G7サミットでいろいろ(2023年5月25日記載)

ブラジル大統領、会談「ゼレンスキー大統領が来ず」 - 日本経済新聞

 ブラジルのルラ大統領は22日、広島市内のホテルで記者会見し、主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)開催中にウクライナのゼレンスキー大統領と会談しなかった理由について「約束していたが向こうが来なかった」と述べた。
 サミットに参加した新興・途上国「グローバルサウス」の主要国首脳のなかで、ゼレンスキー氏と会談しなかったのはルラ氏だけだった。
 時間になっても現れず、ルラ氏はベトナムのチン首相との会談に臨んだ。
 ルラ氏は「私は本人と話したかった」と述べ、「時間がなかっただけの話だ」とした。
 ゼレンスキー氏は21日の記者会見でルラ氏と会談しなかった理由を「日程上の都合」と話した。
 サミットへの参加に絡み「私はウクライナ問題を話すために来たわけではない」と述べた。「サミットは経済と気候変動について議論する場で、戦争の話は国連でやるべきだ」と主張した。

 森本毅郎スタンバイ(水曜)でもネタになっていましたが、「ゼレンスキーがドタキャンした」というよりは「お互い会うのを避けた」と見るべきでしょう。
 「BRICSメンバー」でロシアに融和的なブラジルのルラ大統領とゼレンスキーがあっても「かえって溝が深まるだけ」とお互いが判断したのではないか。


岸田首相 ベトナム首相と会談 中国念頭に東シナ海など連携確認 | NHK | 南シナ海問題
 訪日したベトナムのファム・ミン・チン首相が岸田やバイデンと会談してる頃、訪露したベトナムグエン・フー・チョン党書記長はロシア メドベージェフ前大統領 ベトナム最高指導者と会談 | NHK | ロシアということでプーチン大統領国家安全保障会議議長兼務)の側近「メドベージェフ国家安全保障会議副議長(与党「統一ロシア」党首)」と会談していました。
 ベトナム的には「ロシアもG7もどちらも重要」なのでしょう。あえて言えばチン首相(1958年生まれ)、チョン書記長(1944年生まれでチン氏より年長、書記長就任前に国会議長、国家主席を歴任)なので「ロシアの方をやや重視してる」といえるかもしれない。
 「ロシア擁護」と誤解されることを恐れず書いておけば「こうしたロシアに融和的な国(ブラジルやベトナム)の存在」にも注目する必要があるでしょう。


首相 スリランカ大統領と会談 “債務問題 透明性持ち解決を” | NHK
「債務の罠」危惧のスリランカ大統領が日本の支援に謝意 | TBS NEWS DIG
 G7サミットを契機に来日した「多数の海外要人の一人」ですが、「ウィシュマさんの件で謝罪したのか?」と岸田に聞きたくなります。
 勿論、岸田が謝罪一つしなくても予想の範囲内ですが。記事にあるようにスリランカは今債務問題で厳しい状況にあり、日本の支援も希望してる*1ので、「入管の医療ネグレクトで自国民がなぶり殺しにされた」とはいえなかなか日本批判もしづらいでしょう。「日本の経済支援」目当てで「1970年代の中国や韓国」が日本批判を自重したのとある意味似ています。
 それにしても

「債務の罠」危惧のスリランカ大統領が日本の支援に謝意 | TBS NEWS DIG
 中国が借金漬けにして影響力を強めるいわゆる「債務のわな」に陥っていると指摘されるスリランカ

ねえ(呆)。何も「スリランカに債権を持つ国」は中国だけじゃないでしょうに。
 フジサンケイほど右寄りではないTBSですら「反中国か?」とげんなりします。

*1:というか訪日した理由はどう見ても「G7首脳への経済支援要請」でしょうが。その意味では「支援要請の性格が違う」とはいえ、支援(専ら米国の軍事支援?)要請に来たゼレンスキーと「ある意味似ています」。