新刊紹介:「前衛」2022年2月号(追記あり)

 「前衛」2月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。「俺の無能」のため「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
◆今月のグラビア『戦時増産体制の犠牲者たち:山口・長生炭鉱強制動員と「水非常」』(安田菜津紀*1、佐藤慧)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 - chouseitankou ページ!
海底炭鉱に眠る183人、墓標は2つ「同列扱いできぬ」:朝日新聞デジタル2020/12/11
1942年2月「長生炭鉱」水没事故 「遺骨収集し尊厳の復活を」 宇部で犠牲者追悼集会 /山口 | 毎日新聞2021/1/31
<EYES> フォトジャーナリスト 安田菜津紀さん 炭鉱に負の歴史:中日新聞Web2021年8月5日


◆対談『COP26が合意した1・5℃目標・脱炭素:気候危機打開へ国民的共同の年に』(浅岡美恵*2(気候ネットワーク代表、弁護士)、笠井亮*3日本共産党衆院議員、国会議員団気候危機対策委員会責任者))
◆インタビュー『気候変動は社会構造の限界から 変革に希望はある』(uka(ゆか)さん)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/COP26岸田演説/脱炭素に逆行する姿勢は重大2021.11.5
国際社会から取り残される日本政府の態度厳しく批判/COP26 田村氏が記者会見2021.11.13
主張/COPと岸田政権/1.5度目標達成へ姿勢を改めよ2021.11.16


野党共闘優位のなかの岸田ビジョンの正体:岸田版「新しい資本主義」の虚像と実像(二宮厚美*4
(内容紹介)
 岸田の「新しい資本主義」が「アベノミクス」など過去の新自由主義施策への反省に基づく「適切な是正措置」ではなく「ただのイメージ戦略に過ぎない」と批判。「モリカケ、桜」という「安倍の犯罪行為」すら黙認する岸田に「政策是正など期待できない」とする。
参考
中小淘汰 軍事優先/「新しい資本主義」提言案/政府が第2回会合2021.11.9
「新しい資本主義会議」/財界人ら 大企業支援や規制緩和を要求/議事要旨で判明2021.11.23
主張/与党税制大綱/不公平是正を置き去りのまま2021.12.15


辺野古・大浦湾の豊かな自然を守るために工事の即刻中止を:「ホープスポット」認定の意義と保護の必要性(安部真理子)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
米NGO 辺野古「希望の海」認定/新基地から守る場所/自然保護協会、沖縄県に要望2019.10.30


◆ドイツ総選挙をどう見るか(木戸衛一*5
(内容紹介)
 いろいろな指摘がされていますが、小生を含む共産支持者にとってやはり「注目せざるを得ない」のは「左翼党の議席減」でしょう。
 筆者は「左翼党の有力票田だった旧東ドイツ」において左翼党支持から極右政党「ドイツのための選択肢」支持への移動が見られると指摘。そうした状況は「左翼党のみならず」、ドイツ民主主義にとっても脅威としています。
 また「ライバル」である左派政党「社民党」「緑の党」との「差別化」に失敗したこと(特に社民党緑の党が「野党共闘による政権交代」をアピールできたのに対し、独自路線の左翼党にはそれが出来なかったこと)が「左翼党の不振の大きな理由」とみています。
 なお「キリスト教民主同盟の下野」についてはメルケルの責任を問うています。彼女と党執行部が「長期政権にあぐらをかき」ポストメルケルを育ててこなかったこと、またメルケル長期政権によって「キリスト教民主同盟への支持=メルケルへの支持(メルケルの政党だから支持するのであって政策での支持ではない)」となってしまったことが「メルケル退任」で「完全に裏目に出た」としています。
 また、「社民党党首ショルツ(今回、首相に就任)」が「メルケル政権で副総理・財務相(2018年3月から2021年12月まで)」を務めたがために「メルケルへの支持→ショルツへの支持」になってしまった面(つまり今回社民党に投票した保守層がかなりいる)と見ています。
【追記】
 木戸論文については「マンガ論争 24」で対談&木戸衛一「ドイツ総選挙をどう見るか」 - 紙屋研究所が触れていることに気づいたので紹介しておきます。紙屋の指摘している部分については、小生の「上の要約」ではうまく触れられなかったので紙屋記事を一部紹介しながらコメントしておきます。

