糖尿病は怖い病気だが「共存」は「困難でも不可能ではない」と思う(富永一朗、北尾光司の死に寄せて)(追記あり)

【追記】
 やはり糖尿病は恐ろしい病気だと思う(笠浩二の死に寄せて) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)及び北尾光司(元横綱双羽黒)も、おそらく発達障害があったのではないか(知能はすぐれていたらしいが) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でこの拙記事をご紹介頂きました。ありがとうございます。
【追記終わり】
 やはり糖尿病は恐ろしい病気だと思う(笠浩二の死に寄せて) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)を読んでの記事です。
【1】
 記事タイトルにも書いたように、「共存」の念頭にあるのは『ボクの愛する糖尿病』(1992年、同文書院)の著書がある「享年96歳(1925~2021年)」の「糖尿病患者」富永一朗(漫画家)です。
 勿論「糖尿病がなければもっと長生きできた」かもしれない*1し、「渡辺徹や笠に比べれば幸いにも病気が軽かった」のかもしれない。
 しかし後で触れる「食事制限や運動への真摯な取組」が「96歳と言う長寿」を実現したのも事実でしょう。
 例えば「マンガ道場」の共演者である漫画家・鈴木義司(1928~2004年、悪性リンパ腫による死去、享年75歳)などは富永より先に死去しています(鈴木義司 - Wikipedia参照)。
 富永の政治イデオロギー富永一朗 - Wikipediaによれば旧民社党支持者)には全く賛同できませんが、こうした「糖尿病との闘病」については高く評価できます。

参考

富永一朗 - Wikipedia
 還暦を超えて糖尿病と診断され、一転生活を改めた。「健康じいさん」を自称し、模範患者として医療関係のシンポジウムや講演を通じて啓発活動を行い、闘病記『ボクの愛する糖尿病』(1992年、同文書院)も著した。

悼む:漫画家 富永一朗さん=5月5日死去・96歳 | 毎日新聞2021.8.2
『講演してたら急にしゃべれなくなったんだよ!。焦ったね~。口の中がカラカラになってね。すぐ病院に行ったら糖尿病だと言われたよ。』
 そんな話を聞いたのが、たしか富永先生が60代半ばの時だったと記憶しています。私*2が司会を務めたテレビ番組「お笑いマンガ道場」(1976~1994年放送)の回答者だった先生は、いつも全国各地を飛び回ってのグルメざんまい。食べ物に関しても、まさに大御所でした。
 先生はその日を機に、『オレはこれからの人生、糖尿と友達になるからね』と宣言!。革靴をスニーカーに履き替え、『これからはとにかく歩くんだ!』と高層マンションの自宅も階段で上り下り。度々あった番組の食事会などでも、いつもニコニコ笑いながら、(ボーガス注:食事会には糖尿病を理由に欠席し*3)ひとりホテルに居残って自らスーパーで買ってきたキンピラにご飯を少しだけ食べていました。その意志の強さには、感動すら覚えたものです。
(以下は有料記事です)

【2】
ちなみに糖尿による悲劇と言えば以下のような話がありますね。

北尾光司 - Wikipedia
 1963~2019年(享年55歳)。
 2019年3月29日に長らく公の場に姿を現さなかった北尾の訃報が明らかになった。2019年2月10日、慢性腎不全のため千葉県の病院で死去。2013年から腎臓を患い闘病生活を送っていたという。
 2019年4月の『週刊新潮』の報道によると糖尿病の悪化により2010年代前半から寝たきりに近い状態になり、トイレに行くこともままならなくなり排泄に家族の介助を必要としていた。死去の6年前には両足首に褥瘡ができ、医師から両足首の切断を勧められたと伝わる。死去する5年前から入院生活を始め、2018年秋から人工透析を始めたという。この頃には糖尿病が末期の段階に進行して目はほとんど見えなくなり、意識も朦朧として娘を認識できなくなっていたという。
 2019年6月28日放送のTBS系「爆報!THE フライデー*4」には北尾の妻が出演し、これまで公には知られることの無かった闘病生活について述懐した。
 2003年9月に立浪部屋と和解した直後に、北尾の闘病生活が始まった。日曜大工をしていて右足首に負った擦り傷が何か月たっても治らず、医師の治療を受けても化膿が進んだという。電気ストーブで足が焦げているのに気付かないほど感覚が麻痺、右足を庇って負担がかかった左足にも褥瘡が出来るという形で化膿が広がり、引退後の暴飲暴食が原因した『重度の糖尿病』と診断された。両脚膝下の切断が必要と医師に告げられたが、「切断後に生きる保障も再び歩くことが出来る保障も出来ない」と言われたことや「横綱になった足」であることから夫婦は切断を拒否。そして、別の病院を探したが入院を拒否されたという。その後、夫人は勤務医の仕事を辞めて北尾の自宅介護を続けていたが、椎間板ヘルニアを発症し一人娘の助けなしに介護を続けられなくなってしまった。このため一人娘に進学を断念させることにもなってしまった。こういったことから北尾は「俺、生きてていいのか」と何度も自殺未遂を繰り返し、夫人は24時間夫から目が離せない日々を過ごすこととなった。そして遂には腎機能が衰え、最後の入院となった。北尾はこの入院中(死の2年前)視力を失っていく中で「自分は骨にならないと家には帰れないから、撮っておけ」とビデオで自分の姿を撮影するよう求めており、そのビデオの内容も番組中で放送された。

 このTBSの番組は確か小生も放送当時に見ました(記憶がかなり曖昧ですが)。まあ北尾(元横綱・双葉黒)の場合「力士廃業に至った無茶苦茶さ」が糖尿病の悪化をやはり助長したのでしょう。
 北尾も発達障害、精神障害の可能性のある有名人はかなりいるようだ(映画やドラマの登場人物にも、それをうかがわせるキャラクター多し) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)の一種だったのかもしれない。

*1:なお、直接の死因は「誤嚥性肺炎」のようです。

*2:柏村武昭 - Wikipediaのことか?

*3:お笑いマンガ道場に出演し続けたいからあえて欠席してる、糖尿が悪化したら欠席せざるを得ない」と言われれば番組関係者も欠席を認めざるを得ないでしょうが、やはり富永氏の「意志の強さには、感動すら覚えた」といっていいでしょう。

*4:2011年10月21日から2021年3月5日までTBS系列で毎週金曜日の19:00~20:00に放送されていた情報バラエティ番組