黒井文太郎に悪口する(2023年1月2日分)

黒井文太郎
 歴史にifはないけれど、本当にマケインが大統領だったら

 マケイン大統領候補の副大統領候補が「茶会ペイリン」だったこと(だからこそ穏健保守派がマケインに失望してオバマが勝利したこと)を無視する黒井には心底呆れます。それにしてもその後も共和党の「右翼路線」は歯止めがきかず、ついにトランプ派の上院襲撃かと思うとげんなりします。むしろ、黒井を真似れば「歴史にifはないけれど、もしマケインがペイリンを副大統領候補にしなかったら」ですね。まあ、ペイリンを候補にしなくても残念ながら「共和党穏健派支持によるマケイン当選は無く」、また「共和党の右傾化には変わりなかった」かもしれませんが、候補にしたことが「右傾化を助長したこと」は明らかでしょう。

黒井文太郎
 ウクライナ支援がなぜ必要かは「プーチンが勝利*1すると世界はどうなるか?」を考えてみるとわかりやすい*2のではないかと思います。
 習近平*3金正恩*4、ルカシェンコ*5ハメネイ*6+革命防衛隊、アサド*7など*8世界中の非道な独裁者たち*9が弾圧・虐殺・侵略・テロ*10などをやり放題になります*11

 「はあ?」ですね。
 その理屈だと例えば「南アのアパルトヘイト(黒人差別)を容認してはいけない理由」は「世界中で民族、人種差別がやりたい放題になるから」なのか?
 「アホか?」ですね。
 南アのアパルトヘイトが撲滅できないからと言って「世界中で民族、人種差別が当然に蔓延するわけではない」、あるいは逆に「アパルトヘイトを撲滅すれば民族、人種差別が消えるわけでは無い」ように「ロシアがウクライナに勝利したから」といってそれは「ロシアが図に乗ってもっと無茶苦茶やるかもしれない」ならともかく、「世界中の非道な独裁者たちが弾圧・虐殺・侵略・テロなどをやり放題になる」と言うことを勿論意味しません。勿論「ロシアが敗北すれば、世界中の独裁者たちが当然に敗北する」わけでもない。
 あくまでも南アのアパルトヘイト撲滅は「南アの黒人の人権のため」であるのと同様、「ウクライナ戦争」も問題は「ウクライナ人の人権」です。
 黒井が名前をあげてる国(中国、北朝鮮など)であれ、あげてない国(サウジ、エジプトなど)であれ、それらの国の人権問題は「ウクライナ戦争」とは何の関係も無く「個別に取り組むべき問題」です。「ウクライナ戦争に取り組めば中国等の人権問題が自然に解決する」かのような黒井の物言いは明らかにおかしい。

*1:黒井の言う「勝利」の意味もよく分かりません。とりあえず「何をプーチンの勝利と考えるのか」明確にして欲しい。「ゼレンスキー政権打倒、傀儡政権樹立」や「ウクライナ全土支配(併合)」を意味するなら「ロシアの勝利」はもはや無いでしょう。一方「併合した4州やクリミアのロシア支配継続」「プーチン体制維持」を意味するなら「ロシア勝利の可能性」はあるでしょう。この辺り、黒井が曖昧にするのは「故意にハードルを下げて、ウクライナ支援を正当化しやすくするため(そんなことしなくても憲法九条に抵触する日本の軍事支援ならともかくウクライナへの支援一般に反対する人間もあまりいないでしょうが)」でしょう。

*2:後述しますがこれが「プーチンがもっと無茶苦茶する恐れがある」ならともかく黒井の説明(世界中の独裁的国家がプーチンを真似て無茶苦茶をしまくる)はわかりやすいどころか「事実に反する珍論」といっていい。

*3:中国国家主席中国共産党総書記)

*4:北朝鮮国務委員長(朝鮮労働党総書記)

*5:ベラルーシ大統領

*6:イスラム革命防衛隊司令官、大統領などを経てイラン最高指導者

*7:シリア大統領

*8:黒井の言う「など」が具体的にどこかは不明です。具体名を挙げてる国を黒井が特に敵視してることは分かりますが。

*9:上がっている独裁者が米国が「反米政権」と敵視してる国ばかりで例えば「米国が融和的な」エジプト軍事政権やサウジ王政が上がらない点が実に親米ポチ黒井らしい。

*10:今の時代、一般的な弾圧(投獄や軟禁)ならともかく人命を奪う「虐殺やテロ」は簡単にできるモノではないし、ましてや「侵略」となれば相当にハードルが高いので、「ハードルの違う」これらを並列で並べた上、「どれもやりたい放題」とまで書く黒井には「おいおい(呆)」ですね。そもそも黒井が名前を上げた国の中で「弾圧、虐殺、テロ」はともかく「現在、侵略をしている」と言えるのはせいぜい「シリアやイエメンの内戦に軍事介入しているイラン」ぐらいでしょう。他の国が一体何処を侵略しているというのか?。しかもそのイランにしても「シリア・アサド政権」「フーシ派(イエメン)」といった現地勢力を支援する形をとって「侵略の批判を回避しよう」としています。

*11:こういうアホを言う黒井って「ウクライナ国民の権利擁護」「ウクライナと日本の友好関係」あるいは「さらなるプーチンの暴走の危険性」ではウクライナ支援理由として弱いと思うのか?。それとも「ウクライナ支援」を無理矢理「中国など他の国の批判」につなげたいのか?。どっちにしろ黒井はアホですが。