今日の中国ニュース(2022年3月12日分)(副題:ウクライナ情勢ほか)

「日本は眠っているようなもの」杏林大・田久保名誉教授 長州「正論」懇話会 - 産経ニュース

 田久保氏は、(中略)「侵攻はロシアの帝国主義的な性格の発露だ」とした上で「『中国の夢』として、清朝時代の版図を取り戻そうとする習近平国家主席と同じだ」と指摘した。

 明らかなデマで心底呆れます。いつ習主席がそんなことを言ったのか(勿論言ってない)。
 そもそも「清朝時代の最大版図」といえば「ロシアに割譲したアムール州沿海州」もそこに含まれますが、そんなことが可能なのか(可能なわけもない)。


中国元公安次官を調査 違法行為で、政敵排除か - 産経ニュース
 違法行為なら摘発されるのは当然の話です。
 「政敵排除」云々とは産経は「でっち上げ」とでも言う気でしょうか?。そう言える根拠があるのか?


ウクライナ停戦仲介 中国の腰が重い理由を考える(富坂聰) - 個人 - Yahoo!ニュース

 3月8日、EU(ヨーロッパ連合)のボレル*1外相は中国の王毅外相と電話会談し、ウクライナ情勢を巡り「中国が停戦に向けて役割を果たすよう」求めた。その1週間前にはウクライナのクレバ外相が「ウクライナは中国が停戦実現のために仲裁してくれると期待している」と王毅外相との電話会談で述べ、世界を驚かせた。
 ロシア・ウクライナ戦争(ロ烏*2戦争)を停戦に導くことができれば、習近平国家主席の存在感はいよいよ高まるだろう。本来であれば中国自身が前のめりになっても不思議ではない。
 だが、中国への期待が高まるのとは裏腹に習近平政権の腰はなぜか重い。
 いったい、どうしてなのか。中国の視点に立って考えてみたい。
 まず仲裁者・中国にとって、最大の障害となっているのがアメリカの存在だ。そもそもアメリカは、本音では中国の仲裁など望んでいない。そのことで国際社会における中国の存在感が増すのであればなおさらだ。バイデン政権の当初の動きからみても、狙いはむしろ「中ロ」を一括りにして「悪」のイメージに放り込むことだった。
 実際、ロシアがウクライナに侵攻して以降「中国がロシアの後ろ盾」とか「裏でロシアに武器を提供している」、「侵攻を事前に知っていた」(米紙『ニューヨーク・タイムズ』電子版)といった根拠不明の情報を発信し続け、中国を苛立たせていた。
 中国が仲裁に慎重なのは、こうした背景があるためだ。アメリカが非協力的ならばロシアが提示する条件、「NATOの東方への拡大停止」に歩み寄りは期待できないからだ。
 こんな環境下で「停戦」のミッションを負えば、ロシアに対し一方的かつ大幅な譲歩を求める以外に道はない。待っているのは、仲裁の失敗か、「中ロの良好な関係」の終焉である。どちらも中国には得がなく、逆にアメリカはどちらに転んでもメリットを得られる。
 では、どうすることが(ボーガス注:中国にとって)最良の選択となるのだろうか。ここからは少し想像力を働かせてみたい。
 おそらく中国は、(ボーガス注:中国に過大な責任を負わされるのを避けるために)一国ではなく(ボーガス注:ロシア、ウクライナ(当事者)、フランス、ドイツ(ミンスク合意に関与)、中国(ロシアに一定の影響力を及ぼせる大国)、米国、EUNATOなど関係国、組織から構成される)多国間の枠組みを目指すのではないだろうか。北朝鮮の核開発問題を解決するために生まれた六カ国*3協議のような話し合いのプラットフォームを築くという役割だ。
 (ボーガス注:そしてそのときプーチンにもゼレンスキーにも何とか飲める合意として中国が提案するのが)ウクライナNATO加盟を諦めさせ、「中立」の見返りとして同国の安全を多国間で保障するという考え方だ。
 モデルとなるのは(ボーガス注:ドイツ、フランスの仲介でウクライナとロシアが結んだ)ミンスク合意。またはフランスのマクロン大統領がロ烏戦争勃発前に目指していた(ボーガス注:ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナの4カ国協議という)ノルマンディー方式での解決だ。
 ゼレンスキーには大きな決断となるが、ロシアの侵攻という目の前の脅威に対しNATOがなおロシアとの直接対峙を避けているのであれば、中国の仲裁が奏功する余地は残されているのかもしれない。

 ノーコメントで紹介しておきます。


【編集者のおすすめ】『朱子学に毒された中国 毒されなかった日本』 いかに呪縛から逃れたのか - 産経ニュース
 小生も「儒学」に詳しいわけではありませんが「はあ?」ですね。
 江戸幕府の「官学」は朱子学だったのに、そして「教育勅語儒学者元田永孚が起草者の一人)」には明らかに「儒学の影響がある*4」のに、なんでそういうとんちんかんな理解になるのか。そもそも井沢も石も儒学研究者ではないし。

*1:スペイン外相などを経てEU外相

*2:烏とはウクライナ(烏克蘭)のこと。しかし「烏」と書くならロシア(露西亜)は「露」表記すべきでは?

*3:南北朝鮮、米日、中露

*4:これについては新刊紹介:「歴史評論」12月号(その1) - bogus-simotukareのブログで触れました。