読まないと理解できない感想が多いですがご容赦ください。読んだ本 - 情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明の感想の形で書いてみます。
(ボーガス注:家族や友人が偽者に入れ替わった*1という妄想である)カプグラ症候群*2は本当にあるが、それを(ボーガス注:妄想ではなく実際に偽者だったと)ひっくり返してきたか。>母@のざわたけし。
落ちは「母はどこにいるのか!。今すぐ会わせろ」と問い詰める娘(事故で誤って死なせたため会わせられない)を持て余した偽母が「あの世で会わせてやる」として殺害するという落ちで、予想の範囲内であり、「起承転結」の「起」は意外だったものの、「結」は今ひとつ意外性がありません。
おままごとはそのまま@鳩ヶ森。
愛人から妊娠を告げられ、「俺の家庭が崩壊するから、生むな、中絶しろ」という無責任な男(既婚者)。
愛人は一人で子どもを産もうとするが死産。「男に対する殺意が抑えきれず、殺害に及ぶ」というのが今回の「メインの話」であり、それだけでは「単純、平凡で面白さに欠けます」が、上手く一ひねりしています(「一ひねり」については説明が難しいので説明は省略しますが)。
なお、死産なのか、育てきれずに死なせたのかはともかく「周囲の支援が得られず、孤立出産で乳児死亡」という今回のマンガのような状況は、残念ながら決して珍しい物ではありません(時々新聞やテレビでも報道される)。
最終的にどれだけ死ぬんだか。>山岳超人マツオカ@志名坂高次×粂田晃宏。
主人公「松岡」の敵側が「反吐が出るほどのクズの集団」「松岡が強い殺意を抱くのも理解できる連中」とはいえ、松岡の仕掛けた罠によって「現時点で45人死亡(まだ生き残っている人間がいる上に、松岡は全員殺す気満々なので次号以降、さらに死亡者が増える見込み)」「一方で敵側は松岡に何のダメージも与えられていない」とは殺される連中への哀れみを禁じ得ません。
それにしても「単独犯行では史上最多の被害者数である京都アニメ放火事件(2019年発生。2025年に京都地裁で死刑判決が出て、いったんは被告人が大阪高裁に控訴したものの結局取り下げたので死刑が確定)」ですら「死亡者36人」なのでマンガ(フィクション)であり現実性は低いとはいえ、実際にこのような事件(松岡の単独犯行で45人死亡)が起これば「単独犯行では史上最多の被害者数」になります。
しかし一体どうやって話を落とすのか。これほど大量に殺した*3とは言え、殺された連中は、例えるなら「末端の暴力団組員や軍兵士」のような連中であって「組長や軍最高司令官」にあたる黒幕は未だ殺せる状況にはないわけです。
今回は池波正太郎「散歩の時何か食べたくなって」(1977年、平凡社*4:後に新潮文庫化されるが内容は1977年刊行当時のまま。その為、その後、閉店したり、移転した店もあり得る)が登場しますが、主人公が本を読みながら「いつもの店で酒を飲みながら、池波気分を味わう」だけで、「本に出てくる神田連雀町の洋食、蕎麦、目黒のトンカツ、京都のバー*5、どれも美味しそうで一度行ってみたい」と主人公が言うものの、いわゆる聖地巡礼(店を訪れ、本で紹介された料理を食べる)もされなければ、著書の詳しい説明もされません。
なお、マンガで紹介された店は散歩のとき何か食べたくなって【私の食のオススメ本】 | 石川県金沢発、食と農業を追求するOPENSAUCEの食農メディア、池波正太郎と神田・連雀町を歩く等によれば以下の通りです。
神田連雀町の洋食
→松栄亭。夏目漱石の要望に応えて作ったとされる洋風かき揚げが名物。
洋風かき揚げについては以下を参照ください。洋風かき揚げというと「かき揚げ(天ぷらの一種)の具が洋風?」と思いますが、「オムレツのような食感」だそうで、そうではなさそうです。秋葉原の「松榮亭」で、夏目漱石がリクエストした看板メニュー「洋風かきあげ」を食べてきた【東京別視点ガイド ぐるなび支店】 - ぐるなび みんなのごはん
洋風かきあげの材料は、豚肉、玉ねぎ、たまご、小麦粉のみ。自家製ラードでじっくり揚げて、当時の味をそのまま再現しているそうだ。夏目漱石が愛した料理、洋風かき揚げとは・・・。〜淡路町 松榮亭(しょうえいてい)〜 : 美食磁石 Powered by ライブドアブログ
洋風かきあげは、一見オムレツをこんがりと揚げ焼きしたような感じ。夏目漱石が愛した『洋風かきあげ』を食べてみたら、実家に帰った感のある懐かしい味がした / 東京神田「松榮亭」 | ロケットニュース24
パッと見は香ばしそうなオムレツといった感じだ。オムレツとお好み焼きの間のような味だ。神田連雀町の蕎麦
