ペマ・ギャルポのトンデモぶりが笑える・パート17(追記・訂正あり)

 新たにエントリを書くのが厄介なので、ペマ以外のチベットネタ、中国ネタ及び「リベラル21(主として阿部治平*1批判)&ちきゅう座」ネタなども書いています。
■意外な落とし穴? 中印国共の緊張―正念場の習近平(4)(田畑光永
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4072.html

 習近平が出かけた先で会うのは、大統領とか首相とか、ともかくその国の政治のトップである。そのほとんど*2は選挙で選ばれた人間のはずだ。だからいつまでもそのポストに座っていることはできない*3

 いや今時「独裁者」でも「死ぬまでトップ」とかあまりないですね。
 中国の江沢民*4胡錦濤*5国家主席しかり、ベトナム国家主席*6しかりです。
 たいてい定年制や任期制限があるし、「若手に席を譲れ」という圧力もあるわけです。 

任期中に寝首をかかれるようなことはまずない

 田畑の言う「民主国家における寝首」が何を意味するかよく分かりませんが、これは独裁国家とか民主国家とか関係ない話でしょう。
 トップを引きずり下ろすなんてことは何処の国でもそう簡単にできることではありません。一方で可能なら民主国家においても野党は勿論、「与党内反主流派」はトップを引きずり下ろしたいでしょう。
 有名な自民党40日抗争なんかはその一例です。

任期が終わって辞めた後は、引退するもよし、再挑戦するもよし

 田畑の言う再挑戦が何を意味するか知りませんが、仮に「トップ再挑戦」なら「我が国の安倍」「大統領選再出馬を目指したフランスのサルコジ*7(結局、失敗しましたが)」のような例外ケースを除けばそんなことはまずありません。

 トップにいることの緊張感、不安感、圧迫感は習近平が北京で日常感じているのに比べれば、ほとんど取るに足りない程度であろう。

 いやそんなことはないでしょう。
 田畑は「そんな緊張感を感じる習は異常」とでも言いたいのでしょうが、トップに立てば誰だってそれなりの重圧感は感じる。
 例えば「大平正芳*8小渕恵三*9が在任中に死亡した」「第一次安倍政権で安倍が大腸炎*10だった」理由の一つはそう言う事でしょう。
 悪政や不正をやれば最悪、野党どころか与党内からも批判がとんでくるし、別にそうした批判がなくても「国のトップである自分の政策が国の命運を変えること」にストレスを感じない人は普通いない。
 田畑の主観が何でアレ「習の緊張感に比べたら、英国のメイ首相、フランスのマクロン大統領、ドイツのメルケル首相、等の緊張感は取るに足らない」といったら、田畑の類友はともかく、それ以外の人間は「そんなわけねえだろ!」と正気を疑うでしょう。

 そこで習近平は自分の立場の特異さを感じないのだろうか、いっそ選挙を取り入れた方がいいのでは、と思わないのだろうか、というのが私の疑問である。

 既に書きましたが選挙を取り入れたところでそうしたストレスは変わりません。
 民主国家においても「与党内反主流派の反乱」は自民党40日抗争のように、条件さえ整えば充分あり得るし、そもそも「反主流派の反乱」がなくてもトップの重責は重いでしょう。「重くない」なんて人間は普通いない。
 もちろん「だから選挙しなくていい」つう話ではなく、「田畑は言ってることがおかしい」つう話ですが。正直田畑だけでなくリベラル21の正気を疑います。
 ちなみに田畑がこういう事(選挙云々)言うのって「中国限定」ですよね?。たぶん他のアジア、アフリカの独裁国家(例:ベトナム)に向かってこういう事は言わない。田畑の異常な反中国には呆れます。

 外交についても、普通の首脳においては国益と私益の比率は当然、国益重視であろうと私は推察するが、習近平においては明らかに国益は私益に従属しているように見える。

 「田畑さん、あんたの言う政治における私益って何?」ですね。
 「池田*11元首相の九頭竜ダム疑惑*12、田中*13元首相のロッキード事件や、竹下*14内閣でのリクルート疑惑、安倍の加計・森友疑惑とかは私益なの、どうなの?」「自民党が露骨に統一協会霊感商法をかばってきたことは私益なの、どうなの?」「トランプが温暖化防止協定から離脱したことは(以下略)」ですね。
 習氏が国益オンリーとも思いませんが、民主国家の指導者においても「私益全くありません」なんてきれい事はないでしょう。だったら金銭での政治スキャンダルなんてあり得ない。
 「私益が全くないのに企業が政治献金する」なんてこともありえない。
 そして諸外国と比べて習氏の政治が「極端に私益に偏ってる」つうこともないでしょう。つうかこれの何処がリベラルなのか。産経新聞とまるで見分けがつきません。

 といっても別に習近平が外交で私腹を肥やしているというのではなく、外から見ておかしいことでも、国内における自己の権力の強化に役立つことが価値があるという意味である。

 言ってる意味がさっぱり分かりません。
 「外から見ればおかしくても内では何故かそれなりに支持がある(下手したら支持の方が多い)」なんて「ブッシュ子のイラク戦争」「トランプの温暖化協定離脱やイスラム差別暴言」「安倍の靖国参拝」など民主国家でもいくらでも例はあるでしょう。
 それは「国内と国外の価値観の差」にすぎないのであって、「民主国家だから、独裁国家だから」つう話ではない。つうかそれ「国益は私益に従属している」つう話じゃないでしょう。

 中国はなにしろ世界で最多の人口を擁する。面積では中国より大きな国はあるが、人口ではどこの国にも引けは取らない。だから多くの国にとって中国との関係をどうするかは、その国の外交政策において重要なファクターである。
 特に近隣諸国においてはとりわけそうである。

 そんな事は今さら田畑に説明されるまでもないことではあります。
 「人口が多い」ということは「市場が大きい」ということを意味するわけです。

すくなくとも15世紀半ばにポルトガル人が種子島に漂着するまでは、外交といえば中国大陸との関係をどうするかであった。

 いや欧米人の来航以降も「江戸時代において」メインの外交は中国外交でしょう。
 そして明治以降は「欧米相手の外交」の重要度は増しますが、それにしても「中国は重要だった」わけです。日清戦争以降昭和20年までの中国は日本にとって「どう植民地化していくか」という話になってしまいますが。

