新刊紹介:「前衛」6月号(追記・訂正あり)

「前衛」6月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。
http://www.jcp.or.jp/publish/teiki-zassi/zenei/zenei.html
 以下は私が読んで面白いと思った部分のみ紹介します。(詳しくは6月号を読んでください)

■特集「東日本大震災 支援・復興をどうはかるか」
【被災地・被災者の声にこたえて生活・地域社会の再建へ(大門実紀史)】
(内容要約)
これについては赤旗の記事紹介。
赤旗
「どうする原発、復興財源 共産党の提言 “だから共感”」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-08/2011040801_04_1.html
「主張:震災と労働者 被災者の実情踏まえ雇用守れ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-05/2011040501_05_1.html
「主張:被災地の農業 生産再開が復興への第一歩」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-10/2011041001_05_1.html
「主張:東日本大震災1カ月 生活と地域の再建最優先して」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-11/2011041102_01_1.html
「主張:原発「安全対策」 電力会社任せで見直せるのか」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-12/2011041201_05_1.html
「主張:大震災と日本経済 生活再建を最優先してこそ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-14/2011041401_05_1.html
「主張:TPP参加 復興のためにも断念すべきだ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-15/2011041501_05_1.html
「主張:被災地復興 生活再建こそ土台にすべきだ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-17/2011041702_01_1.html
「主張:二次被害続出 避難生活の改善 大至急実現を」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-21/2011042101_05_1.html
「主張:復興財源に消費税 人災に人災を重ねる庶民増税
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-23/2011042301_05_1.html
「主張:政党助成金 せめて返上し復興支援に回せ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-27/2011042701_05_1.html
「主張:原発事故被害 農業・漁業者への賠償を急げ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-28/2011042801_05_1.html

福島原発災害の危機と国民の安全(野口邦和*1)】
(内容要約)
地震津波対策が急務。
原子力推進機関と規制機関の分離を今こそきちんとやるべき。
原発からは徐々に撤退し、再生可能エネルギーに転換すべき。

【被災者に寄り添い、復興に向かう力を(野田正彰*2)】
(内容要約)
復興においてはハード(経済の復興、建物の再建など)だけでなくソフト(被災者のメンタル対応)の対応も必要というお話。

医療崩壊の現場を襲った大震災(長瀬文雄)】
(内容要約)
・この震災を機に医療の現場を見直し、医療を再建する必要があるというお話。もちろん医療崩壊をもたらしたものは何か、それをどう克服するかという分析(筆者はそれを小泉構造改革的な政治と理解し、菅政権のTPP*3小泉改革の二番煎じと見ているわけだが)が必要になる。

■「エジプトの“民衆革命”とその影響」(坂井定雄)
(内容要約)
これについては赤旗の記事紹介。
赤旗
ムバラク前大統領を取り調べ 収賄容疑など エジプト検察が決定」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-12/2011041209_01_1.html
「エジプト 労組結成の権利“承認” 新内閣 最賃制創設、格差是正へ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-19/2011041901_04_1.html
ムバラク退陣で早速一定の成果が出たという話。


「デモ参加者846人殺害 調査委が公式報告書」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-22/2011042207_04_1.html
下手人共は裁かれてしかるべき。


「大統領辞任求めデモ イエメン サレハ氏「即時」は拒否」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-27/2011032706_02_1.html
「シリア各地 反政府デモ 「政権退陣」の声広がる」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-17/2011041706_01_1.html
中東で広がる民主化運動。
シリアはハーフェズ・アル=アサド氏(1971年〜2000年まで大統領)、ハーフェズ氏の息子バッシャール・アル=アサド氏(現大統領)による独裁。
イエメンはサレハ氏(1990年から大統領)による独裁。

■「サンデルの正義論とマルクス」(牧野広義)
(内容要約)
経済2011年5月号掲載の牧野論文「サンデル教授の正義論をめぐって」と内容は大分かぶる。ただタイトルにマルクスが入っているので、より「マルクスとサンデルの相違」といったマルクスにポイントを置いた内容になっていると思う。

■特集「若い教師の困難と希望」
【若手教員サークルの取り組みから見えてくること(安倍洋)】
(内容要約)
孤立しがちな若い教員をさせる場として「若手教員サークル」は重要である。

■論点
【「日の丸・君が代」処分を取り消した東京高裁判決(澤藤統一郎*4)】
(内容要約)
これについては澤藤氏のエントリなどを紹介する。
澤藤統一郎の憲法日記「民主主義とは何だろう」
http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/sawafuji/index.cgi?no=202
赤旗「教師続けてよかった 歓声・涙 「現場に希望」「君が代」裁判勝訴」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-11/2011031115_01_1.html