→まつや(公式サイト神田まつや オフィシャルサイト)。池波はこの店のカレー南蛮が好物とのこと。
神田まつや - Wikipediaにも「小説家の池波正太郎がひいきにした店で、池波のエッセー『散歩のとき何か食べたくなって』や『むかしの味』*6でもよく足を運ぶと記されている」との記述があります。
目黒のトンカツ
→とんかつ「とんき」
京都のバー
→バー「サンボア」。
祇園、木屋町、寺町―それぞれの流儀が光る『サンボア』3軒(全国バー行脚⑩京都)|shiroによれば『サンボアは1918年に神戸で創業しました。元々は喫茶店だったようですが、次第にお酒を出し始め、バーになったということ。現在、京都に3店舗、大阪に8店舗、神戸に1店舗、東京に3店舗あります。系列店ではありますが、暖簾分け制度を取っており、各店舗が独立して展開しているグループです』。
低温熱傷。親子教室とかでかなりきつめに教えられる話なんだよね、これ。(ボーガス注:マンガで取り上げられた)赤ちゃんや子供に限らず、ペットでも大人でも、気を付けないといけない。>やってはいけない@湖西晶
ということで、低温火傷が取り上げられています。マンガに登場するのは「ホットカーペット(電気カーペット)による乳幼児の低温火傷」ですが、勿論「ホットカーペット」「乳幼児」だけが問題ではない。
参考
ホットカーペットに赤ちゃんを放置しないで…重症化しやすい「低温やけど」 皮膚が壊死して再生不能に | ヨミドクター(読売新聞)2022.3.15
低温やけどは自覚症状が表れにくいことが特徴で、本人も気づかないうちに皮膚の奥まで損傷していることが多く、重症化しやすいことも特徴のひとつです。やけどは、損傷の程度によって1度、2度、3度に分けられていますが、低温やけどはほとんどの場合、皮下組織まで到達する3度となります。壊死した皮膚は再生できません。
低温やけどを起こしやすい製品には、使い捨てカイロ、湯たんぽ、電気あんか、電気こたつ、電気カーペット、電気毛布、石油・ガスファンヒーターなどがあります。
予防するには、「直接、皮膚に暖房器具を当てない」「暖房器具が皮膚に当たっている場所を圧迫しない」「同じ場所に長時間、暖房器具を当てない」「熱さを少しでも感じたら、その時点で暖房器具を外すか離れる」「寝ているときには暖房器具を(できれば)使用しない」ことが原則です。
貼るカイロについて、日本カイロ工業会の注意表示には、「肌に直接触れないように衣服の上に貼って使用する」「眠るときには使用しない」「同じ場所に長時間当てず、1時間に1回程度、肌の状態を確認する」「同時に複数の袋を使用しない」「ベルトやサポーター、椅子などで押し付けて使用しない」「体に押し付けるようにして横にならない」「こたつ、寝具の中や、暖房器具の近くでは使用しない」といったことが挙げられています。
湯たんぽによる低温やけどについては、これまで、消費者庁からたくさんの注意喚起が行われています。
湯たんぽは、就寝前に布団を温めるのに使用し、布団が温まったら布団から出して寝ると安全です。
ホットカーペットに長時間、横になったり、加温機能付き便座に長く座ったままの状態でいたりすると、低温やけどをすることがあります。とくに乳児は、熱いと訴えることができませんし、生後5~6か月までは自分で移動することもできません。長時間、ホットカーペットの上に寝かせるのは危険です。
電気毛布や電気あんか等を使用する際は、寝床が温まったら電源を切ったり、設定温度を下げたりしましょう。
電気ストーブ、こたつなどの暖房器具は、ある程度温まったら一度切り、つけっぱなしにしないようにします。
湯たんぽでエコに温まる!低温やけどに注意 | TBSラジオ2024.12.17
電気代を抑えるため、エコという面でも「湯たんぽ」を使っている方も多いかもしれませんが、使い方を誤ると「低温やけど」のリスクがあります。一般財団法人製品安全協会専務理事・関成孝さんのお話です。
◆関成孝さん
「低温やけど」というのは普通のやけどと大きく違っていて、お風呂の温度よりも、少し熱いけれど心地いいかなっていうくらいの温度であっても、長くそこにさらされていると、身体の内部に熱が入って、やけどになってしまう。結構重いやけどになってしまうんです。消費者庁の事故情報データバンクシステムに医療機関から事故事例の報告があがっているんですけれども、湯たんぽで低温やけどを起こした報告が、2009年1月から2024年1月、その間に75件ほど出ています。布団が温まったら湯たんぽは布団から出していただければと思っています。
皮膚が薄いお子さんや、熱さに鈍くなっている高齢の方は特に注意が必要で、長時間、身体に接触させないようにすることが大切です。