今日のロシアニュース(2022年4月2日分)

「初の大規模な反乱」 ロシア兵300人脱走か、英紙報じる - 産経ニュース
 真偽は不明ですが事実ならばロシア軍の苦戦が伺える話です。


ローマ教皇、キーウ訪問「検討」 大統領要請受け - 産経ニュース
 勿論今のキーウが「危険なこと」は事実ですが少なくとも「ロシアの侵攻で首都陥落」という危険は当面ないことがうかがえます。
 陥落の危険性があれば、ゼレンスキーと教皇の会談なんか浮上するわけがない。勿論ゼレンスキー側の思惑も「陥落は当面あり得ない」アピールでしょう(追記:その後ウクライナ側から、キーウ全面奪還が発表されました)。


【記者発】「最終戦争」に生き残るために 大阪社会部・牛島要平 - 産経ニュース

 現在、欧米の支援を受けたウクライナの抵抗は戦争の長期化を予感させる。北大西洋条約機構NATO)を巻き込んだ「第三次世界大戦」の可能性すらある。
 にもかかわらず、岸田文雄首相は核保有の議論すら否定する。それで本当に中国に加えてロシア、北朝鮮まで敵に回した「三正面作戦」を戦うつもりなのか。もう二度と漫然と戦争に引きずり込まれることがあってはならない。この危機を日本人は生き残らなくてはならないのだから。

 「今のところ、NATOは直接軍事介入を否定しているのに何が第三次大戦なのか?」「いつ中国や北朝鮮が、ロシアのような戦争を開始したのか?(あるいは今後開始すると言えるのか?)」など突っ込み所がいろいろありますが俺的に一番酷いのは「二度と漫然と戦争に引きずり込まれることがあってはならない」ですね。
 日中戦争にせよ太平洋戦争にせよ、日本は「引きずり込まれた」わけではなく「真珠湾攻撃」など、自分から戦争を推進しました。今のプーチンロシアが日本であり、決して「戦争を仕掛けられたウクライナ」ではない。産経だと「ハルノートで挑発された」といいそうですが、それこそ「ウクライナNATO加盟主張で挑発した」というプーチンと同じ暴論です。


【産経抄】4月2日 - 産経ニュース

「日本人より国連の方が信用できる」。
 20年ちょっと前、後に民主党政権財務相に就く政治家から聞いた言葉である。
▼「国連至上主義」とでもいうべき言説も横行した。例えば立憲民主党小沢一郎氏は「主権の一部移譲になってもいい」と語り、こう主張した。
自衛隊を全部国連に預けるべきだ。国内には、ほんの応戦部隊と訓練部隊でいい」(平成13年11月の朝日新聞インタビュー)。

 小沢氏の話*1はまだしも、元財務相云々は「5W1H」がまるで不明(元財務相とは誰なのか、20年前とはいつなのか、どういう文脈での発言なのかなど)なので裏のとりようもない話です。何故産経はここまで曖昧に書くのか。
 しかもこの後に

 3月26日の小欄でウクライナのゼレンスキー大統領の妻が読んだと書いた『二ひきの蛙(かえる)』は、『京のカエル大阪のカエル』の間違いでした。訂正します。

などと書くのだから失笑物です。「3月26日記事と同じでまたデマと違うのか?」と皮肉りたくなります。
 なお、民主党政権での財務相というと「鳩山内閣の菅財務相(後に首相、現在、立憲民主党最高顧問)」「菅内閣の野田財務相(後に首相、現在、立憲民主党最高顧問)」「野田内閣の安住財務相(後に立憲民主党国対委員長)、城島財務相(既に政治家引退)」ですね(日本の大蔵大臣・財務大臣一覧 - Wikipedia参照)。

 自民党の3月31日のウクライナ情勢合同会議では、国連の「旧敵国条項」についての資料も配布された。

 ウクライナ侵攻は敵国条項が根拠ではないのに何故そんな物を配るのか?

 2022年から24年に日本が支払う国連分担金は米国、中国に次ぎ3位である。一方、ロシアは13位で日本の4分の1以下にすぎない。

 分担金の扱いは少なくとも建前では「税金のような物」で「分担金の多さ」は発言権とは全く関係ありません。そもそもこの産経の理屈なら「日本より分担金負担額が多い米国や中国の発言権が強くてOK」になるでしょうがそうは産経も言わないでしょう(特に中国については)。

 この際、別の国際組織設立を考えてもいい。国連崇拝は錯誤だった。

 国連総会でのロシア非難決議を無視し、「安保理でロシア非難決議についてロシアの拒否権ガー」と言い出す産経です。「日本が何度も安保理非常任理事国になったこと」「小泉内閣においては常任理事国入りが目指されたこと」を今どう評価しているのかと聞きたくなります。日本政府は少なくとも産経ほど国連否定ではない。また「過去において国連PKOへの自衛隊参加を肯定的に産経らウヨが評価した事(勿論、他の論者はともかく、産経らウヨに話を限れば、そうした「国連PKOへの自衛隊参加」への肯定的評価は自衛隊海外出兵、集団的自衛権行使の誘い水でしょうが)」を今どう評価しているのかと聞きたくなります。
 いずれにせよ別の国際組織なんか現実的にできるわけもない。
 なお、今回、拒否権を悪用してるのはロシアですが、「他の四国の拒否権行使」が常に適切だったわけでは無論ないのでロシアだけを批判するのは片手落ちです。


【主張】「キーウ」に変更 侵略者排す意志支えよう - 産経ニュース
 名前を変えるかどうかは「当事者(今回はウクライナ)の要望」で決めればいいことでそれ以上でもそれ以下でもないでしょう。


プーチン氏支持率は83%に上昇、独立系機関調査…「特殊軍事作戦」に81%の支持 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン
 政府系なら「水増し」かもしれませんが、独立系だそうですからねえ(げんなり)。戦前日本でも「太平洋戦争開戦」を国民多数が「支持したこと」を考えれば、理解はできます。とはいえ「太平洋戦争末期」には空襲などで政府批判が強まる事を考えると、こうした世論も今後変わっていくのではないか。ロシアに上がり目があるようには思えませんので。


再考エネルギー:ロシア産に「血のにおい」? 伊藤忠、シベリア事業ひっそり「撤回」 | 毎日新聞

 伊藤忠商事がロシア石油最大手「ロスネフチ」と西シベリアで石油開発プロジェクトを進めようとし、ロシアのウクライナ侵攻を受けて事実上、白紙撤回した。国際的な理解が得られないとの判断だ。
 伊藤忠のプロジェクト「断念」は複数の関係者が匿名を条件に毎日新聞に明らかにした。伊藤忠幹部は「このまま参画自体がなくなることになるだろう」と話した。

 そういえば「伊藤忠瀬島龍三がモデルとされる『不毛地帯』も石油ビジネスしてたこと(但しロシアではなく中東)」を思い出しました。
 それにしても「名誉白人」「エコノミックアニマル」が随分と変わったもんです。
 今思えば「日本の横紙破りを許してる」つう意味では「南ア制裁」は「まだまだ甘かった」気がしますね。今回は「横紙破りしたら、国際的非難でマジで経営がやばい」ということでしょう。

*1:これとて「平成13年11月」の「何日」なのか書かない辺りは「おいおい」ですが