今日の産経ニュース(12/13分)(追記・訂正あり)

■インドに日本センター設置へ 中国の「孔子学院」に対抗
http://www.sankei.com/politics/news/151213/plt1512130015-n1.html
 「孔子学院に対抗」という中国敵視とセットでないと記事が書けないんでしょうか?。普通に「日本とインドの文化交流」でいいでしょうに。


■【書評】独立総合研究所社長・青山繁晴が読む『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』石平*1、有本香*2
http://www.sankei.com/life/news/151213/lif1512130021-n1.html
 タイトル、書評者、執筆者からして「バカウヨの駄本であること」が丸わかりですが突っ込んでみます。まあ、「リベラル」というよりは「日中はそれなりの友好関係でないとやっていけないと考える人間」でしかないんですけどね。そしてそういう「中国との友好関係重視」はどこの国でもそうです。今時反中国極右でもない限り「打倒中国」なんて馬鹿な事言わない。

 リベラルは、発祥の地の欧米では、自由と人権を護りたいと信じるときにはみずから銃を手に取ってでも戦う人々を本来、指している。だからアメリカでは、ベトナム戦争ケネディ*3大統領をはじめ(ボーガス注:ジョンソン*4大統領といった)民主党政権が担い、共和党ニクソン*5大統領が終わらせた。

 無茶苦茶ですね。単に米国では「リベラル派」でも「戦争に躊躇しない人間が多い」だけですし、ベトナム戦争とは果たして「自由と人権を守る」なんてきれい事だったのか。全然そうじゃないわけです。単に米ソ冷戦が熱戦化しただけじゃないですか。
 ニクソン終戦させたて、別に当時ニクソンじゃなくても終戦以外に何か手があったのか。対立候補民主党のハンフリー*6が当選すれば戦争が続いたとでも言うのか?

 だが日本では逆だ。国民が中国に何をされても*7、中国の属国であろうとする*8韓国に領土*9を奪われ国民の名誉を大嘘*10で汚されても、中国が属国にしたい北朝鮮に国民が拉致されても、一切争わず*11に、国民より中韓北朝鮮を尊重*12する人々を指している。

 やれやれですね。青山は日本政府にどうして欲しいのか。竹島自衛隊で奪還しろとでも言うのか。
 そして何か欧米のリベラルは中国や北朝鮮を「産経レベルに敵視してるような物言い」ですがそんなこともないでしょう。まず中国。今や欧米の政治家だって中国の経済力を重視し、産経のような打倒中国なんて人は極右以外いません。そう言う意味では欧米のリベラルは日本のリベラルと大して変わらないでしょう。
 次に北朝鮮。欧米のリベラルの中には「訪朝したカーター元米国大統領」のような「交渉派」もいるわけです。まあ大部分の欧米リベラルは「北朝鮮なんてアジアの小国には興味ない」と思いますが、いずれにせよこれまた産経的な打倒論は少数派でしょう。


■【どうなる?夫婦別姓】問われる家族のあり方 「日本人の道徳観に悪影響も」
http://www.sankei.com/affairs/news/151213/afr1512130010-n1.html
 記事は

都内に住む井上大介さん(41)=仮名、川野希美子さん(41)=同=は平成23年、お互いの姓を残すために事実婚を選んだ。
 子供は保育園児の長女が川野姓、生まれたばかりの次女は井上姓だ。「家族の中で姓が違うことを子供自身がどう受け止めるか、という迷いはあった。だが、子供のことを考えていない親はいない。子供が不安にならないよう丁寧に説明していきたい」と井上さんは語る。

と割とまともなのに最後のコメントが百地ってのがねえ。

日本大学法学部の百地章教授(憲法学)の話
夫婦別姓を選択すれば、親子別姓にもなる。夫婦の事情のみで、自分自身に決定権のない子供の姓を決めることがいいのか。」

 おいおいですね。そんな事をいったら夫婦同姓(たとえば鈴木さんと佐藤さんの結婚で、佐藤にするとか)だって「自分自身に決定権のない子供の姓」を決めてるわけですが。

 親子の一体感の希薄化や子供の不安感などが生じ、成育に支障を来すことも考えられる。

 そんなことはないでしょうよ。あるという根拠が出せるのか。

 別姓が2代、3代と続けば、自分自身の家系をたどることが困難になることが想定され、祖先を敬うという日本人の道徳観に悪影響を与える可能性も出てくる。

 また酷い詭弁ですね。あえて言えば夫婦同姓で姓を変更する方がよほど「姓の変更によって自分の祖先をたどることが困難」じゃないんですかね。まあ、夫婦同姓だろうと別姓だろうと本当のところは戸籍や家系図でいくらでもたどれるでしょうが。