「マンガ論争 24」で対談&木戸衛一「ドイツ総選挙をどう見るか」 - 紙屋研究所

 女性、LGBTなど、抑圧されたマイノリティのアイデンティティを主張する「アイデンティティ・ポリティクス」である。「ブラック・ライヴズ・マター」(BLM)運動の影響がそれに拍車をかけたことは言うまでもない。ところが「アイデンティティ・ポリティクス」は、いささか一般庶民の感覚からずれた展開を示している。(「前衛」p.92)

 木戸が「一例」としてあげたのは、言語のジェンダー化の問題だ。
 記事を読んだだけではよくわからなかったのだが、次のネット記事を読んで、こういう話かと理解した(正しくないかもしれないが)。

第6回(最終回) 女性形と男性形 – 地球はとっても丸い
 一般的に「先生」を指す場合は、男性形の「Lehrer」(単数複数同じ)である。しかし男女差別であるとし、「Lehrerinnen und Lehrer(女性教師に複数形と男性教師の複数形)」を使うことが増えてきた。このとき、女性形から先にいうのが暗黙の了解にと*1なっている。

 その例証として、木戸は「フランクフルター・アルゲマイネ」紙の世論調査を紹介。例えば「男性名詞とともに常に女性形を書くジェンダー的に正しい言葉遣い」をするのに理解を示すのは19%しかなく、71%が「やりすぎ」と答えている。
 このような世論状況のもとで、左翼党の中はどうなっているのか。

 左翼党の中で「アイデンティティ・ポリティクス」に手厳しい批判を加えているのが、ザーラ・ヴァーゲンクネヒトである。(「前衛」p.92)
 「アイデンティティ・ポリティクス」についてヴァーゲンクネヒトは、大都市に住み高学歴・高収入で、グローバル化EU統合の恩恵を受けている「ライフスタイル左翼」が、社会問題や再分配の問題よりも、ライフスタイルや消費習慣、道徳的態度の問題を政治テーマ化し、自分たちを模範に伝道していると強く批判した。(「前衛」p.94)

 2021年6月にはヴァーゲンクネヒトに対する除名動議騒動までおきている。
 木戸は、ヴァーゲンクネヒトが緑の党社会民主党の有志と「立ち上がれ」運動を起こしたことについて、「不服従のフランス」やコービン労働党の動きにならったものだと見つつも、ヴァーゲンクネヒトの動きは「左翼党内の亀裂をむしろ深めた(ボーガス注:その結果、選挙での議席減も招いた)」(p.94)と冷静に見ている。
 ヴァーゲンクネヒトのようなやり方では、分断が煽られてしまう。
 しかし、だからと言って、「ライフスタイル左翼」批判に学ぶことがないわけではない。ジェンダー平等の課題として押し出されている問題が、その国の資本主義制度のどのような矛盾から生じているかを常に左翼は考えるべきであって、その中でも、経済や再分配の問題と切り離したり、それを後回しにしたりするようなやり方をすれば、「ライフスタイル左翼」とみなされてしまうということだ。
 ジェンダーや気候危機の問題が、生活から浮き上がってしまうような提起の仕方に、注意すべきなのである。

 まあ、これは紙屋個人がそういう価値観であることは勿論でしょうが、党執行部や木戸においても「単にドイツ左翼党を評価してるだけではなく、日本共産党衆院選での議席減に対する反省」という意味合いもあるでしょう(ただし、日本共産党は「少なくとも主観的には『ライフスタイル左翼』とやらを目指したつもりはない」でしょうが)。
 この点については今日のしんぶん赤旗(2022年1/1日分)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで紹介した志位発言をご覧頂ければと思います。「反共分子」リベラル21あたりが悪口雑言するほど共産党は「党は常に無謬」というようなスタンスでは全くありません。むしろ「そうした思い上がり」はリベラル21の方にこそ「強く感じます」。
 さて 2021年6月にはヴァーゲンクネヒトに対する除名動議騒動までおきている。というヴァーゲンクネヒトですがググったところ

