今日の中国ニュース(2022年10月28日分)(副題:朝日新聞の反中国、右傾化に呆れる、ほか)

習近平氏は「プーチン化」?胡錦濤氏が退席、慣例破りの3期目…松田康博教授の分析:朝日新聞GLOBE+

 中国は依然、「平和統一」を目指していますが、話し合いによる合意形成ではなく、軍事力を背景にして相手を屈服させる「強制的平和統一」にかじを切ったと思います。

 「反中国の台湾ロビーらしい」松田某*1には「アホか」と心底呆れますね。
 アマゾンの著者紹介に寄れば「1988年麗澤大学卒業(麗澤大は右翼宗教モラロジーが母体で古森義久高橋史朗西岡力八木秀次などが教員として所属するウヨ大学)」「元・防衛庁防衛研究所主任研究官」というから松田は、「今は東大教授」とはいえ、かなりの極右なのでしょう。
 蔡英文が独立を画策するかのような動きを見せてるので中国が「政治的に牽制してるだけ」でしょう。馬英九総統時代には中台間に「一定の友好関係が構築されていたこと」を無視するなと言いたい。
 そもそも「強制的平和統一」という「意味不明な概念」は何なのか。まともに説明できる物ならしてみろと言いたいですね。
 単に「経済関係を平和的に深めるだけ」では統一にはつながらない(そもそも単に経済関係を深めるだけでは強制でないですが)でしょう。
 また、「独立主張を撤回しない限り経済制裁で締め付ける(それでも撤回しないなら台湾側は軍事侵攻を覚悟せよ)」ならまだしも「統一要求に応じなければ経済制裁で締め付ける(強制)」なんて無茶苦茶をやったら「独立宣言もないのに、軍事侵攻」ほど酷くないとはいえ、欧米との対立は避けられません。そんな無茶苦茶をやるわけがない。

 日本が懸念を深めている尖閣諸島の領有権問題で譲歩する考えはありません。

 尖閣問題で「譲歩など全くしてない(多分今後もしない)」のは「中国同様に尖閣の領有権を主張する」台湾も同じなのですが、朝日や松田が「台湾は親日扱いし、中国だけ反日と非難する」辺りがデタラメ、ご都合主義で最低最悪です。

 習近平氏が最も重視しているのは共産党支配の継続です。「台湾に武力侵攻すれば、米国などの介入を招き、共産党支配がかえって崩れてしまう」と思わせれば、中国の武力侵攻を遅らせたり、抑止できたりします。
 そのために、日本は防衛力を強化する必要があります。

 おいおいですね。何で日本が台湾有事に介入することが当然の前提になってるのか。それは「集団的自衛権行使」という違憲行為ではないのか。
 しかも「百歩譲って介入を是とする」としても、何で「介入=軍拡」なのか。今ですら日本の軍事力は相当な物です。一方で例えば福祉や科学技術予算は貧弱です。
 ついに日本の「貧弱な科学予算」のために「日本を脱出して中国の研究機関のスカウト(明らかに日本より待遇がいい)に応じる日本人研究者」まで出た。
 日本の「貧弱な福祉予算や科学技術予算」をさらに貧弱にしたいのか。さらにいっそう「日本人研究者」を中国に流出させたいのか。しかし朝日もここまで右傾化しましたか。絶句しますね。

 防衛費の増額は1兆円か2兆円かという議論ですが、ウクライナを見ればわかるように、戦争が実際に起きれば*2、簡単に100兆円規模の被害が発生します。金額を惜しんでいる場合ではありません。

 その理屈なら「福祉予算を惜しんでる場合ではありません。惜しんだ結果、受診抑制などで、高齢者多数が深刻な病気になればかえって医療費が増える。福祉予算を増やし、病気にならないようにすることで医療費がかえって減る」「科学技術予算を惜しんでる場合ではありません。予算不足で研究が進まず、半導体や医薬品開発などで日本企業がどんどん沈没し、国の研究予算が潤沢な中国の企業に取って代わられたら取り返しがつかない」とも言えます。要するに「現実性、具体性」を無視して抽象的なことを言うなら何とでも言える。
 ただし、可能性の面でなら俺の指摘の方が「松田の軍拡正当化論」より、よほど現実的、合理的だと思います。


習近平総書記が中国共産党中央政治局常務委員を率いて延安革命記念地を訪問--人民網日本語版--人民日報
 「産経らウヨにとっての靖国」=「中国共産党にとっての延安*3(あくまでも政治的重要度のみで比較しています)」といっていいのでしょうが「随分と古めかしい」とは思いました。
 父親世代ならともかく、延安時代の直接的な経験は習氏(習氏が1953年生まれ)たちには勿論ありませんからね。
 まあ、それを言うなら産経らウヨの靖国参拝も相当に「古めかしい」ですが。
 なお、これは「中国共産党の栄光の誇示」程度の話であって、一部ウヨメディアが習非難のために強弁するような「毛沢東時代を懐かしんでる」「習氏が自分を毛沢東に比肩してる」と言う話ではないでしょう。

*1:著書『台湾における一党独裁体制の成立』(2006年、慶應義塾大学出版会)

*2:在日米軍自衛隊」という「世界有数の軍隊」が存在する今の日本をどこの国が攻めるというのか。デマも大概にしてほしい。

*3:1937年から1947年まで中国共産党中央委員会が置かれ、この時期に毛沢東が主要著作『新民主主義論』『持久戦論』『文芸講話』『連合政府論』などを執筆したことから、中国共産党の聖地とされる(延安市 - Wikipedia参照)。