今日の産経ニュース(8/25分)(追記・訂正あり)

■台湾・馬*1総統、アイリス・チャン氏を称賛 『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者
http://www.sankei.com/world/news/150825/wor1508250024-n1.html
 もちろん「チャン氏に対する評価」なんて馬総統にとってどうでもいいとは言いません。しかし、これ、おそらく安倍に対する牽制なんでしょうねえ。安倍が総理でなかったら果たしてこういう事をしたかどうか。
 「南京事件の時の中国政権与党=中国国民党」ですからこうした馬総統の行為はごく自然な行為です。しかし産経は「馬英九の野郎!、ふざけやがって!」「蒋介石*2時代にどれだけ応援したと思ってるんだ!」などと逆ギレし「南京事件があったか疑問」などとほざいて産経に媚びて恥じない「李登輝*3のバカ」と「醜い野合」という醜態をさらすんでしょう。


■【安保インタビュー】浜谷英博三重中京大名誉教授 「政府案は間違いなく合憲」
http://www.sankei.com/politics/news/150825/plt1508250003-n1.html
 西修駒澤大)、百地章(日本大)、長尾一紘(中央大)のお仲間が新たに登場したわけですがこんなもん何人出したって意味はないですよねえ。何せこの人、ウィキペディアに寄れば『国家基本問題研究所客員研究員』ですからガチのプロ右翼活動家です。
 つうか「本当に安保法案が必要なら」、明文改憲で国民に信を問えて話です。そうすれば「法案は違憲だ」という批判もない。全く何考えてるんですかね。

一国だけで自国を守ろうとすればどうしても軍事大国にならざるを得ない。

などというのは戦前日本(日英同盟、日独伊三国同盟)が「軍事大国だったこと」を考えても詭弁です。そもそも今問題になってるのは「日米安保の是非」ではなく集団的自衛権行使の是非であり、「集団的自衛権行使は日本防衛ではない」のですが。
 「中東で米軍と一緒に闘うこと」のなにが日本防衛なのか。

安倍晋三政権が嫌いだから政策も嫌い」という形で安全保障論を語ってほしくない

 冗談も大概にして欲しいですね。誰がそんな事を言ったのか。
 むしろ「安倍政権が好きだから法案は合憲だというこの種の人間」にこそ「安全保障論を語って欲しくない」ですね。


■【主張】首相訪中見送り 力の誇示認めぬ原則貫け
http://www.sankei.com/column/news/150825/clm1508250003-n1.html
 安倍は少なくとも建前では「不参加について」産経のような反中国発言をしてないのに勝手に「反中国発言」をぶちかます産経には脱帽です。

 戦後70年を機に、中国は過去の戦争を取り上げて日本を攻撃する歴史戦を展開中だ。

 安倍が無反省だからそうなるのであって、まあ、安倍以外の首相ならこういうこともないでしょう。
 そして産経はそうした無反省な安倍を戦前礼賛極右の立場から絶賛ですから話になりません。

中国の抗日行事には、ロシアのプーチン大統領も出席するとしている。軍事力を背景にウクライナのクリミア地方を併合した国が、同じく力を信奉する中国とともに「戦勝」を祝う構図だ。

 おいおいですね。連合国の一員だからロシアに参加要請しただけでしょうに。


■【産経抄】カイロの毛沢東 8月25日
http://www.sankei.com/column/news/150825/clm1508250004-n1.html

 北京では、記念式典や大規模な軍事パレードが行われる。しかし、37(昭和12)年から始まった日中戦争で、日本軍が主に戦ったのはあくまで国民党軍である。共産党軍は後方でのゲリラ活動など、補助的な役割を果たしたにすぎない。

 やれやれですね。補助的だろうと何だろうと勝利に貢献したのは事実でしょう。かつここでの勝利記念というのは「人民解放軍の勝利」と言う意味がないとは言いませんがむしろ国民党も含む「中国の勝利」でしょう。

この日に全国各地で公開される映画「カイロ宣言」についても、「歴史の改竄(かいざん)」がネット上で指摘されている。カイロ宣言とは、米国のルーズベルト、英国のチャーチル中華民国蒋介石が、戦後の対日方針を討議して、発表したものだ。ところが、映画のポスターには、カイロにいるはずがない毛沢東ソ連スターリンに扮(ふん)した俳優も、写っているという。

 まあ見ないと何とも言えませんがさすがに「カイロ宣言にはスターリン毛沢東が直接コミットした」なんて描写はないでしょう。

韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、訪中と行事への出席を決めている。経済で依存を強める中国にひれ伏し、日本に対する「歴史戦」での共闘を宣言したのに等しい。

 別に出席しなくても「中国との経済交流が大事」「歴史問題では中国と共闘していく」つう方針に代わりはないでしょう。つうか韓国にあれこれ言う前に「中国は重要な隣国なのに日本は不参加で大丈夫なの?」つう話です。

 折も折、北朝鮮との軍事的緊張が高まってしまった。中国の支援を受けた北朝鮮軍が50年に、韓国に侵攻して始まった朝鮮戦争は、まだ終結したわけではない。いつでも戦時に戻り得るという事実を、改めて突きつけている。
▼同盟国の米国の懸念を振り切って、ロシアのプーチン大統領とともに、“敵国”の軍事パレードに姿を現せば、世界からその歴史認識を疑われるだろう。

 今時「中国は韓国の敵国だ、朝鮮戦争は正式に終戦してないから」なんて誰も思ってないと思いますけど。むしろそんなことを公言する産経の歴史認識が世界から「アレが日本の全国紙なのか?」「第二次朝鮮戦争が起こって、中国が北朝鮮を支援するとでも今時産経は思ってるのか?」と疑われるでしょう。

*1:連戦内閣法相、台北市長を経て総統。

*2:蒋介石南京事件を否定する立場じゃないですけどね。東京裁判では松井石根・中支那方面軍司令官が、南京でのBC級戦犯裁判では谷寿夫・第6師団長(役職はどちらも南京事件当時)が南京事件の責任を問われ死刑にされているからです(当時は勿論蒋介石政権)。産経だって「1970年代の蒋介石秘録」では南京事件の存在自体は認めているんですが(例えば誰かの妄想・はてな版『「蒋介石秘録」に見る南京大虐殺』(http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20120226/1330258512)参照)。

*3:台北市長、副総統を経て総統。