 習近平は2015年9月3日の「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念軍事パレード」を国威発揚というか、政権の威信発揚の場にするべく最大限の力を注いだが、これは底意が見えすぎて、ほとんどの国は習近平の引き立て役を演ずることを潔しとせず、首脳といえる参加者はロシアのプーチン*15、韓国の朴槿恵、この2人の大統領だけであった。

 「首脳が国家元首(大統領や国王、または、大統領や国王がいない場合の首相)を意味し」かつ

・モンゴルのエルベグドルジ*16大統領
南アフリカのズマ*17大統領

など「発展途上国国家元首など、政治力も大してないから首脳の名に値しない」つう立場に立てば田畑の言うとおりです。
 しかし「発展途上国国家元首も首脳と呼ぶべきだ」というなら既に名前を挙げた「モンゴルのエルベグドルジ大統領」などがいるわけです。
 また「国家元首でなくても首相(大統領や国王が国家元首の場合)や閣僚でも首脳と呼ぶべきだ」という立場に立てば、この式典に参加した

・フランスのファビウス*18外相
・イタリアのジェンティローニ外相

などは首脳に当たるでしょう。
 また建前では「私人としての参加」だったそうですが

・英国のブレア元首相
・ドイツのシュレーダー元首相

が参加しています。正直、ブレアやシュレーダーの参加を「政府関係ない」「今の英国やドイツは保守政権だけどブレアやシュレーダーは左派だから」と思うお人好しはあまりいないのではないか。
 俺の邪推ですがいざとなったら「政府は関係ない」と逃げられるようにした上での事実上の政府特使でしょう。
 もちろん「国家元首が行かなかったG7諸国」は田畑のような批判に一定の配慮をしたのでしょうが、一方で「政府高官を送り込むなどした」わけです。
 なお、辞書で首脳を引いても「国家元首」という定義では必ずしもありません。

 習近平朴槿恵大統領に対して、(ボーガス注:元韓国統監)伊藤博文を暗殺した安重根の記念館をハルビン駅に設けることを約束するなど大サービスをしたものだった。ところが韓国はその後、中國の猛反対を押し切って、北朝鮮に備えるため米の超高度ミサイル防衛システム(サード)の設置を受け入れ、習近平の顔をつぶした。

 中国がサード問題でとってるという「ロッテなど韓国企業への無茶苦茶な報復」まで正当化する気はさすがにありませんが、「自分がサービスしてやったのに相手がサービスしない」のなら習氏が怒るのは人として当然のことです。

 ベトナムとは西沙群島をめぐる対立はこれからも長く続くだろう。対立には慣れている両国だから、表立った争いはなるべく避けるだろうが、両国が打ち解けることはまずあるまい。

 田畑はこういう時「対立ばかりクローズアップします」が一方でベトナムがAIIBに加入していることを忘れてはいけません。

 南シナ海に限らず、このところミャンマースリランカパキスタン、はてはアフリカのジブチまで、中國が軍事基地ないしは軍事利用可能な港湾を確保しているのも、現実的な必要あるいは実益のためというより「威信」のためと見た方が理解しやすい。

 領土紛争になってる南シナ海ははともかくそれ以外は「ミャンマーなど現地政府の了解」が当然あるのでしょうし日本人にとってどうでもいい話でしょう。
 もしかして「どうでもいい話ではない、中国の軍事基地によって沖縄基地問題のような弊害ガー」「中央政府の了解があるからいいと言うなら、安倍政権が米国に対して了解している、沖縄基地問題も無問題になって良くない」「中国の基地はこういう理由で日本の国益を害してる」とか田畑が言うのかなと思ったら「実益無視*19で威信にこだわって中国ってだせえ、かっこ悪い」的なそれこそ「どうでもいいことしか書かない」のだから呆れます。
 なお、他の国はともかく、ジブチなら「ジブチPKOをやってる中国軍のための基地*20」というのが中国公式発表ですし、PKO基地なら「ジブチPKOに行っている日本自衛隊」もジブチにつくってるのですがその辺り、田畑はどう理解するのか。
 護憲派として「自衛隊ジブチ基地を認めない」のか、はたまた「自衛隊と中国軍は違う」と言い出すのか。もちろんまともな理屈でなければ「自衛隊と中国軍は違う」といっても呆れられるだけです。
 ちなみに「外からどう見えるか関係ない」といえば我が国の安倍もそのいい例でしょう。
 「ソウルの日本大使館前の少女銅像を撤去せよ」「南京事件資料のユネスコ登録が気にくわない」「靖国参拝して何が悪い」などといったところで世界からは「日本って戦前を美化する極右国家?」「中韓の日本批判には一理ある」としか思われないのですが「日本会議が喜べばいい&俺もその方が気持ちいい」とばかりに無茶苦茶やる安倍です。

 中國は大々的にインド軍の国境侵犯を宣伝し、きつい言葉で撤退を要求しているが、インド側もしぶとくねばっているように見える。
(中略)
 さて両国はどう収まりをつけるか、これは見ものである。

 習氏だけでなくインドのモディ首相も「安易には引けないが、商売相手なので対立エスカレートもできない」と言う意味では習氏と立場は変わりません。
 適当なところでお互い矛を収めるのでしょう。田畑はこういう時「対立ばかりクローズアップします」が一方でインドがAIIBに加入していることを忘れてはいけません。

 日本政府が尖閣諸島を国有化して、大規模な反日デモが起こったのは2012年9月、5年前の共産党大会を控えた時期であった。当時の中国は外に向かって弱いところを見せられない時だった。

 時期がどうこう言う問題じゃないでしょう。尖閣国有化は状況を大きく変えてるわけで反発が出るのは当たり前です。
 日本だって竹島北方領土で「韓国やロシアが何か建設物をつくった」など動きが出れば「大規模な反韓、反露デモなどおきない」ものの政府は抗議しますし、マスコミの多くも批判的に報じるわけです。


【追記】
1)なお、以上の文章を多少スリムにした上で田畑記事に投稿しました。多分掲載拒否でしょうが。
2)
■産経【中印国境対峙】中国インド国境 両軍部隊が撤退、2カ月超のにらみ合い終息へ 首脳会談控え歩み寄りか
http://www.sankei.com/world/news/170828/wor1708280038-n1.html
 ということで予想の範囲内ですが問題は平和的に解決しそうです。領土問題が解決したわけではありませんが最悪の事態は避けるという話です。


