今日の中国ニュース(2022年9月3日分)

◆9月3日は「抗日戦争勝利記念日

中国、抗日戦勝77年記念日 ロシアとの連携も - 産経ニュース
 1945年9月2日に日本が連合国に対する降伏文書に調印*1したが、中国は翌日の9月3日を「抗日戦争勝利記念日*2」としている。

 一方、日本では「玉音放送の8/15」は注目されても「正式に降伏文書に署名した9/2」はあまり注目されないように思います。
 俺的に興味深いのでメモしておきます。


【産経抄】9月3日 - 産経ニュース

 作家の門田隆将さん*3 は新著『日中友好侵略史*4』で、危機感をあらわにする。
「『安倍晋三』という中国への巨大な壁だった政治家*5を失った日本は今後、さらに中国による蹂躙*6が進むのだろうか*7」。

 勿論こういう話を産経が書くのは数日前に「例の国連報告(ウイグルでの人権侵害の疑いを指摘)」があったからです。
 それにしても

安倍晋三がダライ・ラマと面談した - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)*82011.11.10
安倍晋三が口先だけの男でなければ、首相だった時に胡錦濤に同じことを言っている - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)(2012.4.14)が紹介するトフティ・テュニヤズ氏云々の話
→この話については「明治大学准教授のM谷N子氏*9」も「安倍の業績」として好意的に言及していました。正直、M谷氏*10には呆れています。

といった話をもとに安倍を「反中国の闘士」「中国に批判的なチベットウイグルなど少数民族活動家の支援者」と描き出す産経や門田ですがデマも甚だしい。
 「訪日した李克強首相の北海道訪問(2018年)」の際に「前例のない北海道への同行*11」をした安倍のどこが「反中国」なのか。
 そもそも安倍の「中国への厳しい態度」として持ち出される物は「首相を退任した無役の時代」か「靖国参拝(首相就任1年目)など中国へ敵対的態度で当初望んでいた第二次安倍政権初期」の話ばかりです。むしろ「安倍の対中態度」は

ね、首相に復活したら安倍は動いてはくれないだろ(今後に期待?) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2013.8.10
ははははは 私と同じことを当事者が語っているじゃないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2013.9.20

の指摘通りでしょう。

 岸田文雄首相は、習氏との会談を模索しているとされる。

 岸田を批判する産経ですが、安倍だって首相在任中「習主席を国賓として招こうとした(ただし、コロナ蔓延や右派の反対もあって挫折)」のですが。

*1:日本の降伏 - Wikipediaによれば日本側からは重光葵外相、梅津美治郎参謀総長らが出席

*2:これは「蒋介石政権時代の決定」が1949年の中華人民共和国建国後も引き継がれた物のようです。従って台湾においても9/3が「抗日戦争(日中戦争勝利記念日」です。

*3:『この命、義に捧ぐ:台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(2013年、角川文庫)などウヨ著書多数

*4:2022年、産経新聞出版。アマゾンの著書紹介に寄れば「日中友好と(戦前日本による中国)侵略の歴史」ではなく「日中友好(中国との経済、文化交流)=中国の経済侵略、文化侵略(精神侵略)」のようです。

*5:産経や門田のような安倍信者にとって「統一教会被害者・山上による暗殺」は「安倍のイメージダウン」をもたらした「最悪の暗殺」でしょう。「統一教会と癒着して問題ない」と思う人間は「そうはいない」からです。このように「反中国の闘士」云々でごまかすのも限界があるでしょう。

*6:何が蹂躙だか全く分かりません。

*7:そもそも「台湾ロビー岸信介(安倍の祖父)」すら「子分・福田赳夫首相」が「日中平和友好条約を締結する」のを黙認したわけで、ある程度常識があれば産経のような中国敵視は普通しません。

*8:無役だとダライに会う安倍も首相時代には「訪日したダライ」に会ったことは一度もなかったと思います。

*9:以前、実名を書いたらマジギレされたのでイニシャル表記にします。しかし、「早稲田大学教授のI濱Y子氏(彼女にも俺は敵視されてるのでイニシャル表記にします)」など一部の「アンチ中国」は「安倍を中国批判派として高評価」など、完全に「常識を逸脱」しています。

*10:著書『亡命者が語る政治弾圧:中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)

*11:李首相訪日直前まで同行の予定を公表しなかったので驚きましたが、そうした態度から安倍が「北海道同行」に対するウヨの批判を気にしていたことが窺えます。