【薬害イレッサ訴訟 被告は早期全面解決に踏み出せ(菅野尚夫)】
(内容要約)
 これについては赤旗の記事紹介。
赤旗
「薬害イレッサ 国は控訴断念せよ 原告・弁護団が国会内集会」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-31/2011033115_01_1.html
「主張:薬害イレッサ訴訟判決 命と安全守る国の責任果たせ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-26/2011032601_05_1.html

しかし国は控訴したのであった。さすが「国民の生活が第一!」「政治主導」ですね、わかります。さすが、元厚生大臣の菅さんが総理だけのことはあるね(毒)


■暮らしの焦点
東日本大震災で求められるアスベスト対策(森裕之)】
(内容要約)
筆者は立命館大学教授、立命館大学アスベスト研究プロジェクト代表。
要約が面倒なので、ググって見つけたリンクの紹介。
参考
立命館大学アスベスト研究プロジェクト「震災アスベスト緊急対策」提言
http://www.ritsumei.jp/news/detail_j/topics/8172/year/2011
読売新聞「書評『終わりなきアスベスト災害』宮本憲一他編」
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20110131-OYT8T00452.htm
産経新聞アスベスト飛散防止、弁護士らが申し入れ 宮城」
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110422/myg11042201520003-n1.htm
NHK「ボランティア 石綿など注意を」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110503/t10015694231000.html

■文化の話題
【美術:日本美の発見―白洲正子岡本太郎(武居利史)】
(内容要約)
世田谷美術館の「白洲正子 神と仏、自然への祈り」(http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html)と
東京国立近代美術館の「生誕100年 岡本太郎展」(http://taroten100.com/index.html)の紹介。
 白洲と岡本についてウィキペから「日本美の発見」に関係あるところだけ紹介。

ウィキペ「白洲正子
 幼少期より梅若流の能の舞台にあがり、能に造詣が深く、青山二郎小林秀雄の薫陶を受け骨董を愛し、日本の美についての随筆を多く著す。
 1980年代から90年代にかけ、古典美に興味を持つ女性たちを中心に、カリスマ的存在となり文庫再刊も含め多くの著作が刊行され、没後も人気は高く再編集・新版で著作が出され続けている。

ウィキペ「岡本太郎
 1951年(昭和26年)、偶然立ち寄った東京国立博物館に展示されていた火焔型縄文土器の芸術性の高さに衝撃を受ける。この衝撃を翌年「縄文土器論」として発表。これをきっかけに縄文文化と同じく、今まで注目される事が少なかった沖縄や東北等の文化・伝統に純粋な日本の姿を見いだし、再評価に努めた。

【写真:“対話する”「視点」展(関次男)】
(内容要約)
日本リアリズム写真集団(http://www.jrp.gr.jp/modules/shitentop/)の「視点」展の紹介。

【映画:原子力エネルギーの危険性(伴毅)】
(内容要約)
映画「100000年後の安全」(公式サイトhttp://www.uplink.co.jp/100000/)の紹介。公式サイトの文章を一部紹介。

 フィンランドのオルキルオトでは世界初の高レベル放射性廃棄物の永久地層処分場の建設が決定し、固い岩を削って作られる地下都市のようなその巨大システムは、10万年間保持されるように設計されるという。
 廃棄物が一定量に達すると施設は封鎖され、二度と開けられることはない。しかし、誰がそれ(注:100000年後の安全)を保障できるだろうか。

■メディア時評
【新聞:震災一カ月の新聞論調は(金光奎)】
(内容要約)
いつもながら産経(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110410/plc11041002340000-n1.htm)が特に酷い。
他の全国紙は地元紙(河北新報など)に比べたら真剣さが足りないように思うが産経よりマシ。

日米同盟がみごとに機能した

震災を使って米軍万歳してるんじゃねえよ。この火事場泥棒が。

「やるべきことをやっていない。今の状態で国政を担当するのは許されない」
 与党出身の西岡武夫参院議長は7日の記者会見で、異例ともいえる首相の進退に言及した。

中立性の求められる参院議長がこういう政治的発言をすることはよろしくないと思うが。
それにこの人、小沢の子分だから、菅批判に客観性なんかまるでないでしょ。

この1カ月間の首相の問題行動は、震災翌日に福島第1原発を視察して「事故対応の初動に遅れが生じた」と野党から批判されたことなど、枚挙にいとまがない。

その野党(つうか自民党)の言い分って根拠あるのか?。「視察が悪い」って言いがかりじゃないのか?

最大の問題は、いまだにオールジャパンの態勢を組めないことである。官僚組織を束ね、その能力をフル活用せねばならない最高指導者であるにもかかわらず、官僚機構への不信感が先立つためか、使いこなしていない。

そう決めつける根拠は何?。ないんでしょ?