◆ドイツ社民党党首、シュレーダー政権財務相、左翼党共同代表を歴任したオスカー・ラフォンテーヌの妻
オスカー・ラフォンテーヌ - Wikipediaによれば「四人目の妻」だそうです。
◆ドイツ左翼党で副党首や国会議員団長を務めた

ということで、そういう「幹部級の人間」が「除名騒動」では「議席減」もやむを得ないでしょう。
 リベラル21は「コメント拒否常習の非民主的サイト」のくせにやたら「日本共産党の党内民主主義ガー」を言いますが「党内民主主義」は「左翼党の内紛劇→議席減」でわかるようにそれ自体は「選挙での躍進」につながる物では必ずしもありません。

【参考:ヴァーゲンクネヒト】

選挙の看板 : 死して屍拾う者無し2017.9.7
 左翼政党といえば。
 党首じゃないんだけど、人気のある政治家が居ましてね。
 ザーラ・ヴァーゲンクネヒトさんて言うんだけど。
 45歳くらいかな。
 この人色気があって美人だなとアタイは思うわ。
 彼女のどアップの看板が街中にたくさん貼られてるよ。
 ほぼこの党の顔扱い*6
 東ドイツ生まれで父親がイラン人だとか。
 幼少期に父親は失踪したらしいので母親に育てられたんだって。
 彼女は恐らくこの政党でもっとも人気がある政治家じゃ無かろうかと。
 「もっともセクシーなドイツの政治家トップ10」なるランキングがありまして。
 そんな下世話なランキングがあるのか?!って思うでしょー!
 あるんだな、これが。
 そんで、彼女はいつも1位なのよ。
 そんなザーラ・ヴァーゲンクネヒトさんだけど。
 数年前に同じ政党の政治家と再婚されたってウィキに書いてて。
 ふーんと思ったけど。写真見てびっくり。
 どえらい爺さんじゃないですか!ってね。
 旦那ラフォンテーヌ氏*7は71歳だとか。

 2017年時点で45歳つう事は、今年で50歳ですね。つまり「日中国交正常化」「沖縄返還」の年(1972年)に生まれたと。
 ドイツはどうか知りませんが日本では

◆山口公明党代表(1952年生まれ)
◆志位共産党委員長(1954年生まれ)
◆福島社民党党首(1955年生まれ)
◆岸田首相(1957年生まれ)
◆玉木国民民主党代表(1969年生まれ)

なので「1972年生まれ」なら「政界では若手扱い」でしょう。


◆座談会『メディアは2021総選挙をどのように報道したのか』(岩崎貞明*8/砂川浩慶*9/松元千枝/水島宏明*10
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

赤旗権力を助けて感謝されるメディアの野党共闘攻撃2021.12.4
 「赤旗」日曜版の取材に、自民党本部関係者は「野党共闘の脅威」を表立って口にしないことについて「そりゃそうでしょう。『野党共闘が効果があった』とか『恐ろしかった』とか公に言うと、野党が『それなら野党共闘をどんどんやろう』ということになりかねない。だからメディアが『野党共闘が効果なかった』『失敗した』とキャンペーンを張っていることに、私たちは感謝していますよ」と語っています(11月28日号)。権力の監視どころか、権力を助け、権力から惜しみない感謝をよせられるようでは、メディアの恥ではないでしょうか。
 作家の中村文則さんは、「毎日」電子版2日付の「中村文則の書斎のつぶやき」で、今回の衆院選について「『野党共闘』は、立憲民主党日本共産党選挙協力がうまくいった所などで成果を上げ、数字上でも与党を追い詰めていた。与党自らも、(ボーガス注:産経、読売など)自民党を常に支持する媒体も、応援団の論客も、こぞってその選挙協力を必死に批判していたから、つまりそれだけ嫌だったのだろう」と指摘し、次のようにのべています。
 「野党共闘を嫌う理由の『共産党アレルギー』は言い訳で、本当はひそかに与党を利したいのではないか」「選挙後、いろんなマスコミが『なぜ自民党が勝ったのか』みたいなことを真顔で書いていて、飲んでいたコーヒーを何度も噴き出しそうになった。あなたたちがそういう報道をしているからだろう。日本のマスコミの多くは、ジャーナリズム精神をひそかに捨ててから、もう大分年月がたっている」

