珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年8月16日分)

黒坂真
 自民党には、左翼と大差ない方もいますね。
「最強の抑止力は9条」/古賀元自民幹事長が講演/福岡・大牟田

 黒坂では予想の範囲内の悪口ではあります。その「大差ない方」は自民党国対委員長(小渕総裁時代)、幹事長(森総裁時代)、選対委員長(福田、麻生総裁時代)を歴任した大幹部ですが。

黒坂真
 中野顕さん。侵略戦争云々ですが、侵略という語の定義は何ですか。

 日中戦争、太平洋戦争など「戦前日本の侵略」批判に「定義ガー」と言い出す黒坂ですが、その理屈だと「ナチドイツのポーランド侵攻」「ソ連フィンランド侵攻、アフガン侵攻」「ロシアのウクライナ侵攻」など(いずれも黒坂は非難していたと思いますが)も非難できなくなるので全く馬鹿げています。

黒坂真リツイート
 中野顕さん。大久保利通伊藤博文山本五十六大日本帝国の確立と繁栄のために巨大な貢献*1をなさった方々です。安倍晋三さんも、集団的自衛権を部分的ながら行使できる安保法制をつくり、日米軍事同盟を強化して日本国家に貢献なさった。
◆中野顕
国葬】(ボーガス注:過去の国葬では)大久保利通*2の葬儀は、士族の反乱*3自由民権運動を抑えるためでした。(ボーガス注:安重根に暗殺された)伊藤博文*4国葬は、韓国植民地化政策の道具となりました。(ボーガス注:太平洋戦争で戦死した)山本五十六*5国葬は、国民を戦争に動員するための儀式でした。安倍晋三国葬は、安保法制とアベノミクスを国民に「賛美」させるためのもの。ダメ、ゼッタイ。

 岸田政権ですらここまで平然と「韓国統監」伊藤や「真珠湾攻撃」山本は美化できないし、安倍についても「集団的自衛権」云々などさすがに言わないところ、黒坂は完全に常軌を逸しています。
 そもそも「日ソ国交正常化(鳩山)」「沖縄返還や日韓国交正常化(佐藤)」「日中国交正常化(田中)」などと違い、「かなりの批判者がいる」のが「安倍の集団的自衛権」でしょうに。
 なお、中野氏は戦前の「国葬」の例として「大久保、伊藤、山本」をあげましたが国葬 - Wikipediaによれば

【大久保と同じ明治維新の功労者】
岩倉具視
 外務卿、右大臣など歴任
三条実美
 右大臣、太政大臣内大臣など歴任
【伊藤と同じ『元首相』で元老】
山県有朋
 陸軍卿、第一次伊藤内閣内務相、首相、第二次伊藤内閣司法相、枢密院議長など歴任
松方正義
 第一次伊藤、黒田、第一次山県、第二次伊藤、第二次山県内閣蔵相、首相、内大臣など歴任
西園寺公望
 第二次、第三次伊藤内閣文相、首相など歴任
【山本と同じ軍高官】
有栖川宮熾仁親王
 日清戦争時の参謀総長
北白川宮能久親王
 近衛師団長として台湾征服戦争に参戦。台湾でマラリアにかかり病死
大山巌
 第一次伊藤、黒田、第一次山県、第一次松方、第二次伊藤、第二次松方内閣陸軍大臣参謀総長内大臣など歴任。元老の一人。
東郷平八郎
 連合艦隊司令長官、海軍軍令部長など歴任
閑院宮載仁親王
 1931~1940年まで参謀総長

などが国葬になっています。

黒坂真
 山添拓議員は敵基地攻撃能力保有は即ち先制攻撃だと宣伝していますね。

 というか「先制攻撃能力(専守防衛に反する)」の言い換えが「敵基地攻撃能力」にすぎないでしょう。
 「敵基地攻撃能力」についての話は「常に先制攻撃の話」だからです。
 その「敵基地攻撃能力」という言い換えも国民に不評だと分かると、岸田政権はついに「反撃能力」にしてしまうから呆れます。「日本共産党が反対しない専守防衛(先制攻撃でも敵基地攻撃でもない)」だって「反撃」なのだからもはや詐欺的な言語使用法です。

*1:「富国強兵に貢献した」大久保や伊藤はともかく「太平洋戦争開戦」で日本を「1945年の敗戦」に導いた山本のどこが「大日本帝国の確立と繁栄のために巨大な貢献」なのか。勿論「強権的、独裁的な政治家」「江華島事件(大久保)や韓国統監(伊藤)と言った韓国侵略」という点で大久保や伊藤にしても「民主主義や平和主義などの観点」からすれば今や富国強兵を理由に手放しで賛美などできません。

*2:大蔵卿、内務卿など歴任

*3:そもそも大久保の死去(紀尾井坂の変)は士族による暗殺でした

*4:首相、貴族院議長、枢密院議長、韓国統監など歴任。元老の一人

*5:海軍航空本部長、海軍次官連合艦隊司令長官など歴任