今日の産経ニュース(2020年12月14~16日分)

【正論】共産主義の工作扱う情報史学を 評論家・江崎道朗 - 産経ニュース
 まあ、馬鹿馬鹿しいですね。もちろん「共産主義国家の歴史」は歴史学の研究分野になっています。今時、左派の歴史学者ですら「スターリンタブー」とかあるわけもない。もちろん「左派でない歴史学者」には最初からそんなもんはない。産経や江崎らウヨの言う「共産主義の工作」云々とは「ソ連の命令で動いたゾルゲや尾崎秀実のせいで日米戦争になった」などという「反共陰謀論」「反共デマ話」「日本の戦争責任をチャラにしようとする居直り」にすぎません。
 一方で江崎らウヨは「日本の戦争のおかげで東南アジアが独立できた」と言うのだから滅茶苦茶です。
 ウヨ連中はとにかく「日本は悪くなかった」と言えればそれでいいわけです。だから主張が支離滅裂になる。
 「ソ連の命令で動いたゾルゲや尾崎秀実のせいで日米戦争になった」と「日本の戦争のおかげで東南アジアが独立できた」が「両方とも正しい」なら「ソ連(あるいはゾルゲや尾崎)のおかげで東南アジアは独立できた」ことになるのですがそう言ったら「そんなことは言ってない!」と言い出すのが江崎らウヨでしょう。


【主張】座間事件に判決 死刑の必要性を痛感する - 産経ニュース
 今回の座間事件に限らず、「オウム地下鉄サリン事件」であれなんであれ凶悪事件(典型的には大量殺人)が起こり死刑判決が出ると「死刑を求める遺族感情や国民感情」を理由に「死刑の重要性」を「確信」するいつもの産経です。
 決して「免田事件など死刑冤罪の再審無罪」「死刑冤罪が疑われる袴田事件の再審決定」などで「死刑廃止論に確信しない辺り」が全くデタラメです。
 むしろ「死刑廃止論」の俺なんかは「座間事件」などについては「結局、感情論しか根拠に出来ないのか」ですね。
 普通の人間は座間事件の犯人のように「金目当てに9人も殺したりしない」。金を得るだけなら「窃盗や詐欺、横領など」もっと割の良い犯罪はある。どうみても「異常な殺人衝動があった」としか思えません。
 また、普通の人間は「死刑判決が出ても、表面上は何の感情も表さない」なんてこともない。つまりはこの被告人、
世の中自殺をふくむ極端な行動をとる人は、発達障害や精神障害の場合が多そうだ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が紹介する「発達障害精神障害」ではないか(なお、発達障害精神障害だからと言って当然に心神耗弱・喪失が認められ、無罪や減刑になるわけではありませんが、法廷戦術として、「発達障害精神障害」を理由にした心神耗弱の主張は当然あり得ます。残念ながら(?)今回はそうした主張が認められなかったわけですが)。
 そうした人間に対しては当然ながら「死刑による犯罪抑止効果」なんてもんは期待できません(死刑反対派に寄れば、そもそも統計上「死刑廃止国で死刑存続前より犯罪が増え、それは廃止が理由とみられる」などといった「死刑の犯罪抑止効果を示すデータ」はどこにもなく、むしろ『犯罪は様々な要因で起こるので死刑の有無は犯罪抑止効果にはあまり影響はない』とみるのが通説のようですが)。
 そうした人間を死刑にしたところで「深く後悔している」とか「死刑を恐れてる」とか言うことも期待しがたい(そのように当人が思ってるかは極めて怪しい)。俺なんかは「それで死刑にして意味あるのか?」と思いますね。むしろ「釈放のない終身刑」のほうが余程重刑ではないのか。そして繰り返しますが「死刑冤罪の問題」が無視できないわけです。

