「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年5/8日分:荒木和博の巻)

銚子電鉄に行ってきました(R4.5.8): 荒木和博BLOG

 5月4日に銚子電鉄に行きました。もう何度も行っているのですが、生まれて初めてすごい混雑の銚電でした。

 5分57秒の動画です。
 荒木の鉄道趣味話であって、拉致は関係ありません。
 なお、拙記事「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年12/27日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログで取り上げた銚子電鉄の話(12月27日のショートメッセージ): 荒木和博BLOGでも荒木は銚子電鉄を取り上げています。


「歴史修正主義」とか何とか言うけれど(R4.5.9): 荒木和博BLOG

 歴史は勝った人間が書く*1ので、起きたことが一つでも見方は様々あるべきで、常に「修正」が必要ではないかと思います。

 7分39秒の動画です。タイトルと説明文で見る気が失せます。実際、見る価値はありません。
 タイトルと説明文で予想がつくように第一にこの動画は拉致は全く関係ありません。
 第二に「南京事件否定」「河野談話否定」「朝鮮人強制連行否定」の「日本版歴史修正主義者」の一人・荒木が「歴史学はいろいろと変化してきた。歴史修正主義の何が悪い」と「歴史修正主義者(要するにデマ屋)」の「いつもの言い訳を放言してる」だけです。
 勿論「歴史学はいろいろと変化してきた」。
 「例は何でもいい」のですが、「俺が知ってる」わかりやすい例だともはや「仁徳天皇陵」は「天皇陵扱いされない」。歴史学の世界では地名から「大仙古墳」と呼びます。天皇陵でない疑いが濃厚だからです。
 あるいは「いい国作ろう鎌倉幕府(1192年)」という語呂合わせはもはやあまり使われません。「1192年:源頼朝征夷大将軍になった年」ではあっても「鎌倉幕府誕生の年」といえるかは疑問だからです。1192年以前から、鎌倉にある種の「政治体制は存在したから」です(この辺りは大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でもある程度わかりますが)。5/8放送は「壇ノ浦の戦い平氏滅亡)での義経菅田将暉)の活躍」「義経の活躍に疑心暗鬼を募らせ、彼を鎌倉から排除する兄・頼朝(大泉洋)」が描かれましたがこれは「1185年」のことです。勿論、この時点で、頼朝は鎌倉に「ある種の政治体制」を確立し「鎌倉殿」と呼ばれています。
 従って「1192年以前に鎌倉に存在したある種の政治体制」を「幕府と呼んでいい」と考えるなら「1192年:鎌倉幕府誕生」ではない。
 とはいえ「神武天皇実在説」「源義経・チンギスハン説」「ホロコースト否定論(ネオナチ)」などのようなデマは「デマ支持者がどう強弁しようとも」今後、まともな学説として扱われることはあり得ません。荒木らが放言する「南京事件否定」「河野談話否定」「朝鮮人強制連行否定」も話は全く同じです。
 これは、「歴史学」に限った話ではない。理系の世界も同じで「天動説」「天地創造説」「ルイセンコ学説」がまともな学説として今後扱われることはない。
 大体、荒木の詭弁なら「ラングーン事件や大韓機爆破」について「北朝鮮の犯行」を否定することもOKになる。
 それにしても荒木のような「歴史修正主義者」がごろごろいるのが巣くう会界隈だから呆れます。救う会会長の西岡、副会長の島田も「河野談話否定」などの歴史修正主義である。
 西岡は

西岡力 - Wikipedia
◆『日韓「歴史問題」の真実:「朝鮮人強制連行」「慰安婦問題」を捏造したのは誰か』(2005年、PHP研究所
◆『朝日新聞「日本人への大罪」:「慰安婦捏造報道」徹底追及』(2014年、悟空出版)
◆『「慰安婦」謀略戦に立ち向かえ:日本の子供たちを誰が守るのか?』(共著、2017年、明成社)
◆『でっちあげの徴用工問題』(2019年、草思社
◆『歴史を捏造する反日国家・韓国』(2019年、ワック文庫)

