珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年2月22日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真リツイート
 大野たかしさん。日本共産党が広島、長崎への原爆投下は大日本帝国が招いたのだから、日本人に責任があると考えている。最近の日本共産党は米国の戦争犯罪を免罪。東京や大阪など各地への空襲も日本人に責任論。

 「もはや早急に降伏すべきだ」という近衛上奏文が出たのが「1945年2月」です。この時、近衛の進言に従って昭和天皇が早期に降伏していれば「1945年3月の東京空襲や大阪空襲、8月の原爆投下」はなかった。
 勿論それ以前に「対米開戦(真珠湾攻撃)すべきではなかった」「ハルノートを受諾すべきだった」のですが。
 「日本の対米戦争」はそういう意味では「一方的にプーチンに攻め込まれたウクライナ」とは訳が違う。
 そうした指摘をする大野氏に「米国を免罪するのか」と言い出す黒坂には心底呆れます。とはいえその黒坂ですら「真珠湾攻撃は間違っていなかった」とはいえないわけですが。

黒坂真
 日本共産党の平和理論なら、ウクライナNATOと絶縁し、軍隊を解散していればロシアの侵略を止める事ができたと言う結論になりますよ*1

 呆れて二の句が継げません。
 日本共産党の「九条擁護」「日米安保反対」は

志位和夫
 憲法9条をウクライナ問題と関係させて論ずるならば、仮にプーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条なのです*2

山添拓*3
 憲法9条は、ロシアのように政府が他国への侵略行為に及ぶのを防ぐための規範。
 もちろん戦争を防ぐには、9条の存在だけで足りるわけではない。9条を活かし、対話と協力の地域を築く不断の外交努力があってこそ平和は維持される。
 ウクライナ情勢に絡めて9条をけなすのは、筋違いも甚だしい。

というツイートでもわかるとおり、「九条改憲日米安保(というか日米安保に基づく集団的自衛権行使)によって専守防衛以外の行為を自衛隊がやる恐れがある」という話であって「九条護憲や日米安保廃止で外国の侵略がなくなる」などという馬鹿げた話ではないので言いがかりも甚だしい。
 そして、むしろ志位氏らのツイートからは「ウクライナではなく」ロシアに憲法九条があればプーチンの無法は不可能だったと評価していると見るべきでしょう。
 しかもこうした志位氏らのツイートをリツイートしながら、ウクライナ問題をネタにした護憲派日本共産党)誹謗を続けるのだから黒坂も呆れたバカです。なお、こうした言いがかりへの反論としては澤藤統一郎の憲法日記 » ウクライナの事態は「9条の危機」だなんて、ご冗談を。を紹介しておきます。澤藤氏も言うように「九条の危機」どころか「ロシアに憲法九条があればプーチンの無法は不可能だった」という意味で「九条の有用性」が示されたと俺は考えます。
 戦前には「日清戦争」「日露戦争」「シベリア出兵」「日中戦争」「太平洋戦争」など「専守防衛以外の行為」をしていた日本も戦後は「憲法九条の縛り(専守防衛)」によって「そうしたことはなくなった」わけです。
 つうかウクライナ問題を口実に九条を誹謗とは勿論「護憲派にも失礼」ですが「ウクライナにも失礼」です。ウクライナ問題をまともに考えてる奴はこんなことはしない。

黒坂真
 日本共産党レーニンの見地から、金正恩朝鮮労働党による核軍拡、中国共産党による台湾攻撃、香港への国家安全維持法強制は日米軍事同盟強化が根源であると見る。金融資本が戦争の根源。

 一体いつ日本共産党がそんなことを言ったのか、証拠を出せ、無茶苦茶なデマはやめろという話です。ここまで無茶苦茶だと「信用性は皆無」でかえって「日本共産党にとって実害は少ない」かもしれませんが共産党側も「黒坂の勤務大学(大阪経済大学)への懲戒処分要求」「民事提訴や刑事告発名誉毀損)」をしてもいいのではないか。

黒坂真リツイート
 中野顕さんは、大日本帝国が日清、日露戦争に負けるべきだったとお考えですか。そうなったら帝政ロシアが大膨張し、大日本帝国が滅びた可能性大。

 「日清、日露戦争中韓にとっては日本の侵略戦争であり、中韓との友好を考えれば現在において美化するのは非常識だ(中野氏)」というのは「日本が負ければ良かった」という話ではなく「そもそも戦争すべきでなかった」という話ですが、今日も詭弁で居直る黒坂です。

*1:後述しますが「日本共産党の平和理論なら、ロシアに憲法九条があれば、ロシアの侵略はなかった」ならともかく何でそんなトンチキな理解になるのか。「ウクライナに軍隊があり、NATO諸国も支援を約束していたが、ロシアの侵攻はあった。軍隊と軍事同盟があれば侵攻が阻止できると言うほど話は単純ではない」という指摘は「ウクライナNATOと絶縁し、軍隊を解散していればロシアの侵略を止める事ができた」などという意味ではない。

*2:なお、これは黒坂のようなウクライナ問題をネタにした「護憲派・誹謗」への反論であり、志位氏が積極的に「ウクライナ問題」をネタに九条を論じてるわけではありません。だからこそ「ならば」という表現の訳です。従ってこのツイートに「そんなことより、ウクライナ問題をどう解決すべきと思うか、志位氏は語れ」と悪口するのは「前後の文脈を無視した誹謗」でしかありません。

*3:参院議員。日本共産党政策副委員長