今日の中国ニュース(2022年10月19日分)

中国外務省高官「台湾と9か国の関係解消させた」 | TBS NEWS DIG (1ページ)
 軍事侵攻で片をつける気ならこうした「断交ドミノ」をする必要もない。断交ドミノ自体が「台湾が独立宣言しない限り侵攻しない」という中国の主張が本心であることを証明していると言えるでしょう。
 なお、9カ国とは「サントメ・プリンシペブルキナファソ(アフリカ)」「キリバスソロモン諸島オセアニア)」「エルサルバドルドミニカ共和国ニカラグアパナマ中南米)」*1です。この結果、台湾と国交のある国は14カ国*2(「エスティワニ(アフリカ)」「ツバル、ナウルパラオマーシャル諸島オセアニア)」、「グアテマラ、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセント・グレナディーンセントルシア、ハイチ、パラグアイベリーズホンジュラス中南米)」「バチカン(ヨーロッパ)」)にまで減りました。
参考
外交部、サントメ・プリンシペが台湾と断交について--人民網日本語版--人民日報2016.12.22
中国とサントメ・プリンシペが国交回復--人民網日本語版--人民日報2016.12.27
中国とドミニカが国交樹立--人民網日本語版--人民日報2018.5.2
中国ドミニカ国交樹立の計り知れない意義--人民網日本語版--人民日報2018.5.2
外交部、台湾地区との「断交」声明発表のブルキナファソ政府を評価--人民網日本語版--人民日報2018.5.25
外交部、中国とエルサルバドルの国交樹立は政治決断--人民網日本語版--人民日報2018.8.22
外交部、米側は中国とエルサルバドルの国交樹立を正しく受け止めるべき--人民網日本語版--人民日報2018.8.23
台湾地区と「断交」したソロモン諸島を中国側が高く称賛--人民網日本語版--人民日報2019.9.17
台湾地区と「断交」したソロモン諸島を中国側が高く称賛--人民網日本語版--人民日報2019.9.17
中国とソロモンの国交樹立 歴史の潮流に沿った正しい決断--人民網日本語版--人民日報2019.9.23
ニカラグアが台湾地区との「断交」を宣言--人民網日本語版--人民日報2021.12.10


中国の台湾侵攻、今年や来年にも 米海軍幹部が警戒 | 毎日新聞

 米海軍制服組トップのギルデイ作戦部長は19日、中国による台湾侵攻が起こり得る時期について「2022年や2023年の可能性を排除できないと思う」と述べた。

 「今年にも侵攻があり得る」て正気で言ってるのかと心底呆れます。「来年」だっていい加減非常識ですが、今年は後2ヶ月半しかないのに。


なぜウイグル族を抑圧? 専門家が指摘する中国共産党の「内心」 | 毎日新聞

 6月に「新疆ウイグル自治区中国共産党支配の70年*3」(中公新書、樫山純三*4賞受賞)を出版した法政大の熊倉潤*5准教授へのインタビュー
◆熊倉
 ウルムチ*6騒乱*7は、まず7月5日にウイグル族が治安部隊と衝突しますが、その2日後、今度は怒った漢族がウイグル族への報復に出て暴動になります。
 共産党政権の認識としては、何も悪いことをしていないということです。政権の視点で言えば、(ボーガス注:ウイグル過激派の)テロの刃が中国の「老百姓」(一般市民)に向けられているのだから、穏やかで安定した人々の生活を守るために取り締まりをやっているのだという考えです。
 漢族を中心とする大部分の中国人は取り締まりを支持しています。

 非常に重要な指摘と思います。
 つまり「一党独裁だからウイグルに抑圧的」なのではなく「国民多数派である漢民族に配慮した結果」が抑圧だと言うことです。
 つまりは「中国が複数政党制だろうとも事態は大して変わらなかったろう」ということです。
 民族問題とは「多数派民族が少数派民族を抑圧する問題」なので「民主主義なら解決する」という種類の話ではない。民主主義とは結局「多数決」だからです。
 だからこそ「複数政党制国家」でも「アイヌ問題(日本)」「アイルランドスコットランド問題(英国)」「カタルーニャバスク問題(スペイン)」などあるわけです。

*1:俺がググった限りでは後1つが分かりません。それとも中国外務省高官の言い間違えか?

*2:ソマリランド(アフリカ)も含めれば15カ国になりますが「ソマリランドの独立をソマリアは認めておらず、多くの国も独立を認めてない(またソマリランドは国連非加盟)」と言うことで除きました。

*3:2022年

*4:オンワード樫山創業者

*5:著書『民族自決と民族団結:ソ連と中国の民族エリート』(2020年、東京大学出版会

*6:新疆ウイグル自治区の首府

*7:2009年に発生した騒乱。新華社通信に寄れば死者192名(2009年ウイグル騒乱 - Wikipedia 参照)