◆ラグタイムララバイ(三浦小太郎)のアマゾン批評『勤皇の系譜:書による心の世界』(白石念舟、2015年、高木書房)
白石念舟氏はウイグル支援の運動で知り合いました。ウイグル人にとっては恩人。本書はその集めた書を集大成し記録にとどめたもの。
吹き出しました。白石、三浦といった「トンデモ極右」と「敵(中国)の敵は味方」で野合してるのだから「欧米のウイグル人(さすがにネオナチなどとは野合してないでしょう)」はともかく「日本のウイグル人」は「考えが間違ってる」と言うべきでしょう。
高木書房 > 尊皇の系譜 書による心の世界によれば収録してあるのは
水戸光圀、欧陽可亮、佐々宗淳*1、楠木正成、楠木成行、坂本龍馬、会澤正志斎*2、林子平*3、高山彦九郎、真木和泉守*4、吉田松陰、久坂玄瑞*5、宮坂彦助、高杉晋作、野村望東、平野國臣*6、月照上人、井伊直弼*7、西郷隆盛*8、山岡鉄舟*9、勝海舟*10、佐藤一斎*11、大久保利通*12、篠原国幹*13、桐野利秋*14、島津久光、大原重徳、横井小楠、山縣有朋*15、頼山陽*16、橋本佐内、水戸斉昭、藤田東湖、武田耕雲斎*17、武市瑞山、中岡慎太郎、河田小龍、田中光顕*18、土方久元*19、三条実美*20、岩倉具視*21、熾仁親王*22、木戸孝允*23、後藤象二郎*24、板垣退助*25、伊藤博文*26、井上馨*27、西園寺公望*28、品川弥二郎*29、頭山満*30、谷干城*31、乃木稀典*32、 児玉源太郎*33、徳富蘇峰、伊藤祐享*34、東郷平八郎*35、大山巌*36、上村彦之丞*37、 佐野常民*38、大木喬任*39、桂太郎*40、金子堅太郎*41、内田良平*42、福島安正*43、榎本武揚*44
の書とのこと。たとえば久坂玄瑞、真木和泉(禁門の変)、武田耕雲斎(天狗党の乱)、平野國臣(生野の変を起こし死刑)は「尊皇攘夷派」なのでウヨ的に「勤王」でしょうがどの辺りが勤王かよくわからない人間もいます(勿論、明治新政府高官は建前上は皆勤王ですが)。
なお、版元の高木書房は
などの著書があるトンデモ極右出版社です。
*1:水戸藩士。彰考館総裁。通称は介三郎。『水戸黄門』に登場する佐々木助三郎のモデルとされる。
*3:『三国通覧図説』『海国兵談』などの著作で知られる
*6:生野の変を起こし死刑
*9:幕臣として西郷隆盛へ『勝海舟の親書』を渡したことや、西郷と勝の江戸城無血開城決定の会談に立ち会ったことで知られる。明治政府でも静岡藩権大参事、茨城県参事、伊万里県権令、侍従、宮内大丞、宮内少輔を歴任
*10:江戸幕府で海軍奉行、陸軍総裁、明治新政府で参議、海軍卿などを歴任
*12:参議、大蔵卿、内務卿などを歴任。紀尾井坂の変で暗殺される
*13:明治新政府で近衛長官を務めるが、征韓論の際に西郷と共に下野。西南戦争で戦死
*14:明治新政府で陸軍裁判所長を務めるが、征韓論の際に西郷と共に下野。西南戦争で戦死
*15:陸軍卿、内務卿、第一次伊藤、黒田内閣内務相、首相、第二次伊藤内閣司法相、枢密院議長など歴任。元老の一人
*19:第1次伊藤内閣農商務相、宮内大臣など歴任。土方与志(演出家、築地小劇場創設者の一人)の祖父
*21:外務卿、右大臣など歴任
*23:参議、文部卿、内務卿など歴任
*24:黒田、第1次山県、第1次松方内閣逓信相、第2次伊藤内閣農商務相など歴任
*25:第二次伊藤、第二次松方、第一次大隈内閣で内務相
*26:首相、貴族院議長、枢密院議長、韓国統監など歴任。元老の一人
*27:外務卿、第一次伊藤内閣外相、黒田内閣農商務相、第二次伊藤内閣内務相、第三次伊藤内閣蔵相など歴任。元老の一人
*28:第二次伊藤、第二次松方、第三次伊藤内閣文相、首相など歴任。元老の一人
*29:第一次松方内閣で内務相
*31:熊本鎮台司令長官、陸軍士官学校長、学習院長、第一次伊藤内閣農商務相など歴任
*36:第一次伊藤、黒田、第一次山県、第一次松方、第二次伊藤、第二次松方内閣陸軍大臣、内大臣など歴任。元老の一人
*38:大蔵卿、第一次松方内閣農商務相など歴任
*39:司法卿、文部卿、第一次松方内閣文相、枢密院議長など歴任
*40:台湾総督、第三次伊藤、第一次大隈、第二次山県、第四次伊藤内閣陸軍大臣、首相、内大臣など歴任
*41:第三次伊藤内閣農商務相、第四次伊藤内閣司法相など歴任
*43:参謀次長、関東都督など歴任
*44:箱館戦争を起こし敗れるが、後に赦免。明治新政府で駐露公使、海軍卿、第一次伊藤、黒田内閣逓信相、黒田、第一次山県内閣文相、第一次松方内閣外相、第二次伊藤内閣農商務相などを歴任
*45:「新しい歴史教科書をつくる会」理事