今日の産経ニュース(6/13分)(追記・訂正あり)

■中国富裕層に日本の健康関連商品をPR キーワードは「安心と安全」 上海の日本総領事公邸で
http://www.sankei.com/world/news/150613/wor1506130041-n1.html
 「日本総領事公邸」てところがポイントでしょう。「反中国の産経」とは違って、日本政府や財界としては中国ビジネスは非常に重要なわけです。


■米中、両軍の関係発展で一致 大統領補佐官*1、(注:中国軍)制服組トップ*2と会談
http://www.sankei.com/world/news/150613/wor1506130020-n1.html
 まあ米国だって「産経が期待するような形」での中国との全面対決なんか考えてないわけです。


■【習近平*3政権】周永康*4の粛清は“不発” 反腐敗キャンペーンはまだ続くのか? 次なる標的に温家宝*5前首相らの名も
http://www.sankei.com/world/news/150613/wor1506130001-n1.html

中国は南シナ海の領有権問題などをめぐって外交的な孤立感が深まり、経済面でも景気低迷など失速が鮮明になっている。習政権の唯一の成果である反腐敗運動を終息させれば、求心力そのものを失いかねない。

 「唯一の成果」て、びっくり仰天ですね。成果なんか他にいくらでもあると思いますが。
 たとえばAIIBは産経にとって成果ではないのか。いわゆる「ワンベルトワンロード(一帯一路)構想」は成果ではないのか。
 もちろん「未だ未知数」の部分もありますがAIIBやワンベルト・ワンロード構想は「一定の成果を今のところ上げてる」と言っていいのではないか。


■【産経抄】6月13日
http://www.sankei.com/column/news/150613/clm1506130003-n1.html
 「自社さ政権は野合」てやれやれですね。自社さがなければ自民が政権復帰できたかどうかは疑わしい*6し、当時の産経は自民党の政権復帰に大喜びしていたはずです(ちなみに首相選出選挙で、小沢一郎側は自民党を離党した海部俊樹元首相*7を村山の対抗馬に担いだ)。
しかし
1)村山談話
2)村山内閣の河野*8外相への恨み(宮沢内閣官房長官時代の河野談話
3)最近、共同で安倍への批判会見を行った4人の政治家の内、亀井静香*9武村正義*10が村山内閣メンバー(亀井氏*11は村山内閣運輸相、武村氏は村山内閣蔵相)
ということで村山内閣を悪し様に言う産経です。全く党利党略というか何というか。
 大体、自社さ当時の自民党幹事長は「清和会会長」の森喜朗*12で当然、「清和会メンバー」安倍も「渋々ではあるでしょうが」、親分・森氏の命令の下、村山政権を支える側にいたんですが。また
1)村山政権に「平沼赳夫*13運輸相」のような極右がいること
2)村山政権閣僚に「高村*14副総裁」「大島*15衆院議長」など、今の自民党幹部がいること
は産経的にはどう理解されるのか。
・共同記者会見で安倍批判する亀井氏、山崎氏*16に「中曾根派出身の改憲派のはずなのに」という産経ですが、いくら改憲派だってある程度常識があればあそこまでの無茶苦茶は支持できないでしょうよ。
 しかし「政界引退したとは言え中曽根派出身の改憲派」が安倍を批判し、「保守本流のはずの岸田外相、谷垣*17幹事長」が安倍を擁護するのだから実に皮肉です。


■【主張】元少年A 出版の自由には責任伴う
http://www.sankei.com/column/news/150613/clm1506130001-n1.html

(注:出版の)自由は、無制限のものではない。
 満員のコンサート会場で事実もないのに「火事だ」と叫び、パニックを引き起こす自由はない。人種や外見による差別的言辞で他者を不快にさせる自由はない。

 やれやれですね。デマ記事常習、差別記事常習の産経が良くも自分を棚上げに「デマ記事でパニックを起こしてはならない」「人種や外見などによる差別記事は良くない」なんて文章かけるもんです。よほど「心に大きな棚がある」のでしょう。で産経が「元少年の件」で何言ってるかと言えば「遺族は怒ってる、出版を中止しろ」です。「遺族の気持ち」だけを理由に厳罰論かます産経らしくて実にわかりやすい。普段は「表現の自由ガー」で全てを片付ける癖に何言ってるんだって話です。
 まあ、「ご遺族の気持ち」も大事ですが、一方で「元少年の気持ち」も大事です。そう簡単に「手記なんか書くな」て話でもないでしょう。「嫌なら遺族は読むな、誰も読んでくれて頼んでない」「出版中止要求なんて越権だ、何様だ、調子に乗るな」て考えもあり得るわけです。またこういう問題は手記の内容にも寄りますよね。