■I濱Y子ブログ「インドへ行ってきました」

 ダライラマがうまれた東北チベットは当時、イスラム軍閥の馬歩青将軍に占領されており、馬将軍はダライラマの候補者のラサへの出境とひきかえに膨大な身代金をチベット政府に請求したのだ。

 ということでチベット解放以前からチベット内政は混迷していたし、だからこそプンワンも中国共産党入りするわけです。

 平岡宏一先生より聞いた笑い話。
 ダライラマ14世猊下が幼児だった頃、いたずらをすると、教育係の大人たちは、三礼して兄弟を叩いたそうな(爆笑)。たとえ幼児であってもダライラマには誰も手が挙げられないという話です。

 「ダライだろうが子どもがいたずらをしたら叱るのは当然だろ、何その馬鹿げた行為」と嘲笑するならよくわかりますが、女史とその類友ですから「ほほえましい話」とでも思ってるんでしょう(苦笑)。


■リベラル21『似非毛沢東への道』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4060.html

 習近平が傾倒する毛沢東の治政

 仮に阿部が言うように習氏が自己への権力を集中しているとしてもそれを「毛沢東への傾倒」と表現するのは明らかに不適切でしょう。リベラル21にせよ阿部にせよまともな中国分析をしたいわけではなく単に悪口雑言したいだけでしょう。


■偶発事件をこじらせた処理 全ては中国漁船衝突に始まる(岡田充*21
http://chikyuza.net/archives/75464

 「毎日新聞」によれば、岡田は(ボーガス注:菅代表の任命で)民主党幹事長就任後の9月29日、事件を振り返って「当初この問題が起きた時、私も小泉政権の時のやり方が頭の中に浮かんだ」と述べた。
 小泉のやり方とは何か。2004年3月24日、尖閣諸島に上陸した7人の中国人活動家を日本側が「入管難民法」で拘束した処理のことである。7人を送検せず、2日後に中国に強制送還した。小泉純一郎*22首相は釈放時の記者会見で「日中関係に悪影響を与えないように大局的に判断した」と述べ、送還が「政治判断」だったことを率直に認めるのである。
 岡田は「事を荒立てないなら、そういうやり方もあっただろう」と、「毎日」に語っている。

 そして岡田充氏は「小泉路線をとらなかったこと」がその後の「日中関係に悪影響を与えた」と菅政権(菅*23首相、仙谷*24官房長官、岡田*25外相、前原*26国交相など)に批判的です。
 またこうした無謀な路線に至ったのは「当時、民主党代表選である種の政治空白があり、当初、まともに菅政権はこの問題を考えていなかったのではないか」とも岡田充氏は批判します。
 もちろん「野田政権の尖閣国有化」「安倍の靖国参拝」などその後の動きも非常に重要ですが「菅政権が無謀な強硬路線をとらなければ」「菅政権は愚かだった」と思うのは俺も岡田充氏と同じです。
 もちろん岡田氏が言うように菅政権は「中国の激怒ぶり」に結局恐れを成して船長を釈放しました。
 しかし当初は強硬路線で行くかのような態度をとってしまったが故に
1)中国の怒りは完全には収まらず
2)自民党から「変節だ」と攻撃をまねき、その後の「一色のビデオ流出」「石原都知事尖閣購入論」「『石原に購入されるぐらいなら』という理由での野田*27政権の尖閣国有化及びそれに対する中国の反発」という形でずっと尾を引くことになる
わけです。
 なお、中国の面子を守った「尖閣問題の処理」「金正男訪日問題の処理」でわかるように小泉氏とは「靖国参拝を強行したものの」、決して安倍ほどの計算無しの反中国極右ではないわけです。


朝日新聞ダライ・ラマ、生前の後継者選定示唆「女性もあり得る」』
http://www.asahi.com/articles/ASK895V1XK89UHBI02N.html
 ダライが転生霊童をやめたがってるのは「奥歯に物が挟まった物言い」ではあるが「何度もダライがそうした趣旨の発言をしてる」ので公然の秘密でしたが今回は「可能なら私の生前に後継者を決めたい」と更に踏み込んでいます。
 とは言え伝統墨守派の力が強いようなので「生前の決定」どころか「転生霊童制度の廃止」ができるかすら保証の限りではありません。
 なお、こうしたダライ発言の背景には
毎日新聞ダライ・ラマ外遊取りやめ 疲労でと法王庁
https://mainichi.jp/articles/20170813/k00/00m/030/149000c
というダライ高齢化という問題があるのでしょう。

 現在、中国とインドの軍隊が(ボーガス注:国境紛争のために)国境でにらみ合いを続けていることについては、「インドと中国は(ボーガス注:政治経済的な意味で?)兄弟。深刻な問題ではなく、戦争にはならない」と述べた。

 この辺りダライもなかなか冷静と言えるでしょう。


ニューズウィーク日本版『インドのしたたかさを知らず、印中対決に期待し過ぎる欧米』
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8142.php
 欧米が期待してるかどうか知りませんが産経や国基研、安倍政権ら日本ウヨが期待してることは確かでしょう。
 この記事は「欧米」を「日本右翼」や「安倍政権」に書き換えれば正しいと思います。
 ということで以下「欧米」を「日本右翼」や「安倍政権」と書き換えて上で引用紹介します。

 5月14日に北京で開かれた一帯一路サミットにインドは参加を見送った。中国がインドと係争中のカシミール東部で開発を進めようとしていると不快感を表明し、国境問題を持ち出した形だ。さらに6月3日朝に、中国軍の攻撃ヘリがインド北部のウッタラカンド州に侵入した。
 インドと中国は決別した。
 そう早とちりして日本右翼がインドを引き込むチャンスと思い込むと手痛い目に遭うだろう。インドはアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーだ。
(中略)
 16年の印中両国間の貿易額708億ドルのうち、中国からインドへの輸出額は583億ドル。インドで中国製品の存在感は圧倒的で、家電ばかりか、ヒンドゥー教の神像など外国人観光客が買う土産物までが中国製だ。中国製日用品の一大集散地である浙江省義烏には、インド人バイヤーが押し掛けている。
 インドの街を歩くと、地下鉄の工事現場に円借款供与案件であることを示す日の丸印のすぐそばに、中国の建設企業の看板が立っている。価格や工期などで優れている中国企業が落札してしまうのだ。
(中略)
 中国との対立を売りに安倍政権から支援を得ながら、中国ともしっかり裏で手を握る。13年には国境防衛協力協定を結び、不測の衝突を防ぐための一連の措置を合意しているのだ。
 タフな交渉で知られるロシアの外交官がある時、こうこぼしていた。
「インドほど交渉上手な国はない。ロシアの戦闘機を買うと言って喜ばせておいてから、何年も延々と値下げ交渉を仕掛けてくる」


