今日の中国ニュース(2021年8月24日分)(副題:石平&楊海英のバカさに心底呆れる)

◆楊海英のツイート

楊海英
 農村から都市を包囲する毛沢東思想を学んだ、とタリバンが認めているらしい。

 吹き出しました。
 「らしい」などという曖昧な「およそ、学者とは思えない怪しい表現」の上に、楊が「らしい」と判断した具体的根拠を何も出さないので、何とも評価できませんが、「事実だとしても」おそらくは中国相手にタリバンがジョークを飛ばした、その程度の話でしょう。
 タリバン毛沢東思想を指導理念にしているわけではない。


【話の肖像画】評論家・石平(59)(26)大切にしてほしい「日本人の精神」(1/2ページ) - 産経ニュース
 石平なら予想の範囲内ですが「日本人の心」とやらで持ち出すのが「教育勅語」「楠木正成の尊皇精神」だから「時代錯誤」で呆れざるを得ません。
 なお「教育勅語」は「元ネタの一つは儒学者・室鳩巣の『六諭衍義大意(六諭衍義 - Wikipediaの解説書)』であり、また、勅語起草者の一人である『元田永孚 - Wikipedia』は儒学者であり、明らかに「中国思想」儒教の影響があるので「日本人の心」と単純に呼べる話ではありません。『六諭衍義大意』と『教育勅語』の関係については以前、拙記事新刊紹介:「歴史評論」12月号(その1) - bogus-simotukareのブログで簡単に触れました。
 つうか、新刊紹介:「歴史評論」12月号(その1) - bogus-simotukareのブログで指摘しましたが、教育勅語だけでなく、元号だって中国ルーツですからね。石平がそんなに中国が嫌いなら「元号反対」といったらどうなのか(皮肉のつもり)。


【話の肖像画】評論家・石平(59)(25)中国と「離れていた時代」こそ良い時代 - 産経ニュース
 「デマ屋」石平にまともに突っ込むのは空しい気もしますが突っ込んでおきます。

 菅原道真の進言によって遣唐使を廃止した平安時代、日本独自の「国風文化」が花開きます。

 「遣唐使という国家間交流」はなくなったものの「日中間の民間貿易は続いた」「その結果、中国の影響は受け続けた」し国風文化とは「中国文化の日本化」であり、「中国文化の否定ではない」というのが通説的見解でしょう。

 鎖国の江戸時代には「国学」が盛んになります。儒教の悪い面に毒された中韓とは違って、町人文化が発達しました。

 おいおいですね。江戸時代において「朱子学」がいわゆる「幕府公認の正統派学問」だったのに何を言ってるのか。
 儒学者新井白石」や「室鳩巣」が「幕府ブレーン」として活動したのに何をバカなことを言っているのか。
 大体「鎖国」といってもそれは「完全な海外との交流断絶」ではなく「制限貿易」であった。
 長崎出島を通して「中国、オランダ」と、「対馬藩」を通して朝鮮と交易していたわけです。
 国学にしても「本居宣長」など江戸時代の後期の話であり「江戸時代初期」からあったわけではない。また、「国学と明治以降の日本ナショナリズムを単純に同一視できない」とはいえ、国学が「日本ナショナリズム」の「ルーツの一つ」となり最終的には「1945年の敗戦」をもたらしたことを考えれば、国学は手放しで褒められる代物ではない。


【強権解剖】第2部 拡散② 欧州の共産観に軟化の兆し - 産経ニュース
 有料なので途中までしか読めませんが、社会主義やマルクス(エンゲルス)などが世界的に復権しているようだし、極右への反発も生じている(しかし日本は?) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)というのは産経が強弁するような「ソ連共産主義の恐怖」「中国の脅威」等では全くない。また欧米各国が「経済大国・中国」でのビジネスを重要視し、「いたずらに中国を敵視しない」のも当たり前の話です。


【話の肖像画】評論家・石平(59)(23)「尖閣解決」のチャンス、2度逃した日本 - 産経ニュース

《この問題の解決をめぐって、日本は少なくとも2度チャンスを逃した、という》
 1回目は1972(昭和47)年の日中国交正常化交渉のときです。このとき、当時の田中角栄首相と会談した中国首相の周恩来(しゅう・おんらい)は、尖閣問題について「今は話したくない」と言いました。国交正常化を急いだのは国際社会で孤立していた中国なのです。日本にとっては、あわてて正常化しなければならない理由などなかった。ならば、田中首相は「(尖閣諸島への)領有権主張を引っ込めよ。そうでなければ、正常化交渉はやめる」と、席を蹴って帰ればよかったのです。

 産経と石平のデマには呆れて二の句が継げません。田中訪中当時(1972年9月)には既に中国は国連加盟(1971年)を果たし、英国(1950年)、フランス(1964年)、イタリア、カナダ(いずれも1970年)と国交を樹立していました(ただし、西ドイツの国交樹立は1972年10月で、1972年9月の日中国交樹立より、やや遅い)。また1971年には「米中国交樹立」を前提にしたニクソン訪中が発表された(ただし正式な国交樹立は1978年)。それのどこが「中国は国際的に孤立」「日本は慌てて国交正常化する必要はない」なのか。
 話はむしろ全く逆です。
 ここまで酷い「モロバレの嘘」は常識人にはとても言えるもんではありません。「価値観の違い」といえるような話ではない。