今日の産経ニュース(9/13分)(追記・訂正あり)

山形市長選 自公など推薦の佐藤氏が初当選
http://www.sankei.com/politics/news/150913/plt1509130021-n1.html
 もちろん地方選挙の結果は「原発問題が争点になった原発立地県での選挙」「基地問題が争点になった沖縄の選挙」でもない限り、その勝敗は必ずしも「国政問題への賛否」と直結しているわけではありません。
 仮に自公が敗北した場合には、自公は「一地方選挙結果に過ぎない」としたでしょう。とはいえ自公批判派としては残念です。


■【iRONNA発】「ポスト安倍」の資質とは何か それは無茶をする覚悟である
http://www.sankei.com/premium/news/150913/prm1509130030-n1.html
 タイトルからして酷いですよね。「覚悟」てお前が求めるもんは精神論しかないのかと。
 書き手があの「筆坂秀世」てんだから「ああ、筆坂も落ちるところまで落ちたなあ」ですね。
 「化けの皮がはがれた」とでも言うべきか。つうか政治理念とか抜きにして「メシの問題」だけ考えても「共産党幹部からウヨに変節した産経御用ライター」なんて「産経以外では相手にされない上、産経にいつ切り捨てられるか分からない」と言う意味であまりにリスキーですが、まあ、筆坂のような「恥知らずな無能」にはそれしか道がないんでしょう。いっそ「筆坂は政治評論家なんかあきらめて普通にサラリーマンでもやれよ」と思いますが。

いつまでも自民党一強体制が続く保証はない。政治も、国民もそう甘くはない。安倍路線の転換も必要になってくるだろう。

と言いながらそこで出てくる言葉が

その時には、女性の力や若い力が期待される。

なんだから話になりません。「若ければいいのか」「女ならいいのか」「お前は政策を論じる気もないのか」と心底呆れます。まあ産経で「本当の意味での安倍路線の転換」なんか書けるわけもないでしょうが。
 そもそも「変更」でも「廃棄」でもなく「転換」と言う辺り産経らしい。「転換=イメージ変更」程度の意味でしかおそらくないでしょう。


■【高木桂一の『ここだけ』の話】維新の党を壊したのは、実はあの“壊し屋”だった… 狙いは参院選での野党統一戦線か?
http://www.sankei.com/premium/news/150913/prm1509130007-n1.html
 「高木記者が壊し屋呼ばわりする小沢一郎*1」は「安倍に接近する」橋下には批判的で「橋下に否定的な」松野*2執行部には好意的なんでしょう。ただそれ岡田*3民主党代表だって同じですしねえ。
 大体野党が「与党に接近する政治家」に否定的なのは当たり前でしょう。
 最大野党党首の岡田氏ならまだしも、「過去はともかく今やミニ政党党首の小沢氏」をそんなに松野代表も重視しないでしょう。
 かつ小沢氏にせよ、岡田氏にせよ「橋下氏の安倍接近には賛同できない、それで野党なのか」「むしろ松野執行部を応援したい」とは言っていてもそれ以上のことはやってないでしょう。
 その程度で「維新を壊したこと」になるんでしょうか。ぶっちゃけ橋下が「安倍との連携路線」を松野執行部に否定されて逆ギレして維新から出てっただけじゃないですか。


■【北朝鮮拉致曽我ひとみさんが語るいまだ帰らぬ母への思い(下) 満たされない心の理由 「たった一人の最愛の母がいないから」
http://www.sankei.com/premium/news/150914/prm1509140004-n1.html

 北へ帰る日が近づいてきたある日、日本政府は私たち5人(曽我さんと蓮池さん夫妻、地村保志さん・富貴恵さん夫妻)を北には返さないという方針を発表したのです。
 (注:そんな話は聞かされておらず)びっくりした私は政府関係者や県、市の職員に佐渡に留まるよう何度も説得され、一人で決断するにはあまりにも気の重い事柄でしたが、どうすることもできず、一人で家族を待つことを決心したのです。
(中略)
 一番心配だったのが、北の組織が私の行動をどう受け止めたか、そしてそれが私の家族にどのような影響を及ぼすのか、「何事もなければいいのですが」と、そればかりが頭の中を駆け巡っていました。

 これが事実なら少なくとも「曽我さん」については「私は帰りません」と彼女が言ったわけではなく「他の4人は帰らん言うとるからあんたも帰らん方向で頼むわ、一致団結でないと困る」と政府や県や市に説得された(しかもマスコミ発表後に)というとんでもない話です。これを堂々と載せられる産経にはびっくりです。いくら曽我さんが北朝鮮に帰国しなかったことについて「結果オーライ」という態度をいまとってるからといって本気でこれが問題ないとか「もう時効だ」とか思ってるんでしょうか。
 つうか正直な話、今これを暴露する曽我さんには絶対に「私に相談もなくマスコミ発表されて悔しい」「私は蓮池夫妻や地村夫妻より劣る存在か」つう「納得いかない気持ち」が今もあると思いますよ。あるからこういう事わざわざ言うんでしょうし。
 で救う会も多分「曽我は余計な事言いやがって」と思ってるけどさすがに「余計な事言うな」とは言えずに黙認すると。