■「中国の科学研究」ツイート

 山形方人がHattoriMをリツイート
 日本のサイエンスが伸びないのは、1. 海外からの帰国組の採用を妨害。2. 機器類の個々のラボでの限定使用囲い込みとコアファシリティ設立の妨害。維持を考慮しない使われない機器への思いつきのような投資。3. 大学院生への全くないサポートの三点が外からみた印象。

HattoriM‏ @HattoriM
 グラント*28の額がそれほどでもないのに中国のサイエンスが伸びているのは、1. 海外からの若手帰国組の積極採用。2. コアファシリティ、共通機器への一貫性のある継続投資。3. 大学院生への充実したサポートの三点が中からみた印象。

 実際どうか知りませんが、阿部治平の「科学の発展には民主主義ガー」よりはこっちの方が説得力がある気がします。山形ツイートはもちろんパロディですが、少なくとも山形氏の主観的には「事実に反したパロディ」ではないんでしょう。


■リベラル21『 異例づくめの閲兵から読み取れるもの―正念場の習近平 2』田畑光永
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4051.html

8月1日は中国軍の、より正確には中国共産党軍の建軍記念日である。

 確かに人民解放軍は実態はともかく「建前は党の軍」という特異な軍ですがこの文章においてわざわざそんな事書く必要があるのか。

1927年のこの日の夜、江西省南昌*29共産党員による最初の武力蜂起が起こった。それ以来、今年で90年である。その記念日を前に7月30日、習近平は中央軍事委員会主席として12000人の兵員が繰り広げた訓練とデモンストレーションを閲兵した。
(中略)
 中国の閲兵といえば一昨年の9月3日、抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利70周年を祝う大がかりな軍事パレードが北京で行われたことが記憶に新しい。
(中略)
 あれからまだ2年足らずなのにまた閲兵とは異例である。
(中略)
 中国というと閲兵大好きな国と思われるかもしれないが、じつはそんなにしょっちゅう軍事パレードをやっているわけではない。これまでで16回だそうである。それも建国何周年といった節目の年に行われるのが通例である。一昨年は第二次大戦終結50周年、これも節目といえば節目であった。
 今年の閲兵は前回から2年しか経っていない上に、そういう名分がない。

おいおいです。
人民解放軍創立90周年」という名分でやったと書いた後で「名分がない」。田畑の日本語は崩壊しています。
 ここは「人民解放軍創立90周年は、抗日戦争勝利70周年と比べ名分として弱い。後付けの理屈じゃないか」と善意に解釈すべきなのでしょうが「プロのジャーナリストのはずの田畑」が「読み手が善意に理解しないといけない駄文」を書くとは困ったモンです。
 なお、田畑の見立てですが「中国政治について一定の知識があった、かつ勘のいい人はすぐに分かるかも知れませんが」、近々ある党大会を前に「権威発揚をしたかった」という見立てです。


■リベラル21『「親しまれるより」より「畏れられたい」―正念場の習近平*301』(田畑光永*31
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4045.html

 しばらく中国のことを書く気がしなかった。なぜなら最近の中国は、何を書いても、かねてから「反中国」を売り物にしている某紙の論調と似たようなことになる

 某紙とは産経でしょう。田畑がまともならそんな事にならないんですけどね。
 例えば赤旗http://www.jcp.or.jp/akahata/)や浅井基文ブログ(http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/)なんかは「フィリピンやベトナムのAIIB加入」を指摘し「南シナ海問題について中国の脅威ばかり煽るのは適切ではない」としています。
 中国と東南アジア諸国が対立一辺倒なら「フィリピンやベトナムのAIIB加入」なんてありえない。
 あるいは
■産経『中国がフィリピンの家政婦を受け入れへ 規制を大幅緩和 南シナ海めぐりドゥテルテ*32政権に「アメ」』
http://www.sankei.com/world/news/170802/wor1708020034-n1.html
からも中国と東南アジア諸国の関係が対立一辺倒でないことが分かるわけです。
 しかし残念ながら田畑本人が認めてるように田畑はそう言う事は書かずにただ中国脅威論を煽るだけです。呆れます。

 中国政権も表向きはそうした外からの「干渉」を断固拒絶しながらも、行政末端の村では村長選挙を実施したり、政権にたてつく人間を法律によらずに辺縁の地に送る「労働改造」制度を廃止したりと、やがては普遍的価値を認める方向に進むことを期待させる措置をとった。

と書きながら結局中国政府の非難に話を落とす田畑です。


■I濱Y子ブログ『劉暁波氏の死を悼む』

 (ボーガス注:中国政府の教育分野での政治統制は)なんか文学部の廃止*33を臭わせたどこぞの国の文科省を思い出す

 「どこぞの」ってのはもちろん日本です。
 これについては
赤旗
■「文系廃止」通知 破綻に直面
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-12/2015101202_02_1.html
■国立大文系廃止に抗議、17大学学部長 「人的基盤ゆるがす」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-27/2015102701_04_1.html
■日経・社説『大学を衰弱させる「文系廃止」通知の非』
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO89875350Z20C15A7EA1000/
■産経『【日本の議論】国立大の「文系廃止」の誤解はなぜ広がったのか? 原因は「舌足らず」の通知文 文科省は火消しに躍起だが』
http://www.sankei.com/premium/news/150907/prm1509070006-n1.html
朝日新聞
■書評:「文系学部廃止」の衝撃 [著]吉見俊哉*34
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2016032700012.html
毎日新聞
滋賀大学長、文系軽視、教育後進国並み…文科省を批判
http://mainichi.jp/articles/20160406/k00/00m/040/136000c
村上陽一郎*35・評 『「文系学部廃止」の衝撃』=吉見俊哉・著
https://mainichi.jp/articles/20160306/ddm/015/070/017000c
週刊新潮文科省の「文系軽視」で日本が滅ぶ』佐和隆光*36滋賀大学特別招聘教授)
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/01010559/
を紹介しておきます。文科省を批判する赤旗や日経に対し「誤解です」「文系廃止なんて言ってない」という政府、与党、文科省&産経です。
 なおこういう時に「文科省など役所に皮肉は言えても」、何故か自民党や安倍政権に皮肉が言えない辺りさすがのI濱クオリティです。
 「悪いのは役人、自民党悪くない」とでも思ってるのか。

