開業の見込みが立たないリニア新幹線(2024年7月26日記載)

「皆様のご期待を裏切る形となり申し訳ない…」リニア新幹線「長野県駅」の工事完了は6年近く遅れて2031年末に、住民は「どうしてそんなに延びるのか」「長引くことに疑問」(SBC信越放送) - Yahoo!ニュース2022.7.24
 長野県飯田市で建設中のリニア中央新幹線の長野県駅の土木工事に関して、JR東海は、これまで示してきた計画より5年9か月遅い、2031年末の完了とする見通しを示しました。
 23日夜に、飯田市で開かれた説明会には、近隣住民などおよそ40人が参加しました。
JR東海の杉浦禎信(すぎうら・よしのぶ)担当部長
「工期の延伸、あるいは開業の遅れというのは、皆様のご期待を裏切る形となった。申し訳ない」
 冒頭で陳謝した、JR東海の杉浦担当部長。
 その訳は、市内で建設が進む長野県駅の工期の大幅な遅れです。
 従来の計画では、工事の完了は2026年3月。
 しかしJR東海は工期を5年9か月延長し、2031年末の完了とする新たな見通しを示したのです。
 理由として挙げたのは、用地取得交渉や埋蔵文化財調査の長期化などで、品川・名古屋間に設けられる予定の6つの駅で、工期の延長が示されたのは長野県駅が初めてです。
 今回、2031年末完了とされた工事は高架橋や線路などの「土木構造物」に限ったもので、駅舎の建設や機器の設置などを含めると、全体の完成はさらに先になる見通しです。
住民
「長いと思いました。どうしてそんなに一気に6年近くも延びるのかなというのは正直思いましたけど、そこはもう、信頼するしかないと思います。疑い出せば前に進みませんし」
 ただ、これ以外の工区についても、JR側は23日夜、「厳しい状況の工区があることは間違いない」と発言していて、他の工区でも延長はありえるとの見方をしています。

リニア中央新幹線全線開業「37年」目標堅持、岸田文雄首相が旗振り 三重を視察 - 日本経済新聞2024.7.31
 岸田文雄首相は31日、視察先の三重県亀山市で、リニア中央新幹線の(ボーガス注:東京から大阪までの)全線開業を最短2037年に実現する目標を改めて掲げた。
 東京―名古屋間については最短2027年の開業を目指していたが、今年3月に静岡県内の区間の工事の遅れ*1を理由に事実上断念した。
 現状では名古屋までの開業は2034年以降になる見通しだ。東京―名古屋間の遅れにより、全線開業の目標も見直しになるとの懸念が沿線の自治体から出ている。
 奈良県の山下真*2知事は「名古屋までの開業延期は大変残念だが、なんとか大阪までの開業は2037年を堅持してほしい。岸田首相のリーダーシップをお願いする」と強調した。

 新刊紹介:「前衛」2024年8月号(副題:魔の2回生、リニア新幹線ほか)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ
リニア中央新幹線の開業はどうなるのか:全線で大幅に遅れる工事(樫田秀樹*3)を紹介しましたがもはや「リニア消極派の川勝前静岡県知事のせいで開業が遅れてる(当初のJR東海の言い訳)」とは到底言えないことが明白です(勿論、長野県知事は川勝とは違いむしろリニア推進派)。

*1:川勝静岡県知事(当時)に責任転嫁するための言い訳でしょう。実際には静岡以外も工事は進捗していません。

*2:奈良県生駒市長を経て知事。日本維新の会奈良県支部代表

*3:著書『自爆営業』(2014年、ポプラ新書)、『増補・『悪夢の超特急』リニア中央新幹線』(2016年、旬報社)、『リニア新幹線が不可能な7つの理由』(2017年、岩波ブックレット