朝鮮学校学費補助 保護者の負担軽減にならず 内情把握せぬ自治体の責任も 
http://www.sankei.com/affairs/news/150613/afr1506130003-n1.html
朝鮮学校への児童・生徒への学費補助 朝鮮総連系「教育会」が納付迫る
http://www.sankei.com/affairs/news/150613/afr1506130002-n1.html
 久々に産経が朝鮮学校にいいがかりです。最近はこの種の記事は少なくなってたので「新ネタの登場(例:AIIBへの悪口雑言、MERS対応で朴政権を罵倒する、政府の安保法制を擁護するなど)」もあって「いい加減朝鮮学校叩きに飽きてきたのか」と思ってたんですが。教育会つうのは要するに「朝鮮学校版PTA」でしょうが何か法的、政治的、教育的、道義的に問題があるのか。
 仮に問題があるとして産経のように「補助金廃止、カットなんて話」にいきなりつなげるのは論外で「そう言うことは今後はすべきではない」とまず学校を指導すべき話に過ぎないんじゃないのか。
 いずれにせよ「PTAへの納付」なんですから「保護者の負担軽減」にはなるでしょう。「教育外に流用されてる」のでない限り。まあ、「改修する必要もないのに体育館を改修した、こんなんならPTA(教育会)に金なんか出さなきゃ良かった」とかそう言う不満はあり得るかも知れませんが。
 また「負担軽減になってないと仮にして」、産経が「保護者の負担軽減を僕はしたいんです」と本気で思うのなら繰り返しになりますが「そう言うことは今後はするな」という話をするでしょう。そうすれば親の手元にカネが残るわけですから。廃止とかカットとか言う話になるわけがない。結局、単に学校潰しのために言いがかりつけてるだけです。

*1:クリントン政権国務次官補(アフリカ担当)、オバマ政権国連大使などを経て、現在オバマ政権大統領補佐官(国家安全保障担当)

*2:范長竜・国家中央軍事委員会副主席(党中央軍事委員会副主席兼務)のこと

*3:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*4:中国石油天然ガス公司総経理、国土資源大臣、四川省党委員会書記、公安大臣、党中央政法委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)などを歴任

*5:副首相、首相など歴任

*6:仮にできたとしても相当遅れたでしょう

*7:後に新進党代表

*8:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*9:村山内閣運輸相、橋本内閣建設相、自民党政務調査会長(小渕、森総裁時代)、国民新党代表、鳩山、菅内閣金融担当相などを歴任

*10:新党さきがけ代表。細川内閣官房長官、村山内閣蔵相を歴任

*11:また「鳥取県警に出向していたときに親交ができた野坂浩賢社会党代議士(鳥取県選出)と村山内閣樹立に当たって交渉を行った」のが亀井氏らしい(ウィキペ「亀井静香」「野坂浩賢」参照)。なお、野坂氏は村山内閣では建設相、官房長官を歴任した。

*12:中曽根内閣文相、自民党政務調査会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、幹事長(河野総裁、小渕総裁時代)、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)を経て首相。ウィキペ「森喜朗」によれば「当時、幹事長の森は社会党委員長の村山富市など、社会党で細川連立政権に不満を持つ議員への接触を試みていた。自民党内にも、YKK山崎拓加藤紘一小泉純一郎)の了解を取るなどの根回しを行ったが、親分にあたる中曾根康弘(自社さ連立反対派)には最後まで「自社さ連立構想」を知らせなかった。1994年(平成6年)6月28日、森は社会党の久保亘書記長(彼は細川政権残留派だった、ただし後に橋本内閣で副総理・蔵相を務めた)と会談し、久保を説得するため自民党は村山首班で行くつもりだと森から持ち出した」。久保氏にとって「村山首班」というのはあまりにも魅力的すぎたようで彼は森氏の説得を受け入れるわけです。

*13:森内閣通産相小泉内閣経産相たちあがれ日本代表、維新の会代表代行などを経て、現在次世代の党代表

*14:村山内閣で経済企画庁長官。他にも小渕、福田内閣外相、森内閣法相、第一次安倍内閣防衛相など歴任。

*15:村山内閣で環境庁長官。他にも森内閣文相(科学技術庁長官兼務)、小泉内閣農水相自民党国会対策委員長(第一次安倍、福田、麻生総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、副総裁(第二次安倍総裁時代)など歴任。

*16:宇野内閣防衛庁長官、宮沢内閣建設相、自民党政務調査会長(橋本総裁時代)、幹事長、副総裁、首相補佐官(小泉総裁・首相時代)を歴任

*17:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政務調査会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相を歴任