 2008年にチベット蜂起があった時、某新聞者の元記者の方*37に「これだけ毎日大騒ぎしていても一ヶ月もたてばみな忘れますよ」と言われてイラッときた

 でも事実ですから(苦笑)。
 某記者氏が「I濱に対する嫌みとして言った」のか、はたまた「ぬか喜びは駄目です」という「諫言のつもりで言った」のかはともかく「イラッとしかしない」辺りI濱も全くどうしようもないバカです。


■産経【びっくりサイエンス】中国がついにブラックホールも生成へ? 世界最大の加速器を計画、引き離される日本(科学部 小野晋史)
http://www.sankei.com/premium/news/170729/prm1707290019-n1.html

 科学技術の躍進が続く中国で、世界最大の円形加速器を建設する動きが本格化している。計画通り2040年に本格稼働すれば、現代物理学への大きな貢献が期待される
(中略)
 日本や中国の専門家によると、世界最大の加速器は中国科学院(CAS)の高能物理研究所が建設を目指している実験施設で、「SPPC」と呼ばれている。
(中略)
(ボーガス注:SPPCは)人類にとっては未知の領域で、実験によって新しい物理学の地平が切り開かれると見てよいだろう。
(中略)
 建設の候補地は北京から東へ300キロほど離れた秦皇島(しんこうとう)という名の地方都市。万里の長城の東端である山海関に近く、渤海に面したこの場所が、将来は世界中の研究者が集まる物理学の中心拠点となるかもしれない。
 ただ、SPPCは建設が容易ではないのも事実だ。
(中略)
 建設に関わる予算は200億元(約3200億円)と見積もられているが、これで収まる保証はない。
(中略)
 そのため、建設をめぐっては異論もあり、ノーベル物理学賞を1957年に受賞した中国物理学界の重鎮である楊振寧*38が「他にお金を使うべきだ」と反対意見を表明。これに対し、計画を進める高能物理研究所の所長が「SPPCは多くの人材を集め、オリジナリティーのある研究につながる」などと反論する事態となった。建設が本当に始まるのか、まだはっきりとは見通せないのが実情だ。
 現在、日本の主な大型加速器としては高エネ研*39の「スーパーKEKB*40」(茨城県)や高エネ研日本原子力研究開発機構が共同運営する「J-PARC」(同)、理化学研究所の「スプリング8」(兵庫県)や日本初の新元素ニホニウムが作られた「RIビームファクトリー」(埼玉県)などが知られる。
 このほか、岩手・宮城両県にまたがる北上山地に直線状の大型加速器国際リニアコライダー(ILC)」を誘致する計画もあるが、参加各国で分担する1兆円近い建設費が最大の課題となっている。そのため、加速器の全長を当初の31キロから20キロへと大幅に縮小する案が浮上。この場合、加速器のエネルギーが半分に落ちてしまうため、計画していた実験の一部ができなくなるという。
 中国が計画を進める加速器はSPPCだけではない。例えば高能物理研究所が広東省東莞(とうかん)に建設中の「核破砕中性子加速器」は間もなく完成し、生命や材料科学、医薬品や国防研究などに用いられる。
 日本の次世代加速器計画が不透明になっているのを尻目に、積極的に前進しようとする中国。このままいけば、SPPCが本格稼働した二十数年後には中国が物理学における世界の中心となり、自国の研究者が秦皇島詣でをする日本の影は、薄くなっていても不思議ではない。

■リベラル21『「自由」は反マルクス主義であり反革命である』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4038.html
での阿部の主張がいかに間違ってるかがこの産経記事によって「改めて」証明されたと言っていいでしょう。仮に楊振寧氏らの反対でSPPCがつくられなくても、あるいは「つくられたSPPCが思ったほどの成果を上げなくても」、阿部の主張が間違っていることはこの産経記事で「改めて」明白と思います。
 しかし産経も科学部だと常識があるのか、それなりに「中国の科学技術の発展」に対して危機感持ってるんですね(苦笑)。
 早速、阿部記事のコメント欄に

■産経【びっくりサイエンス】中国がついにブラックホールも生成へ? 世界最大の加速器を計画、引き離される日本(科学部 小野晋史)
http://www.sankei.com/premium/news/170729/prm1707290019-n1.html
 中国が計画を進める加速器はSPPCだけではない。例えば高能物理研究所が広東省東莞(とうかん)に建設中の「核破砕中性子加速器」は間もなく完成し、生命や材料科学、医薬品や国防研究などに用いられる。
 日本の次世代加速器計画が不透明になっているのを尻目に、積極的に前進しようとする中国。このままいけば、SPPCが本格稼働した二十数年後には中国が物理学における世界の中心となり、自国の研究者が秦皇島詣でをする日本の影は、薄くなっていても不思議ではない。
(引用終わり)
 あなた(阿部氏)の主張のデタラメさが改めて明らかになったと思いますがどう思われますか?。

と投稿しました。どうせ阿部は掲載拒否するでしょうが。しかし「俺が投稿してるのだから」自分の主張「一党独裁の中国では科学技術は発展しない」に対する批判があることは知ってるだろうに、それに対し反論もせず完全無視し、「ただ自分の主張を繰り返す」のだから阿部もどうしようもないバカです。
 阿部の「腐った精神構造」はid:Mukkeid:noharraといい勝負です。そんな阿部を重用するリベラル21もお話にならない駄目サイトです。


