今日のロシアニュース(2022年10月19日分)

ロシア・ウクライナ戦争とキューバ危機|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 浅井先生が「ロシアに大甘なこと」にはいつもながら失望しますが「戦争には至らなかったキューバ危機より実際の戦争に突入したウクライナ戦争の方が核使用の危険性が高いこと」は浅井先生の指摘の通りだとは思います。それでもさすがにプーチンは核使用はしないでしょうが。


参院議長「捨て身は強い」 ロシア抗戦のウクライナ議員に:東京新聞 TOKYO Web
 捨て身云々って「戦前日本の特攻を美化したあげく、ウクライナにも推奨したのか?」と疑いたくなる珍発言です。立場上ダメ出しもできずに調子を合わせたのでしょうが、向こうも「何を言ってるんだ?」と怯えたのでは?。
 それにしても

 日露戦争の海戦*1で日本が用いた戦術*2を例に挙げ「捨て身ほど強いものはない。今、皆さんがそのことを証明している」と発言した。
 「わが国の先人も覚悟し、捨て身戦法を採り、作戦が功を奏した」と語った。

ねえ。「韓国の支配権を争った植民地獲得戦争、帝国主義戦争」日露戦争を美化すること自体が「現在においては日韓友好に反する問題行為(そもそもウクライナの抗戦は日露戦争とは性格が違う)」ですが、「日本海海戦」や「そこでとられたとされる戦法(丁字戦法)」は「捨て身の戦法」ではないでしょう。
 なお、丁字戦法 - Wikipedia東郷ターン - Wikipediaにも記載がありますが、本当に「丁字戦法がされたのかどうか」については現在は否定説も有力です。


ロシア軍総司令官、南部での苦戦認める異例の発言「難しい決断下すことも排除しない」 : 読売新聞オンライン
ロシア「併合」のウクライナ4州から住民緊急退避 プーチン氏は「戒厳令」発表 一部の部隊撤収も:東京新聞 TOKYO Web
 つまりは「NATOウクライナ軍事支援」によってロシアが苦戦してるのでしょう。勿論、だからといって現時点では「ウクライナが圧倒してる」と見なすこともできず「互角の勝負」「一進一退の攻防」といったところでしょうが。


プーチン大統領、併合4州に「戒厳令」…戦時体制に移行させ軍の統制を強化か : 読売新聞オンライン
 上で「ロシア苦戦」と書きました。確かに苦戦はしてると思います。
 しかしこの読売記事を考えると「苦戦」とだけ見るのは不適切な気がしてきました。
 「軍事動員を強める」等の「禍転じて福となす」「火事場泥棒」「焼け太り」的な考えもあるのではないか。


ウクライナの発電所「3割破壊」 ロシア軍、インフラ施設標的に | 毎日新聞
 つまりは「正規軍のぶつかり合い」で決着をつけるのが「NATOウクライナ軍事支援」で難しいが故に手段を選ばなくなってる訳です。
 勿論これは「手段を選んでない(国際法違反の疑い濃厚)」と言う意味では「ロシアが追い詰められてる」とも言えますが、そうした「ロシアの手口」を「少なくとも短期的には阻止できないし、それによって無視できない被害を受けてる*3→苦境を国内外に訴えざるを得ない」と言う意味では「ウクライナも無傷ではない」。
 ロシア批判派にとって「ロシアが追い詰められてる」と単純に喜べない面があります。
 なお、「相手にダメージを与えられれば何でもいい、むしろ正規軍のぶつかり合いでない方がロシア軍のダメージが少ない」と言う判断をしてるのでしょうから

 米シンクタンク「戦争研究所」も17日の情勢報告で同様の見解を示し、キーウへの無人機攻撃は「戦場での明白な戦果より、心理的な恐怖を狙ったものだ」と分析した。
 クレバリー英外相は一連の無人機攻撃について、「プーチン(露大統領)は市街地占領に失敗したため、卑劣にも無人機攻撃を試みている。戦場で負けつつある男の自暴自棄な行為だ」とツイッターに投稿した。

という指摘では「恐怖戦術」という前者(米シンクタンク)の方が正当な見解で「自暴自棄」という後者(英外相)は不適切な見解でしょう。まあ「自暴自棄」主張は本心と言うよりプーチンへのネガキャンでしょうが。
 プーチンの行為(相手側国民の厭戦気分を狙う)は「単純比較はできない(露はともかく米国は日本を軍事的に圧倒しており、都市攻撃は単に日本降伏を早めたかっただけなので)」とはいえ「民間施設を狙った太平洋戦争での米軍都市空襲(東京大空襲など)」みたいなもんです。

*1:日本海海戦のこと

*2:丁字戦法のことか?

*3:無視できる、あるいは「無視できないが阻止できる」のであればこんなアピールはする必要がないでしょう。