TBS「news23」で選挙報道が激減! フジ「Live News α」は選挙を捨てた? - 水島宏明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
 これまで国政選挙のたび比較的熱心に選挙報道に時間を割いてきた看板ニュース番組で、選挙期間中にもかかわらず、従来の衆院選挙ほど選挙を扱わなかったのである。
 その典型がTBS「news23」である。
 ジャーナリズムの世界に身を置いてきた者として、「news23」という看板だけは同じ名称とはいえ、その中身が大きく変質してしまったと言わざるをえない。
 視聴率が獲れないから「選挙報道を捨てる」という傾向は他局でも見られる。特にあからさまなのが、公示日を除いて選挙について報じなかったフジテレビの「FNN Live News α」だ。


特集『いまこそ学童保育の施策の抜本的な拡充を』
学童保育にとって大切なこと:その歴史から学ぶ(石原剛志*11
学童保育に欠かせない指導員の仕事:その配置、専門性と待遇を考える(小野さとみ)
◆子どもたちが安心して関係を築ける人数の学童保育を:「40人以下」の実現を考える(嘉村祐之*12
◆「経営(運営)主体の多様化、民営化」がすすむ学童保育(賀屋哲男)
学童保育施策をより充実させるために(千葉智生*13
(内容紹介)
 赤旗などの記事紹介で代替。
「学童保育」都道府県の約半数で減少 コロナ禍で利用料払えず | 教育 | NHKニュース2021.12.30
学童保育待機1万3000人超 21年5月時点、2年連続減: 日本経済新聞2022年1月4日
赤旗
主張/学童保育の「基準」/放課後の安心へ責任を果たせ2018.12.17
主張/学童保育の課題/政治の責任で地域格差解決を2019.11.10
学童保育 大わらわ/学校ごとに違う授業時間 行政の財政支援がほしい/分散登校 開始目前/横浜2020.5.29
賃上げ対象 学童保育も/埼玉 梅村氏に連絡協議会要望2021.12.8


◆検証 2020東京オリンピック オリンピックの歴史に汚点を残した大会(上)(末延渥史)
(内容紹介)
 「コロナ禍での開催強行」「当初予算を大幅に超える開催費用」などが批判されている。
参考
主張/閉幕した東京五輪/強行が命の危機を加速させた2021.8.10
主張/パラ・学校観戦/子どもたちを危険にさらすな2021.8.21
主張/東京パラの開幕/「命を最優先」とは相いれない2021.8.25
主張/菅政権とオリ・パラ/感染爆発招いた責任免れない2021.9.5
五輪・パラ感染855人/「密」生み出す 医療に負担 対策費膨張/強行が生んだ問題数々2021.9.7
東京五輪に1兆4530億円/招致段階試算の2倍/組織委発表2021.12.24
コロナ現場 支障明白/オリパラ医療動員 池川都議が批判/都議会特委2021.12.26


ジェンダー覚書:The personal is political『女性差別撤廃条約・第9回日本政府報告』(米沢玲子)
(内容紹介)
 女性差別撤廃条約に関する「日本政府の国連への報告」について『夫婦別姓』など国連の指摘に対して『日本政府が指摘通りにやらないことの言い訳(自己正当化)』に終始しており、全く評価できないと酷評している。