■リベラル21『「自由」は反マルクス主義であり反革命である』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4038.html
 『政治的自由を訴えた劉暁波が罪人なら、「政治的自由」は反マルクス主義であり反革命なのだろう』つう話でやっと劉暁波ネタ*41の登場です。
 ただし「まともな知性の持ち主なら」中国政府批判者でも手放しでは支持できない記事内容です。
 というのもこの記事の内容は
■リベラル21『これは灯火が消える前の一瞬の輝きか』阿部治平 
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4031.html
の続編で未だに阿部氏は「中国の科学技術の発展は遅れているが、それは中国が民主主義の点で遅れてるからだ」といってるからです。既に以前小生やid:Bill_McCreary氏が阿部を批判しましたが明らかに事実に反すると思います。
 まあそれについてはid:Bill_McCreary氏記事
■基本的に、理数系の学問振興と政治体制・民主主義の程度は関係ないと思う
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/22346c83316572e990e53822bba215d4
を改めて紹介しておきます。
 何度も言いたいと思いますが「政治的自由が大事な理由はあくまでも政治的に価値があるから」であって「政治的自由があると科学技術分野のイノベーションが促進されて金になるから」ではありません。そもそもそんな事実はない。「旧ソ連が世界で始めて人工衛星を打ち上げたこと」「屠ユウユウ氏のノーベル生理学・医学賞受賞」などをどう阿部氏は説明するのか。どうせこの人のことですから根拠も上げずに「例外的事象にすぎない」「政治的自由があればもっと旧ソ連や中国の科学技術は発展してる」と放言するだけでしょうけど。もう阿部氏は「バカに付ける薬はない」「バカは死ななきゃ治らない」というレベルでしょう。
 阿部氏がそんな事も分からないほどバカとも思えませんので阿部氏は故意にデマを垂れ流してるのでしょう。そしてそんなデマ垂れ流しに荷担するリベラル21です。阿部氏もリベラル21もある意味どうしようもないバカです。
 「中国の民主化要求」という目的が正しければ、どんなウソも許されると思ってるのなら、あるいは「こんなレベルの低いウソに日本人多数がだまされる」と思ってるのなら阿部氏とリベラル21には呆れるほかありません。
 つうか「政治的自由は金になる!」つうなら「日本人の阿部氏」は中国よりもむしろ「独裁的政治」の安倍に言ったらどうなんですかね。安倍も無視するだけでしょうけど。

 ここでは「張維迎の類が北京大学を利用して『墓堀人』を養成するのを絶対に許さない」という論文(以下「反論」)を検討してみる。
https://finance.sina.cn/china/cjpl/2017-07-11/detail-ifyhwefp0577990.d.html?vt=4&pos=108
 張維迎論文の中心は、「中国の過去500年の(イノベーションの)空白は自由が制限されていたからだ。思想の自由がなければ、行動の自由もない。自由があってはじめて中国人の企業家精神と独創力を十分に発揮でき、中国を新しい国家に変えることができる」という点に尽きる。張氏は中国経済の高度成長をそれなりに評価しているのだが、さらにその先の段階へ進むためには徹底した市場化をやるほかないと主張してきた人物である。
 したがって、張維迎への批判は、自由がなくても科学技術は発展するとか、中共施政下でも独創的技術が生まれたとかいうことでなければならない。

 そう言う批判は十分可能でしょう。何度も言いますが「政治的自由の目的や価値」はそんなところにはないし、実際そんな効果もない。むしろ「政治的自由がなければ科学技術は発展しない」「中共施政下で独創的技術は生まれなかった」といったらその方が嘘になるでしょう。
 中国人である張氏が「政治的自由は科学技術を発展させ金儲けになる」というのは「ウソも方便として敢えて認めてもいい」かもしれない(ただそのウソを中国政府が支持するか疑問です。仮に「自由がなければ科学技術は発展せず経済も発展しない」が事実でも「一党独裁擁護」の立場を考えると支持するか疑問ですがウソなのだからなおさら疑問です)。しかし日本人の我々が「張氏の方便を認めてもいいと思うがただそれは事実ではない」と言わずに「そうだ、事実だ」というのは俺的には「愚劣で醜悪」でしかありません。

 ところが(中略)この「反論」が技術開発にまともに触れた部分は、わずかに屠ユウユウ女史が新薬の開発でノーベル生理学・医学賞を受けた事実と、中国「雑交水稲」の父袁隆平氏*42のハイブリッド水稲技術、さらに中国の特許申請件数が世界一の多さに達したことしかない。

 「ところが」「わずかに」て反論執筆者もプロの科学者ではないでしょう。読み手もプロの科学者を想定してないでしょうし、張や阿部の愚論への反論としては必要十分だと思います。これ以上どんな細かいことを書けというのか。

 科学技術分野でのノーベル賞受賞者が屠女史たった一人、めざましい業績が袁隆平氏一人という事実*43は、むしろ張維迎氏の「自由がないところには独創がない」という主張を裏付けるものだ。特許に至っては、洗濯機のごみ取りからips細胞周辺までそのレベルは千差万別だから、特許申請件数が多いことがただちに中共支配下で独自の技術開発が数多くあることの証明にはならない。

 おいおいです。完全に詭弁です。本気とはとても思えません。こんなん書く阿部もバカですが掲載するリベラル21も常識外れです。特許件数の多さを「どうせろくでもないゴミみたいな特許に決まってる」と根拠レスで決めつけるとはいい度胸です。
 また、そもそも「A(政治的自由がない)だからB(科学のイノベーションが少ない)」というには「CやDなどといった他の原因はあり得ない」と証明する必要があり、それはこのケースでは極めて困難でしょう。
 大体「ノーベル賞は1件だけだ」という阿部氏ですが1件だけでもすごいことですし、そのノーベル賞を例えば「韓国がとってないこと」を阿部氏はどう説明するのか。
 まさか「韓国は中国よりも反民主的だ」とでもいうのか。李承晩から全斗煥時代(つまり独裁)まではそういってもいいかもしれませんがそれ以降はとてもそうは言えないでしょう。
 では何故こういう馬鹿な暴論を張氏や阿部が放言するのか。阿部の放言をリベラル21が掲載するのか。
 張氏については分かります。
 「政治的自由で庶民の声を聞くことはそれ自体が大事だ、といっても無視されるから金儲けを全面にだそう」。
 「ウソも方便」として同情の余地はあるでしょう(ただウソなので中国政府が支持するとも思えません)。
 でも阿部やリベラル21には同情の余地はありません。
 阿部やリベラル21がすべき事、それは「張発言が嘘である事」を認めた上で「そのウソに対し同情すること」がせいぜいでしょう。ウソを「ウソじゃない」と強弁するなど愚劣な話です。

【追記】
 どうせ「狭量で反民主的な阿部治平は掲載拒否する」でしょうが

ノーベル賞を1回でも受賞すればすごいと思うんですけどね。韓国は1回も穫れてないわけですから。貴方の珍理論だと韓国は中国より反民主的なわけですか?

