「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年3/19日分:荒木和博の巻)(副題:荒木の「細田・元官房長官への誹謗」に呆れる、ほか)

大森勝久氏の新しい論文です: 荒木和博BLOG
ウクライナ危機――私たち西側は思想と戦略を見直さなくてはならない | 新・大森勝久評論集

 日本政府もあるべき姿としては、直ちに閣議決定で(ボーガス注:芦田修正論を採用し)「本来の憲法9条」(軍隊保有を認めている)を確立して軍隊を保持し(1日でできる)、専守防衛政策を粉砕して、ウクライナ政府と協定を結んで、ロシアと戦わなくてはならないのである。

 大森氏では予想の範囲内ですが「専守防衛の縛りがない米軍(あるいはNATO軍)」ならまだしも「自衛隊」が「ウクライナでロシア軍と戦え」とは非常識です。
 「安倍や維新」「産経や国家基本問題研究所など各種右翼団体」ですらおそらくそんなことは言わないし、言えない。

 中国とロシアは連携して世界を侵略して、世界を全体主義世界に改造しようとしている。

 中国が「国連総会ロシア非難決議」で賛成票を投じなかったとは言え、反対票も投じず、棄権にとどめたことなどを考えれば「中国とロシアの連携」などウクライナ侵攻においては明らかに存在しません。
 また国力(旧ソ連時代ほどではない)を考えればそんな改造をプーチンは考えてないでしょう。彼が考えてるのはせいぜい「彼の考えるロシアの国力増大」でしかない。勿論中国にしても「自国の国力増大」しか考えてないでしょう。
 中国が主導する「一帯一路やAIIB」は「世界各国を巻き込んだ大きな計画」ですが経済政策に過ぎず「世界を全体主義世界に改造」なんて話ではない。


「先方も政府で」(怒ろう!ニッポン人⑦R4.3.19): 荒木和博BLOG

 たびたび引用していますが17年前、平成17年6月14日の細田官房長官(当時)の国会答弁。

 6分50秒の動画です。荒木が悪口する細田長官(小泉内閣)の発言は後で紹介します。以前から荒木は細田氏に悪口してきました。今回の動画は荒木の「過去の細田氏への悪口記事」と大同小異なので過去の記事を読めば、今回の動画を見る必要は全くありません。全く内容に乏しい動画と言っていいでしょう。
 それにしても後述しますが、細田発言には「問題など何もなく荒木の誹謗」ですが、仮に問題があったとして何だというのか。
 細田氏は現在、衆院議長であり、自民重鎮の一人ですが「首相(岸田)」「拉致担当相(松野官房長官の兼務)」「外相(林)」のような直接に拉致問題に関わるポストにいるわけではない。しかも彼が官房長官だったのは荒木も書くように「17年前のこと」です。
 例えば今更拉致問題

【あいうえお順】
◆麻生自民党副総裁(小泉、第一次安倍内閣で外相、また首相も務めた)
◆岡田立民党常任顧問(鳩山、菅内閣で外相)
◆菅立憲民主党最高顧問(元首相)
◆野田立憲民主党最高顧問(元首相)
◆前原国民民主党代表代行(菅内閣で外相)
◆茂木自民党幹事長(第四次安倍、菅、岸田内閣で外相)

の外相、あるいは首相時代の発言を云々する人間は普通いないでしょう。荒木の細田非難はそのくらい馬鹿馬鹿しい。

官房長官の発言他: 荒木和博BLOG2005.6.26
 「先方も政府で、彼らのこの領土の中においてはあらゆる人に対する権限を持っておりますので、これは我々が説得をして、そして彼らがついに、実は生きておりました、全員返しますと言うまで粘り強く交渉をすることが我々の今の方針でございます
 これは去る14日の参議院内閣委員会で、森ゆうこ*1議員(民主党)の「我が国政府が、我が国の国民が拉致されて救出を待っているときに、我が国の政府が自分でできる、主体的にできるということを、いつまでに、どのように、何をするのか、具体的にお答えいただきたい」という質問に対する細田官房長官の答弁です。

政府の姿勢: 荒木和博BLOG2008.5.13
 今*2から3年前、平成17年6月14日の参議院内閣委員会で、当時の細田博之官房長官民主党森ゆうこ議員から次のような質問を受けました。
 「国民が拉致されて救出を待っているときに、我が国の政府が自分でできる、主体的にできるということを、いつまでに、どのように、何をするのか、具体的にお答えいただきたい」
 細田官房長官の答弁は次のようなものでした。
 「先方も政府で、彼らのこの領土の中においてはあらゆる人に対する権限を持っておりますので、これは我々が説得をして、そして彼らがついに、実は生きておりました、全員返しますと言うまで粘り強く交渉をすることが我々の今の方針でございます