◆論点『三菱電機の監禁部屋・追い出し部屋撤廃のたたかい』(米田徳治*14
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
三菱電機女性社員が15年間のパワハラを初告白 性教育と称したセクハラ、「独居室」で救急搬送、15分離席で懲戒処分に(1/6)〈dot.〉 | AERA dot. (アエラドット)2021.12.17
赤旗
三菱電機に追い出し部屋/労働者に退職迫る ユニオン 撤回要求/冷暖房なし 監視カメラ 仕事与えず2021.11.11
追い出し部屋 実態告発/三菱電機 女性労働者支援の集会/電機・情報ユニオン2021.12.21


◆暮らしの焦点『北海道・道東地域で初の赤潮被害 運動と要請で緊急支援事業が実現』(田井共生)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
道漁業被害支援求める/紙議員質問主意書 政府「対応を検討」2021.11.6
赤潮被害に国支援必要/北海道釧路町 畠山氏、町長と懇談2021.11.14
北海道赤潮/被害総額は80億円/紙氏質問主意書 政府が答弁書2021.11.25
国、漁業者に一部支援/北海道 太平洋赤潮被害/紙氏に答弁書2022.1.13


メディア時評
◆テレビ『NHKならではの大型企画』(沢木啓三)
(内容紹介)
 NHKスペシャル『新・ドキュメント太平洋戦争』の紹介。
参考

太平洋戦争80年 真珠湾攻撃の爪痕 今なお深く | NHK | WEB特集2021年12月2日(NHKスペシャル「新・ドキュメント太平洋戦争」取材班/在米ジャーナリスト 野口修司)
 私は、NHKの戦争や原爆関連の海外取材に40年近く携わってきた。
 今から29年前に放送したNHKスペシャルのシリーズ「ドキュメント太平洋戦争」もその1つだ。
 今回、NHKでは、真珠湾攻撃から80年というタイミングで、29年前のシリーズ以来となる太平洋戦争の“通史”「新・ドキュメント太平洋戦争」を立ち上げることになった。
 沈没したアリゾナの生存者が生きていることが分かった。しかし日本のメディアの取材には、高いハードルが想像される。
 80年経過したとはいえ、布告無しで攻撃され、仲間が多数死傷している。重油まみれの仲間が、苦しみながら焼け死んだ様子も目の当たりにしている。
 日本の取材、しかもテレビインタビューの可能性はかなり低いと思った。
 その後、いろいろ手を尽くし時間をかけてようやく娘と直接交渉できるまでに至った。
 元アメリカ海軍の兵士、ルー・コンター氏、100歳。真珠湾攻撃当時、アリゾナ号の操舵手だった。
 コンター氏には、あくまでも、12月7日当日、アリゾナに乗っていて目撃したこと、感じたこと、触ったこと、匂ったことを中心に聞きたかった。ありがたくも2回インタビューの機会を得て、コンター氏の生の言葉を聞くことができた。
 真珠湾攻撃がいかにアメリカ軍全体にぬぐいがたい感情を植え付けたか、声を絞り出すように語った。
「当時私たちアメリカ人は、日本人のだまし討ちを許そうとは思いませんでした。日本人は、私たちが学んできた“行動規範”や“常識”とは違う世界で生きていると考えていました」

赤旗きょうの潮流 2021年12月8日(水)
 ラジオから流れてきた開戦のニュース。弟は「うでがなる、うでがなる」。学校では校長先生が「勝つと思って居れば必ず勝ちます」と勇ましく
▼当時山形市国民学校に通っていた少女の手記です。最初は少し恐ろしい気持ちだったのが日本軍の進撃に「万歳」をしないではいられなくなった、「女でも兵隊さんになって行かれる時は私も行こう」と決意していきます
▼1941年12月8日。アジア・太平洋戦争の始まりを、国民はどう迎えたか。
▼個人の視点から歴史の大きなうねりを追体験していくNHKの「新・ドキュメント太平洋戦争」。穏やかな人びとの営みが、なぜアメリカとの戦争に向かっていったのか。その頃の日記や手記からみえてくるのは生活の不満を背景にした誘導宣伝や「お国のために」という愛国心でした