阿部さんは
讀賣新聞『日本を抜いた中国の科学技術力〜その知られざる実像』科学技術振興機構中国総合研究交流センター上席フェロー 馬場錬成*44
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160414-OYT8T50077.html
についてどう思いますか?
 馬場記事は間違ってるとおっしゃいますか?。「玄人の馬場氏」に対し「素人の貴方」がそう考える根拠は何ですか?

というコメントを阿部記事にしました。阿部が掲載すれば「俺の批判意見を阿部記事の読者が読める」と言う意味で「御の字」、阿部が掲載しなくても「阿部が狭量で反民主的、恥知らずで嘘つきだと言う事が改めて分かる」「そんな阿部を重用するリベラル21が非常識きわまりない異常なサイトだと改めて分かる」と言う意味ではこれまた俺にとって「別の意味で」御の字です。


■リベラル21『これは灯火が消える前の一瞬の輝きか』阿部治平 
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4031.html
 劉暁波*45死去については扱う気はなぜかないらしい阿部氏です。「皆が取り上げてるものを取り上げても意味がない」つう判断でしょうか?

 7月1日、経済学者張維迎氏は、北京大学国家発展研究院の卒業式で、教授陣を代表して「自由とは責任にほかならない」という表題の講演をおこなった。

 では彼はどんな講演をしたのか。

 自動車産業の技術史をみると、有名な発明者は千をもって数えることがわかる。中国はいま第一の自動車大国だが、技術革新はドイツ・フランス・イギリス・イタリア・ベルギー・スウェーデン・スイス・日本などで行われ、中国人はだれ一人いない*46のだ!
(中略)
 明らかに我々の体制と制度*47に問題があることがわかる。独創力は自由にささえられたものである!。思想と行動の自由だ。

 「また、それかよ、阿部。懲りないやつだな」「いつまで『基本的に、理数系の学問振興と政治体制・民主主義の程度は関係ない』という批判を無視すれば気がすむの?」ですね。
 「中国の科学技術の発展は遅れているが、それは中国が民主主義の点で遅れてるからだ」といういつもの阿部持論です。 
 それを「俺だけじゃない。張維迎氏も同意見だ」という阿部ですが以前小生やid:Bill_McCreary氏が阿部を批判しましたが明らかに事実に反すると思います。
 まあそれについてはid:Bill_McCreary氏記事
■基本的に、理数系の学問振興と政治体制・民主主義の程度は関係ないと思う
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/22346c83316572e990e53822bba215d4
を改めて紹介しておきます。
 「政治学歴史学」ならまだしも「理系の科学技術」は政治体制で阻害されるものではないでしょう。
 つうか内心では阿部や張氏も自分の主張がでたらめだと認識してると思いますが。
 「中国を民主化したい」が「民主化して庶民の声を聴くのがあるべき政治だ」といっても中国共産党が支持してくれそうにないがために「中国共産党が目指してる科学技術発展を一党独裁は阻害する」と言って事実を偽ってるだけの話です。もちろん事実を偽ること自体が問題ですが、その偽りが「簡単にウソがばれるレベル」だからなおさら話になりません。
 なお、俺はあくまでも「阿部や張氏はもろばれの嘘はやめろ」と書いてるだけで「民主化しなくてもいい」とは言っていません。「民主化の目的は科学技術の発展とは別のところ(庶民の声を政治に反映させる)」にあるわけです。
 大体、阿部や張氏の理屈なら「民主国家は軒並み独裁的国家より技術が発展してる事」になるでしょうがそんな事実はどこにもないでしょう。張氏の場合は「北京大学教授」という立場を考えればこういう物言いも仕方ないかもしれない。しかし阿部のような日本人がこうした嘘を支持するのはばかげています。

 今日、食事の前とトイレのあと手を洗うのは習慣となった。だがハンガリーの内科医Ignaz Semmelweis*48が、医者と看護師は産婦に接触する前に手を洗う必要があるといいだしたのは、1847年のことである。
(中略)
 1590年、オランダの眼鏡製造商Janssen父子は、いくつかのレンズを円筒の中に重ねておくと、ガラスを通してみたものが大きくなるのに気がついた。これが顕微鏡の発明につながった。
(中略)
 ドイツの医者Robert Koch*49などは、まさにこの顕微鏡を使って微生物・細菌を発見し、かのIgnaz Semmelweisの見方が正しかったことを証明した。これによって微生物理論と細菌学が創設され、これによって人類の衛生習慣が改善され、人類の余命が大幅に延長されることになったのである。

 「いや、だからそれ、政治の民主化となんか関係あるの?」ですよね。

*1:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク・ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版)など

*2:揚げ足取りになりますが、むしろ「ほとんど(アジア、アフリカの発展途上国など)は独裁的」じゃないですかね。

*3:まあそうですけど「三選できない米国大統領制度」のような任期制がないと英国のサッチャー首相(1975〜1990年:約15年)、ドイツのコール首相(1982〜1998年:約16年)、インドのネール首相(1947〜1964年:約17年、就任してから死ぬまで首相)のような独裁国家の指導者でもあまり例のない長期政権はあり得ます(今の中国だと国家主席は1期5年、三選禁止ですから10年が限度(例:江沢民胡錦濤氏。任期変更がない限り習近平氏も同じです)であり、サッチャー等はそれを上回る長期政権の訳です)。まあ「建国の父(初代首相)」ネールの場合そのカリスマ性がすさまじいという特殊事情がありますが。

*4:電子工業大臣、上海市党委員会書記・市長などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*5:中国共産主義青年団共青団)中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:名前知りませんけど

*7:シラク政権内務相、経済産業相などを経て大統領

*8:池田、田中内閣外相、佐藤内閣通産相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*9:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相などを経て首相

