今日の産経ニュース(11/8分)(追記・訂正あり)

北朝鮮の李乙雪*1元帥が死去 革命第1世代、94歳
http://www.sankei.com/world/news/151108/wor1511080021-n1.html
 既に94歳という高齢であるため、実務からは引退しており象徴的存在に過ぎず、「政治的影響は小さい」ようですが。


■【北朝鮮情勢】最側近のはずの崔竜海*2が葬儀委から外れる 「不手際で更迭」?観測も
http://www.sankei.com/world/news/151108/wor1511080052-n1.html

 金正恩第1書記を委員長とする(ボーガス注:李乙雪元帥の)国家葬儀委員会の名簿を同通信が8日報じたが、金第1書記の最側近で朝鮮労働党崔竜海(チェ・リョンヘ)書記(政治局員)の名前は含まれなかった。

 その結果「失脚説が浮上している」わけです。今後の報道に注目したいと思います。


■モディ首相与党が惨敗 インド・ビハール州議選 経済政策やヒンズー至上主義発言に厳しい審判
http://www.sankei.com/world/news/151108/wor1511080059-n1.html
 産経がやたら持ち上げてきたモディ氏与党が地方選とは言え選挙で惨敗したそうです。
 今後の「インド政治情勢」や「産経ら日本ウヨのインドについての物言い」に注目したいと思います。なにせ産経に寄れば敗戦理由は「経済政策(要するに景気が良くない)」「与党幹部のヒンズー至上主義発言(イスラム教徒など非ヒンズー教徒を中心に与党への反発や恐怖をうんだ)」だそうで「ビハール州限定の敗戦理由ではない」ようですから、後を引く可能性(今後も選挙で苦戦)は充分あるでしょう。


■【書評】静岡大教授、楊海英が読む『チンギス・カンとその時代』白石典之*3
http://www.sankei.com/life/news/151108/lif1511080029-n1.html
 すっかり「産経文化人」「ウヨのオナペット」が板につき、見事なまでに「内モンゴルのペマギャルポ」に腐敗・転落した我らの楊先生です。「司馬遼太郎賞受賞は楊にとってかえって不幸だった(ノーベル平和賞受賞が『オウム麻原からの金銭受領』など、ダライの人間的転落を招きダライにとって不幸だったように)」つうか、「楊は司馬先生の墓前で謝れ」つうか。

「正しい歴史認識」を隣国から長期間にわたり執拗(しつよう)に求められ、疲弊しきっている現代の日本人にとっては、肩の重荷を下ろして読める癒やしの著作である。

 意味不明ですね。楊の言う「隣国の批判」とは「中国がらみの南京事件関係」「韓国がらみの慰安婦関係」か何か知りませんが、そんなこととチンギスカンと何の関係があるのか。何がどう「癒し」なのか。いやそもそも俺は「安倍が間違ってる、中韓の方が正しい」と思ってるので別にそんなことでは疲弊はしませんが。
 「チンギスカン研究本の書評」で日本ウヨに媚びる必要はどこにもないのにこびへつらう楊には心底呆れます。
 実はこの「日本ウヨへのこびへつらい」以外は「それなりにまともな書評(少なくとも俺には変な所は見つかりませんでした)」なので、なおさらこの「こびへつらい」には呆れます。


■【名作映画を見てみよう!】元凶いつも中国…007も巻き込まれた南シナ海、今も示唆に富む「トゥモロー・ネバー・ダイ」(1997年)
http://www.sankei.com/west/news/151108/wst1511080006-n1.html
 ノンフィクション映画なら、まだしも「ただの娯楽映画」を中国非難のネタにして恥じないいつもながらの産経のトンデモぶりです。

 南シナ海の公海上を航行中の英軍のフリゲート艦が、中国軍のミグ戦闘機2機からなぜか領海侵犯の警告を受け、その直後、魚雷の攻撃で沈没します。さらにミグ2機のうち1機がミサイルで撃墜され、フリゲート艦から脱出した17人の英海兵も惨殺されます。
 しかし、実はこれ、英のメディア王エリオット・カーヴァー(ジョナサン・プライス)が仕組んだ陰謀なのです。英のフリゲート艦を偽の衛星電波で騙(だま)して中国の領海上を航行させ、自分が密かに所有するレーダーで探知されないステルス艦を使ってこのフリゲート艦を沈め、ミグも撃墜。生き残った英海兵も惨殺したのです。
 目的はひとつ。自分で(ボーガス注:英中間に)国際紛争を起こし、その“やらせスクープ”で自社メディアの存在感を高めようというわけです。

 であるならこの「007映画」では中国は元凶どころか、「メディア王カーヴァーに濡れ衣を着せられた被害者」なのですが(当然007ことボンドが闘う相手も中国ではなくカーヴァーです)。何が「元凶、いつも中国」なんでしょうか。「映画の舞台が南シナ海」と言うだけで産経が発狂したようです。
 むしろこの映画が示唆に富むところがあるとすれば「メディア報道が真実とは限らない」ということでしょう。「007映画のような悪質な捏造」はあまりないでしょうが「一面的な歪んだ見方による報道」ならいくらでもあるでしょう。