 また、一部の世論調査では賛成・反対が拮抗しているとされるが、賛成の多くは『自分は同姓を選ぶがしたい人は別姓にすればよい』という消極的な考え方だ。

 いやだからそれで何が悪いんですかね。「俺は個人的には同姓支持だから、皆が同姓であるべきだ」というのはまともな考えとは言えません。個人の自由にゆだねるべき事は個人の自由でいいわけです。


■【安倍政権考】自民党憲法改正論議が停滞モードに突入 ド素人*13のツートップにやる気みえず 「急がば回れ」戦術なのか
http://www.sankei.com/premium/news/151213/prm1512130032-n1.html

議論そのものが参院選後に先送りされそうになっている。

 「国民の反発を買いそうなことは選挙後に持ち出す」というのは自民党お家芸のわけですが、産経は「結局改憲なんかしないんじゃないか」「安倍で改憲できなかったら改憲無理じゃないか」と不安で仕方がないわけです。しかしここまで改憲にこだわる産経も全国紙と言うよりは右翼機関紙と化しています。

宮城県議選や福島県議選では、安保関連法や大筋合意した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など、国政の課題への反対を訴えた共産党など野党が伸長し、自民党は苦杯をなめた。

 「だから改憲については曖昧にごまかしてるのだ」という産経です。しかし「伸張」「苦杯」と随分産経も正直なもんです(苦笑)。


■【続・猛虎伝〜日本一の裏側】《2》 短期決戦、圧倒的「打力」も…データは語る西武「圧勝」
http://www.sankei.com/west/news/151211/wst1512110057-n1.html
 長い間、阪神はリーグ優勝から遠ざかっており、また吉田監督も監督として「初の優勝」、一方、西武は、ヤクルト監督、西武監督として既に何度もリーグ優勝経験、日本一経験がある広岡監督*14ということで「4勝3敗と試合がもつれても西武有利」というのが事前予想だったわけです。

そんな中、唯一「4勝1敗で阪神、日本一や!」と叫んだのは当時、関西のラジオ番組「おはよう、パーソナリティー」(朝日放送)で毎日、タイガースの応援歌「六甲おろし」をかけ続けていた虎ファンアナウンサー、中村鋭一さんぐらいのものだった。

というのも本気でそう思ってると言うよりは「そのくらいの心意気でぶつかって欲しい」という話でしょう。
 しかし実際は「4勝2敗で阪神勝利」ですから試合は分からないもんです。なお、現時点ではこれは阪神にとって唯一の日本シリーズ優勝です。

*1:『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)など反中国著書多数

*2:『中国はチベットからパンダを盗んだ』(2008年、講談社+α新書)、『なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか』(2009年、祥伝社新書)、『中国の「日本買収」計画』(2011年、ワック文庫)など反中国著書多数

*3:マサチューセッツ州下院議員、上院議員を経て大統領

*4:テキサス州下院議員、上院議員民主党院内総務、ケネディ政権副大統領を経て大統領

*5:カリフォルニア州下院議員、上院議員アイゼンハワー政権副大統領などを経て大統領

*6:ミネソタ州上院議員、ジョンソン政権副大統領など歴任。

*7:反日デモによる中国進出日系企業の被害のことか?

*8:もちろん韓国は中国の属国ではありません。

*9:竹島のこと

*10:慰安婦問題のことか?

*11:「日本は竹島領有権を主張しています」し、拉致についても制裁を発動しています(日朝交渉再開時に一部解除しましたが)。どう見ても「争ってる」のですが青山はどういう認識をしてるんでしょうか。

*12:河野談話撤回論」「南京事件否定論」などのバカを言っても何がどうなるもんでもないと言う事も青山には理解できないようです。

*13:法相経験者なので別に素人ではありません。産経が期待するほどのウヨじゃないと言うだけです。

*14:もちろん選手も「初の日本シリーズ阪神」に対し、「出場経験のある西武」というハンデがあったわけです。