*10:勿論大腸炎は辞任理由ではありませんが。辞任理由は「政権支持率低迷で政権運営がとてもできないこと」であり大腸炎はそのストレスによる発病に過ぎません。

*11:吉田内閣蔵相、通産相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*12:山本薩夫監督によって映画化もされた石川達三の小説「金環蝕」のモデルになった事件。池田に近いと言われる鹿島建設九頭竜ダムの受注をしたことについて鹿島に有利なる便宜が図られたという不正行為が疑われた。

*13:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*14:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*15:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*16:首相を経て大統領

*17:副大統領を経て大統領

*18:ミッテラン政権首相、シラク政権経済産業相、オランド政権外相を歴任

*19:本当に実益無視かは疑問ですが。

*20:まあ実際それにとどまるのか無知な俺は知りませんが

*21:著書『中国と台湾』(2003年、講談社現代新書)、『「領土問題」の論じ方』(共著、2013年、岩波ブックレット)など

*22:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*23:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相。現在、民進党最高顧問

*24:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官民主党代表代行(菅代表時代)など歴任

*25:鳩山、菅内閣外相、民主党幹事長(鳩山、菅代表時代)、野田内閣副総理・行革担当相、民主党代表代行(海江田代表時代)、民主党代表を歴任。現在、民進党常任顧問。

*26:鳩山、菅内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相など歴任。

*27:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)など歴任

*28:政府から大学や研究機関に渡される研究予算のこと

*29:江西省省都

*30:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*31:著書『トウ小平の遺産』(1995年、岩波新書)など

*32:ダバオ市長を経て大統領

*33:正確には「文系の廃止」です。

*34:著書『万博幻想』(2005年、ちくま新書)、『親米と反米:戦後日本の政治的無意識』(2007年、岩波新書)、『博覧会の政治学』(2010年、講談社学術文庫)、『大学とは何か』(2011年、岩波新書)、『万博と戦後日本』(2011年、講談社学術文庫)、『夢の原子力』(2012年、ちくま新書)、『「文系学部廃止」の衝撃』(2016年、集英社新書)など

*35:著書『科学者とは何か』(1994年、新潮選書)、『ハイゼンベルク』(1998年、講談社学術文庫)、『科学の現在を問う』(2000年、講談社現代新書)、『安全と安心の科学』(2005年、集英社新書)、『人間にとって科学とは何か』(2010年、新潮選書)など

*36:著書『平成不況の政治経済学』(1994年、中公新書)、『地球温暖化を防ぐ』(1997年、岩波新書)、『市場主義の終焉』(2000年、岩波新書)、『日本の「構造改革」』(2003年、岩波新書)、『この国の未来へ:持続可能で「豊か」な社会』(2007年、ちくま新書)、『グリーン資本主義』(2009年、岩波新書)、『経済学のすすめ』(2016年、岩波新書)など

*37:誰のことですかね?

*38:受賞当時は台湾(中華民国)籍だったが今は中国籍。したがって受賞時に中国籍である最初の理系分野・ノーベル賞受賞者は2015年の屠ユウユウ氏(ノーベル医学・生理学賞)

*39:高エネルギー加速器研究機構の略称

*40:KEKB(スーパーKEKBの前身)での実験により「小林・益川理論(1973年発表)」の正しさが確認され小林誠(元・高エネルギー加速器研究機構原子核研究所長)と益川敏英名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構長、元・京都大学基礎物理学研究所長)に2008年のノーベル物理学賞が授与された(ウィキペ「KEKB」、「Bファクトリー」参照)。

*41:とはいえ書き出しで劉が出るだけで後はずっと■リベラル21『これは灯火が消える前の一瞬の輝きか』阿部治平(http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4031.html)の続編です。

*42:まあ、屠氏、袁氏は日本における「湯川秀樹」レベルのビッグネームなんでしょう。

*43:「めざましい技術が彼らだけ」ではなく「ほとんどの中国人が説明無しでも知ってるすごい有名科学者が彼ら」「中国科学界の王、長島が彼ら」つうことでしょう。世間的知名度が低くてもすごい学者なら他にもいるでしょう。ただそんなん出しても読み手が分からないわけです。たとえばウィキペディアに寄れば「日本プロ野球歴代選手で現時点で最も生涯通算打率がいい」のはロッテで活躍した「レロン・リー」だそうですがレロン・リーなんて彼が活躍した時期(1977〜1987年)はともかく今はよほどのプロ野球ファンじゃなきゃまず知りません。

*44:元読売新聞記者。科学ジャーナリスト。個人サイト(http://westisle.typepad.jp/babarensei/)。著書『物理学校:近代史のなかの理科学生』(2006年、中公新書ラクレ)、『ノーベル賞の100年:自然科学三賞でたどる科学史 [増補版]』(2009年、中公新書)、『大村智:2億人を病魔から守った化学者』(2012年、中央公論新社)、『「スイカ」の原理を創った男:特許をめぐる松下昭の闘いの軌跡』(2014年、日本評論社)、『大村智ものがたり』(2015年、毎日新聞出版)など

*45:2010年ノーベル平和賞受賞者。著書『現代中国知識人批判』(1992年、徳間書店)、『天安門事件から「08憲章」へ』(2009年、藤原書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)、『最後の審判を生き延びて』(2011年、岩波書店

*46:なお、実際に「だれ一人いないのか」どうかは俺は知りません。

*47:もちろん文脈から考えて「一党独裁」のことでしょう。

*48:1865年、センメルヴェイスに敵対する医師の集団が、嘘の説明で彼を精神療養所施設に呼び出した。異変に気づいた彼が逃亡を計った際、集団から殴打を受けその時の負傷が元になり同施設で死亡。彼の説が当時受け入れられなかった最大の理由は、「患者を殺していたのは医師の手である」という医師にとって受け入れがたい結論にあった(当時、彼の論文を読んだ医師がショックで自殺する事件まで起きた)。また、彼自身が論文を書くのを苦手としたために、研究成果を論文発表することが大きく遅れた点も不幸だった。それでも、スイスの雑誌に発表した論文がイギリスの外科医ジョゼフ・リスターに読まれ、手を消毒することで細菌感染を予防するという消毒法がもたらされた。1889年、ルイ・パスツールが科学会議の席上において「センメルヴェイスが消し去ろうとしていた殺し屋とは連鎖球菌である」と発表した(ウィキペ「センメルヴェイス」参照)。

*49:結核菌、コレラ菌の発見などで知られる。1905年のノーベル生理学・医学賞受賞者。