今日のMSN産経ニュース(4/11分)(追記・訂正あり)

■【島が危ない 第2部 佐渡に迫る影(5)】過疎化…中国との関係強化「責められない」一方で「国は早急に対応を」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140411/plc14041110300009-n1.htm
 前半は「佐渡の過疎化、高齢化」の指摘です。そこは別におかしくない。後半から無理矢理「中国にこじつけ」て酷くなります。

 新潟県の関係者は東日本大震災直後に起きた出来事を明かした。
 この関係者によると、総領事館は、震災発生5日後の23年3月16日から21日にかけて、東北地方に住む中国人5711人を、市から借りた新潟市体育館など3カ所に集め、新潟空港からの臨時便で順次帰国させた。
 その際、地元の地方議員が体育館の様子を知るために建物内に入ろうとしたところ、総領事館側に拒絶されたという。「粘って交渉して、入り口から3メートルだけという条件でなんとか入ったが、結局、中の様子はよく分からなかったようだ。議員は名刺の裏に『(体育館内の様子などを)一切口外しない』などという誓約を書かされた」
別の関係者は「総領事館内なら治外法権だろうが、市の施設を貸しているのに、どうしてそんな振る舞いをされるのか。市からも納得できる説明*1はなかった。総領事館が広大な敷地に移転する計画があるが、実現すれば、どんな事態が起きるのか。外国への依存は問題も多い」と話す。

 言いがかり、こじつけにも程があります。
 まず第一に「体育館に入れない」中国側の対応には問題があったかも知れません。しかしそこから「領事館移転に賛成できない」などと言うのは言いがかりにも程があるでしょう。
 大体何で「地元の地方議員が体育館の様子を知るために建物内に入ろうとした」りするんですか?
 俺が地方議員だとしてそんな事は普通しませんよ。「騒音が酷いから中を確かめて、中国人避難民に注意して欲しい(地域住民)」だの、あるいは逆に「我々の悩みを直接聞いて欲しい、その上で何とか力になって欲しい(体育館の中国人避難民)」だの要請がない限り見に行く理由がない。
 これはあくまでも「俺の邪推」ですがこの議員は「アンチ中国で悪名高い右翼」なんじゃないですかね。だから中国側は彼に対して排除の態度を取った。後でどんな悪口雑言を言い出すかわからないし、最悪の場合、その場で体育館にいる中国人相手に暴言吐いたり、暴力を振るう恐れすらあったと。
 ま、そういう排除がいいことか疑問*2ですがそれを恨んで領事館移転に言いがかりをつけるような人間では体育館に入れても「別の言いがかりがついただけ」かもしれません。
 第二にこんな事は全く佐渡には関係ない。 


■【島が危ない 第2部 佐渡に迫る影(4)】高齢化「農業も外国頼み、トキと同じ」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140411/plc14041107380005-n1.htm
 佐渡の農業が「高齢化や後継者難」で危機的状況にある*3ことはわかりましたが、それと中国と何の関係もないでしょうに。
 (1)〜(3)までは「佐渡観光が衰退→中国人観光客に頼るしかない(別に悪いことでも何でもないですが)」「佐渡の漁業が衰退→中国船が違法操業してるようだ」と何とか中国にこじつけてきた産経ですが「佐渡の農業に中国が進出するかも」と書きながらそう思う根拠(中国企業佐渡での農地買収など)をこじつけでも提出できないのだからお話になりません。


■【産経抄教育勅語を読み直そう 4月11日
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140411/edc14041103210001-n1.htm
タイトルだけで読む気がなくなりますが突っ込んでみましょう。

平成13年のNHK大河ドラマ北条時宗』は、小欄にかっこうのネタを提供してくれた。なにしろ蒙古襲来を前にして、鎌倉幕府執権の時宗が、「この首をフビライに差し上げてもよい。それで日本が救われるのなら」などと、泣き言を吐くのだから。

 やれやれですね。むしろこの産経抄こそが『拙エントリにかっこうのネタを提供』してくれました。
ドラマがエンターテイメントであってノンフィクションではないことも産経にはわからないんでしょうか。これは事実がそうだったと言うより「そういう悲壮な覚悟だった」と描く方が面白いとドラマ制作者が判断しただけじゃないんですかね。

それほどではないにしろ、昨年の『八重の桜』にも、違和感を覚える場面があった。新島襄*4亡き後、同志社の臨時総長となった山本覚馬*5が、明治23(1890)年に発布された教育勅語についてこんなつぶやきをもらす。
 ▼「教育勅語か。教育の名の下に、人を縛るようなことがあってはなんねぇ」。いかにも、戦後の進歩派文化人が口にしそうなセリフである。

 やれやれですね。「いや、覚馬は教育勅語を支持していた」と反論するならともかく、何なんでしょうか、この意味不明な産経の発言は。そういう事実が本当にあったのなら描くことには何の問題もない(いや実際どうなのかは俺は知りませんが)。
 つうか、産経的には「教育勅語支持」だから、「事実がどうだったか」は問題にならずこういう意味不明な反論(?)になるんですが。
 そして教育勅語に限らず「足尾鉱毒問題での田中正造」など政府批判的な人物の言動をドラマで描けば「事実はどうだったか」は問題にならず『いかにも、戦後の進歩派文化人が口にしそうなセリフである』と言う意味不明な非難の言葉が出るのでしょう。

その原本の所在が、半世紀ぶりに確認されたという。歴史的な資料として、修復のうえ公開される見通しだ。全文が多くの人の目に触れる絶好の機会である。

ばかばかしい。原本はともかくコピーならもちろんありますので今更『全文が多くの人の目に触れる絶好の機会である』もないでしょう。まあ、文化財としての価値はありますけどそれだけの話です。
 朱書き原稿(つまり案文)でなくて完全清書原稿らしいので見てもあまり面白くない気はします。

*1:何で新潟市が中国のしたことについて説明しないといけないのか。意味不明です。

*2:ただまあ、「中国が秘密主義」なだけで、法律上あるいは道徳上、問題のある行為なんかは別にしてないでしょう。産経も問題行為の存在を指摘できないわけです。

*3:まあ、でも他の場所の農業も似たり寄ったりだと思いますが

*4:『八重の桜』の主人公・新島八重の夫。同志社創立者

*5:八重の兄