(ボーガス注:中国軍による英国軍人殺害の報道に)当然ながら英政府は報復のため、中国への海軍の派遣を決定しますが、下手をすれば第3次世界大戦がぼっ発しないとも限りません。しかし、MI6(英情報局秘密情報部)が数々の状況証拠を詳細に調べたところ、(ボーガス注:中国の犯行ではなく、英中紛争を企む者の仕業という)陰謀の可能性が浮上。
 MI6の局長M(ジュディ・デンチ*4)はジェームズ・ボンドピアース・ブロスナン)に英艦隊が派遣される48時間以内に真相を究明するよう命じるのです…。

 娯楽映画にマジレスしても仕方ない気もしますが、まあ、中国とドンパチなんて普通の国は「できれば」やりたくないわけです。だからこそボンドに「英国軍人殺害が、英中戦争を企む者の陰謀でないかどうか」調査命令が出る設定のわけです。


■【近ごろ都に流行るもの】「離島料理」個性的な秘伝の味を都心で食す
http://www.sankei.com/premium/news/151108/prm1511080004-n1.html

 お台場の対岸、竹芝客船ターミナル内に10月26日に出店したのは、伊豆大島名産「鼈甲鮨(べっこうずし)」だ。大島で水揚げされた白身魚を唐辛子しょうゆに漬けたすしで、べっこう色に輝く真鯛の柔らかな甘さに、ピリッとしたアクセントが美味。
(中略)
 島根県隠岐諸島海士町観光協会は9月、東京・神楽坂に「離島キッチン*5」をオープン。
(中略)
 飲食店を展開する際コーポレーション長崎県五島列島上五島のごっつ。フェア」を、都内21の和食店で30日まで展開中。10月29日に東京・渋谷「日本列島酒場 上五島」で開かれた発表会では、手延べうどんかんころ餅、魚介の刺し身や鍋など約50種の島自慢が並んだ。

 以前突っ込んだ「対馬が危ない」「佐渡が危ない」などといった与太記事ではなくこういう記事こそ離島にとってはありがたい記事でしょう。

離島振興は国土防衛に直結するテーマでもある。食べて現代の“防人”たちを応援したい。

という最後のオチには苦笑しますがこの記事に限れば「本気で書いてると言うより阿比留ら、社内のウヨ連中に調子あわせてるだけ」でしょう。


■【満州化物語(10)】娘の首に刀を…「ごめんね、母さんもすぐに逝くからね」 ソ連軍に蹂躙された「葛根廟事件」
http://www.sankei.com/premium/news/151108/prm1511080016-n1.html

 日本人として決して忘れてはならない歴史の事実がある。例えば、先の大戦ソ連(当時)がわが国に対してやったことだ。
(中略)
 ポツダム宣言に背き約60万人の日本人をシベリアへ連れ去り、酷寒の地でろくな食事も与えず、重労働を強制し、約6万人を死に至らしめた。人権への配慮などかけらもない所業。(ボーガス注:日本はシベリア抑留資料を世界記憶遺産に登録申請して登録が認められたが)「世界遺産」として、人類の記憶にとどめておくのに、これほどふさわしいものはないではないか。

 やれやれですね。これが「中国の南京事件資料世界記憶遺産登録申請」を「反日行為」と罵った新聞の主張です。産経の「中国への罵倒」をそのまんまロシアにスライドすれば「シベリア抑留資料の世界記憶遺産登録申請」は反露行為となるでしょうに。
 つうか、この産経の記事には「戦争の悲劇を語り継ごう」と言う意思よりはむきだしの反露感情しか感じません。
 日本政府や舞鶴市はともかく、産経について言えば「シベリア抑留資料の世界記憶遺産登録申請=反露行為」なのでしょう。
 そして産経の「日本人として忘れてはならない」云々をそのまんま中国にスライドすれば

 中国人として決して忘れてはならない歴史の事実がある。例えば、先の大戦で日本がわが国に対してやったこと(例:南京事件731部隊)だ。

となるのですがそう言う物言いを産経が反日呼ばわりすることは言うまでもありません。

終戦間際、満州では南方へ転身していた関東軍の兵力を穴埋めするために、一般の多くの成人男子が「根こそぎ動員」で軍隊に召集されていた。

 ソ連批判は当然の前提とした上での話ですが産経が「関東軍の形骸化」を何一つ批判しないのがスゴイですね。これが「産経が憎んでる民主党政権」などの行為だと「兵力の南方転進という愚挙が悲劇を助長した。ソ連はもちろん憎いが無能な××も憎い」と糞味噌でしょうが「関東軍は産経のお友達」のせいか、そうならないわけです。