と山ほど「歴史修正主義のデマ本」を刊行している。
 家族会が「拉致の安倍」として持ち上げる安倍元首相も、拉致議連会長だった平沼赳夫も同様の歴史修正主義者です。
 「救う会、家族会共催の全国集会」でほぼ毎回、司会を務める櫻井よしこ(国家基本問題研究所理事長)も、『GHQ作成の情報操作書「真相箱」の呪縛を解く:戦後日本人の歴史観はこうして歪められた』(2002年、小学館文庫)という著書があり同様の歴史修正主義者です。
 何も「女性司会者」なら「桜井(日テレ『きょうの出来事』キャスター(1980年5月~1996年3月)、1954年生まれ)」でなくても

【生年月日順】
◆TBS『報道特集』キャスター(1992年10月~1994年9月)、TBS『サワコの朝』司会(2011年10月~2021年3月)を務めた阿川佐和子氏(1953年生まれ)
NHKクローズアップ現代」のキャスターだった国谷裕子*2(1957年生まれ)
◆テレ朝「ニュースステーション」のキャスターだった小宮悦子氏(1958年生まれ)
NHKあさイチ』のキャスター(2010年3月~2018年3月)を務め、現在は日本テレビ「ニュースゼロ」のキャスターを務める有働由美子氏(1969年生まれ)

など他に女性司会者はいくらでもいるのによりによって「デマ右翼の桜井」が「救う会、家族会の全国集会」司会です(呆)。
 これでは「歴史修正主義との共闘など御免被る」という人間(典型的には左派ですが)は拉致から離れてしまう。本来、家族会が「歴史修正主義発言は迷惑だ」と荒木や島田、西岡らに苦言し、それでも連中がそうした発言を辞めないなら縁切りしてしかるべきなのに容認してる。そのあげくが拉致敗戦(拉致の風化)だから呆れます。俺は家族会にはかけらも同情しません。
 それにしても荒木が「東京大空襲カーチス・ルメイ航空自衛隊創設への貢献を理由に勲章をもらったことが許せない」「日本を戦争犯罪呼ばわりしてるが、東京空襲は戦争犯罪じゃないのか」(以上は俺の要約)と動画で抜かしたのには呆れました。
 日本において荒木ら「歴史修正主義右翼」に最も厳しい政党は日本共産党でしょうが、共産党は「ルメイの勲章授与」には反対しました。
 東京大空襲批判者であり、『東京大空襲』(1971年、岩波新書)の著書がある早乙女勝元氏には一方で、『ベトナム「200万人」餓死の記録:1945年日本占領下で』(1993年、大月書店)という日本軍批判の著書がある。
 あるいは、現在、東京大空襲・戦災資料センター館長を務める吉田裕氏(一橋大名誉教授)は『日本軍兵士:アジア・太平洋戦争の現実』(2017年、中公新書)、『日本人の歴史認識東京裁判』(2019年、岩波ブックレット)などの著書がある「日本版・歴史修正主義」への批判者の一人です。
 「ルメイへの勲章授与反対(あるいは東京大空襲批判)」と「日本型歴史修正主義の支持」と何の関係もない。こんなことを荒木が抜かすのは「東京空襲被害者や支援者(早乙女氏や吉田氏)への侮辱」といっていいでしょう。

*1:実際には「第二次大戦」の「戦勝国」についても、批判的研究(米国の原爆投下、ソ連のカチン虐殺など)はされてるのでこうした物言いはデマでしかない。

*2:現在は東京藝術大学理事(学長特命担当)兼ダイバーシティ推進室長。著書『キャスターという仕事』(2017年、岩波新書)、『クローズアップ藝大』(2021年、河出新書東京芸大理事としての著書であり、勿論『クローズアップ現代』をもじっている)、『国谷裕子と考える気候危機と脱炭素社会』(2021年、文渓堂)など(国谷裕子 - Wikipedia参照)