第183回国会 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第5号(平成25年7月26日(金曜日))
◆荒木参考人 
 細田官房長官の答弁でございますが、記憶している限りでは、平成十七年六月の参議院予算委員会であったというふうに、決算委員会ですかね、であったと思います。このとき、どのように具体的に拉致被害者を救出するのかという質問を受けまして、官房長官の答弁は、北朝鮮は国家であって、相手の国の中にいる限りは相手の権限が全て及ぶ、ですから、政府としては、話し合いをして、向こう側が、わかりました、いましたと言ったらば返ってくるんですという答弁でございました。
 この答弁は、ある意味、政府として拉致被害者の救出を放棄したというふうに言われても全くおかしくない答弁でございますけれども、当時、国会の中でも、野党も含めて一切問題にもならず、マスコミも問題にせずということでございました。
 現在、安倍政権のもとでこの方針は変わっているというふうに私は信じますけれども、やはり、このようなこと、相手側にとられてしまったらばそれまでで、見捨てるしかないというようなことでやってきたということは、まさにこれが戦後レジームということかもしれませんが、国家全体の問題点であろう、ここにメスを入れなければ最終的な問題の解決に至らないのではないかというふうに思っております。
◆三宅委員
 今、荒木代表のお話では、相手が犯罪者であるにもかかわらず、お願いをしているというふうな形でしょうね、日本政府が。北朝鮮に、拉致した日本人をどうかお返しいただけないでしょうかと。犯罪者に対するのに全くふさわしい姿勢じゃないというふうなことを私自身も感じました。

粘り強く交渉?(R3.12.24): 荒木和博BLOG
 平成17年(2005)の参議院内閣委員会、細田官房長官森ゆうこ議員の「どうやって取り返すのか」という質問に対して「先方も政府で、彼らのこの領土の中においてはあらゆる人に対する権限を持っておりますので、これは我々が説得をして、そして彼らがついに、実は生きておりました、全員返しますと言うまで粘り強く交渉をすることが我々の今の方針でございます」と答弁しています。

 「拉致は北朝鮮との外交交渉でしか解決しない」、細田氏の発言は平たく言えばそれだけの話です。
 当たり前のことでしかない。
 これがまだ「経済支援とのバーター取引で取り戻す」ならまだしも「拉致は外交交渉でしか解決しない」程度の当たり障りのない「当たり前の発言」で

政府の姿勢: 荒木和博BLOG2008.5.13
 本当であれば即座に大問題になって官房長官更迭、場合によっては内閣総辞職でもおかしくない答弁だと思います。
 問題は、時の官房長官が何のためらいもなくこのような答弁をしたことだけでなく、質問をした森議員もさらに真意を質さず、所属する民主党もマスコミも問題にすることさえしなかったということです。

第183回国会 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第5号(平成25年7月26日(金曜日))
◆荒木参考人 
 この答弁は、ある意味、政府として拉致被害者の救出を放棄したというふうに言われても全くおかしくない答弁
相手側にとられてしまったらばそれまでで、見捨てるしかない*3というようなことでやってきたということ

などと悪口とは荒木は完全に気が狂っています。
 荒木に

◆三宅委員
 今、荒木代表のお話では、相手が犯罪者であるにもかかわらず、お願いをしているというふうな形でしょうね、日本政府が。北朝鮮に、拉致した日本人をどうかお返しいただけないでしょうかと。犯罪者に対するのに全くふさわしい姿勢じゃないというふうなことを私自身も感じました。

などと同調する右翼「三宅博*4」も気が狂っています。
 なんでこの答弁で「官房長官更迭」や「内閣総辞職」なのか。この答弁が「田中*5首相の金脈問題」「竹下*6首相のリクルート疑惑」「細川*7首相の佐川疑惑」「鳩山*8首相の故人献金疑惑」(いずれも首相辞任に追い込まれる)、「山下*9官房長官(海部内閣)、中川*10官房長官森内閣)の女性醜聞」(いずれも官房長官辞任に追い込まれる)などのような不祥事だとでも言うのか。どこがこの答弁は、ある意味、政府として拉致被害者の救出を放棄したというふうに言われても全くおかしくない答弁相手側にとられてしまったらばそれまでで、見捨てるしかないというようなことでやってきたということなのか。そもそも「首相時代の安倍」ですら北朝鮮への経済制裁は「対話のための圧力」であって少なくとも建前では外交を否定などしません。
 荒木の言動はどう見ても「外交否定」でしかない。外交を否定して拉致被害者をどう救出するのか。荒木が放言する「自衛隊での救出」など拉致被害者の居場所がわからない以上、できる話ではない。
 他にも荒木と三宅のやりとりは

