珍右翼・高世仁に突っ込む(2021年9/5日分)(副題:今日も高世に悪口する)

史上もっとも無残な退陣劇 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 (ボーガス注:初代首相)伊藤博文*1以来、99代目の日本の首相でしたが、これほど無残な退陣劇はちょっと思い出せません*2
 大事なことは「やっぱり菅さんでは無理だったね」とか「政治家が小粒になったね」といった政治家個人の問題で終わらせてはいけないということです。(政治学者、御厨(みくりや)貴氏*3、朝日13面)

 「菅*4個人の能力の問題にするな」
 「菅を総裁に担いだ自民党の問題であり、そんな自民党を政権与党にしている日本国民の問題」
 「従って、ポスト菅の自民党総裁が誰になろうとも『そうした問題を解決するまともな自浄能力』が自民党にない限り、問題は解決しない。自民党に自浄能力がないのならば、野党が政権を奪取し自民党が下野することでしか問題は解決しない*5」という趣旨の「御厨氏の指摘」には全く同感です。
 もちろん自民党関係者と支持層は「菅個人の問題」として菅一人を悪者にしてごまかそうとするのでしょうが。そうした「ポスト森*6での小泉*7ブーム」のようなインチキを許さない批判が大事です。
 なお、「政治スキャンダル(金銭疑惑など)」「政治失政」などでの「支持率低迷」による退陣(特に短命内閣)を「無様な退陣劇」というなら「俺の私見」では、菅以外にも

【戦前】
◆桂*8首相
 第一次憲政擁護運動(辞任理由。以下の表記もすべて同様に「辞任理由」です)
◆山本*9首相(第一次)
 ジーメンス事件
◆寺内*10首相
 米騒動
◆清浦*11首相
 第二次憲政擁護運動
◆東条首相*12
 サイパン陥落によって起こった東条おろし
【戦後】
◆芦田*13首相
 昭和電工疑惑
◆岸*14首相
 安保闘争
◆田中*15首相
 金脈疑惑といわゆる「狂乱物価」
◆竹下*16首相
 リクルート疑惑
◆宇野*17首相
 女性醜聞
◆細川*18首相
 佐川ヤミ献金疑惑と「国民福祉税騒動(社会党新党さきがけが政権離脱するきっかけ)」
◆森首相
 「神の国発言」「えひめ丸事件での対応の遅れ」等への批判
◆鳩山*19首相
 故人献金疑惑と「沖縄基地問題」での公約違反による社民党の政権離脱
◆安倍*20首相
 第一次:事務所費疑惑と「消えた年金問題」
 第四次:メインは菅同様にコロナ失政。サブの理由として「モリカケ、桜疑惑」「引退の花道にしようとしていた九条改憲北方領土返還が不可能になったこと」があげられる。

等があるかと思います。
 なお「話が脱線します」が

99代目の日本の首相

ですが、この場合

黒田内閣 - Wikipedia参照
黒田*21の総理辞任後2か月間にわたって在任した内大臣で公爵の三條實美*22を首班とする三條暫定内閣

の三条首相は「首相代行扱い」して正式な首相には数えないのが慣例となっています。
 また

内閣総理大臣の一覧 - Wikipedia参照
伊藤博文
 第一~第四次
山縣有朋*23
 第一、第二次
松方正義*24
 第一、第二次
大隈重信*25
 第一、第二次
西園寺公望*26
 第一~第三次
桂太郎
 第一~第三次
山本権兵衛
 第一、第二次
若槻礼次郎*27
 第一、第二次
近衛文麿*28
 第一~第三次
吉田茂*29
 第一~第五次
鳩山一郎*30
 第一~第二次
岸信介
 第一、第二次
池田勇人*31
 第一、第二次
佐藤栄作*32
 第一~第三次
田中角栄
 第一、第二次
大平正芳*33
 第一、第二次
中曽根康弘*34
 第一~第三次
海部俊樹*35
 第一、第二次
橋本龍太郎*36
 第一、第二次
森喜朗
 第一、第二次
小泉純一郎
 第一~第三次
安倍晋三
 第一~第四次

