今日の産経ニュース&人民日報ニュース(3/6分)

■人民日報『中国のアイドルグループ Lunar*1が鹿児島の観光プロモーションビデオに起用』
http://j.people.com.cn/n3/2017/0303/c94473-9185238.html
朝日新聞鹿児島版『上海のアイドル、鹿児島の魅力発信 PVを撮影』
http://www.asahi.com/articles/ASJ8Y6S36J8YTLTB00Z.html

 まあ、こうなった理由の一つは「中国人観光客を鹿児島に呼びたい」つうことでしょう。産経がどんなに中国を罵倒しても何がどうなるわけでもないわけです。
 しかし昔は「中国のアイドルグループが日本で活動して、自治体の観光プロモーションビデオに起用される日が来る」なんて思っても見ませんでした。


【ここから産経です】
■【森友学園問題】小学校認可先送りへ、大阪府が方針固める
http://www.sankei.com/west/news/170306/wst1703060010-n1.html
 疑惑追及のひとまずの成果ですが「先送り」ですからね。「ほとぼりが冷めてから認可」がないようにするさらなる追及、監視が必要でしょう。


■中国の減速、日本にも影 6.5%成長目標、頼みの外需下押し
http://www.sankei.com/economy/news/170306/ecn1703060016-n1.html

 中国の全国人民代表大会全人代)で5日に示された2017年の成長率目標は「6.5%前後」にとどまり、中国経済の成長減速が容認される形となった。中国の消費や投資の低迷が進めば、対中輸出が製造業を中心に年13兆円に達する日本経済も打撃を受ける。足元で進む外需主導の日本の成長シナリオは、冷や水を浴びせられかねない。
 今回の成長率目標について、SMBC日興証券の丸山義正氏は「急激な減速というほどではない」とした上で、「中国の成長失速は日本の輸出に大きな影響を与える」と指摘する。
(中略)
 今後、再び中国経済が減速すれば、日本の製造業の業績は再び悪化する恐れがある。

と言うわけで産経でもまともな記者は中国経済が沈没したら日本も共倒れと言う事が分かってるわけです。


■連合・神津里季生会長「民進党に政権に復帰してもらいたい。一強政治はまっぴらごめん」
http://www.sankei.com/politics/news/170306/plt1703060045-n1.html
 野党共闘に敵対的な態度を見る限りてっきり連合は「自民党にこびへつらって利権が得られるならそれでもいい。原発労組を抱える連合として脱原発を訴える共産党とは共闘できない」と思ってると考えてました。
 なお、「民進党に政権復帰して欲しいが共産党と共闘したくない」というのは現実的に無理で「子どものだだこね」と同レベルですので、その点は理解していただきたいところです。


■【主張】慰安婦像 反日は危機を招くだけだ それでも韓国は世論に抗しきれないのか
http://www.sankei.com/column/news/170306/clm1703060002-n1.html
 「少女像(産経の言う慰安婦像)が反日なら、原爆ドームは反米、舞鶴のシベリア抑留記念館は反露にならないか?」「米国のホロコースト記念館は反独にならないか?」と思わない辺りが産経らしいデタラメさです。
 「こんなことでもめたら北朝鮮を利する(産経)」というのも「手前が撤去要求を取り下げればいいだけだろうが!」で終わる話です。
 なお、日韓合意に何処にも「少女像撤去」なんて書いてないので「約束を守れ」つう産経の言い分は全くの虚偽です。
 また「北朝鮮との間に帰国約束があったとしてもそんなもん拉致被害者やその家族は同意してないから無視していい」という産経理論なら仮に約束があったとしても「慰安婦や支援者は同意してないから無視していい」話になります。産経や自民党政権が「約束を守れ」と韓国にいうならまず北朝鮮に「帰国約束を破ってスミマセン」とわびるべきでしょう(実は小泉第二次訪朝でそう言うわびが小泉首相ら日本側から入った「らしい」と言う話もあるようですが)。
 ちなみに、「米国のホロコースト記念館」を考えれば「米国の少女像(産経の言う慰安婦像)」は何ら不思議ではないでしょう(断っておきますがこれは「ホロコースト慰安婦は同列にしている」わけではありません)。なお、ホロコースト記念館についてはネオナチなどは産経同様の「歴史戦」を米国で展開しているわけです。