 北朝鮮に拉致された当初、横田めぐみさんと一緒に生活されていたということですが、横田めぐみさんと話をされている中で、お互いどうして北朝鮮に来ることになったのか、拉致されたということについて、めぐみさんと話をされたことはありましたか
 「詳しい話は、私もそうでしたが、めぐみさんもそのときの状況を2人ともが思いだしたくないという気持ちが強かったので、本当にちょっとしたことしか2人で話はしていません」
 北朝鮮にいるときに田口八重子さんに会ったことはありますか
 「北朝鮮にいるときには(昭和53年に北朝鮮に連れ去られた拉致被害者の)田口八重子さんにお会いしたことはありません」

 こういう「誠実な態度」は「めぐみさんは今も生きてる」とかギャラ目当てでデタラメかます金ヒョンヒと違って好感が持てますね。


■【北朝鮮拉致曽我ひとみさんが語るいまだ帰らぬ母への思い(中) 「母の年齢を考えると長くは待てません」 「北では白い米など見たことがない」
http://www.sankei.com/premium/news/150913/prm1509130025-n1.html

 厳しいと感じたのは、生活費が最低限の保証しかなかったことです。毎月決まった日にお米と生活費の配給がありましたが、家族4人(曽我さんと夫のジェンキンスさん、長女の美花さん、次女のブリンダさん)の生活では楽ではありませんでした。
(中略)
 インドネシアで(北朝鮮に残してきた)家族と再会した日、日本から米を持っていきました。初めて見る日本の米に娘たちは「お米って白い*4んだね」とびっくりしていました。炊いている最中も「変なにおいがしないんだね」と炊きあがるのを楽しみにしていました。そして食事、一口食べて「すごくおいしい。こんなにおいしいご飯を食べたのは初めて」「おかずがなくてもご飯だけでも食べられるね」ととても喜んでいたのを思いだします。

 なかなか興味深い指摘だと思います。救う会などは「拉致被害者は厚遇されてる」なんて言いますが実際そうかは疑わしいということです。
 特に娘さんについての話は重要でしょう。「曽我さんの存在を日本側に明らかにしてから以降」も「明らかにしたから、今後はやっぱある程度うまいもん食わせんとアカン、日本人の血を引いてるし、コシヒカリでも入手して食わせるか」とかそういうわけでもなさそうですから。

 日本に失望したということは、24年の間に何度も日本のえらい政治家が何人も北朝鮮を訪問したにもかかわらず、私たち拉致被害者の誰一人として助けてくれなかったことです。

 彼女の存在が分かってませんからねえ。失望したと言われても正直「気持ちは分からんでもないが、そんなん言われても困るがな」でしょう。


■【北朝鮮拉致曽我ひとみさんが語るいまだ帰らぬ母へ思い(上) 恐怖に泣き叫ぶ「なんで私がこんな目に?」「母ちゃんはどこ?」
http://www.sankei.com/premium/news/150912/prm1509120026-n1.html