超党派による国難克服が、何よりも優先されねばならないのは今も同じだ。

菅首相が、谷垣副総理で連立を呼びかけたら断ったのは自民なんだが?(もちろん、私は共産支持者だからそう言う野合は支持しないが)。「超党派による国難克服」より政局重視してるのは自民党の方だろ?

(注:谷垣副総理案が蹴られたのは)相手に責任を転嫁して政権延命を図ろうとしていることが見抜かれてしまったのだろう。

と言うより外野から叩いてる方が気楽にできるからだろ?。自民党が政局しか考えてないだけだろ。産経は、野党時代の民主が同じコトしたら「逃げた」という癖に。

平成7年の阪神・淡路大震災時には、復旧・復興の関連法16本のうち3本が1カ月以内に、8本が約40日で成立したのに比べ、今回はいまだにゼロだ。

自民が審議に協力しないからだし、法律が多ければ多いほどいいって訳でもないし。
しかもいくら菅氏を叩きたいからって昔あれだけ叩いてた村山首相を名総理扱いとはご都合主義が酷い。

国民の底力を支えているのは天皇、皇后両陛下だ。

震災を使って皇室万歳してるんじゃねえよ。この火事場泥棒が。

【テレビ:被災した放送局はどう活動したか(沢木啓三)】
(内容要約)
・被災した放送局の頑張りを素直に評価したい。被災した放送局は大きなダメージを受けており、政府や業界による支援が必要であろう。

■スポーツ最前線
東日本大震災で知るスポーツの力」(和泉民郎)
(内容要約)
要約は難しいのでググって見つけた関係記事の紹介。
参考

http://www.j-cast.com/tv/2011/03/24091239.html
 読売ジャイアンツ星孝典選手が3月24日(2011年)のブログで、震災で祖父母が亡くなったことを明らかにし、募金に駆けつけてくれたファンへの感謝を語っている。
宮城県出身の星の祖父母は、震災と津波のために亡くなった。死亡が確認された時は、悲しく悔しい気持ちだったという。2人は厳しいけれど優しくて、星に大きな影響を与えてくれたそうだ。
東京ドームと水道橋駅で3月23日、ジャイアンツの選手による募金活動が行われた。星は2軍での試合出場後、いてもたってもいられず選手会長内海哲也に連絡し、急きょ駆けつけた。予想をはるかに上回る人が来てくれたことに感謝。「被災地を元気づける」と言い続けてきた星だったが、訃報を聞きつけたファンから逆に励まされ、「涙が出そうになってしまいました」。
祖父母の訃報を聞いた時も泣いていたが、今は下を向いてたら祖母に怒られそうな気がしているし、落ち込んでいるだけでは復興にはつながらない。「僕は大丈夫です」「前を向いて笑顔で行動します」と意気込んでいた。

【追記】
 ただしこの記事の後、星選手は西武ライオンズに金銭トレードされた。星選手(捕手)のトレードと同時期に、巨人は日本ハムファイターズから星選手より年上の高橋信二捕手*5を獲得しており、プロの世界だから仕方ないとは言え、星選手からすれば「俺の方が若い捕手なのに」と複雑な心境だろう。星選手のブログを見たら「今まで育ててくれてありがとうございました(巨人に対し)」となってはいたが。
 ファンのためにも西武でぜひとも、巨人にリベンジしていただきたい。
 

朝日新聞「募金・救援物資仕分け… スポーツ界も震災支援」
http://www.asahi.com/sports/fb/OSK201103190097.html
産経新聞「広島が「たる募金」 震災支援で試合前に実施」
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/110321/bbl11032116430007-n1.htm
サンケイスポーツ「震災支援、柔道界などトップアスリート続々」
http://www.sanspo.com/sports/news/110326/spq1103262007006-n1.htm
共同通信スポーツリレーコラム「スポーツ界に震災支援の輪 陸上の為末選手らが呼び掛け」http://www.47news.jp/topics/sportscolumn/2011/03/post_200.php
朝鮮日報東日本巨大地震キム・ヨナ、世界選手権の賞金を寄付」
http://www.chosunonline.com/news/20110506000042

*1:著書『放射能のはなし』(新日本新書)

*2:著書『災害救援』 (岩波新書)

*3:農業ばかりが注目されるが医療も対象

*4:著書『「日の丸・君が代」を強制してはならない―都教委通達違憲判決の意義』 (岩波ブックレット

*5:ただしウィキペによれば怪我のため、捕手をやることはあまりなく最近はDH要員だったようだが。獲得の意味が良く分からん。捕手として取ったのか、代打の切り札として取ったのか?