のように「第一次、第二次」などと複数回やった場合はすべて「代数」に数えるので「99代目の首相=菅」は「99人目の首相」ではありません。

きょうのGLIM SPANKYは「ストーリーの先に」。
♪ウソばっかりのストーリーがまるで
 正しいようなふりしてはびこるよ

 「特定失踪者は北朝鮮拉致」のことですね、よくわかります(高世への悪口、皮肉のつもり)。

*1:工部卿宮内卿宮内大臣、首相、枢密院議長、貴族院議長、韓国統監など歴任。元老の一人。

*2:後述しますが「いくらでもある」んじゃないか。

*3:東京大学名誉教授。著書『オーラル・ヒストリー』(2002年、中公新書)、『ニヒリズムの宰相小泉純一郎論』(2006年、PHP新書)、『近現代日本を史料で読む:「大久保利通日記」から「富田メモ」まで』(2011年、中公新書)、『権力の館を歩く:建築空間の政治学』(2013年、ちくま文庫)、『馬場恒吾の面目』(2013年、中公文庫)、『知の格闘:掟破りの政治学講義』(2014年、ちくま新書)、『安倍政権は本当に強いのか』(2015年、PHP新書)、『政治家の見極め方』 (2016年、NHK出版新書)、『後藤田正晴と矢口洪一:戦後を作った警察・司法官僚』、『宮澤喜一竹下登:戦後保守の栄光と挫折』(以上、2016年、ちくま文庫)、『戦前史のダイナミズム』(2016年、放送大学叢書)、『政治の眼力:永田町「快人・怪物」列伝』(2017年、文春新書)、『さかのぼり日本史政党政治はなぜ自滅したのか?』(2017年、文春文庫)など

*4:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官を経て首相

*5:御厨氏は野党支持者として「自民下野」を主張しているのではなく「論理的にそうなる」という話です。

*6:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*7:宇野内閣厚生相、宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相

*8:台湾総督、第3次伊藤、第1次大隈、第2次山縣、第4次伊藤内閣陸軍大臣内大臣侍従長兼務)、首相を歴任

*9:第2次山縣、第4次伊藤、第1次桂内閣海軍大臣、首相を歴任

*10:第1次桂、第1次西園寺、第2次桂内閣陸軍大臣、韓国統監、朝鮮総督、首相を歴任

*11:第2次松方、第2次山県、第1次桂内閣司法相、枢密院議長、首相を歴任

*12:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、陸軍航空総監、第二、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相を歴任。戦後、死刑判決。後に靖国に合祀

*13:幣原内閣厚生相、片山内閣副総理・外相を経て首相

*14:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*15:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*16:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)を経て首相

*17:田中内閣防衛庁長官自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相を経て首相

*18:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*19:細川内閣官房副長官新党さきがけ代表幹事、民主党幹事長(小沢代表時代)などを経て首相

*20:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*21:第1次伊藤内閣農商務相、首相、第2次伊藤内閣逓信相、枢密院議長など歴任。元老の一人

*22:太政大臣内大臣など歴任

*23:陸軍卿、内務卿、第1次伊藤内閣内務相、首相、第2次伊藤内閣司法相、参謀総長、枢密院議長など歴任。元老の一人。

*24:大蔵卿、第1次伊藤、黒田、第1次山県、第2次伊藤、第2次山県内閣蔵相、首相、内大臣など歴任。元老の一人

*25:参議、大蔵卿、第1次伊藤、黒田、第2次松方内閣外相、首相など歴任

*26:第二次伊藤、第二次松方、第三次伊藤内閣文相、首相などを歴任。元老の一人

*27:第3次桂、第2次大隈内閣蔵相、加藤高明内閣内務相などを経て首相

*28:貴族院議長を経て首相。戦後、戦犯指定を苦にして自殺

*29:戦前、 天津総領事、奉天総領事、駐スウェーデン公使、外務次官、駐伊大使、駐英大使を歴任。戦後、東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相

*30:戦前、田中内閣書記官長、犬養、斎藤内閣文相を歴任。戦後、自由党総裁、日本民主党総裁、首相、自民党総裁を歴任

*31:大蔵次官から政界入り。吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*32:運輸次官から政界入り。吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*33:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*34:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相

*35:自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田、中曽根内閣文相を経て首相。首相退任後、新進党党首

*36:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、自民党幹事長(宇野総裁時代)、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣副総理・通産相を経て首相。首相退任後も森内閣行革等担当相