 被害者を取り戻すにはどうしたらよいのかを真剣に考えていただきたいと思います。

 そう言う事言う人が「被害者の取り戻しを真剣に考えてるとはとても思えない」救う会の宣伝マンをやってるのだからしらけることこの上ありません。

 めぐみさんは「私のお母さん(早紀江さん)は香水をつけていたから、いつもいいにおいがしてたの」と自慢していました。そのときの私の心の中は「うらやましいなあ。私のお母さんとは大違いだ」と少々引け目を感じていたのです。
 そして、めぐみさんに私の母の本当の姿を話していいかどうか迷ってしまいました。なぜかというと、私の母は(注:香水を買う余裕などなくて)いつも機械油のにおいしかしなかったからです。
(中略)
 当時は田んぼも耕作していたので、朝仕事をし、朝仕事というのは朝食前に一仕事をすることなのですが、どこかでは今でも行っています。そして私たちに食事を食べさせ、学校へ送り出し、母も慌ただしく朝食を取ると、工場へ出勤*5していきました。
 (注:工場の)仕事を終え、家に帰ってから夕食の支度、片付け、ひと休みをする間もなく、ザルを作る内職をするのです。これが(注:母の)毎日の生活パターンとなっていました。
(中略)
 遠足のとき、奮発していろんなおかずを作ってお弁当を持たせてくれました。私は今までにない豪勢な弁当にただただ喜ぶだけでした。だけど、母の弁当のおかずはすごく辛い漬物が少し入っていただけでした。「どうして母ちゃんは漬物だけなの?」と聞けば、「おかずが辛いとご飯がいっぱい食べられるからだよ」というのです。母もいろんなおかずが食べたかっただろうに我慢していたんだなと、今なら母の気持ちがよく理解できます。
 また、友達が新しいセーターを着て学校で自慢しているのを見て、うらやましくなり、家のタンスに隠してあったお金をこっそりと持ち出し、勝手にセーターを買ってしまいました。
 そのことが母に知られてしまったのですが、母は私をしからなかったのです。それどころか「母ちゃんが服の一つも買うてやれんもんし、ひとみが一人で買うてきたんだな。かんねんな。かんねんな」と逆に私に謝るのです。
(中略)
 またある年の夏、盆踊りに行くことになりました。友達はみんな浴衣を着ていくというのです。うらやましいと思う気持ちと、仲間はずれになりたくないという気持ちが同時に沸いてきました。
 母の都合など考えもせず、「盆踊りに友達はみんな浴衣で行くというから私も浴衣を着たい。祭りの日までに浴衣を縫って」とわがままをいいました。それなのに文句もいわず、母は夜なべ*6をして浴衣を縫ってくれました。

 曽我家が相当経済的に苦しかったことが分かるエピソードです。


■【iRONNA発】SEALDs 学生をそそのかすサヨクな大人たち
http://www.sankei.com/premium/news/150913/prm1509130014-n1.html
 産経がシールズに恐怖を感じており「何とかして罵倒したい」と思ってることだけは分かりました。
 それにしても「山崎拓*7など一部保守派も批判してる」のに安倍安保法案批判を左翼呼ばわりしたり、大学生に向かって「大人にそそのかされてる頭の悪いバカ」呼ばわりしたりバカにも程がありますよね。

 テロや差別をそそのかし、「革命」など自らのゆがんだ目的のために若い芽をスポイルすることに余念がない。

 一体いつシールズが「テロや差別」を公言したんですかね。つうかそれはむしろ産経らウヨの方じゃないのか。ウヨ運動を美化し、「極右テロや外国人などへの差別をそそのかしウヨ運動という自らのゆがんだ目的のために若い芽をスポイルすることに余念がない」のが産経らウヨじゃないのか。

 デモの動員目標人数を10万人と事前に大風呂敷を広げていたせいか、警察発表人数の4倍もの12万人を「主催者発表」人数として「大勝利」を宣言したこと

 やれやれですね。12万人が事実か知りませんが、「警察発表」を事実であるかのように言う産経は全く論外です。大体仮に「12万人」でなくてもあれだけの大規模デモを実施できればそれはある意味「成功」「勝利」でしょう。そもそもその「勝利」「成功」に恐れおののいているが故に産経もこうした誹謗記事を書くわけです。

山口二郎*8の言動は特に驚くべきものであった。なんと、彼は学生たちの前で、「安倍に言いたい! お前は人間じゃない! たたき斬ってやる」と、差別やヘイトスピーチを超えた発言をしたのである。

いい加減にして欲しいですね。山口氏は
1)時代劇「破れ傘刀舟悪人狩り」の主人公「叶刀舟(萬屋錦之介)」の決めぜりふのように「お前は人間じゃない! たたき斬ってやる」と言いたいくらいの怒りを安倍に感じてる
2)しかしもちろん私はテロなど容認しない。合法的な手段で安倍を倒そう!
て言ってるんですけどね。前後の文脈を無視して、山口氏に暴力主義者のレッテルを貼ろうとは下劣にも程があります。山口氏に名誉毀損で訴えられても文句は言えないでしょう。

 ただ、残念なのは、保守勢力からの国会前デモ批判の多くが、学生たちに対する批判や揶揄(やゆ)にとどまっているという事実である。

 この駄文も「ただの揶揄」、それも「レベルの相当低い揶揄」ですが書き手「中宮崇*9」と、掲載紙「産経」がそう思ってないらしいのが醜悪で滑稽で下劣です。

 サヨクな大人たちが、将来のある学生たちを容易にたぶらかすことができるのは、(中略)ブラックバイトやうなぎ上りの学費、生活費、卒業後に重くのしかかる「奨学金」という名の借金など、われわれ(注:ウヨの)大人たちは彼ら学生たちをあまりにもないがしろにし続けてきたのではなかろうか。

