「珍右翼が巣くう会」メンバー・黒坂真に突っ込む(2021年3月8日分)

黒坂真
 日本共産党職員は日本共産党の最高指導者*1が、総理大臣と同じ仕組みで選出されていると宣伝します。日本共産党新宿の中野顕さんが少し前にそう発信していました。

 黒坂が何が言いたいかと言えば「実態としてずっと志位氏が委員長ヤン(2000年に委員長に就任)。皆が志位氏万歳で、選挙で対立候補も出ない無投票当選*2なんておかしいヤン。対立候補が出ないように締め付けがあるのと違うのか。『元参院議員の筆坂』、『元板橋区議の松崎』とか共産離党して反共分子に転身した連中がそういう趣旨のことを言ってる」云々だそうです(まあ、俺も締め付けがあるかどうか知りませんのでその点については特に反論はしません)。
 とはいえ、日本の首相とて
1)自民党長期政権(自民党過半数議席をほぼ常に保持)によって、「片山社会党内閣」「細川、羽田非自民内閣」「村山自社さ内閣」「鳩山、菅、野田民主党内閣」などといった一部例外を除き、自民党総裁が首相(首相選出する前に自民党総裁選出で首相が事実上決まる)
2)自民党総裁は「リクルート事件後の宇野、海部総裁(安倍幹事長、宮沢蔵相など派閥ボスがいずれもリクルート疑惑に関与したため、宇野氏らに首相の地位が来た)」「二階幹事長、麻生副総理・財務相が都合のいい神輿として担いだ菅総裁」など「派閥ボスでない」一部例外を除き「池田勇人」「佐藤栄作」「田中角栄」「三木武夫」「福田赳夫」「大平正芳」「中曽根康弘」「竹下登」「宮沢喜一」「橋本龍太郎」など派閥ボスが就任
3)派閥ボスが就任しない場合も、菅のように「ボスに逆らって就任」ではなく「ボスの神輿でしかない」のだから「実態としては」首相選出もそんなに民主的な代物でもない。
 この点、最近はそんなこともなくなったわけですが、悪名高いのが「池田と佐藤が争った総裁選での買収合戦」ですね(1964年自由民主党総裁選挙 - Wikipedia参照)。
 「自民党総裁イコール首相」なんで総裁選で買収が横行するわけです。「ニッカ(ボスが総裁選に出馬した二つの派閥から金をもらう)」「サントリー(三つの派閥から金をもらう)」「オールドパー(全ての派閥から金をもらう)」なんて隠語が発明された。
 それにしても「出馬しないように締め付け」というなら安倍首相、菅首相(あるいは彼らを支持する二階幹事長や麻生財務相)なんぞ露骨に石破元幹事長に対して「総裁選に出馬したら干す」と恫喝して、実際に出馬した彼を干したわけですが、それについては「誰を人事で優遇しようが総裁の自由だ、人事権の範囲内だ」と強弁して、安倍、菅批判しない野郎が「志位氏に対立候補が出ないのは締め付けがあるからに違いない。共産党は反民主的だ」と非難。
 「どの面下げてそんなことが言えるのか」と心底呆れます。

黒坂真が吉岡正史をリツイート
 吉岡正史さん。日本共産党は大量生産、大量消費、大量廃棄を否定し、全国民が質素に暮らす日本を作りたいのですね。それなら、企業の生産と国民の消費を強く規制せねばならない。毛沢東時代の中国のような社会ですから
◆吉岡正史
「N高政治部」 志位委員長の特別講義(8)/共産主義、天皇制/「各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件」に
 資本主義社会というのは、効率的なように見えてものすごい浪費社会なのです。資本主義は、「大量生産・大量消費・大量廃棄」の社会をつくりだします。

 吉岡氏も「無視して相手にしない」とはいえよく「ツイッターブロックしない(俺ならブロックしてますね)」と思いますがそれはさておき。
 「大量生産、大量消費、大量廃棄をやめよう」というのが最近話題の『国連のSDGs(持続可能な開発目標)』という奴です。もちろんSDGsてのは「非共産国も多数加盟する国連の決定」なので共産主義云々つう話ではないし、少なくとも建前の世界では自民党政権SDGsを否定しない。
 「持続可能」つうのは要するに「大量生産、大量消費、大量廃棄をやめよう」て話です。「大量生産、大量消費、大量廃棄」は明らかに環境保護的な意味で「持続可能」ではない。「持続可能でない→環境破壊→人間がまともに生活できなくなる」つう流れです。
 SDGs的な話は「CO2削減」「エコバッグ運動」「ペットボトルや空き缶のリサイクル」「フードロスをなくそう」とかいろいろありますけれども。
 つまりは共産党と方法論は違うとはいえ、今や「大量生産、大量消費、大量廃棄をやめよう」という「方向性それ自体」はもはや「世界の共通認識」になってるわけです。
 そこで「日本共産党の方向性(大量生産、大量消費、大量廃棄をやめよう)はSDGsと同じで、国際的潮流で、概ね正しいと思うが、共産主義という方法論は支持できない」「共産主義でなくても大量生産、大量消費、大量廃棄はやめられる*3」つうならまだしも「方向性それ自体」を「毛沢東時代中国のような世界が希望か」と因縁つけて否定しようというんだから、黒坂には心底呆れます。

*1:委員長のこと(現在は志位氏)

*2:とは言えこの点は「安倍の総裁再選」「公明党党首」「社民党の福島氏」「一時期の立民(枝野が無投票再選)」なんかもそうですが。まあ福島氏の場合は明らかに「彼女に代わる人間がいないから」であって別に彼女の独裁ではないですが。

*3:これならもちろん黒坂の暴論と違い別に問題はありません。