珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年2月21日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真リツイート
 中野顕さん。これがなぜ買収なのか、私にはわかりません。国会議員が所属政党に寄付をする事は違法なのですか。
◆中野顕
 これ許すと「政治活動のため」とさえ言えば、政党助成金を買収に使えることになるよね。
自民京都府連の組織的買収疑惑/国政選挙の直前に府議に50万円分配/「金の流れ事実」 衆院3期元議員が証言
 【府議1人50万円】自民の元衆院議員、安藤裕氏が選挙直前に京都府連に300万円を寄付。それが府議6人に50万円づつ配られていました。安藤氏は「買収と思われる懸念は確かにあったが、先輩議員もやってきた」と。

 黒坂の詭弁がひどすぎて絶句です。この件では誰も「寄付」を問題にしてるのではない。
 選挙で「買収資金としてばらまかれた公選法違反の疑い」が問題になってる。そもそもこの件、「右翼出版社」文春のスクープ報道が火付け役ですし、安藤元議員も「買収に使われるのではないかという懸念があった」と話しており「共産党が因縁をつけてる」といえる話では全くない。

黒坂真リツイート
 田村貴昭議員。大企業が保有する90兆円の現金、預金総額がなぜ多すぎると言えるのですか。
田村貴昭*1
#新しい資本主義実現会議 に出された政府資料。
 この20年間の大企業の財務動向。内部留保は175%増、現預金は85%増、一方で人件費は0.4%の減、設備投資は5.3%の減。
 大企業優遇税制は利益をため込むだけで、給料増やさず。
 問題意識はあってもそこから先がない。#新しい資本主義 は古いままだ。

 おいおいですね。「90兆円の内部留保」が「多くない」といえる無神経さには絶句です。
 しかも「設備投資は5.3%の減」ということからは内部留保が文字通り「死に金」になっていることがうかがえるのに。
 そもそも「資料を作成した会議事務局」もおそらくは「田村氏と同様の問題意識」でしょう。
 会議がどんな結論を出すかはわかりませんが、仮に「内部留保を減らす方向で政府は動くべし」という答申が出た場合にも黒坂はこんなあほなことをいうんでしょうか。

黒坂真リツイート
 吉岡正史さん。炭鉱や鉱山の仕事は過酷ですが、高賃金だから朝鮮半島からも沢山来たのです。自分の意思で内地に来たのに、仕事が大変だったから強制労働などと言うべきではない。同時期に朝鮮半島から相撲部屋に入門した方*2もいました。稽古は過酷だったでしょうが、朝鮮人強制連行ではありえない*3
◆吉岡正史
きょうの潮流 2022年2月11日(金)
「地底の労働は『佐渡の金山この世の地獄』とうたわれるほど過酷だった。戦時中ここで朝鮮人の強制労働が行われ終戦までのべ千人以上が送り込まれた。肺を患う者や軍隊にとられる若者の代わりに集められ、厳しい統制のもと坑内作業に従事。死傷者や逃亡者が相次いだ」

 小生も強制徴用問題に不勉強ですので、断定的なことがいえず実に恐縮ですが、本当に「自分から日本に行ったのか」自体「疑問符がつく(おそらく一部がそうでも、すべてがそうだとはいえない)」でしょうが、仮にそうだとしてもその黒坂の理屈では「会社を辞めればいいから過労死は自己責任」「自分から北朝鮮に行った有本恵子は自己責任」になるので暴論でしかない。いや黒坂なら「有本恵子の両親の前」はともかく、過労死遺族を前にそう放言しても全く驚きませんが。

黒坂真リツイート
 中村正男さん。金正恩核兵器の小型化、軽量化、精密化を進めている事、既に核を数十発持っている事を日本共産党はどう考えでいるのですか。金正恩朝鮮労働党日米安保強化と歴史修正主義に反対だから、大局的には平和勢力*4ですか。日本共産党金正恩の核ミサイルについて思考と議論をしない。
中村正男
「敵基地攻撃能力保有」に断固反対。「保有してしまえば、戦後日本の努力は水泡に帰す」
 自身のHPでこう発信したのは古川禎久法相。昨年2020年8月4日のこと。いま「敵基地攻撃能力」の検討を明言する岸田内閣と法相の態度も鋭く問われている。
(記事は「しんぶん赤旗」2月20日付から)

 黒坂のあほさには呆れます。
 「古川法相はいつ考えを変えたのか、無責任ではないか」「古川法相が『今は違う』とはいえ過去に『敵基地攻撃能力反対』を表明したことでわかるように、反対論は『左翼』云々という話ではない」という中村ツイートには全くかみ合っていません。
 なお、「北朝鮮の核保有」及び「敵基地攻撃能力」について言えば
1)数、性能の面では「軍事大国」中露の核兵器の方が脅威*5(まあ中露だって日本攻撃などしないでしょうが)
2)在日米軍自衛隊の反撃でやぶ蛇になるので北朝鮮の日本攻撃はあり得ない
 これについて言えば、例えば日本において「自己防衛のためにアメリカのように銃器所持を原則、合法化してほしい。狩猟、警察、自衛隊など例外的にしか許可されないのはおかしい」といっても「日本においてそんな銃所持が必要な危機は日常生活ではない」「むしろ銃が犯罪に悪用される危険がある」という声の方が大きいでしょう。
 「敵基地攻撃能力」反対論も話は同じです。「そんな能力が必要な危機は日本にはない」「むしろその能力が、『満州事変を起こした関東軍』のように暴走する恐れがある」というのが反対論の主張です。
3)「敵基地攻撃能力=先制攻撃」。実際に攻撃がないのに「攻撃の危険性がある」で先制攻撃することは「相手の攻撃意思」を的確に判断できる保証がない以上、「誤認識(場合によってはそれどころか『満州事変での関東軍』のような故意の言いがかり)による先制攻撃」を生みかねない*6。そもそもこれでは「ロシア(あるいはウクライナ)」が実際の攻撃がない時点で「相手(ロシアあるいはウクライナ)の攻撃意思」を認定して先制攻撃することもOKになってしまう。「敵基地攻撃能力=先制攻撃」という考えは認めるべきではない。そもそも国際法違反、憲法九条違反の疑いが濃厚
4)むしろ「平壌に日本の常駐事務所を置く」など北朝鮮とパイプを作ることで戦争を回避すべき
というのが「敵基地攻撃能力」反対派の立場です。黒坂が誹謗するような話では全くない。

*1:衆院議員。共産党中央委員

*2:「1940年5月場所が初土俵」の力道山のことか?

*3:誰も「力道山の入門」を強制連行などとは言ってないし、炭鉱労働と「力道山の入門」を同一視できるわけもないので無茶苦茶な詭弁です。

*4:そんなことは誰も言ってないのでデマ中傷も甚だしい。

*5:にもかかわらず黒坂らウヨ連中が「中露の脅威」をあまり語らないことが興味深い。「シリア内戦への軍事介入(その結果、ロシアが支援するアサド政権が盛り返した)」「ウクライナ侵攻の懸念」でわかるようにロシアの方が軍事的には北朝鮮よりよほど脅威です。北朝鮮にはロシアのように「他国に軍事侵攻するだけの力はない」でしょう。

*6:ちなみに「相手の攻撃意思」を勝手に認定して「自称・正当防衛」を実行すること(先に実力行使すること)は「正当防衛に当たらない」というのが「刑法の判例・通説」です。