「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年2/22日分:荒木和博の巻)

政府が国民を裏切った飯倉公館事件(怒ろう!ニッポン人③R4.2.22): 荒木和博BLOG

 私が政府に対し本当の不信感を抱くようになったのは平成14年(2002)9月17日、第1次小泉訪朝の夕方、外務省飯倉公館で起きた事件がきっかけでした。

 6分38秒の動画です。説明文だけで見る気が失せます(一応見ましたが)。
 「小泉政権」に仮に何らかの落ち度があるとしてもそんなことが「荒木らの今の活動目的」である「拉致被害者の救出」と何の関係があるのか。何の関係もない。小泉訪朝の関係者も「官房副長官だった安倍(安倍派会長)」を除いて、当時の「小泉首相」「福田官房長官」「川口外相」はすでに政界を引退しています。
 今すべきことはそんな小泉政権批判よりも「岸田内閣に何を要求するのか」でしょう。
 荒木のやってることは「岸田内閣への要望そっちのけ」で

北方領土問題について「日ソ国交正常化」の鳩山一郎首相、重光外相、河野*1農林相
竹島問題について「日韓国交正常化」の佐藤首相、椎名*2外相
◆沖縄基地問題について「沖縄返還」の佐藤首相、愛知*3外相

を今、非難する位とんちんかんです。そんなことをやっても問題解決につながるわけではない。
 それにしても荒木が「小泉内閣は国交正常化に前のめりだった(拉致など本心ではどうでもよかったのだ)」と非難したあげく、安倍、菅、岸田についてまで
【安倍】

安倍晋三首相、所信表明演説の全文(5/7ページ) - 産経ニュース2018.10.24
 相互不信の殻を破り、拉致、核、ミサイルの問題を解決し、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指します。*4

施政方針演説の全文: 日本経済新聞2019.1.28
 北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動いたします。北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指します。

安倍首相 施政方針演説全文 | 注目の発言集 | NHK政治マガジン2020年(令和2年)1月20日
 日朝平壌宣言に基づき、北朝鮮との諸問題を解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指します。何よりも重要な拉致問題の解決に向けて、条件を付けずに、私自身が金正恩委員長と向き合う決意です。

【菅】

令和3年1月18日 第二百四回国会における菅内閣総理大臣施政方針演説 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
 日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指します。

【岸田】

令和3年10月8日 第二百五回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
 日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指します。

令和4年1月17日 第二百八回国会における岸田内閣総理大臣施政方針演説 | 令和4年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
 最重要課題である拉致問題について、各国と連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組みます。私自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指します。

という演説を理由に「そんなに国交正常化が大事か」と悪口するのには絶句しました。
 「国交正常化妨害のために拉致を政治利用してる」荒木の本性がモロバレです。
 なお「とても、本気で国交正常化する気があるとは思えません」が、このように安倍、菅、岸田ですら「建前の世界」では正常化交渉を否定しません。公然と否定するのは荒木のような極右だけです。
 そして「過大評価はできません(残念ながら正常化の見通しが見えないため)」がこうした演説に荒木らが反発しても「国交正常化」という言葉が演説に入り続ける程度には拉致の風化によって「救う会の政治力も衰退した」わけです。これが小泉訪朝直後なら、荒木らの反発に自民党側が屈服し「国交正常化」の語を削除した可能性が強いでしょうが。

*1:鳩山内閣農林相、岸内閣経済企画庁長官、池田内閣農林相、建設相、副総理、佐藤内閣副総理など歴任

*2:内閣官房長官、池田内閣通産相、外相、佐藤内閣通産相、外相、自民党総務会長(佐藤総裁時代)、副総裁(田中、三木総裁時代)など歴任

*3:内閣官房長官、法相、池田内閣文相(科技庁長官兼務)、佐藤内閣文相(科技庁長官兼務)、官房長官、外相、田中内閣蔵相など歴任

*4:ただし初期の安倍演説には「国交正常化」という言葉は出てきません。途中で方針変更があったわけです。