岸田の施政方針演説を読んで雑感(2022年1月17日)

 岸田の所信表明演説を読んで雑感(副題:改めて松竹伸幸に悪口する) - bogus-simotukareのブログで紹介した令和3年12月6日 第207回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説 | 総理の一日 | 首相官邸ホームページの「続編」であり「演説者は同じ岸田」で「12月の演説から1ヶ月しかたってない→演説内容にそれほど大きな変化がない」ということで「感想内容」は岸田の所信表明演説を読んで雑感(副題:改めて松竹伸幸に悪口する) - bogus-simotukareのブログとかなりかぶります。
 早速岸田の演説を見てみましょう。

岸田文雄首相の施政方針演説全文(1/4ページ) - 産経ニュース
二 新型コロナ対応
 G7(先進7カ国)で最も厳しい水準の水際対策により、海外からのオミクロン株流入を最小限に抑えてきました。
 この対策により、3回目のワクチン接種の開始、無料検査の拡充、経口薬の確保、医療提供体制の充実など、国内感染の増加に備える時間を確保できました。
 当面の対応として、2月末まで、水際対策の骨格を維持します。
 私から各自治体に、自己点検を依頼し、医療提供体制の確保に万全を期すよう要請しました。
 即応病床数の確保は順調に進んでいます。
 また、今後重要となる在宅・宿泊療養に対応する地域の医療機関を、全国1・6万、「全体像」の計画をさらに3割上回る体制を準備できました。
 陽性と判断されれば、直ちに健康観察や訪問診療を実施するとともに、必要な方へのパルスオキシメーターの迅速なお届け、経口薬へのアクセスの確保を徹底します。
 ワクチンについては、医療関係者、高齢者3100万人を対象とする3回目接種の前倒しについて、ペースアップさせます。
 感染拡大が懸念される地域において、予約なしでの無料検査を拡充します。
 ファイザー社の経口薬についても、月内に200万人分の購入に最終合意し、来月できるだけ早くの実用化を目指します。
 これまでワクチンの接種対象ではなかった12歳未満の子供についても、希望者ができるだけ早く、ワクチン接種を受けられるよう、手続きを進めます。
 在日米軍の駐留に関わる保健・衛生上の課題に関し、地位協定に基づく日米合同委員会において、しっかり議論していきます*1
三 新しい資本主義
(デジタル田園都市国家構想)
 まずは成長戦略。第一の柱はデジタルを活用した地方の活性化です。
六 地域活性化
 デジタル以外の地域活性化にもしっかりと取り組みます。
 農林水産業については、輸出の促進と、スマート化による生産性向上により、成長産業化を進めます。
 観光産業についても、新型コロナの影響への適切な支援を図りつつ、コロナ後を見据え、観光産業の高付加価値化を推進します。
 日本酒、焼酎、泡盛など文化資源のユネスコへの登録を目指すなど、日本の魅力を世界に発信していきます。

 「かなり長い引用になりましたが」岸田の所信表明演説の主な内容が「コロナ対策(感染防止、治療)」と「新しい資本主義*2」であることが見て取れます(勿論拉致など明らかに重要課題扱いされていません。まあ、それは安倍や菅義偉も同じですが)。

 本年は、沖縄の本土復帰50周年です。この節目の年に、復帰の歴史的意義を想起し、沖縄の歴史に思いを致します。強い沖縄経済を作るための取り組みを進めます。

 沖縄に触れた部分がこれだけなのだから呆れます。建前ですら「基地被害の軽減」とは言わなかったようです。そして「強い沖縄経済」とやらに「具体性が全くない点」も何ともかんとも。

八 外交・安全保障
 重要な隣国である韓国に対しては、わが国の一貫した立場に基づき、適切な対応を強く求めていきます。

 「我が国の一貫した立場」「適切な対応」は「日本政府(安倍、菅、岸田政権)は悪くない。全て韓国が悪い。韓国が『誠実な対応』をとれば全て解決する」の意味だろうと見当がつきますが、はっきり表現して韓国の反発を買うことは避けたいようです。岸田の「日頃の言動」を知っていれば意味が分かりますが、予備知識なしでこれだけ読んだのでは意味が分かりません。

九 憲法改正
 先の臨時国会において、憲法審査会が開かれ、国会の場で、憲法改正に向けた議論が行われたことを、歓迎します。
 憲法の在り方は、国民の皆さんがお決めになるものですが、憲法改正に関する国民的議論を喚起していくには、われわれ国会議員が、国会の内外で、議論を積み重ね、発信していくことが必要です。
 本国会においても、積極的な議論が行われることを心から期待します。

 令和3年12月6日 第207回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説 | 総理の一日 | 首相官邸ホームページでもそうでしたが今回も「憲法改正についての議論を歓迎」と他人事発言で「岸田自民は何を改憲したいのか」明言できない岸田です(勿論、岸田においても、安倍や菅と同様に改憲の本丸は九条でしょうが)。
 勿論「護憲派は岸田への油断は禁物」ですが岸田が「下手に改憲に触れると野党の批判で政権運営が危うくなる危険がある」と考えていることは確かでしょう。

*1:触れるだけマシですが「地位協定改定」を明言できない点が所詮、岸田の限界です。

*2:岸田はこの言葉に明らかに格差是正新自由主義脱却のイメージを持たせようとしていますが、「新しい資本主義」の最大の売りは「デジタル田園都市国家構想」なのだからどこが「格差是正新自由主義脱却」なのかという話です。