沖縄戦時の「島守」悼む 派遣の警視庁機動隊幹部
http://www.sankei.com/west/news/151108/wst1511080039-n1.html
 TBSのドラマ『生きろ〜戦場に残した伝言〜』(2013年8月)以降、随分と荒井退造も全国区になったもんです。ただ警視庁のやることは要するに「基地反対運動の弾圧」なのでこんなことしても「あんたらと荒井さんと、警官って以外に共通点ないじゃん」「むしろ荒井さんの真逆、正反対が、地元民に敵対するあんたらでしょ」「むしろあんたらは泉守紀(戦前最後の沖縄県知事・島田叡の前任知事)に近いんじゃねえの?(毒)」とかえって反感買うだけだと思いますが。


■中国で来年、孫文*6生誕150年記念行事 台湾取り込み策?
http://www.sankei.com/world/news/151108/wor1511080050-n1.html
 やれやれです。
1)第一次国共合作などもあり「孫文毛沢東*7時代からそれなりに評価されていたこと」
2)確か「孫文の路線から逸脱したのが蒋介石*8というような評価を中国はしていること」
3)孫文の未亡人・宋慶齢*9が新中国建国後、「全国人民代表大会常務委員会第一常務副委員長、国家副主席などの要職を歴任し、死後『中華人民共和国名誉国家主席』の称号を授与されたこと」(ウィキペ「宋慶齢」参照)
などを産経は知らないんでしょうか。「取り込み」と言う要素もあるかも知れませんが、そもそも建国当時から孫文は尊崇の対象だったわけです。


■【主張】中台首脳会談 「現状維持」へ懸念残した
http://www.sankei.com/column/news/151108/clm1511080003-n1.html

 中国は台湾統一のためには、武力行使も辞さない原則を掲げていることを忘れてはならない。
(中略)
 中国が台湾との関係を平和的に進展させるというのであれば、国際社会に対し、台湾への武力行使の可能性を明確に否定することが先決である。

 ばかばかしい。確かにその通りですが武力行使には「台湾が独立宣言した場合*10は」という条件設定がされていることを忘れてはなりません。
 裏返せば「現状維持なら武力行使しない」ということです。「武力行使の可能性はほとんど否定されてる」と言っていいでしょう。というか「中台関係をどう進めるか」なんてことは基本的には「中台間の問題」「中国と台湾で合意の上で、すすめていけばそれでいい問題」であって国際社会だの産経だのに許可を得ないといけない話じゃない。

 台湾では、馬*11総統が進めた急速な対中接近の結果、中国に経済的にのみ込まれ、自らの将来をめぐる議論も中国に主導権を握られるとの警戒論が高まっている。

 ばかばかしい。既に中国経済を切って捨てることなど台湾にはできないでしょう。結局「接近することではなく接近の仕方が問題」のわけですが産経に代表される反中国極右は「接近するな」と言うのだから話になりません。

昨年の地方選で与党の中国国民党が大敗したのは、台湾の民意の表れだ。

 確かに「国民党政治への批判」と言う意味ではその通りでしょうがそれを「産経的・反中国意思の表れ」と見る根拠は何もないでしょう。


■【主張】エアバッグ欠陥 ブランド力の失墜を防げ
http://www.sankei.com/column/news/151108/clm1511080002-n1.html
 実に産経らしい「欠陥エアバッグ被害者に対し無神経な物言い」です。エアバッグ問題でまず言うべき事は少なくとも建前では「被害者への慰めの言葉」と「再発防止策」でしょう。
 それが産経の場合、一番最初に出てくる言葉が「日本自動車メーカー(トヨタ、ホンダ、日産など)のブランド力」なんだから唖然です。被害者を挑発したいのか?。チンピラ記者のコラムならともかく新聞社の大看板・社説でこれなんだから本当に呆れます。

*1:党中央委員、党中央軍事委員会委員、国防委員会委員、護衛司令官など歴任

*2:国防委員会副委員長、朝鮮人民軍総政治局長など歴任

*3:著書『モンゴル帝国史の考古学的研究』(2002年、同成社)、『チンギス・カン:“蒼き狼”の実像』(2006年、中公新書)、『チンギス・ハンの墓はどこだ?』(2010年、くもん出版)など

*4:恋におちたシェイクスピア』の「エリザベス一世」役で1998年アカデミー助演女優賞を受賞。

*5:公式サイトhttp://ritokitchen.com/

*6:初代中華民国臨時大総統、中国国民党総理

*7:中国共産党主席

*8:中華民国国民政府主席、中国国民党総裁、(台湾亡命後は)台湾総統

*9:ちなみに彼女の妹・宋美齢蒋介石夫人。彼女の弟である宋子文中華民国政府で財政部長(財政相)、外交部長(外相)、行政院長(首相)などを歴任しました。

*10:まあその場合でもいきなり軍事攻撃ではなくまずは経済制裁などの非軍事的対抗措置でしょうが。

*11:連戦内閣法相、台北市長を経て総統。