今日の産経ニュース(8/27分)(追記・訂正あり)

■【内藤慎二の野党ウオッチ】民主くんゆるキャラGPに挑戦 枝野氏*1も「便乗」狙い 党勢回復の秘策がこれ?
http://www.sankei.com/premium/news/150827/prm1508270007-n1.html
 誰も「党勢回復の秘策」なんて言ってないのにちゃかしたタイトルをつける辺りさすが反民主党の産経です(勿論褒めてない)。

 少し前に民主党と交流が深いNPO法人の幹部だった大学生が小学生になりすましてウェブサイト上に安倍晋三首相の衆院解散を疑問視する書き込みを行ったことがある。

 「だからなんだ」つう話です。「在特会と交友してた山谷えり子(現在、第三次安倍内閣国家公安委員長)ならまだしも」民主党と多少つきあいがある程度の人間が問題をおこしたからと言って民主党批判のネタにされてはたまったもんじゃありません。


■【けいざい独談】戦時日本の徴用どころではない 中国・国防動員法の恐怖…「有事」認定で進出企業のヒト・モノ・カネを根こそぎ 駐在員と家族は人質か?
http://www.sankei.com/premium/news/150827/prm1508270002-n1.html

 「中国政府がひとたび『有事だ』と判断すれば対中進出している日系企業も含めて、中国のあらゆる組織のヒト・カネ・モノの徴用が合法化され、戦時統制下におかれる懸念があることにもっと関心を払うべきだ」
 マレーシアを拠点に日系企業向けコンサルティング業務を手がけるエリス・アジア事務所の立花聡代表は厳しい表情で“警告”を続けた。
 あまり知られていないが、2010年7月1日に中国が「国家の主権、統一と領土の完全性および安全を守るため」として施行した「国防動員法」の規定をさしている。全14章72条からなる同法について、立花氏は「(適用の)可能性は低いだろうが法律として存在する以上、(日本にとっても)不確定要素となる」と指摘した。「有事」の定義はややあいまいながら、仮に東シナ海南シナ海などで偶発的な衝突が起きた場合、中国が有事と考えれば一方的に適用が可能だ。

 おいおいですね。「条文上、そうすることが可能である」のならば問題だとは思います。しかし「安保法案の条文上可能でも核兵器の運搬などやる気はない、批判は言いがかりだ」と言う安倍を擁護した産経が良くもこんな記事を書けるもんです。
 「自衛隊核兵器運搬」以上に「中国政府による外資企業の徴用」なんてあり得ないでしょうよ。
 「中国全土が戦場になった日中戦争時代」のような「徴用が絶対に必要な状況」でもないのに、徴用なんか強行したら国際的非難を浴びてしまいますからね。一方で「徴用が絶対に必要な異常事態*2」になったら外資なんかとっくに中国から撤退してるでしょう。
 産経も良くこんなこじつけを思いつくもんです。
 産経にこじつけのネタを提供した『エリス・アジア事務所の立花聡代表』てのもよほどレベルの低い反中国ウヨなんですかね。まともな中国リスクの指摘ならともかくこんなトンチキな自称経営コンサルタントに「中国ビジネスのご指導」なんか俺ならとても請う気にはならないですね。

日系企業の中国現地法人が雇用した中国人従業員が同法に基づいて予備役として徴用として徴用されて職場を離れた場合も、雇用側は給与支給など待遇を続ける義務が生じる。

 いやいや「日系に限らず」外資企業の現地社員を予備役として徴用するなんて事態はまず考えられないでしょうね。そんなことしなくても既存の兵隊で対応可能でしょうし、そんな事強行したら外資が逃げかねませんし。つうか外資どころか中国企業相手ですらそんな事無理じゃないですかね。
 まともな日系企業の幹部なら「ああ、はいはい、産経のご指摘はわかりました(生返事)」で終わりでしょう。まともに相手する価値もない与太です。

 平和ボケ日本では一笑に付される*3恐れもあるが、「有事の際には日本人駐在員やその家族が“人質”になる危険性も排除できない」(立花氏)ことは確か。

 「国防動員法の発動で日本人ビジネスマンとその家族が中国の人質になるかも」て一体どういう脳みそをしてるんですかね。そもそも有事って一体どんな有事を想定してるのか?。
 朝鮮有事か?。台湾有事か?。尖閣での軍事衝突か?。まあ、どんな有事が起こる*4にせよ「日本人ビジネスマンとその家族が中国の人質」なんてことはありえない。
 そんなことをしたら日中関係が破壊されますし、国際的非難も免れない。そんなバカを中国がやるわけがない。つうか「そういう事態」を恐れるのならそれこそ「中国への挑発的言動はよせ」て話です。結局、産経も立花氏も「嘘を嘘と知りながら」という反中国バカウヨなんでしょう。

