珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年5月7日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真リツイート
 大山奈々子議員。日本学術会議会員への任命を政府により拒否された方々は口を封じられて、その後言論活動ができなくなったと日本共産党は本気で考えているのですか。ありえません。
◆大山奈々子(誰1人置き去りにしない県政を)
 今朝の赤旗日本学術会議任命拒否問題に言及した大谷昭宏さん*1の言葉「6人の有能な科学者の口を封じてしまった。赤報隊(1998年朝日新聞記者を殺傷した犯人グループ)がやろうとしてもできなかったことです。」これには言論封じの怖さと民主主義の危機を再認識。

 以前「船橋市の市立図書館」で「ウヨの図書」が左派の司書によって「不当廃棄された事件」でウヨ連中が「焚書だ」と非難していたこと(勿論、それ自体は正当な批判ですが)も、黒坂の屁理屈なら「その公立図書館でウヨ文化人の著書が、蔵書から消えたことは大した問題ではない。他の図書館で読めるし、新刊なら本屋で、古書ならブックオフで売っている。司書は権力者でも何でもなく、著書を廃棄されたウヨ文化人も言論活動に支障など全くなかった(実際、ありませんが)」と言えますがそういう話ではないわけです。
 日本共産党など左派もまともな団体はこんな行為は擁護しませんでした。
 「蔵書を廃棄されたウヨ連中」が起こした裁判でも低額とは言え「一人3000円」の賠償が認められています(船橋市西図書館蔵書破棄事件 - Wikipedia参照)。
 なお、

船橋市西図書館蔵書破棄事件 - Wikipedia
 司書が執筆した童話絵本を、図書館が35冊も購入していたことが明らかになった。これは当時のベストセラーである『世界の中心で愛を叫ぶ』(23冊)よりも多かった。
 他にも服部公一*2『作曲入門*3』が寄贈された当日に廃棄*4されたり、『刺繍の入門実用書』が購入の1週間後に廃棄されるなど、不審な処置が次々と明るみになった*5

ということでこの蔵書廃棄事件は「確かに問題」だが司書の個人的犯行(彼女の著書がやたら多く購入された、寄贈、購入直後に廃棄されたと言う不可解な措置は司書の個人的犯行を示唆する)であり、司書に「蔵書や廃棄を任せきりにして事実上第三者のチェックがなかったことが事件を起こしたこと」は指摘しておきます。そうした意味では「組織犯罪(?)」である任命拒否などとは大きく性格が違います。

黒坂真リツイート
 宮本徹議員。フルシチョフ時代のソ連宮本顕治さんは礼賛しました。

 糞味噌にフルシチョフを罵倒しないにしても宮本氏は「手放しでフルシチョフ礼賛」などしてない、つまり宮本氏の態度は黒坂が言うほど単純ではなく「ある面(例えばスターリン批判後の一定の自由化)は肯定的評価し、ある面は批判」と思いますがそれはさておき。
 フルシチョフソ連共産党第一書記に就任したのが1953年(1958年には首相にも就任)。「フルシチョフおろし」によって、首相、第一書記を解任されて後釜にコスイギン(首相*6)、ブレジネフ(第一書記)が就任したのが1964年です(ニキータ・フルシチョフ - Wikipedia参照)。
 つまりフルシチョフ時代とは「ソ連共産党第一書記の地位にあった1953~1964年(約11年間)」ですが「一番最後の1964年」ですら今から58年前です(勿論、1968年のプラハの春弾圧、1979年のアフガン侵攻などで日本共産党ソ連評価はその後どんどん厳しい物になっていく)。
 宮本氏も「2007年(今から15年前)に死去」している。「もはや過去の話」をよくもまあ持ち出せるもんです。

*1:1987年、上司である黒田清が当時の論説委員長・渡邉恒雄との対立から大阪読売を退社した際、行動を共にし、黒田と共に黒田ジャーナルを設立。2000年7月、黒田の死去に伴い黒田ジャーナルを解散し、「大谷昭宏事務所」を設立。著書『権力犯罪』(黒田清との共著、2000年、旬報社)、『警察幹部を逮捕せよ!:泥沼の裏金作り』(2004年、共著、旬報社)、『監視カメラは何を見ているのか』(2006年、角川oneテーマ21)、『冤罪の恐怖』(2011年、SBクリエイティブ)、『事件記者という生き方』(2013年、平凡社)(大谷昭宏 - Wikipedia参照)

*2:著書『音楽は心のことば』(1984年、中公文庫)、『パパとママの音楽手帖』(1984年、文春文庫)、『アマゾンのワニ、ドナウの鯉:世界まんぷく紀行』(1997年、文春文庫)、『子どもの声が低くなる!:現代ニッポン音楽事情』(1999年、ちくま新書)、『童謡はどこへ消えた』(2015年、平凡社新書)など

*3:1983年、講談社現代新書

*4:当たり前ですが、当日廃棄など、「所蔵スペース不足で寄贈を受け入れられない」あるいは「本がボロボロで廃棄するしかない」ような状況しか考えられませんが、それなら、そもそも寄贈を受けないでしょう。

*5:勿論「トンデモ右翼連中のデマ右翼本」なら廃棄していいという話ではありませんが、これでは「購入、廃棄権限を完全に私物化している」としか言い様がない

*6:1980年まで首相に在任したが立場は圧倒的にブレジネフ第一書記(後に書記長に改称)が上だったとされる(アレクセイ・コスイギン - Wikipedia参照)