◆三宅委員 
 特定失踪者の山本美保さんのDNAデータについては、これは警察が偽造したというふうに荒木代表は、断定されていらっしゃるといいますか、それをずっとおっしゃっていらっしゃる。
 そのあたりのことをちょっと詳しくお聞かせいただきたいと思います。
◆荒木参考人
 御指摘のDNAデータ偽造事件に関しましては、昭和五十九年六月四日に山梨県甲府市から失踪いたしました特定失踪者、拉致濃厚の山本美保さんにつきまして、平成十六年の三月に山梨県警の警備一課長が突然記者会見をして、山形県遊佐町の海岸に失踪十七日後に漂着していた身元不明遺体とDNA鑑定の結果が一致したということを発表した。これによって、自殺ではないかという声が上がりまして、当時非常に進んでおりました救出の運動も低下をしたということがございました。
 これは、後ほど、我々や地元の方々の調査で、明らかに警察によるDNAデータの偽造であるという確信を私どもは持っておりまして、これをたびたび訴えているわけですが、今のところ、警察としてそれをみずから取り上げて真相を明らかにしようという姿勢は全く見られておりません。
◆三宅委員
 警察が、まさか、DNAデータを偽造して、赤の他人のDNAと特定失踪者のDNAを、これが一致したというふうなうそをついて御家族に説明した。
◆荒木参考人
 本件に関しましては、平成十六年三月の発表でございますけれども、その前から、この山本美保さんに関しましては、当時、大澤さんと並んで、救出のための、同級生とか御家族とか、そういう方々の運動が全国でも最も進んでいたところでございました。ですから、その一件について拉致ではないというふうにしてしまえば、ほかの運動もブレーキをかけることができた。つまり、拉致問題をこれ以上拡散させたくない、拡大させたくないということが明らかに政府の意向としてあったものというふうに私は思っております。
◆三宅委員
 特定失踪者の周囲の方々が被害者の救出に全力を挙げて、そういう高まりつつある運動に対して、これを冷や水をかけて鎮静化させる、その目的のためにやったんじゃないかなというふうに今おっしゃったように私は理解しております。

という酷い代物です。「荒木のこの陰謀論」については拙記事「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年3/18日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログでとりあげましたが、およそまともではない。
 こんな荒木にへいこらして、荒木を批判した蓮池透氏を家族会から除名する。家族会のバカさには心底呆れます。家族会は今すぐ荒木ら救う会右翼と縁切りし蓮池透氏の除名を撤回して和解すべきでしょう。
 なお、細田氏は「小泉内閣官房長官自民党幹事長(麻生総裁時代)、総務会長(第二次安倍総裁時代)、細田派会長を歴任。現在、衆院議長」という自民党の大幹部です。そんな人間の「ごく普通の答弁」に悪口するのだから「しつこく繰り返しますが」荒木はまともではない。

*1:野田内閣文科副大臣、「国民の生活が第一」幹事長代行(代表は小沢一郎)、「日本未来の党」副代表、「生活の党」代表代行(代表は小沢一郎)、自由党幹事長(代表は小沢一郎)などを経て立憲民主党参院幹事長、拉致問題対策本部長。その経歴から「小沢一郎グループ」と見なされている。

*2:2008年(平成20年)のこと

*3:粘り強く交渉をするという発言が何故「救出を放棄」「見捨てるしかない」のか全く意味不明です。この荒木の発言だと竹島北方領土でも粘り強く交渉をするという発言が「返還を放棄」「見捨てるしかない」になり「武力で取り戻せ」という話になるのか?

*4:1950~2017年。特定失踪者問題調査会常務理事(荒木が調査会代表ですから荒木と三宅のやりとりは完全な出来レース、茶番劇です)(三宅博 (政治家) - Wikipedia参照)

*5:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*6:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*7:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*8:新党さきがけ代表幹事、細川内閣官房副長官民主党幹事長などを経て首相

*9:中曽根内閣運輸相、海部内閣官房長官、宮沢内閣厚生相など歴任

*10:橋本内閣科学技術庁長官、森内閣官房長官自民党政調会長(小泉総裁時代)、幹事長(第一次安倍総裁時代)など歴任