 内閣府が昨年実施した世論調査では「死刑もやむを得ない」との回答が8割強を占めた。死刑制度は、十分に国民の賛意を得ているといえる。

 国民感情が明らかに「夫婦別姓」「女性天皇」を容認しても「日本の伝統に反する」の一言で否定するくせに何ともデタラメな産経です。
 そもそも「夫婦別姓」「女性天皇」などと違い、「死刑を正当化するような報道ばかりマスコミがする」「法務省も露骨に死刑正当化を図ってる」のだからこうなるのも当然でしょう。
 そもそも「国民が支持しようがすまいが」死刑冤罪の問題を考えれば死刑は速やかに廃止して当然です。また、アジア、アフリカの独裁国家ではあり得ても「今の日本ではまずあり得ないこと」ですが「でっち上げ大逆事件幸徳秋水らに死刑執行)」「欧米の批判で無期に減刑されたとはいえ、光州事件での金大中死刑判決」のように「死刑が時と場合によっては反政府派の弾圧に使われる」と言う問題も死刑にはあります。


選択的夫婦別姓の是非、慎重派が巻き返し 自民党内は容認論拡大 - 産経ニュース
 ということで「反対派の巻き返し」で「別姓論に好意的だった当初の記述」が「それほどでもなくなった」ようですが
1)とはいえ当初の記述でも「別姓を導入する」とはなっていない
2)また、自民党内の承認を得た最終決定版も「別姓を否定しているわけではない」
と言う意味では「産経ら反対派も大喜びできない」し、別姓賛成派も「必要以上に意気消沈する必要も無い」でしょう。

夫婦別姓に慎重だった安倍晋三政権の退陣に伴い容認論が増えたとの見方がある。
自民党は長く夫婦別姓に慎重な立場だったが、近年は女性の社会進出などを背景に賛成意見が増えた。8日の会合では19人が慎重意見を、18人が推進意見を述べ、賛否が拮抗した。

 と言って安倍退陣を悔しがる産経です。しかしそれが事実なら「安倍の恫喝で自由に物が言えなかった党内が(夫婦別姓限定だとしても)自由になった」ということですから1)何が何でも夫婦別姓反対か、2)何でもかんでも安倍万歳の人間でない限り、むしろ「大変いい話」です。
 大体これが逆に

夫婦別姓に積極派だった安倍晋三政権の退陣に伴い慎認論が増えたとの見方がある。

なら「安倍首相の別姓賛成論ごり押しがなくなって本当に良かった!」と言ってるのが産経でしょうし。
 なお、産経ですら「賛成派」とは書けても「反対派」と堂々と書けず「慎重派」と書くのも興味深い。
 本心は勿論反対派ですが「何が何でも絶対反対じゃない、拙速な導入には慎重なだけだ!」と言い訳する程度には日本において「賛成論が強まってきた」とはいえるでしょう。
 まあ、その産経の理屈ならいわゆる護憲派(俺もその一人ですが)も「改憲慎重派」がほとんどですね。

 安倍氏は今回、推進派に誰が名を連ね、どのような活動を展開したかに関心を示していたという。

 「安倍様を怒らせたら後が怖いぞ!」という「恫喝のつもり」でしょうか?。未だに安倍や産経は「安倍再々登板」なんて馬鹿なことを考えてるのか。
 どっちにしろ自民党内の夫婦別姓賛成派の多くは「安倍の復権などもはやさすがにない」「仮に復権しても、もはや夫婦別姓賛成レベルで報復できるような時代ではない」と言う判断でしょうから「はあ?」でしかないでしょう。


中国共産党員、上海の10外国公館で勤務 豪メディア報道、「安全保障上の懸念」 - 産経ニュース

 中国共産党の党員は、2019年末時点で約9200万人にものぼる。

 というのだから「居て当たり前」でしょう。情報漏洩の事実が指摘されてるわけでもないし、何が「安保上の脅威なのか」さっぱりわかりません。


防衛省、令和3年度予算案5兆3400億円 過去最大もF15は痛手 - 産経ニュース
 防衛費の無駄遣いも大概にして欲しい。そんなことよりも税金を使うべきは社会福祉や科学技術振興でしょうに。


茂木外相、アフリカ歴訪帰国 中国台頭にくさび モーリシャス支援など表明 - 産経ニュース
 茂木外相が一回訪問した程度で「中国への牽制になるわけがない」でしょう。本気でアレ、虚勢でアレ、馬鹿げています。


【主張】GoTo全国停止 28日まで待つ必要あるか - 産経ニュース
 コロナの蔓延で日本経済がボロボロになるのは恐れてるのか、はたまた菅内閣支持率の降下を恐れてるのか、あの「自民党応援団」産経ですら「28日中止では遅すぎないか」と菅批判です。