朝鮮による拉致の疑いが濃厚でございます。解明が大変困難ではございますけれども、事態の重大性にかんがみ、今後とも真相究明のために全力を尽くしていかなければと考えておりますし、本人はもちろんでございますが、ご家族の皆さん方に深いご同情を申し上げる次第であります」
関心のある方は、国会議事録(https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=111215261X01519880326¤t=1)をお読みください。(梶山大臣の答弁は120)
で橋本氏を取り上げていますが、ほとんど取り上げないのだから呆れます。
工作機関の最高機密である国際テロの準備に深くかかわる立場に置かれた田口八重子さんと横田めぐみさんの奪還は非常に難しく、あの国の体制に大きな変化が必要だと思う。(つづく)
高世には「おいおい」です。
第一に「金賢姫の日本語教育係だった李恩恵」と推定されている田口さんは「実際に日本語教育係・李恩恵」なら出せないかもしれない*3。北朝鮮は今も公式には「大韓機爆破への関与を認めてない」からです。
彼女が李恩恵で、また、今も生きてるとして、彼女に「金賢姫のことについてはノーコメントで」と口止めした上で出す可能性、あるいは「金正恩は事件に直接関与してない」ということで「金賢姫との関係を認めても構わない(事実上、大韓機爆破への北朝鮮の関与を認める)」で出す可能性はゼロではありませんが。しかし横田さんについてはその種の情報は何も無いわけです。「あるというなら出してみろ、高世!」ですね。
第二に「田口さんや横田さんが今も生きてる」と断言できる証拠は何もない。死去してる可能性は十分あります。
第三に「北朝鮮体制に大きな変化」とは一体何なのか。それをどうやって「起こすのか」。それについて高世が何も言えないのならそれは「大きな変化が起きない限り帰ってこない(だから諦めて下さい)」と言ってるのも同然です。
勿論ここで高世が「大きな変化」として「荒木や島田のような北朝鮮打倒論」を唱えるのも非常識ですが。中露が支援する以上、そんな可能性は乏しいし、そんな放言をしたら日朝交渉の障害になります。
最後に「中国記事」部分について簡単にコメント。
投票率30,2%と前回(58.28%)から半減したのは、せめてもの市民の抵抗だろう。
と言う高世ですが厳しいことを言えばこうした抵抗は「制度上、選挙を無効にするわけではない」のであまり意味がありません。
かつ「前回選挙ですら58%で全員投票してるわけではない」「半減したとはいえ30.2%はそれなりに高い投票率(日本の選挙では、『首長選挙での現職相乗りVS共産』の場合はもっと低い投票率の場合も珍しくない)」ということを考えれば高世が言うほど高評価できるかどうか。