 一方で、「国際社会から非難を浴び、経済的にも損失の大きいはずの『国防動員法』を中国がそう簡単に適用するはずがない」との反論も日本国内からはでそうだ。

 産経ですらこう書かざるを得ないわけです。ただし「法的には可能だ」と強弁する産経です。でも「法的には可能だ」というなら

「安保法案の条文上可能でも核兵器の運搬などやる気はない、批判は言いがかりだ」と言う安倍

を産経が擁護することはおかしい話です。


■【政治デスクノート】これが同一人物の発言ですか? 沖縄・翁長*5知事の変節は、あの元首相と同じでは
http://www.sankei.com/premium/news/150827/prm1508270003-n1.html
 まあ無役時代は「河野談話なんか撤回する」「靖国には参拝する」と吹き上がりながら首相になるとトーンダウンする安倍の方がよほど変節だと思いますが(もちろん俺的には変節OKですが)。ただ「変節しきれない」ところが安倍のダメなところです。「稲田自民党政務調査会長や萩生田自民党総裁特別補佐、安倍が対談した百田尚樹ら、子分の暴言」を野放しにすることによって安倍の本心がモロバレになっている。当然、相手(中国、韓国など)は安倍に不信感や不快感を抱き続けるわけです。

 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設問題に関して、沖縄県議会で行われた議事録を読んでいると、次のような発言がありました。
 「沖縄の基地問題の解決には、訪米要請(注・県が組織した要請団による訪米)もないよりはいいでしょうが、むしろ訪米のエネルギーを日本政府にぶつけることによって大きな進展がはかられるのではないでしょうか」
 これは、最近の議事録ではありません。平成7年6月の定例議会で、発言者は自民党県議の翁長雄志氏。現在、沖縄県知事の翁長氏が、当時の大田昌秀*6知事に対して行った代表質問での一幕です。

 変節だと非難する産経ですが「時代状況も違います」し、人間、時の経過によって考えも変わります。つうか「面会してくれと翁長知事が言っても安倍や菅がすぐに会わなかった癖に」よくもまあ

訪米のエネルギーを日本政府にぶつけることによって大きな進展がはかられるのではないでしょうか

なんて産経は言えるもんです。

 知事に選ばれた以上は選挙支援してくれた勢力の意向を最大限、尊重すべきなのでしょうか。

 当たり前でしょう。何のための選挙支援なのか。


■【産経抄】暴落の後の心配 8月27日
http://www.sankei.com/column/news/150827/clm1508270004-n1.html

経済評論家の上念司(じょうねん・つかさ)さんは、共産党政権が国民の不満をそらすために反日カードを切る可能性を指摘している。

 上念某てのは産経と同レベルのバカウヨです。まあ、バカウヨらしい物言いですが、むしろ逆でしょうね。
 もちろん「安倍が靖国参拝しようが何しようが黙ってる」ほど中国も寛大じゃないでしょうが、経済混乱の中で故意に反日行為なんかやるわけがないでしょう。
 つうかそもそも安倍が首相だからもめ事が起こるだけだし、「首相が靖国参拝して何が悪い」などと放言しもめごとを煽ってるのが産経や上念のようなバカウヨですから、こういう物言いには心底呆れます。

中国人観光客の「爆買(ばくが)い」の先細りを心配している場合ではない。

 え、「反日カードの行使」なんて「あるかどうかわからないこと」より、むしろ「中国人観光客の減少」をを心配すべきじゃないの?

*1:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相などを経て現在、民主党幹事長

*2:そんな事態はないでしょうが

*3:そりゃ「一笑に付す」でしょう。日中関係や国際社会の中国評価を考えればそんな馬鹿な事は中国にできるわけもないからです。

*4:個人的は起きないと思いますが

*5:沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事

*6:琉球大学名誉教授、沖縄国際平和研究所(http://www.opri.jp/)理事長。元沖縄県知事(1990〜1998年)、元社民党参院議員(2001〜2007年)。著書『沖縄 平和の礎』(1996年、岩波新書)、『沖縄は主張する』(1996年、岩波ブックレット)、『沖縄の帝王 高等弁務官』(1996年、朝日文庫)、『醜い日本人:日本の沖縄意識』(2000年、岩波現代文庫)、『沖縄、基地なき島への道標』(2000年、集英社新書)、『大田昌秀が説く 沖縄戦の深層』(2014年、高文研)など