エゴドキュメントから見えるリアルな太平洋戦争 | NHK | WEB特集
 太平洋戦争の開戦から80年。
 戦争の現実に迫る手掛かりとして注目されているのが、当時の市民や兵士の日記だ。
 個人の視点で綴られることから「エゴドキュメント」とも呼ばれる日記には、表現の自由が制約された時代に、誰にも言えなかった「本音」が記されている。
 全国の資料館や個人宅600か所をおよそ1年間かけて取材した中で、印象に残った日記や資料をエピソードとともに紹介したい。
NHKスペシャル「新・ドキュメント太平洋戦争」取材班/リサーチャー 上島妙子・ディレクター 長野怜英)


◆スポーツ最前線『北京五輪で問われる人権問題』(和泉民郎)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。なお、俺個人は「外交ボイコットには否定的な立場であること」をお断りしておきます。
中国に人権抑圧の是正と五輪憲章の遵守を求めよ│中国・台湾│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会2021.12.13
中国に対し国際法に基づく冷静な批判を/北京冬季五輪への政府代表派遣見送り 小池書記局長会見2021.12.25


文化の話題
◆映画『女性監督作品に光当てた東京国際映画祭』(児玉由紀恵)
(内容紹介)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。児玉記事では女性監督作品として「ヴェラは海の夢を見る」「市民」「オマージュ」が紹介されています。田中絹代について「全く触れてない」のは個人的には「いかがなものか」と思います。
 なお、「東京国際映画祭での田中絹代監督作品上映」については以前世間に知られ始めた「田中絹代が映画監督だった」と言う事実(2021年12/24版)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ世間に知られ始めた「田中絹代が映画監督だった」と言う事実(2021年12/28版)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで取り上げたので紹介しておきます。
参考

過酷な女性の運命、今を映す 東京国際映画祭コンペ作: 日本経済新聞
 市山尚三氏がプログラミング・ディレクターに就き、コンペ15作品の中身はがらりと変わった。
 全体の特徴としては「アジア」と「女性」の2つが挙げられる。
 市山氏は同時開催した映画祭「東京フィルメックス」の創設者で、未公開のアジアの秀作を紹介し続けてきた。それだけに地域別でアジアが9本と割合が大きくなったのは必然だろう。
 女性監督は共同監督含め4人だが、女性が主人公の作品が過半だった。男性優位社会にあらがう女性の姿を映す作品が多く、主要賞3本は女性監督が強い母親像を描いた。審査委員長の仏俳優イザベル・ユペールは「女性の過酷な運命が描かれているが、彼女たちは勝ち負けにかかわらず未来に目を向けている。今を映している」と評した。
 東京グランプリの「ヴェラは海の夢を見る」コソボのカルトリナ・クラスニチ監督の長編デビュー作。判事として名声のある夫が秘密を抱えて自殺したことで、残された中年ヴェラの暮らしが窮地に陥る。この本筋の展開に加え、家父長制の下での母娘の衝突を描くことで、ヴェラがたどった苦難の人生を想起させる巧みな物語だった。
 審査委員特別賞を受けたのはルーマニア出身のテオドラ・アナ・ミハイ監督「市民」。北部メキシコに住む中年シエロが、犯罪組織に誘拐された娘を自力で捜し出すために闇社会に分け入っていく。温和そうな母親が悲しみと怒りによって変貌していく様子には鬼気迫るものがあった。
 ロドリゴ・プラ、ラウラ・サントゥージョ共同監督「もうひとりのトム」は最優秀女優賞を受けた。注意欠陥多動性障害ADHD)の息子への投薬治療を拒んだ母親が育児怠慢と見なされ社会から責められる。親子が引き離されそうになる中、淡々と息子に愛情を注ぐ母親の姿が胸を打つ。

