自民党京都府連の選挙買収疑惑をろくに報じないテレビに呆れる

2月13日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント:五十嵐仁の転成仁語:SSブログ

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月13日付に掲載されたものです。〕
*巻頭特集「大メディアでは片隅 経済安保室長更迭やテレ朝社長辞任劇」
◆民主主義の根幹を揺るがす問題もスルー
 「安倍政権以降の大メディアは、政権のスキャンダルはなるべく報じないという忖度体質が骨の髄まで染み込んでいるように感じます。経済安保官僚のスキャンダルもそうだし、同じく10日発売の月刊『文芸春秋』では自民党京都府連の組織的な選挙買収も報じられた。広島の河井夫妻の事件と同じで、組織的にやっている方が悪質とも言えるのに、テレビメディアはまったくこの問題を騒ぎ立てず、五輪と首都圏の大雪情報に明け暮れていました。民主主義の根幹を揺るがす問題をスルーしてしまうのだから、感覚が麻痺しているとしか思えない。大メディアはもはやジャーナリズムとしての存在意義を失っています」(法大名誉教授の五十嵐仁氏*1政治学
 10日の衆院予算委員会では、「文芸春秋」の記事が事実かどうか、かつて府連会長を務めていた二之湯国家公安委員長が質問される場面もあった。

 全く同感なので紹介しておきます。

参考

自民京都府連の組織的買収疑惑/国政選挙の直前に府議に50万円分配/「金の流れ事実」 衆院3期元議員が証言2022.2.20
 自民党京都府連(西田昌司会長)が国政選挙前に候補者から集めた資金を府議会議員らに配ったとされる問題をめぐり、元自民党衆院議員の安藤裕(ひろし)氏*2が自身のネット動画配信で選挙直前に250万円から300万円を府連に寄付していたと証言しました。安藤氏は、2021年10月まで京都6区を地盤に衆院議員3期を務めていました。
 動画で安藤氏は、初当選した12年の衆院選の直前に250万円を府連に寄付したと証言。当時は自身の選挙区内に自民党所属の府議が5人いたため、府連が5人に50万円ずつ分配するために250万円を寄付することになったと明かしました。
 さらに14年の衆院選からは、選挙区内の府議が6人になったため、300万円を寄付したといいます。
 『文芸春秋』3月号によると、府連の内部文書に「マネーロンダリング資金洗浄)」との記述があり、組織的に「選挙買収」が行われていた疑いがあるとされます。
 本紙の取材に安藤氏は「(事実関係は)動画で話した通りです」としています。

*1:著書『戦後保守政治の転換』(1987年、ゆぴてる社)、『一目でわかる小選挙区比例代表並立制』(1993年、労働旬報社)、『保守政治リストラ戦略』(1995年、新日本出版社)、『徹底検証・政治改革神話』(1997年、労働旬報社)、『政党政治労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像』(2003年、小学館)、『現代日本政治』(2004年、八朔社)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイヴス』(2004年、法律文化社)、『活憲』(2005年、山吹書店)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『対決・安倍政権:暴走阻止のために』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり』(2017年、学習の友社)、『打倒・安倍政権:9条改憲阻止のために』(2018年、学習の友社)

*2:第4次安倍内閣復興大臣政務官