紙屋研究所に突っ込む(2025年10/13日分)

山内聖子『BARレモンハート 意外に知らない酒の基本知識』(古谷陸監修) - 紙屋研究所*1
 神谷自身は酒マンガや食べ物マンガについてあまり興味はないのだろうと思いますがそれはさておき。
 意外に思う方もいるかもしれませんが小生の経験上、多くの酒(あるいは居酒屋、飲み屋)を取り上げたコンテンツ(マンガ、テレビ番組など)は「つまみに触れずに、酒メインでは読者や視聴者に受けないからか」「つまみに触れずに、酒メインでコンテンツを作ることが作り手にとって困難だからか」

【マンガ】
ラズウェル細木酒のほそ道』(週刊漫画ゴラク日本文芸社)連載)
◆さおとめやぎ『夫婦のヒケツは晩酌です』(グランドジャンプ集英社)連載)
伊藤静 『すたんどあっぷ』(ヤングキングブル(少年画報社)連載)
【TV番組】
NHK-BS『六角精児*2の呑み鉄本線・日本旅』
BS-TBS『おんな酒場放浪記』、『町中華で飲ろうぜ』、『夕焼け酒場』、『吉田類*3の酒場放浪記』

など、酒よりもむしろ「酒のつまみ」にウェイトがかかっており、酒の話がメインでつまみの話をほとんどしない『BARレモンハート』はむしろ例外的存在です。
 なお、『BARレモンハート』はカクテルによく使われる洋酒(ウイスキー、ジン、ラムなど)が話の中心で、日本酒はほとんど出てこない(日本酒カクテルもあるので全く出てこないわけではない)という問題があります。
 紙屋記事にも突っ込んでおきます。

 「ソルティ・ドッグ」や「キューバ・リバー」「モスコミュール」がどういう酒なのか

 ウィキペディアを元に書きますが「ソルティ・ドッグ」がウォッカグレープフルーツジュースで割った物。
 「キューバ・リバー」がラムをコーラで割ったもの。「モスコミュール」がウォッカジンジャーエールで割った物。
 なお、俺個人はカクテル(?)は

◆ブラッディマリー(ウォッカをトマトジュースで割った物)、レッドアイ(ビールをトマトジュースで割った物)
 トマトジュースのカクテルが割と好き
カルーアミルク(コーヒーリキュールのカルーアを牛乳で割った物)
 甘い酒の方が飲みやすい。同様の理由で「カルピスハイ」「コーラハイ」等もよく飲む。
◆レモンハイ(レモンサワー)
 居酒屋では安いことが多いし、炭酸で飲みやすい
ハイボールウイスキーの炭酸割り)
 炭酸で飲みやすい

を割とよく飲む気がします。

 「ウイスキー」「ブランデー」「スピリッツ」「日本酒」「焼酎」「ビール」「ワイン」といった基本的な酒がどういうものかが書かれている。

 ウィキペディアを元に書きますが、「スピリッツ」は蒸留酒のことです。「焼酎」は蒸留酒の一種。「日本酒」は米を使った醸造酒。
 「ビール」は大麦を発芽させた麦芽を、ビール酵母によりアルコール発酵させて作る醸造酒。なお、現在、商業用に生産されているビールのほとんど全てには、風味付けとしてホップが使われている。
 「ワイン(葡萄酒)」はぶどう果汁を使った醸造酒。
 「ウイスキー」については俺の無能のため、上手く表現できないので省略します。

ウイスキー」「スコッチ」「バーボン」「コニャック」「ブランデー」「ジン」「ウォッカ」「テキーラ」「ラム」が何がどう違うのか

 ウィキペディアを元に書きますが、「スコッチ」はスコッチウイスキースコットランドウイスキー)の略でウイスキーの種類です。
 「バーボン」はトウモロコシが原料のウイスキー(米国ケンタッキー州で生まれた)。
 「コニャック」はブランデーの種類。「ブランデー」は白ワインを蒸留して作る蒸留酒
 「ジン」は、ジュニパーベリー(杜松果、主にセイヨウネズの球果)で香りづけをした蒸留酒
 「テキーラ」は竜舌蘭を原料としたメキシコの蒸留酒
 「ラム(rum)」はサトウキビの廃糖蜜を原料とした蒸留酒。なお、日本語では「Lとr」の区別がないため「子羊の肉を意味するラム(lamb)」と区別するため「ラム酒」「ラム肉」と呼ぶことがあります。
 「ウォッカ」については俺の無能のため、上手く表現できないので省略します。

 ウイスキーを「ストレート」で飲む、ということと、「ロック」で飲むということの違いがよくわからない。ダブル、シングルはそこにどう絡む話なのかもよくわからない。「蒸留酒醸造酒」「ストレート/ロック」という話は、本書では説明されていない。

 醸造酒を蒸留してアルコール度数を高めたのが蒸留酒です(蒸留がどんな手法かよく分かりませんが)。
 「ウイスキーのストレート」とは水やお湯、ソーダ水(炭酸水)、氷を加えず、ウイスキーをそのまま飲む方法です(後でチェイサー(口直しの水)を飲むこともある)。ロックは氷を加える飲み方ですね。
 美味しんぼでは「ストレートは度数が高いので、健康に悪い」のは勿論ですが、「ウイスキーは割ることを前提とした酒であり、何で割るかは個人の好みだが、割った方がむしろ美味しい」とされていました。
 美味しんぼでは「ロックだと氷が溶けるのに時間がかかる(またウイスキーが冷えると風味が立たない)」「お湯で割ると風味が立つ」としてお湯割りが推奨されていた気がします。
 一般にシングルとは30ml、ダブルとは60mlのウイスキーを意味するとのこと。バーなどでは、何も言わなければ、ウイスキーはシングルで提供されます。

 白ワインと赤ワイン。

 白ワインは果皮を除いた果汁だけで発酵させるのに対し、黒ワインは果皮ごと発酵させるため、果皮の成分によって色が赤くなるようですね。

*1:著者の山内には他に『いつも、日本酒のことばかり。』(2020年、イースト・プレス)、『蔵を継ぐ:日本酒業界を牽引する5人の若き造り手たち』(2021年、双葉文庫)、『夜ふけの酒評:愛と独断の日本酒厳選50』(2022年、イースト・プレス)、『⽇本酒呑んで旅ゆけば』(2024年、イースト・プレス)、『酒どころを旅する』(2025年、イカロス出版)の著書がある。監修の古谷陸は『BARレモンハート』の作者「古谷三敏(1936~2021年)」の孫

*2:1962年生まれ。俳優。テレビ朝日のドラマ「相棒」第1~14シーズン(2002~2016年)に米沢守役(警視庁鑑識課)で出演したことでブレイク。スピンオフ作品である映画『相棒:鑑識・米沢守の事件簿』(2009年公開)で主演。近年はNHK-BS『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』などバラエティ番組への出演も多い。著書『六角精児「呑み鉄」の旅』(2016年、世界文化社)、『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』(2025年、KADOKAWA)、『呑み鉄とギター』、『役者とギャンブル』(以上、2025年、ちくま文庫

*3:著書『酒場歳時記』(2004年、NHK生活人新書)、『酒場詩人の流儀』(2014年、中公新書)、『酒は人の上に人を造らず』(2018年、中公新書)等