 学生の左翼運動*10について、「左翼運動に学生が参加するのは左翼がブラックバイト問題や奨学金問題に取り組んできて一定の信頼を得ているからだ、俺達ウヨにはそう言うのがなかった」という「プロ右翼活動家・中宮」です。
 こうした中宮の認識の是非はひとまずおきます。「ブラックバイト問題などに取り組んでる人間には左派だけではなく保守もいる、中宮ら反動極右が取り組んでないだけだ(労働問題関係者)」「別にブラックバイト問題で左派に世話になったからシールズに参加してるんじゃない、そんな恩義なんてちっぽけな話じゃない。安倍の法案は間違ってると心底思ってる(学生)」などまあ、いろいろと反論は可能でしょうが。
 しかし中宮がこういい、この中宮記事を産経が掲載するなら彼らが取るべき道は「ブラックバイト問題などへのウヨとしての、左翼に負けない政治的取組」でしょう。そうでないと筋が通らない。
 しかし、まあ、断言してもいいですが何もやらないでしょう。やる能力(つまり役所への陳情や法律相談など)があるかも疑問ですが、それ以前に「やる意思がない」んじゃないか。彼らに興味があるのはやれ「歴史認識がどうこう」「打倒中国、打倒日教組」などといった極右的主張でしょう。
 要するにこの文章、典型的な「ヤルヤル詐欺」でしょう。むしろ「手前らヤルヤル詐欺か!」という反感を買うだけじゃないか。


拉致問題「国民大集会」詳報 首相「具体的動きを早急に引き出すべく、最大限努力続ける」
http://www.sankei.com/politics/news/150913/plt1509130016-n2.html

 昨年4月の北朝鮮による特別調査会の立ち上げと、調査の開始から1年以上が経過をしましたが、この調査に関して、いまだに具体的な見通しが立っていないことは、誠に遺憾であります。こうした北朝鮮側の対応については、本日お集まりの皆さまから、強い憤りとともに、今後に対するご懸念、そして、わが国による北朝鮮措置の強化*11を求める声があることも十分に承知をしています。
 先月、私の指示を踏まえて、岸田外務大臣北朝鮮のリ・スヨン外務大臣に対し、日朝協議の履行を求めつつ、日本国内の懸念を伝え、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を強く求めました。政府としては、この働き掛けの結果をよく見極めつつ、日朝協議に基づく迅速な調査を通じ、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を目指し、北朝鮮からの具体的な動きを早急に引き出すべく、引き続き最大限努力を続けて参ります。

 すぐに分かることは安倍が「経済制裁します」とは一言も言ってないことです。「しない」とも言ってないですけどね。
 要するに「遠い将来的にはともかく」、近い将来的には安倍は制裁する気なんか全くないって事でしょう。
 ただ家族会や救う会はそれでも安倍批判せず、「働き掛けの結果をよく見極めつつ、引き続き最大限努力」を「いずれ制裁すると言う事だ」と自己欺瞞を続けるのでしょう。

*1:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党代表、自由党代表、民主党幹事長、「国民の生活が第一」代表などを経て現在、生活の党代表

*2:鳩山内閣官房副長官、維新の会国会議員団団長、維新の党幹事長など歴任

*3:民主党幹事長(鳩山代表時代)、鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理・行政刷新担当相などを経て現在、民主党代表

*4:要するに普通に流通してる米が古米とかで相当黒いんでしょうね。

*5:父親の存在について触れてませんから、母子家庭なんでしょう。

*6:「浴衣を買う金もない」し「浴衣をつくる場合も昼間にやってる時間がない、昼間は別の仕事してるから」と言うことで夜なべになるわけです。つうか最近あまり夜なべて言葉を聞かない気がしますね

*7:宇野内閣防衛庁長官、宮沢内閣建設相、自民党政務調査会長(橋本総裁時代)、幹事長、副総裁(小泉総裁時代)を歴任

*8:個人サイト(http://yamaguchijiro.com/)。著書『政治改革』(1993年、岩波新書)、『日本政治の課題:新・政治改革論』(1997年、岩波新書)、『イギリスの政治・日本の政治』(1998年、ちくま新書)、『日本政治・再生の条件』(2001年、岩波新書)、『戦後政治の崩壊:デモクラシーはどこへゆくか』(2004年、岩波新書)、『ブレア時代のイギリス』(2005年、岩波新書)、『政権交代論』(2009年、岩波新書)、『政権交代とは何だったのか』(2012年、岩波新書)、『いまを生きるための政治学』(2013年、岩波現代全書)など

*9:著書『天晴れ!筑紫哲也news23』(2006年、文春新書)など。文春も中宮みたいなレベルの低い男の本を良く出せるもんです。

*10:単なる護憲運動に過ぎないシールズを「左翼運動」と呼ぶことはできないと俺は思いますが

*11:要するに経済制裁のこと