今日の産経ニュース(2022年9/3分)

【主張】首相のおわび 国民の信用取り戻すには - 産経ニュース

 これで急落した支持率の回復が望めるかは、これらの措置を徹底することができるか、今後の党の姿勢にかかっている。

 支持率云々と公言して恥じない辺りが産経はどうしようもない。少なくとも建前では「国政与党が反社会勢力と交遊など許されない」と言う話であって支持率云々の話ではない。

 調査対象を国会議員に絞ったのは中途半端ではないか。

 この点は産経には珍しく全く正論です。地方議員、地方首長も調査対象に入れるべきです。とはいえ国会議員の調査も「議員の自己申告」任せで「自民党中央にまともに調査する気がある」ようには見えず「嘘のつき放題だ」と非難されるような代物ですが。

 教団が「反日」を教義とし、日韓の歴史問題による贖罪意識*1を洗脳の具としてきた実態が改めて明らかにされた*2

 確かに「慰安婦や徴用工といった罪を犯した日本(日本人信者)は贖罪のために韓国(統一教会)に寄付する必要がある*3」などという統一教会と「慰安婦、徴用工問題でまともな反省がない自民」が野合するのは「お互いに」おかしな話ですが統一教会の問題はそういう「反日」云々ではない。あくまでも「合同結婚式」「高額寄付」「霊感商法」といった反社会的行為が問題である。

 岸田首相の「おわび」に致命的に欠けたのは、(ボーガス注:警護の不手際で)安倍晋三元首相を死に至らしめた反省であり、テロへの怒りである。

 あのお詫びの場は「統一教会疑惑払拭に消極的だった事への詫び」の場であってそんな場ではない。

 政治家は国家公安委員長*4をはじめとして誰も責任を取っていない。

 
 産経的に誰にどんな責任を取って欲しいのか、「岸田首相、茂木幹事長(幹事長は選挙の責任者)、自民党奈良県連幹部の辞任」などもっと明確に書いたらどうなのか?。
 多分「我々、保守派にとって重要な人物である安倍様が暗殺されたのに与党政治家は誰も責任を取ってない!。二之湯国家公安委員長の辞任も内閣改造と一緒で建前では引責辞任ではなかった!。許せない!」と思いながらも「岸田は首相を辞めろ」「応援演説中に暗殺されるなど、自民の選挙担当者も全くなってない。茂木は幹事長を辞めろ。当時、選対委員長だった遠藤も何で総務会長になるのか!。今すぐ遠藤を総務会長から更迭しろ」などと言って「野党を利すること」や「自民党の反発を買うこと」が怖くて意味不明な文になるのでしょう。

 教団への恨みを持つ容疑者は知人への手紙に「(ボーガス注:統一教会の広告塔でなければ、政治的主張においては)安倍は本来の敵ではない」と記し、「(ボーガス注:統一教会の広告塔で大物政治家である)元首相を襲えば教団への非難が集まる」と供述したとされる。自らの主張を暴力の介在で広めることを企図した冷酷で典型的なテロだった。

 どの辺りが冷酷か全く分かりません。安倍のような「広告塔」に殺意を抱くのは「人間として自然な感情」でしょう。産経には「お前、冷酷と言いたいだけと違うのか」と聞きたい。
 むしろ「統一教会の持つカネや票」目当てに、統一教会と野合し「山上一家のような犠牲者が出ること」を何とも思わなかった安倍の方がよほど「冷酷」ではないか。
 むしろ

山上容疑者、圧力鍋爆弾を断念し銃を製作 「ピンポイントで狙えず」:朝日新聞デジタル
 捜査関係者によると、山上容疑者は「爆弾を作るために圧力鍋を購入した」と供述。ただ、爆弾は製造が難しく、また対象の人物の周囲にも被害が及ぶとして、対象だけを狙える銃を作ることにしたと説明しているという。

ということで「安倍のみを狙撃」し無差別テロに及ばなかった山上は「心優しき犯人」ではないか(勿論殺人は犯罪であり擁護できませんが、山上の不幸な境遇を考えれば同情はします)。

 教団の問題を論じる際には、必ずテロの否定とセットで行うべきである。

 「安倍暗殺」を論じるのならともかく「安倍暗殺が契機で統一教会批判が高まった」とはいえ安倍暗殺と直接の関係は何もない「統一教会問題」を論じるに当たって「必ずテロの否定をする必要」はどこにもない。産経が統一教会や「統一教会と癒着してきた安倍ら自民党政治家」を擁護したいとしか思えません。


【記者発】「維新らしさ」失われた代表選 大阪社会部・江森梓 - 産経ニュース
 「はあ?」ですね。橋下(元代表)や松井など「一部の幹部が強い力を持つ民主性に欠ける政党=維新」であり、前代表松井(大阪市長)が当時の「吉村副代表(現在、共同代表、大阪府知事)」「藤田幹事長」らとともに馬場を強力にプッシュしたのはむしろ「維新らしい」と言うべきでしょう。なお、松井がなりふり構わず「馬場支持」に動いたことが興味深い。
 形式的には代表を退任したとは言え「事実上の党代表は今も恐らく松井」であり、松井は「馬場以外の当選」を絶対に阻止したかったのでしょう(あそこまでなりふり構わない態度を取らなくても馬場が当選したかと思いますが)。


【国際情勢分析】劣勢ブラジル大統領、10月選挙の結果拒否か クーデターの疑念も - 産経ニュース
 「共産主義の脅威」を口実に「ピノチェトクーデター」を米国が容認した時代とは違うので、いかに「現職が親米右派、対立候補が左派(反米とまでは言えないが米国からはある程度距離を置いている)」とはいえ、さすがに米国も批判するでしょうし、クーデターは無理ではないか。
 「クーデターが起きてもいいのか」と言う恫喝で「野党候補への投票を阻害しよう」と言う魂胆でしょうが、そんな脅しに負けず野党側が勝利して欲しい。

*1:とはいえ洗脳が浅い信者に「慰安婦や徴用工といった罪を犯した日本(日本人信者)は贖罪のために韓国(統一教会)に寄付する必要がある」と言ったら「統一教会献金するより元慰安婦や元徴用工に直接寄付すればいい」「統一教会(戦後誕生)は別に戦前日本の戦争犯罪の被害者ではない」だのの疑問が信者に出てきて逆効果なので「かなり洗脳が進んだ段階(統一教会が何を言っても受け入れてしまい反論が出ない状態)」でこうしたトークがされるようです

*2:山上の犯行前から協会批判派が指摘した事実なので「何を今更」です。「信者限定トーク」であることを理由に産経らウヨが「気づかないふり」をしていただけです。

*3:とはいえ自民と野合してることで分かるようにこれはあくまでも「信者から搾取するための営業トーク」にすぎません。統一教会が元慰安婦や元徴用工を経済支援してるわけでは全くないし、勿論そうした問題について無反省な自民党を批判するわけでもない。

*4:なお、当時の二之湯国家公安委員長内閣改造を契機に委員長を退任しています(また参院選にも出馬せず政界引退を表明)。