女性の生き様を描いた女性監督による作品が躍進、2021年の東京国際映画祭(オルタナ) - Yahoo!ニュース2021.12.20
 2021年秋に開催された第34回東京国際映画祭は、男女平等を目的の一つに掲げた。コンペティション部門の最高賞「東京グランプリ」を受賞した「ヴェラは海の夢を見る」のほか、「ムリナ」「オマージュ」など女性監督による女性の人生をテーマとする良作を数多く紹介した。
 東京国際映画祭は2021年3月、映画界の男女比の変革を目指す国際的な活動「Collectif 50/50」に世界で157番目、アジアでは最初に参加した。東京都知事賞も受賞したカルトリナ・クラスニチ監督の「ヴェラは海の夢を見る」は、同映画祭初のコソボからの出品作だった。夫を亡くした60代の女性が差別の中でも自立していく物語で、手話が重要な役割を果たす。
 クロアチアのアントネータ・アラマット・クシヤノヴィッチ監督の「ムリナ」は、2021年カンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)受賞作。島暮らしの娘をムリナ(クロアチア語ウツボ)になぞらえ、支配的な家庭からの脱出を描く。上記2作品は、価値観の異なる母娘の対立もテーマとなっている。
 「パラサイト 半地下の家族」の家政婦役イ・ジョンウンが主演したシン・スウォン監督の「オマージュ」は、1960年代の韓国映画界に足跡を残した女性監督たちを追想する物語である。
 なお、上記3作品の日本での一般上映や配信は、まだ決まっていない。

*1:著書『君とまた、あの場所へ:シリア難民の明日』(2016年、新潮社)、『それでも、海へ:陸前高田に生きる』(2016年、ポプラ社)、『写真で伝える仕事』(2017年、日本写真企画)、『故郷の味は海をこえて:「難民」として日本に生きる』(2019年、ポプラ社)、『あなたのルーツを教えて下さい』(2022年、左右社)

*2:著書『低炭素経済への道』(共著、2010年、岩波新書

*3:著書『政治は温暖化に何をすべきか』(2008年、新日本出版社

*4:神戸大学名誉教授。著書『生きがいの構造と人間発達』(1994年、労働旬報社)、『現代資本主義と新自由主義の暴走』(1999年、新日本出版社)、『自治体の公共性と民間委託:保育・給食労働の公共性と公務労働』(2000年、自治体研究社)、『日本経済の危機と新福祉国家への道』(2002年、新日本出版社)、『構造改革とデフレ不況』(2002年、萌文社)、『構造改革と保育のゆくえ』(2003年、青木書店)、『憲法25条+9条の新福祉国家』(2005年、かもがわ出版)、『ジェンダー平等の経済学』(2006年、新日本出版社)、『福祉国家の姿とコミュニケーション労働』(2007年、文理閣)、『格差社会の克服』(2007年、山吹書店)、『新自由主義破局と決着』、『保育改革の焦点と争点』(以上、2009年、新日本出版社)、『新自由主義からの脱出』(2012年、新日本出版社)、『橋下主義解体新書』(2013年、高文研)、『安倍政権の末路:アベノミクス批判』(2013年、旬報社)、『終活期の安倍政権』(2017年、新日本出版社)など

*5:大阪大学教授。著書『ドイツ左翼党の挑戦』(2013年、せせらぎ出版)、『変容するドイツ政治社会と左翼党』(2015年、耕文社)

*6:社民党における福島氏」「立民党における辻元氏」のような感じですかね。

*7:ウィキペディアに寄れば1943年生まれ。ヴァーゲンクネヒトが「1972年生まれ」だとすると30歳近く年の差があります。

*8:雑誌『放送レポート』編集長。専修大学特任教授

*9:立教大学教授。著書『安倍官邸とテレビ』(2016年、集英社新書

*10:上智大学教授。著書『ネットカフェ難民と貧困ニッポン』(2007年、日本テレビ)、『内側から見たテレビ:やらせ・捏造・情報操作の構造』(2014年、朝日新書)、『母さんが死んだ:しあわせ幻想の時代に(増補版)』(2014年、ひとなる書房)

*11:静岡大学教授

*12:国学童保育連絡協議会副会長

*13:国学童保育連絡協議会事務局次長

*14:電機・情報ユニオン委員長