■【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】歴史捏造・歪曲と「血債」 ナチスと同列に置こうとする危険な人脈
http://www.sankei.com/premium/news/170306/prm1703060006-n1.html
 そもそも「ナチスと同列に置く人間」など「一部の少数派ではいるかも知れません」が多数派とは言えないのでよしこの発言は最初からデマカセです。
 「ドイツは過去の戦争犯罪をそれなりに反省してポーランドなどと和解してるのに日本は酷すぎる」つうのは別に「同列においてるわけではない」。
 「ドイツにできること(戦争犯罪に対する一定の反省)が何で日本にできないのか」つう指摘にすぎません。
 そして仮に「ナチスと同列に置く人間」がいたとしても「日本の戦争犯罪について事実の歪曲、誇張などしない限り」それは価値観の問題にすぎない。少なくとも「慰安婦南京事件も嘘だ」とデマを飛ばすよしこよりはマシです。

疑問を解く鍵のひとつが「血債(けっさい)」という言葉ではないだろうか。

 ググれば分かることですが「血債」とは「加害者が被害者に償いをすべき加害行為」で具体的には「戦争などによって肉親の命や財産などを不当に奪われること」を意味します。「償いをすべき」というニュアンスがあるため「債」の文字が使われるわけです。
 まあおそらくは「もともとは中国語」で、使われるケースも「旧日本軍の戦争犯罪南京事件など)」が多いのでしょうが、言葉の意味としてはそれに限定されません。
 たとえば、反共分子よしこが非難するであろう「スターリン粛清や文革ポルポト虐殺での犠牲者」も「血債」のわけです。
 で「血債」というのは「細かいこと無視して」すごくアバウトに、すごく平たく言えば「戦争などの犠牲者のことについてまじめに考えて、わびるべき点、償いをすべき点があれば被害者のためにそうしよう」つう話でしかないわけです。

「アジアの民衆に対する日本人の加害責任」は血を以て果たさなければならないと考えたことが伝わってくる。

 おいおいですね。よしこには「言葉の綾」「修辞表現」つうもんがわからないんでしょうか。
 「万死に値する行為で心からわびる」と誰かが言ったらよしこは「万死に値すると思うなら自殺しろ」つうのか。
 誰が考えても文字通りに「血で償わせる」なんてことではないでしょう(なお、そうしたよしこ的『血債』曲解に近い考えはむしろウヨ連中の死刑賛成論です)。
 「血のにじむような思いで成された、真の謝罪」とかそう言う意味だと言う事は常識人ならわかる話です。
 内田氏*2は勿論ですが、大道寺死刑囚ら「東アジア反日武装戦線」の面子にしても「日本人に血で償わせるために三菱重工ビル爆破などで殺人した」というほど安直、単純でもないでしょう。
 つうかそもそもよしこが強弁するほど『血債』て言葉が日本で普及してるとも思いませんけどね。

大道寺死刑囚らの主張について内田氏は、「日本及び日本人の加害責任についてもう一度考えてみようということが強調されている今日、振り返ってみれば彼ら東アジア反日武装戦線の諸君の言っていることには何ら奇とするところはない」と擁護する。

 勿論内田氏は「日本の戦争犯罪を日本人として真剣に追及しよう、反省しようという限りにおいては」、大道寺死刑囚らの主張には一理あると言ってるだけで、当然ながらテロ行為を擁護してるわけではありません。
 こういう物言いは是非はともかく「イスラエルパレスチナ弾圧を無視してパレスチナテロを批判出来るのか」「中国のウイグル統治の問題点を無視してウイグルテロを(以下略)」など現在でもよく見る主張です。特にウイグルテロについての「ウイグルテロリストを一方的に非難出来るのか」なんてよしこら反中国ウヨが言ってることですし。

*1:公式サイト(http://www.lunargirls.jp/

*2:著書『「戦後補償」を考える』(1994年、講談社現代新書)、『「戦後」の思考:人権・憲法・戦後補償』(1994年、れんが書房新社)、『憲法第九条の復権』(1998年、樹花舎)、『敗戦の年に生まれて:ヴェトナム反戦世代の現在』(2001年、太田出版)、『これが犯罪?、「ビラ配りで逮捕」を考える (2005年、岩波ブックレット)、『靖国には行かない。戦争にも行かない』(2006年、梨の木舎)、『靖国問題Q&A:「特攻記念館」で涙を流すだけでよいのでしょうか』(2007年、スペース伽耶)、『ここがロードス島だ、ここで跳べ:憲法・人権・靖国歴史認識』(2011年、梨の木舎)、『天皇を戴く国家:歴史認識の欠如した改憲はアジアの緊張を高める』(2013年、スペース伽耶)、『想像力と複眼的思考:沖縄・戦後補償・植民地未清算・靖國』(2014年、スペース伽耶)、『靖国参拝の何が問題か』(2014年、平凡社新書)、『和解は可能か:日本政府の歴史認識を問う』(2015年、岩波ブックレット)など